Doki Doki Literature Club

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DDLC1周年記念作者実況コメンタリーまとめ+今後の活動について
Von nckomaki
DDLC発売1周年を記念して作者ダン・サルバト本人がTwitchで実況した際のコメンタリーのまとめの日本語訳です。
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DDLC発売1周年を記念して、作者ダン・サルバト氏本人がTwitch上で3回にわたって実況しました。

DDLC anniversary stream :)
https://www.twitch.tv/dansalvato/videos?filter=all&sort=time
2018/9/23、9/24、10/15

その実況コメンタリーをRedditのまとめも参考にしながら日本語に翻訳してまとめました。
セリフや詩に隠された意味についてもかなり詳しく解説しているので、RedditのAMAと同様、DDLCについて深く知りたい人には必読だと思います。当然ですが、ネタバレありです。
Team Salvatoの今後の活動についての翻訳を末尾に追加しました。

注意
この翻訳も好きに引用してもらってかまいません。引用元を記載する必要もありません。
コメンタリーまとめを全体的に見直して、省いていたコメントもすべて抄訳しました。DDLCを理解するうえであまり関係のないコメントは「その他のコメント」として別枠に集めてあります。


★関連ガイド
Redditの「ダン・サルバトだけど何か質問ある?」翻訳
Redditの「ダン・サルバトだけど何か質問ある?プラス」日本語訳
@lilmonix3のツイート日本語翻訳
DDLC-MOD「Our Time」日本語化パッチ
2018/9/23:1回目の実況コメンタリーまとめ
1回目のヒアリングが終わりましたので、下記のRedditのスレッドをもとに@YamnewB様のツイートも参考にしながらまとめ直しました。末尾の(H:mm)は、その発言があったおおよその時間です。

Summary of Dan's First DDLC Anniversary Stream
https://www.reddit.com/r/DDLC/comments/9ici99/summary_of_dans_first_ddlc_anniversary_stream/


3行まとめ

わざと日本の恋愛ゲームを下手に翻訳したような文体にした。「この世界は5分前にできた」。モニカの詩は、すべて彼女が陥っている境遇への悟りについて。モニカの名前は、ベッキーとかカレンだったかも。ナツキの性格は、悪い友達に囲まれているせい。ナツキとユリが同じ砂浜の詩を書いたのは、お互いを尊重し始めた証。「月姫」の遠野秋葉の誕生日は、DDLCの発売日と100%一致。


ストーリー

出だしは、恋愛ゲームでありがちな展開にしたからスラスラ書けた。アニメでも何度も観た展開。過去に書いたのはシリアスなものだったから、息抜きになって楽しんで書いた。
それぞれのキャラクター紹介になるようにセリフを調整した。(0:08)

「最高にかわいい子だらけじゃないか!」:何の気なしにこのゲームを遊び始めた人にとって、このシーンが「いったい何が起きてるんだ」と思うポイント。
それと、恋愛ゲームやアニメを観ない人には、ナツキがツンデレだと分からないし魅力も分からない。「アニオタが好きそう」「自己中」みたいな印象。一方、そういう人はユリが好み。「シャイで可愛い」。(0:13)

日常系の魅力は、キャラ同士がふざけ合ったり、性格の違いからぶつかり合ったりするところ。気の利いたセリフやギャグよりも、そうしたほうがキャラクターと一緒にいたくなるので重視した。(0:15)

わざと日本の恋愛ゲームを下手に翻訳したような文体にしている。たとえば、「それは…」みたいに語尾を濁すのは英語では聞かない。アニメやマンガ、VNではよく聞くし、風刺としてのメタ要素でもある。
アニメ好きの少年が初めて作ったビジュアルノベルような感じで、ニセの日本を舞台にアニメキャラが使いそうなフレーズを満載にするようにした。「バカ」「あんたのために作ったんじゃないんだからね」。
一方で、第一印象としてプロのスタジオが作ったように見えるように、タイトルスクリーンとメニューは、本当に頑張った。(0:18)

西洋でのアニメ文化は、アニメが好きであると同時にアニメをからかい、さらにはアニメファン自身もからかうようなところがある。DDLCは、そうした西洋でのアニメ文化を背景とした風刺になっている。(0:24)

開発途中にアンダーテールや「ととの(=君と彼女と彼女の恋)」と似てると言われたので、影響を受けないように遊ばないようにした。
DDLCの中心概念は、それほど目新しいわけじゃない。日常系アニメとかでもそうだけど、似たようなプロットでも特に気に入ったキャラや演出があったりする。それと同じで、DDLCを気に入ってくれた人がたくさんいるだけで本当に幸せなんだ。(0:26)

MCは、恋愛ゲームにありがちなことを話す白紙みたいなもの。幼馴染にはいじわるで、シャイな子は勇気づけて、ツンデレをからかう。もちろんクラスで人気の子にはおどおどする。(0:40)
※MC=メイン・キャラクター(主人公)

ボイスは初めから付けるつもりはなかった。付けようとするとプロジェクトが大きくなり過ぎて手に負えなくなるし、日本語を下手に翻訳したような文体にしてあるので声に出すと違和感がある。(0:44)(3:44)

モニカ空間でセリフをランダムに表示する際に、存在しないセリフを表示しようとしてしまい同じセリフを永遠に繰り返すバグがあった。このバグを修正したら、一部のユーザーからクレームが来た。「これは、モニカが自分と永遠に一緒に居たいという意志なのだから、直さないでほしい」と。
ほとんどの人にはただのバグでも、一部の人には大切な体験だったりする。おかげで、ゲーム体験は本当に主観的なものだと学んだ。(1:48)

RedditのAMAでも書いたけど、Act 2の要点は、もやは文芸部についてでもナツキでもユリでもないってこと。モニカについて。モニカがどうにかしてプレイヤーに自分以外を嫌わせようとした。ユリには強迫観念があったから、ちょうどいい媒体だった。(1:57)

伏線をセリフに忍ばせておくのは面白い。「わたし死ぬまで執筆し続けるんだ!」「この部にいると、私そのうち死んでしまうかも……」「部員を殺そうとでもしてんの?」(2:15)

彼女たちのゲームが始まる以前の記憶は「この世界は5分前にできた」という奇妙な哲学に似ている。この世界は5分前に突然出来上がって、その時点で過去の記憶も含めてすべて作られたから、私たちにはそれを知るすべがないという仮説。(2:36)


