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Posted: May 7, 2024 @ 12:20am
Updated: Nov 27, 2024 @ 3:11pm

Early Access Review
プレイヤーは天才的頭脳を持つ科学者。対する敵は軍隊、エイリアン、ロボットに超自然的存在、果てにはゾンビまで。
様々な脅威が蔓延る巨大研究施設で探索や拠点構築を進め、最終的には施設からの脱出を目指すクラフトサバイバル。
ソロでもフレンドとでも楽しむことができ、クラフトサバイバル好きにはもちろん、初代Half-LifeやSCPが好きな人にもオススメしたい良作。




良い点
  • 初代Half-Lifeを踏襲しつつ現代的な視覚効果が加えられたグラフィック
  • 探索しがいのある広大なマップ
  • メリットとデメリットを自分で選べるキャラクタービルド
  • 防衛やハウジングが楽しめるベースビルディング
  • いかにも科学者(っぽい)色々な武器やアイテム
  • 様々な超常的存在に関するロア
  • 一部に抜けがあるものの質の高いローカライゼーション
  • 気軽に楽しめるバカゲー感

悪い点
  • 一部非常に分かりづらいストーリーの導線




マップ・探索
本作は明確にストーリーのあるクラフトサバイバルということで、2,000円台という価格設定もあってボリュームにはそこまで期待はしていなかったのだが、ストアのトレーラーやスクリーンショットを見るに、20時間以上プレイした時点で未だに見ていないロケーションや敵、武器が残っているのにはいい意味で期待を裏切られた。

舞台は地下深くに作られた巨大研究施設だが、内部は様々な区画――オフィス区画や製造区画、研究区画などに分かれており、区画ごとに違ったテーマや雰囲気が感じられるため、あまりマンネリとした印象はなかった。新たな区画に行けば新しいアイテムが発見でき、クラフトできる武器や設備の幅がちゃんと広がるように作られている点も大きい。
また、施設内の各所にはアンテバースと呼ばれる別次元へと繋がったポータルがあり、これらを通って訪れることのできる施設以外のマップも複数存在する。ポータルを通り抜けた先に、これまでとはまったく違った風景が広がっていたときの高揚感を、是非ともプレイして体験してもらいたい。

施設の区画1つ1つはそこまで大きくはないが、それらが複雑な経路で繋がっており、さらには別次元へとつながるポータルまであるため、慣れるまではとにかく迷いやすい。自分のように方向音痴気味の人は特に悲惨なことになる。一応マップはあるものの、現在地などは表示されないただの見取り図なので気休め程度にしかならない。
さらに、この施設は夜になると電源が落ちて真っ暗闇になってしまうため、うっかり時間を忘れて慣れない区画まで遠出してしまうと、最悪の場合死んで拠点に戻る羽目になる。

これだけ巨大な施設なので、探索範囲が広がるにつれて徒歩移動が徐々に大変になっていくが、キーアイテム入手後に利用できるようになる新たなショートカットや、施設内で自由に運転可能な乗り物、区画間を走るトラムといった移動手段も用意されているため、これらを活用すれば効率よく探索することが可能となる。道を覚えられればの話だが。

クラフト・ベースビルディング
本作でクラフトできるアイテムの数々は、「科学者が施設内で手に入れたものを活用した発明品」という設定に沿ってデザインされている。序盤に作成できるアイテムのありあわせ感、そして後半になって作成できるようになるアイテムの(トンデモな)ハイテク感は見ていてとてもワクワクさせられる。
また、クラフト時にチェストから直接アイテムを使用したり、中間素材をすぐにクラフトできたりと、ユーザビリティに配慮した機能が既に実装されている点も嬉しいところ。

クラフトできるアイテムの種類も多岐にわたり、武器や防具、拠点防衛用のバリケードや迎撃設備、電源のマネジメント用品、その他にも料理や農園、ペットに関するアイテムもある。
つまり、敵と戦ったり探索を進めたりするだけでなく、拠点を充実させて料理や農業に精を出すのもまた一つの楽しみ方としてしっかりと用意されている。
農園で紫色の怪しいトマトを育て、近くを彷徨いているエイリアンをシバいて肉を手に入れ、遠征から帰ってきた仲間に温かいスープを振る舞えば、緊急事態の最中とは思えないスローライフ感が得られる。ナチョスで懐柔したエイリアンをハムスターのごとく愛でるのもまた一興。

ベースビルディングに関しては、プレイヤーはあくまで施設内に脱出までの一時的な拠点を構える体なので、土台や壁、天井を使って家を作るようなことは(少なくとも現時点では)できない。基本的には施設の中で拠点とする場所を決め、夜になると発生する敵の襲撃に備えてバリケードを築いたり、防衛設備を設置したりといった内容が主になる。
こう聞くと些か薄味のように思われるかもしれないが、敵の巡回ルートや襲撃方向から有効な防衛手段を考えたり、夜間に備えた電源のマネジメントを考えたり、より安全な場所や利便性の高い場所を探して引っ越ししてみたりといったことが中々に楽しい。
また、施設を探索する中で気に入った、あるいは有用な家具や設備があれば、持ち帰って拠点に配置することが可能なので、ハウジングが好きなら一層拠点の構築や探索を楽しめるだろう。

ストーリー・ロア
ストーリーはHalf-Lifeよろしく全てプレイヤーの一人称視点で描かれ、基本的には施設内で出会う他の生存者との会話やキーアイテムの作成によって進行していく。進行自体はやや淡々とした印象を受けるものの、この施設で今何が起きているのか、施設を跋扈する脅威は一体どういった存在なのか、その全貌が徐々に明らかになっていく様子は実に興味深いものだった。
それに加え、ゲームに登場する超常的存在に関するロアが様々な場所に音声記録や電子メールとして多数残されており、これらを聞いて眺めるだけでも結構なボリュームがあるため、早期アクセスとは思えないほどの満足感が得られた。

ストーリーの進行状況や現在の目標はジャーナルからいつでも確認できるが、一部のストーリーの導線があまりにも分かりづらかった点はこれからのアップデートでの改善に期待したい。
具体的には、オートタレットが稼働していて危険なので(また閉じ込められている生存者を助けるため)、コントロールセンターへ行って設定をオーバーライドするところ。コントロールセンターへ続くポータルがどこにあるのか分からずかなり苦戦したが、まさかタレットが稼働しているエリアを蜂の巣にされながら気合で抜けた先に順路があるとは思わなかった。




総評
早期アクセス作品であるものの、現時点でも十分なボリュームがあり、致命的なバグなどもなく品質は非常に高い。随所にも遊びやすくなるよう工夫をこらしていることが伺え、これからの開発にも大いに期待が持てるところ。今から大型アップデートや完成版のリリースが楽しみである。トレーラーや概要を見て少しでも面白そうだと感じたならば、是非とも購入することをおすすめする。

おまけ
ゲーム内のVCをオンにすると、喋ったときにキャラクターの口が動くので面白いぞ!
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