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岳陽楼（世界遺産）

岳陽楼は洞庭湖岸に位置し、北は長江に寄り添っている。その壮大で優雅な構造、ひときわ明るい兜屋根、そして美しい景観から、古来より「洞庭は天下の水、岳陽は天下の楼閣」と言われてきた。岳陽楼は元々、三国時代に魯粛が洞庭湖で水軍の訓練を監督するために建てた閱軍楼だった。時代の流れとともに、岳陽楼は次第に軍事的な機能を失っていった。長江や洞庭湖に隣接し、陸路でも水路でも行き来しやすく、風光明媚であったため、北から南へ旅する文人（多くは追放されたため）が度々訪れて詩を詠んだ。北宋の時代、滕宗諒（または滕子京）は讒言により岳州太守へ左遷され、岳陽楼の再建や偃虹堤などの施設を建設した。岳陽楼の修復が完了した後、彼は文友の范仲淹に手紙を書き、記念文の執筆を依頼した。范仲淹は有名な『岳陽楼記』を書いた。「天下の憂いに先んじて憂え、天下の楽しみに後れて楽しむ」という名文句は、まさに士大夫の精神を体現したものと言えよう。



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