モニカ

エンディングのモニカの声がみんながイメージしてる声とは違うだろうから、そこでゲーム体験をダメにするんじゃないかと心配した。でも、エンディングをああしたかったので、やむを得なかった。(0:46)

プレイヤーが他の子といい雰囲気になると決まってモニカが横から割って入ってくるのが楽しい。「勘弁してよモニカ」という感じ。モニカにはルートがないことがこのゲームの要点。 (0:52)

この時点では、モニカはゲームに紛れ込んだガイドキャラクターというかマスコットみたいな感じ。モニカは自分の役割を分かっているけれど、プレイヤーが同じキャラを選び続けると嫉妬を隠せなくなる。(1:14)

モニカの詩はすべて、彼女が陥っている境遇への悟りについて。他のキャラのように詩の意味を説明しないのは、いきなり第4の壁を越えてプレイヤーの気分を害したくないから。(1:17)

「本日のモニカちゃんの執筆アドバイス」:「ずっと同じ場所にペンを構えていても、できるのはただの大きなインクの溜まりだけ」のセリフは、もちろんYour Realityの歌詞への参照。この歌詞のイメージをはっきりと伝えたかったから、それを説明するために「執筆アドバイス」を入れた。(1:18)

Act 1でモニカがゲームを変え始めるターニングポイントは、おそらくサヨリが明らかに気落ちしたあたり。モニカが何もしなければプレイヤーは誰かとどんどん親しくなるだけだと理解した。
でも、具体的にモニカにどんな影響力があったかは分からない。この世界も現実と同様に常に変わっているから、モニカがこうしたからこうなったとは言えない。(1:59)

「あなた達って、本当に相性ピッタリなのね!」:サヨリと仲が良すぎることへの皮肉。特定の子と仲良くならないように、別の文体を試すように促す。(2:24)

「私って近づきにくかったりなんかしない?」:文字どおり近づけないよ。(2:26)

「私をセーブして」:プレイヤーがゲームを止めてる時にモニカが経験していることの詩。ゲームを止めた時、ゲームに割り当てられていたメモリは消されずにランダムに別のデータに置き換わっていく。モニカまたはモニカの世界が死んでいくような、あるいはノイズに置き換わっていくような体験。(2:26)

「ゲームをセーブするのを忘れずにね!」:ここで第4の壁を破っているけれど、プレイヤーがそれに気が付くのは後になってから。モニカもコミックリリーフとして無邪気に分からないふりをしてる。(2:28)

「MON-IKA(イカ)!」:このへんで、このゲームが日本語から訳されているふりをしてることをほのめかしたいと思った。日本語と英語を行ったり来たりする面白さ。日本語のシャレを言ってるわけだから日本語で話してるはずだけど英語で話している。つまり翻訳されてる。
「私の名前はそんなふうに読まない!」:日本語だと「モニカ」。でもナツキは「モン-イカ」と発音して、それはモニカの読み方じゃない。日本語を知らないと理解できないことを英語でそのまま書いてる。これがこのゲームのおかしさで、それを示してる。(2:42)

モニカの名前は、ゲームで明らかに別の役割だから目立たせたかったのが理由の1つ。それと、いろんなメディアで聞く学校で人気の子の名前がいつもモニカとかベッキーだったから。そんなに深く考えたわけじゃない。カレンだったかも。(2:44)
モニカの名前が日本語だったら何になったかは決められない。モニカはモニカであってほしいから。(2:07)

「全てを知る女性」:知識や全能を探し求めても幸せは得られないという、ストーリー形式にした詩。(2:59)

「よし、みんな!」:全員にキャッチフレーズを用意しようと思った。これは先生や上司が使いそうなフレーズ。(3:04)

モニカは、才能はあるけど完璧じゃない。世界を壊そうとする以外は、いたって普通の人。(3:11)

モニカの黒ニーソは、最初ユリの予定だった。キャラの特徴づけとして考えたんだけど、他のデザイナーと話して、ユリはそんな注目されるようなことはしそうもないから、モニカにした。モニカならいろんな意味で違ったキャラだし、自信家だから。(3:47)


サヨリ

サヨリの性格は、いろんなアニメや恋愛ゲームから影響を受けている。たとえば、けいおん!の唯も少し入ってる。陽気でドジで抜けてるけど、みんなを元気にしようとしてる。(0:09)
サヨリは頭が悪いわけでも頭が悪いふりをしてるわけでもない。周囲の人間関係を和ませる種類のアホっぽさ。(2:10)

サヨリの驚いた顔が気に入ってる。無邪気でアホっぽいところがサヨリらしい。(2:09)


MCとサヨリのやり取りは書くのが難しかった。他の部員はMCと初めて会ったのと違って、MCとサヨリにはすでに歴史があったので、それを考慮してセリフを書かなければならなかった。
それと、MCはサヨリにいじわるだけれども本当にいじわるな性格というわけではない。MCはサヨリを旧友と思っていて古くからの付き合い方を急に変える方法を知らないだけ。(0:48)(0:53)(0:59)

「親愛なるお日様へ」:この詩は、サヨリのうつについて。動機がないと朝ベッドから永遠に起きられない。お日様はMC。最後の行は、サヨリのアホっぽさを出したかった。(0:57)

「助けて、サヨリ!!」:ナツキとユリの口論でサヨリに助けを求めるのは、何の解決にもならないし、不必要にサヨリを巻き込んで代わりに重荷を背負わせるクソみたいな選択だけど、なにしろ恋愛ゲームだから結局は魔法のように上手くいく。(1:26)

「ビン」:最も好きな詩のうちの1つ。前の詩とはかなり対照的で、このへんでシリアスさを出していこうとした。サヨリは友達みんなを幸せにしようとして、自分には何も残っていない。
サヨリが経験しているうつをうまく表現できたと思う。この詩を読んでもMCはサヨリのうつに気が付かなかったけれど、サヨリ自身みんなに気づいてほしくなかった。文芸部に入ってから自分を表現する魔法のはけ口として詩を書くようになった。(2:11)

「ちょっと疲れてるだけかな」:MCは、サヨリに優しい言葉をかけても、ありがちな恋愛ゲームのようには効果がないことが分からない。もっと現実的な視点からうつを捉えようとした。ここまではありがちな恋愛ゲームだけれども、ここから流れを変えようとした。(2:47)


ナツキ

「ワシは飛べる」:この詩がシンプル過ぎてネットでよくからかわれているので、悪いと思ってる。この詩には、ナツキの自信のなさと「自己実現的予言」が感じられる。(1:02)

