ローグライクゲームとされているが、元は実物（非電源）の1人または2人用カードゲーム。ただし、よくあるデッキ構築や手札は無く、固定のカードセットで複数の6面ダイスを用いて結果を判定する。敵や罠のカード1組を山札にして、表にしたものとだけ遭遇して行き、山札が尽きると次の階へ降りる。この一連の流れが、あたかもランダムエンカウントのダンジョンのようで、タイトルの通りとなっている。

敵や罠には、数字が書かれた黄色・ピンク色・青色いずれかのマス目、「チャレンジボックス」が複数書かれている。ダイスにも黄色・ピンク色・青色の3色と、そのどの色としても扱える黒色があり、同じ色で数字以上のダイスを置くことで、チャンレンジボックスを覆うことができる。その後、覆えなかった箇所のペナルティを受けて、戦利品獲得へと進む。この時に重要なのがスキルで、黄色のダイスを1から6に変換するなど、値を操作することができる。

経験値を獲得してレベルアップしたり、アイテムを獲得してダイスを増やしたりという成長要素もある。敵や罠には、そのダンジョンの階層分のチャレンジボックスが追加されるため、下の階ほど難しくなるということも表現できている。1階から3階まで繰り返し、その次に現れるボスを撃破すればクリアとなる。

日本語非対応。実際にやってみると高校英語で十分対応できる。「HOW TO PLAY」には英文がびっしり書かれているため、特にプレイ前には理解しづらく、敷居が高く感じた。そこで、ゲームの流れを日本語で説明したガイドを作ったので、購入検討用としても参考にしてみてほしい。
https://steamcommunity.com/sharedfiles/filedetails/?id=1999142272

おすすめ度：★★★★★（5点 / 5段階）
購入価格：￥202

独特な戦闘が面白い。スキルによって値を変換しながら、いくつものダイスをチャレンジボックスに当てはめていくのは、毎回簡単な算数パズルを行っている感覚。終盤には一気に15個以上のダイスを振り、スキルも複数個になるので、ほどよく頭を使うのがとても楽しい。

PCゲームとしては、紙のカードゲームを忠実に移植できている印象。操作性も良く、画面が暗くなって選択可能な部分だけが光ったり、操作の取り消しが大幅に認められていたりと工夫されていて、快適にプレイできた。また、定期的なアップデートによる改善も行われている。

惜しい点として、ランダム要素が少なく感じる。敵や罠は、チャレンジボックスの色や数字のみならず、落とす戦利品との組み合わせまで固定されている。また、職業にあたる主人公も6人いるが、固有の技はボス戦では使用できず、アンロック要素も同じと変化に乏しい。そのため、周回プレイをする上で飽きが来るのが早かった。

もう1つの難点として、ビジュアル面がいまいち良くない。イラストは海外らしい塗りのリアル調で、最初の画面で敵のネズミが画面下を横切る演出も誰得。文字のフォントも微妙で派手な演出なども無い。地味で退屈だという印象にもなりそうで、全体的にあまり日本人受けしないデザインだと思う。

当初は今ひとつの作品という評価だったが、ついプレイしたくなる魅力があり、DLCを全て購入するほどのめり込んだ。ダイスの運をスキルや成長要素でカバーする戦略性・パズル要素が楽しく、是非プレイして欲しい作品。購入時には8割引だったが、半額セールの頻度も高く、価格的にも強くおすすめできる。

20時間で全60個中28個を解除。DLC無しでは半分以下しか解除できない。隠し実績もあるが、DLCを購入後にほぼ全て解除することができたため、ガイドを作成した。
https://steamcommunity.com/sharedfiles/filedetails/?id=2266442462