ナツキは損な性格。ナツキの性格は、悪い友達に囲まれているせい。中高生によくあることだけど、お互いにからかったりいじわるしたり。マンガとかが好きなことをみんながからかうせいで、自尊心を失ってしまった。ナツキが自己主張が強かったり他人にいじわるなのは、そのせい。それも文芸部に入って変わっていく。(1:06)

「エイミーはクモが好き」:この詩のテーマは、みんなの趣味を尊重するということ。ナツキが自分の趣味で尊重されなくて、それがどれほど馬鹿げてるかと思ってるかということ。(2:16)


ユリ

ユリの「最近よく読んでるのはホラーなんです…」のセリフは、開発当初はスティーブン・キングだった。「がっこうぐらし!」でスティーブン・キングを読んでるキャラがいて可愛いアニメがホラーになる展開だったからパクリだと非難されたくなかったので変えた。(0:21)

ユリは中二病で、他人に嫌われたくないし、本心を口に出すのを恐れている一方で、自分をからかう他人を幼稚な人間だと見下してもいる。防衛機制。
中二病だから、隠喩的で超抽象的な自分の詩は他人のよりも技巧的だと思っているけれど、必ずしもそうではない。
高2の頃、自分も同様の経験をした。中二病で、傲慢なクズだった。周囲の状況を理解しないオドオドした変人だったけど、周囲を見下していた。(1:10)

「アライグマ」:アライグマは、ユリの強迫観念や依存症の隠喩。アライグマにパンをあげればあげるほどさらに欲しがる。※パン(bread)、血(blood)。(2:21)

ユリが詩の朗読を急にやる気になったのは、自己表現するという考えに夢中になったから。(2:32)


ナツキ×ユリ

ゲームを通してナツキとユリの人間関係が好きなんだ。二人とも違った方向で傷と不安を抱えている。二人ともお互いに学べることがあると思うんだけど、Act 1では詩について固定観念に囚われていて仲たがいしてしまった。傷を抱えたキャラクターを表現する良い方法だと思った。(1:22)

他人が楽しんでるものをバカにしてはいけない尊重すべきだというのは、このゲームに込められたテーマだけれども、このゲーム自体がありがちな萌えギャルゲーをからかっていてプレイヤーもそれを楽しんでいるところが皮肉な風刺になっている。
ナツキとユリもAct 4ではお互いの趣味を尊重するようになり、それが周囲も幸せにしている。(1:28)

自分はキャラクターに愛着を持ってるから、ナツキとユリが希望を失って不幸になるシーンを書くのは本当に辛かった。人として相応しい幸せを与えることができなくて。でも、それがこのゲームなんだから受け入れるしかなかった。
人生は、いつもハッピーエンドとは限らない。どうにもできないこともある。それをフィクションで経験するのも悪いことじゃない。それも人生の一部なんだ。それによってキャラクターに愛着を感じて、なにか特別な経験を与えてくれる。(2:05)

「砂浜」:二人とも砂浜の詩を書いたのは、少しずつお互いを尊重し始めた証。二人とも認めたくないけれど。
ナツキの「あなたの砂浜になる」は、他の人のためになりたい、誰か親友が欲しいという表れ。
ユリの「砂浜」には、たくさんの隠喩の中にユリの人生観が隠れている。平穏を見つけるか憂鬱に戻るか。ユリは韻を踏むのは好きではないけれど、最後の行は韻を踏んでいる。超中二病っぽい。(2:50)


音楽

映画やゲームには、終わった後でも最初のフレーズを聴くだけですべての体験を思い起こさせるようなテーマ曲がある。自分の音楽の能力はぜんぜんプロレベルじゃないけど、そうした曲にしたいと思って、ハミングしたくなるようなシンプルなメロディーでモチーフを繰り返すようにした。(0:37)

「Okay, Everyone!」:好きな曲の1つ。それぞれのキャラや雰囲気に合わせてアレンジしてある。(0:56)

「Poem Panic」:この曲は、妹と喫茶店にいた時に思い付いた。Spotifyに入ってる曲を喫茶店で聴いたから、曲のベースラインぐらいしか聴こえなかった。家に帰ってそれを思い出しておかしな感じで跳ねるような曲を書いた。(1:24)

「My Confession」:ありがちな悲しいピアノ曲にはしたくなかった。テーマ曲やポエム・ミニゲームのメロディーを少し思い出すような曲にしたかった。(2:33)

音楽的なバックグラウンド:長年趣味で音楽ソフトをいじってたけど、作曲について何も知らなかったからひどい出来だった。でも長年やってたから、このゲームの必要な分ぐらいはピックアップできた。自分には基本的な知識しかないから、他のゲームだったら作らなかったはず。(2:35)

「Dreams Of Love and Literature」:この初期バージョンは、20XXのトレイラーで使ってる。(2:35)
https://www.youtube.com/watch?v=YnpqVKBPJLg&t=2s

その他

「月姫」の遠野秋葉の誕生日は、DDLCの発売日と100%一致している。と言って「俺の嫁」を見せびらかす作者。(1:38)
.
DDLCを作った理由は、これまで読んだVNに衝撃を受けて、自分が感じたことを他の人にも経験してほしかったから。
衝撃を受けた最初のVNは「月姫」。キャラクターに焦点を当てて、悲劇的な背景が分かるにつれてストーリーが展開するところに強く心を動かされた。ストーリーに欠点もあるし完璧じゃないけれど、いまだに自分の中で重要な位置を占めている。
「月姫」は、たとえ完璧じゃなくてもすべての点でプロフェッショナルじゃなくても、感動させることができることを教えてくれた。
任天堂ゲームやミスト、リヴェン、ポータルのようなAAAゲームと違って、「月姫」はゲームとしての体験は限られている。曲も少ないし、ビジュアルも解像度も古びている。それでも強く感動させられたことは、自分にゲームを作る勇気を与えてくれた。(3:37)

ドキドキは「ドキドキパニック」が元ネタじゃない。アニメとかでよく耳にする鼓動を表す擬音で、開発を始めるずっと前に思い付いた。(1:24)


※実況を自動字幕付きでYouTubeに公開してあります。元々9割以上の精度ですが、できるだけ修正しました。設定で「英語」を選択して字幕ボタンをONにしてください。
https://www.youtube.com/watch?v=eQ0PFaJ4JG8
2018/9/24:2回目の実況コメンタリーまとめ
2回目のヒアリングも終わりましたので、下記のRedditのスレッドをもとに@YamnewB様のツイートも参考にしながらまとめ直しました。

Summary of Dan's [SECOND] DDLC Anniversary Stream
https://www.reddit.com/r/DDLC/comments/9j1xmv/summary_of_dans_second_ddlc_anniversary_stream/


3行まとめ

このゲームではMCは魔法のような選択もできないしサヨリの問題も解決できないしハッピーエンドにすることもできない。ゲームが怖くないんじゃないか心配だった。モニカはゲームからプレイヤーよりも隔絶されているが、モニカはプレイヤーがモニカと同様に感じてると思ってる。モニカが黒いフォントを操っている張本人。


サヨリ

ナツキやユリと一緒に過ごす前に「サヨリの重い話」を出したのは、一緒に過ごす時に心の片隅で憶えておいてほしかったから。(0:05)
サヨリのうつの告白が突然過ぎてご都合主義だと思われないように、さかのぼって伏線を追加した。(0:07)

たいていの恋愛ゲームでは、MCはキャラクターたちの好感度を上げるために何を言えば良いかいつも正確に分かっている。MCは魔法のように正しいことを話し、状況を魔法のように改善する。
でも、このシナリオでは、サヨリがうつ病を患っていたらMCはどうにもできない。せいぜいどうにか慰めるぐらいだ。MCにはサヨリの気持ちがよく分からないし、何を話したらいいのかどうすればいいのかぜんぜん分からないから、明らかに少しイラついてる。「君を手助けするためならいつだってここにいるよ。でも、どうしてそれで十分じゃないのか、かえって苦しいと言うのか分からない」という感じ。
みんな、MCのサヨリへの対応を嫌ってるけど、サヨリの気持ちが理解できない彼のような人間にとって、何を言うのが正しいのか分かるのはとても難しい。(0:11)

遅くまで起きていたり他の人が幸せになるように心配するみたいな、恋愛ゲームのキャラにありがちな行動により深みのある理由を持たせて、もっと本当に大切に思えるようにしたかった。(0:14)

「親友として、裏切られた気分だ」:こんなことを言うなんて本当にクソだ。でも、MCはサヨリのためにそこに居たかったのに、サヨリはそうさせなかった。親友のためにそこに居たかったのに、サヨリが拒絶して彼女の人生の一部も重荷も共有しようとはしなかった…信頼されなかった気分だ。それがMCが感じていたこと。(0:15)

「どの道を進んでも傷つくだけ」:サヨリは罠にはまってた。みんなが仲良くなることがサヨリにとって幸せだったんだけど、MCが文芸部に入って他の女子たちと仲良くなり始めて自分がMCを好きなことに気が付いて、板挟みになってしまった。だから、MCが好きだという事実もたぶん嫌ってた。(0:17)

サヨリの告白シーンには、当然二人が抱き合うCGが欲しかったけれども、プレイヤーが告白を受け入れる時まで取っておきたかった。(0:20)

「今からでも取り消すべき――」:ここは、後から書き直した。最初は「もうユリと会う時間だ」「うん」みたいな流れだったけど、誠実にサヨリと一緒に居たがるようにした。でも、サヨリは自分のせいで誰かの計画をじゃまするのは嫌だった。それでMCは「一緒に手伝ってくれないか」と提案するんだけど、サヨリは2つの理由でしたくなかった。MCとユリが仲良くなるのをじゃましたくなかったし、MCとユリが仲良くしてるのも見たくなかった。
MCはこれを頭の片隅に押しやって、楽しい「嫁」選びに向かう。(0:23)

もしサヨリを大切に思っているのなら、ユリにいちゃつかせたりはしたくないだろうけど、ゲームはその選択肢を与えてくれない。サヨリがあの場に現れなかったら、ユリを追い払う選択もできただろう。「俺の嫁(waifu)がいるんだから、そのセーターでも魅惑的な紫の髪でも誘惑できないよ」みたいに。(0:47)

告白を断るシーンを書くのは信じられないぐらい悲しかった。なんでプレイヤーたちにこんな悲しい目に合わせなきゃならないんだって。
ナツキやユリが好きな人にとっては、サヨリの告白を受け入れると嘘を付くことになるから、さらにジレンマになる。
サヨリに好きだと言っても、やった~!という感じにはしたくなかった。サヨリがみんなから心配されたくないのと同じ理由で、あなたを恋人として受け入れるのは苦しいことだから。でも、嫉妬と心が張り裂けそうで、そうするしかなかった。
今は雨雲が晴れて、サヨリは幸せなはずだ。(1:03)

一方で、この選択をする時点で、モニカはサヨリを限界まで追い込もうとするだろう。モニカはサヨリに幸せにはなってほしくない。(1:05)

サヨリは、MCが助けてくれることを必死に望んではいるけれど、もちろんMCにはできない。ここがこのゲームのポイント。一次元的なありがちな恋愛ゲームじゃなくて、もっと現実的なやり方で進んでいく。魔法のような選択もできないしサヨリの問題も解決できないしハッピーエンドにすることもできない。
でも、プレイヤーがそれに気づくのはもう少し後になるようにしてある。間違った選択をしたと思わせて、あの時正しい選択をしていたらと後悔するようにしてある。(1:06)


モニカ

ユリの性癖についてモニカがいつ・どれだけ変え始めたかはわざとあいまいにしてる。プレイヤーが誰かといちゃつく頃には、モニカはこの世界に干渉し始めてるとほのめかされている。
モニカがキャラクターのどの部分を変えたかは、意味のない質問。変数を変えても何でも思った通りにできるわけじゃない。(0:09)

「宙ぶらりんにさせちゃって」:このセリフの重要な点は、モニカがこれはただのゲームだから真面目に捉えていないことを示す転換点だということ。ゲーム中のいろんなひどい出来事をモニカは、Simsを遊んでるプレイヤーのようにからかっている。あなたはこのゲームを文字通り遊んでいるわけだから、モニカはあなたも同様に感じてると思ってる。でも、あなたにはできない。なぜなら、VNや恋愛ゲームを遊んでいると、キャラクターが大切に思えてきて幸せになってほしくなる。モニカにはこれが理解できない。だから、ある意味、モニカはプレイヤーよりも隔絶されている。(1:09)

「今日初めて自分の肌を切ってみた」:この特別な詩は、モニカが彼女の世界で死について実験し始めたころに書かれた。モニカは彼女のいる世界から隔絶されていると感じていたからそれをしても平気だった。モニカには完全に無意味となった世界の中で何かを感じることができたので、スッキリしたと表現した。(2:03)

「モニカのクソがががががが」:彼女たちの魅力を損ねるために、モニカがセリフを書き換えて汚い言葉を使わせようとしている。でもまだ上手くなくて、ここでは失敗した。(2:08)

「壁の穴」:Act 1の詩の続きで、両方合わせて物語が完成する。詩の意味は明らかで、モニカが自分の外の世界を初めて覗いて自分の世界観が崩壊する。(2:18)

モニカがナツキの前の記憶を消したのは、これ以上ナツキとユリを喧嘩させるともう文芸部を続けられなくなってモニカの計画がダメになるだろうし、いくら世界観が変わったとはいえ多少は文芸部を大切に思ってるから。(2:33)

ピアノの練習:Act 1では「最近始めたばかりなの」と言い、Act 2では「しばらく練習はしてるけど」と言う。モニカだけ時間経過が異なっていることをほのめかしてる。(2:34)

「私をセーブして」Act 2:Act 1版の改変だけれど、昨日説明したようなゲームを止めた時にモニカの世界が壊れていく様子が詩に現れている。末尾に潜ませた「彼女を消して」の行までスクロールしたら、その前の行がすべて消えるようにしたかった。モニカは詩の内容を説明するのをもう諦めている感じ。(2:50)

「お願いだから助けて」:同じ執筆アドバイスでもAct 1とは違い、プレイヤーと直接話す機会が訪れたと思ってモニカは必死になってる。でも、すぐにスクリプトに戻されてしまう。(2:52)

「この点をよく見てね」:この特別な詩は、反クライマックスまたは反ジャンプスケア。みんなジャンプスケアだと思って怖がるんだけど、「あいしてる」と表示される。(2:55)

「あなたに入部しないという選択肢は無かったわよね」:はっきりと第4の壁を破ってる。この世界はあなたに入部しないという選択肢を与えなかった、という意味。(2:59)
このあとユリを巧みに追い出して、プレイヤーと二人っきりになる。ここでモニカはすべてを明かそうとするんだけれども、スクリプトはそれを許してはくれない。(3:03)


ナツキ

「この中で一番才能あるのはあんたなんだから」:ナツキやユリがぎこちなくお互いを元気づけようとしているところを見るのは大好きだ。(0:52)

ナツキは、グループの中に居なくてポジティブな気分だから、やんちゃな性格で防衛的じゃない面を見せてる。MCをからかったり、からかわれたり。彼女たちを違った環境に置いて態度が変わるのを見るのは楽しい。(0:54)

ナツキのイベントCG:アイシングを顔に付けようとするのはナツキといちゃつくいい言い訳だった。またユリの時みたいに指を舐めるし。こんなふうに大騒ぎするのは、ナツキみたいな性格ならやりそうなこと。
で、ありがちなことに、ここで二人に何かが邪魔をすることになる。(0:57)

「本当は帰りたくなかったの!」:ユリも同じだけど、ナツキは誰かが自分と一緒に居たがるだなんて信じられない。悲しいことに。(1:02)

ナツキのイベントCG:このCGが本当に好きだ。表情のすべてがいい。(2:12)


「あの子は無視されることに慣れてますから」:アップデートで、Act 2でナツキを選ぶと「ご褒美」があるようにした。ユリとモニカがさらにナツキにいじわるになる。私生活でもネグレクトされてるようなのに、ゲームからもネグレクトされるという悲しい皮肉。ナツキが好きなプレイヤーをからかってもいる。(2:36)

「誰にも何も期待するなって教わったし」:暗い。すごく悲しい。(2:46)

『パフェガールズ』:よくある日常系萌えマンガ。(3:20)


ユリ

ユリがMCの家の前にどのぐらい居たかは分からない。15分ぐらいは居たかもしれない。早く来てたとしても心配し過ぎてメールすることは思いつかなかった。勝手に引き出しを開けてしまうのも、無意識だろう。こうしたユリのぎこちない一面は、とても愛らしい。(0:26)

ユリに自分の趣味を他人と共有させて幸せにできてうれしい。(0:30)

ユリが血を舐めるのは、恋愛ゲームやアニメでありがちでも実際にはあえりないから、風刺として入れた。一般人は「こんなゲームを遊んでたなんて…」と思うだろうから笑える。
ユリが血を舐めるシーンで:デリシャス。(0:32)

ナツキが泣いて部室を飛び出した時、ユリが何を言ったかは分からない。プレイヤーに嫌われたくなくて必死だった。でも、取り乱したことは自覚していて直接謝ろうとする。(2:26)

「車輪」:ユリの強迫観念がひどくなって完全に頭が変になった時にユリの頭に渦巻いていた正気じゃない考えや感情を象徴したもの。ついには、抽象的で不気味なイメージでカオスになってしまった。(2:53)


Act 1

「My Confession」:お気に入りの曲の1つ。テーマ曲のいくつかの音を繰り返してる。他の曲でもそうした音を使って、モチーフみたいにしたかった。ここのベルの音は、ポエム・ミニゲームのメロディにも似せてる。(0:04)

「Main Theme」:恋愛ゲームによくあるようなシンプルでアップビートなコード進行にしたかった。頭にあったのは、Regina Spektorの「Folding Chair」。ハミングしやすくて頭から離れないようなシンプルなメロディを思いつくことができた。これに歌詞を付けて、ゲームをまとめるエンディング曲にするのは、あとで思い付いた。(0:39)
https://www.youtube.com/watch?v=uCvgXmg0m1g
文化祭当日のシーンに音楽を流さなかったのは意図したことで、本当に不気味になる前に不気味さを感じさせたかったから。バグだと思った人もいたけど。(1:08)
無音にしたのは「月姫」からの影響もあって、音楽がずっと流れている中で緊張するシーンが無音になるのが不気味で印象に残っていた。
「%」の詩も無音がふさわしい。(1:12)

「だけど詩に本当の終わりなんてない。動きを止めるだけ。」:よく聞く「絵画には終わりはない、ただ描くのを止めているだけ」みたいな感じだけど、もっと病的なフレーズ。(1:13)

文化祭の日にサヨリの家に向かうところで:みんながこのシーンに来て違ったことを予想するのを見るのは興味深い。たいていの人は何が起きるか最初から分かってるけど、一部の人は「驚かしてはくるだろうけど、この種のゲームはさすがにそれはしない」と考えて本当に起きるとは思わなかった。(1:14)

サヨリの首つりのシーン:このシーンをデザインするのに本当に長い時間をかけた。いろんな効果やどうやってそれを音楽に合わせるかとか。どんな効果ならみんなが怖がるか分からなかったから、十分に怖くないんじゃないか、みんなを動揺させられないんじゃないかといつも心配だったから、ベストを尽くすしかなかった。(1:15)

サヨリの部屋に入った時に効果音を付けるかどうかは、2つの選択肢がある。効果音を付けて事の重大さを強調するか、付けずにだんだんと不気味さが分かるようにするか。付けた理由は、ここがゲームのルールが破られるようになる転換点だから。(1:16)

「Sayo-nara」:この曲は「ゆめにっき」のエンディングで体験した印象に似せたかった。(1:21)

「俺は何を間違えたんだ?」:ここは、プレイヤーにもそう思わせようとしている。で、VNでよくやるように戻って正しい選択をしようとセーブデータをロードすると強制的にニューゲームが始まる。ここは、プレイヤーがこうできるようにワザとセリフを引っ張ってる。(1:22)


Act 2

バグ演出は、ROMハッカーとしての経験やAmigaやDOSゲームを遊んだ時の影響。(1:30)※10分以上語ってます。↓は、Amiga起動時のFDDアクセスの音を嬉々として聞かせてるところ。
.
ニューゲームの文字やサヨリの立ち絵、Act 2の始まりがバグるのは、Act 1と違うことが分かるようにするために追加した。テストプレイでAct 2の最初でゲームが終了したと勘違いした人がいたから。(1:24)

DDLCのホラー効果は、いわゆるジャンプスケアとは違うけれど、同様の効果がある。叫んだり何かが襲ってくるわけじゃないけど、画面や音に予想外なことがいつ起きるか分からないから普通の時でも不安でドキドキする。実際にはたいしたことは起きないんだけれども、常にプレイヤーを緊張と不安に置くように効果を入れた。(1:48)

特別な詩:特別な詩も、実際には不気味な要素はないけれどホラー効果がある。特別な詩は、キャラクターやゲームについての興味深い内容なのでどこかに入れたいと思った。それと、特別な詩は、1回のゲームプレイで10個のうち3個しか見れないようになっている。これも「ゆめにっき」の影響で、各人のゲーム体験が違っているとSNSなどで情報交換するようになるのでDDLCでもやってみたいと思った。(2:00)

ユリが遠回しにモニカを説得してMCと二人だけになろうとする所が好きなんだ。部員たちは、モニカへの信頼が揺らぎ始めている。モニカと同じ見方ではないにしろ、何かがおかしいことに気が付いている。
MCはもはやゲームに関与しなくなり、モニカはプレイヤーに直接触れようとする。MCは、もともとプレイヤーが感情移入するための便利なセリフの塊にすぎない。(2:27)

「わたしたちは現状のままでいいと思ってる」:ナツキは文芸部でネグレクトされてると感じてたからここで声をあげようとした。モニカも内心では無意味なことをしていると落胆していた。文芸部を良くすることも、プレイヤーと仲良くなることもできないと感じていた。
それでもモニカは文芸部に情熱を持っていた。プレイヤーみたいな新入部員がいれば、彼女の世界から抜け出すチャンスが増えるだろうと考えてるから。(2:58)


その他

サヨリの部屋の背景画をもらった時、このぬいぐるみは変だから何か言われるんじゃないかとは思った。ルームメイトのアリシアは、とくに鳥の凝視する目が不気味だと気が付いた。自殺するシーンでこの鳥にゆっくりズームするようなミームが出てくるんじゃないかと二人で冗談を言ったりしてた。(0:18)

このゲームは、私が好きなものの組み合わせ。アニメ、アニメをからかうこと、みんなを動揺させること。(0:44)

彼女たちの問題は、あそこまでじゃないけれど親しい友人が経験したことから影響を受けたし、もっとよく理解したいと思った。それ以外にも自分が高校時代とかに友達との間で経験したことからの影響もある。(1:00)

話してるキャラクターがズームするのは、Love Live! School idol festivalの影響。(1:54)

1/64ランダム要素「白黒メニュー」:この1/64の確率は、ゆめにっきのポニ子の部屋でウボァが現れる確率に合わせた。白黒にしたのもゆめにっきに敬意を表すため。(3:10)

まずテーマ曲を作曲して、そのメロディーに合わせてYour Realityの歌詞を書き始めた。最終的には、自分が思い描いている楽器面から書き上げた。(3:15)
モニカのボーカル:上手く歌えるけれどあまりプロっぽくない人にしたかった。彼女の声の気取った感じが欲しかった。で、親友のいとこにモニカの年齢にも近いぴったりの人が居た。(3:17)

モニカの名前が日本人らしくないのは、彼女の違いを目立たせたかったから。(3:22)

隠し要素がすべて見つかるまでにしばらく掛かると思ってたけれど、リリース後たった2日だった。(3:24)


※実況を自動字幕付きでYouTubeに公開してあります。設定で「英語」を選択して字幕ボタンをONにしてください。
https://www.youtube.com/watch?v=Ssotyew6vag
2018/10/15:3回目の実況コメンタリーまとめ
3回目のヒアリングも終わったので@YamnewB様のツイートも参考にしながらまとめ直しました。


3行まとめ

モニカにとってはただのゲームだけど、プレイヤーにとってはそうじゃない。この二分法がこのゲームの本質。「文芸部が大好きだったから」のシーンを書くときは、本当に感傷的になった。モニカのモノローグは、プレヤーや生活について不快な考えをさせるため。Your Realityの歌詞は、ゲームの進行に合わせてる。モニカが居なければハッピーエンドはありえない。唯一の抜け道は、すべてを消し去ること。


Act 2

Act 2は、不快な口論からいきなり始まる。この時点でモニカは、文芸部に悪い影響を与えているようだ。部員たちはお互い仲が悪く、モニカはすっかり飽き飽きして、早く先に進みたがってる。MCは存在価値をなくして、ゲームはプレイヤーに直接働きかけるようになる。(0:06)

モニカはユリの強迫傾向を強調して嫌わせようとしたが、かえってユリにプレイヤーを独占させることになり裏目に出た。モニカがユリをどうにかしようと決意したのはこのあたり。(0:11)

ユリのリスカシーン:ユリの自傷癖に気が付いていた人もいただろうけど、ここでも本当に見せるとは予想してなかっただろうから、強い感情的な効果があるはず。(0:17)

この時点で、プレイヤーは音楽が止まることは悪い知らせだと分かってる。興味深いのは、このゲームでは予想を裏切ったりルールを破って怖がらせるのが多いのに、ここでは予想させることで怖がらせてる。(0:23)

ナツキの最後の詩:ナツキだけが普通の文芸部にしたいと思っていたのは悲しいことだけれども、ナツキが殻を破って自分の傷つきやすさを表に出せたのはよかった。それと、この不快な状況をプレイヤー以外にも理解している人がいるようにしたかった。その途端、居なくなっちゃうけど。(0:32)

ユリの血と染みが付いた詩:ユリは、強迫観念モードから出たり入ったりしている。普段の性格が増幅されてる時は、興味がある話をすると行き過ぎてしまって、で、我に返って「私ったら長々と……ごめんなさい」みたいに。(0:38)

モニカは、ナツキの家庭事情やユリの自傷癖について無神経に話してる。モニカにとっては、これはただのゲームだけど、プレイヤーにとってはそうじゃない。この二分法がこのゲームの本質。モニカにしてみれば、たとえばGrand Theft Autoでキャラが変な死に方をしているのを見て笑ってるようなもの。プレイヤーも同じような見方をしてると思ってる。でも、プレイヤーはそう思えない。プレイヤーには、モニカのそのひどい扱いに憤慨してほしかった。(0:39)

モニカの詩の代わりにブルースクリーン:モニカがコードをひどくいじったせいで詩を表示できなかった。20XX TEを作ってた時に起きた脆弱性不正利用エラーからの影響。モニカは多少はゲームを制御しているけれど、脆弱性不正利用までしてるわけじゃない。(0:44)


「パパの好きなところ」:説明不要だから、特に話すことはない。(0:47)

ユリの強迫観念モードの表情は、このシーンまで使いたくなかった。これ以前にも何カ所か使えるところはあったけれど、使わなかった。他のVNを遊んでいて、ゲームの途中で初めて新しい表情が現れると不気味だったので、そうした効果を狙った。(0:55)


「本当に私ったらどうかしてしまったのでしょうか?」:ユリは、心の奥では何かがひどくおかしいことに気が付いている。ほとんど自分をコントロールできなくなっているけれど、なんとか保とうとしている。もちろんモニカが直接ユリをコントロールしてるわけじゃないけど、ユリの問題を制御不能になるまで増幅させた。(0:56)

「あなたの皮膚を切り裂いてあなたの中に入り込みたいんです」:ここではもう制御不能になってる。Act 1で愛情あふれるシーンに使われた「My Confession」が、このひどいシーンでも流される。Act 1でこの曲に記憶された感情が汚されたようで不快だろう。あとでこの曲を聴いた時、この両方のことを思い出すはずだ。(0:58)


ユリとの週末のシーン

ユリの告白を受け入れるか「はい・いいえ」のダイアログ:「いいえ」と答えれば、ユリは自分の欲しいものが得られないからだろうし、「はい」と答えれば、自傷癖が行き過ぎたからだろう。それ以外の考え方としては、もっとひどいことをしてしまう前に、最後の努力で止めようとしたのかも。(1:00)

ユリが胸を刺すシーン:このクライマックスをプレイヤーが何もしなくても進むライブ・アニメーションのようにしたかった。順番に表示される立ち絵についてアーティストと長い時間話した。血の効果もアニメーションらしくしている。(1:01)

週末のシーン:最初からイメージがあった。ユリが自分を刺し殺して、スクリプトが壊れて何も出来なくなり、週末の間中、彼女の死体と共に過ごさなければならなくなる。
でも、あのシーンをただクリックし続けるのは望んでいなかった。それはそれで悪い体験じゃないけど、スキップする方法はいくつかある。明らかなのはスキップボタンを押す方法。もう1つは、メインメニューにいったん戻ると、一日進む。(1:04)
このシーンは、デザイナーに細かく指示をした。体や血がどんなふうに変わっていくか。目や肌が日に日に変わっていって3日目には笑顔が消えるように依頼した。(1:09)

「週末はすごく退屈だったでしょうね……」:ここの一連のセリフでプレイヤーに何が起きていたかを説明しておきたかった。(1:14)


モニカ空間

このシーンの構成は、はっきりとしたイメージがあった。モニカがプレイヤーの目の前で見つめていて、背景の窓の外では宇宙が崩壊しているような感じ。(1:18)

モニカが呼ぶプレイヤーの名前は、Windowsのログインユーザー名から取って来てる。adminとかuserとかだと笑えるけど、十中八九うまく行って効果がある。まさかゲームがあなたの本当の名前を知れるなんで思ってもみないだろうから。
これをやりたかった別の理由は、この時点でモニカはゲームを完全に離れて直接プレイヤーと接してるっていうこと。プレイヤーとゲームの間にある最後のバリアを壊したかった。(1:21)

モニカは今あなたに話しかけていて、話す内容は現実世界に関連すること。モニカのモノローグの多くは、あなたを不快に感じさせるようにデザインした。なぜなら、モニカがゲームを去る最後の行動は、あなたやあなた自身の生活について不快な考えを考えさせるから。(1:23)
Act 3の要点は、あなたが間違ってるわけじゃないけど、考えたいと思わないような現実に起こってる物事について、不快な考えを思い起こさせたい。(1:54)

「このゲームのダウンロードページでも言ってたはずよ?」:つまり、ゲームを始める前からこのゲームは始まっていたという循環にしたかった。(1:25)

キャラクターフォルダについてどこまでヒントを出すかは、かなり悩んだ。技術系の人もたくさん遊ぶだろうけど、そうじゃない人もたくさん遊ぶだろう。ARG系の仕掛けは面白いんだけど、何をしたらいいか分かりにくくなる。だとすると、誰でも何をすればいいか分かるようにしないと。
「クリック一つで自分の存在を抹消できるって、想像できる?」:こうやってモニカ自身も削除できることをほのめかしてる。(1:30)

最後のポエム・ミニゲーム:やっとモニカのチビキャラが現れたけど、跳ねるチビキャラは使わなかった。このシーンはみんなただクリックするだけだろうだから、モニカが喜んで跳ねるのもおかしいし、クリックしても音もさせないほうが効果的だと考えた。(1:33)

「ハッピーエンド」:これまでのモニカの詩は、すべてゲームかプレイヤーについて書いた小さなサーガのようなもので、最後のこの詩はそのハッピーエンド。Your Realityの歌詞への参照でもある。
「実は、今まで書いてきた詩は私の気付きについての詩だったの……」:モニカは自分の詩について少し語ってる。(1:35)
「あなたと一緒なら何をしても楽しいもの」:これもYour Realityの歌詞への参照。(1:38)

アップデートでモニカのモノローグを少し追加した。モニカと一緒に過ごしたい人がこんなにも多いとは予想してなかったので。それに、うつとか不安とかの話題が多かったから、モニカが本当にクラスで一緒にいる時に話すような良い話題を追加した。(1:39)

うつについて:このゲームでは、メンタルヘルス問題を避けたり良さげなこと言うんじゃなくて、不快にさせるようなやり方で扱いたかった。
他のキャラのメンタルヘルス問題についてのモニカの言い方がひどかったから、もっとポジティブな光を当てるモノローグが欲しかった。
モニカは、ひどい人間というわけではない。とても思いやりがあって、いつも他人のことを考えている。でも、彼女たちが本物じゃなくてただのゲームで、しかもモニカがそのゲームに閉じ込められて苦しめられていたから、過激な手段を取り始めた。
このモノローグは、サヨリを大切に思ってる人にとって重要だと感じている。(1:42)

典型的なキャラクターについて:モニカはオタク(weebs)ついて言及してる。このゲームの重要なテーマは、その人がどんなものが好きでも尊重すべきだ、自分が他人と違うものを楽しんでるからって優越感を持つべきじゃない、ということ。ナツキとユリもそんなふうに感じてたけど、最後にはお互いの趣味を受け入れるようになった。
もう1つ重要なのは、このゲームを遊ぶ人の多くは、アニメが好きであってもアニメや恋愛ゲームをからかうのが好きだったりする。でも、それは本当にVNや恋愛ゲームを見下している人とは違う。架空のキャラクターを好きになっても、それで幸せなら何が悪いんだ。(1:48)

「これって日本が舞台じゃない?」:本当に日本を舞台にしてるというには十分日本を理解してない低予算で西洋化したVNのようにワザとしてる。日本のVNは、すべてに日本らしさがあるように作られてるから。(1:51)

「当時の私の振る舞いが恥ずかしすぎて仕方ないわ」:興味深い現象なんだけど、思春期の頃は2歳違うだけで同じ人間とは思えないほど変わる。(1:52)

ベジタリアンについて:TEDにでもありそうな、人生や宇宙なんかに関する思慮深いモノローグがいろいろある。ベジタリアンなのに、動物を殺すことにはそれほど関心がない対比が好奇心をそそられる。(1:53)

ディベート部について:このモノローグは、ナツキとユリがお互いに尊重する前に言い争っていた仕方にも関係があるんだけど、ようは主観的な言葉遣いをするべき…(という話を5分ほど熱心に語った後)…また脱線して申し訳ない。どうもユリみたいに、関心がある話題になると熱中して話し過ぎてしまうんだ。(1:55)


monika.chr削除後

モニカを削除した後、宇宙はもはや留めておくことができず、崩壊してしまう。
このゲームの文脈では、こんなふうにモニカがスクリーンを叩いても意味はないんだけど、モニカに怒りを表現させたかったので、こんな効果を入れた。(2:01)

「もうプレイしなくていいわ」:このシーンで、普段モニカが使わないような言葉遣いをさせたかった。モニカは明らかにイラついてるけど、決して怒り狂ってるわけじゃない。モニカは、プレイヤーに自分がしたことを考えさせようとしている。(2:03)

「I Still Love You」:ここでもバックにピアノが流れる。ポエム・ミニゲームの時と同じようなリズムとメロディーだけど若干違う。でも、似たモチーフであの曲を思い返してほしかった。(2:05)

「文芸部が大好きだったから」:このシーンを書くときは、本当に感傷的になった。サヨリの告白シーンと同じぐらいに。とくにこのセリフは、モニカに感情移入させてくれた。(2:06)


Act 4

「いつもと変わらない学校の日。」:Act 1では最初サヨリが手を振って登場したけれど、Act 2と同じこのモノローグから始まる。サヨリがどうなってるかちょっと不安にさせたかった。で、サヨリが突然現れて、ホッとする。サヨリが時間通りに起きてくる意味を、今ならよく分かっているはずだ。
MCは、この時間軸でもあいかわらず幸せなほど鈍感だがヤレヤレ系ではなくなって、サヨリのために進んで入部する。(2:10)

「わたしはプロなんだから!」:モニカの「よし、みんな!」みたいに、このキャッチフレーズもナツキは何度が使ってるんだけど、あまり流行らなかった。(2:14)

「ナツキちゃん、あなたの趣味を否定するような事を言ってごめんなさい」:お互いの趣味を認めてもらおうとする二人の会話は、本当に可愛い。もちろん、不和を巧みに解決するサヨリのおかげだ。
ユリは、ナツキがマンガが好きなことをやっぱりバカにするんだけど、ナツキに「傷つく」と言われて、反省する。あのAct 2の口論の後では、とても心温まるシーンだ。二人をハッピーエンドにしてあげたかったんだ。(2:16)

「本当にありがとう」:音楽が止まると悪いことが起きると条件付けられてるはずだけど、まさかこの幸せなエピローグで起きるとは予想してなかっただろう。
「実はそれも最初から分かってたんだ」:あいまいで無邪気なセリフだから、何か自分が失敗でもしたのか?、それとも自分のことを信頼してくれていたのか?と思うかもしれないけれど、その希望もすぐに消え失せてしまう。(2:18)

このゲームが本当にハッピーエンドだったら、望んていた効果は得られなかったはずだ。それにモニカが居ないんだから、ハッピーエンドはありえない。だって、モニカは勧善懲悪の敵役じゃないんだから。
文芸部の全員が幸せになるようなハッピーエンドがありえないのなら、エンディング自体がありえない。唯一の抜け道は、すべてを消すしかない。(2:19)


エンディング

すべてが削除されてゲーム自身が終了した後、再スタートしても手紙が表示されるだけになるけど、これがこのゲームをまとめ上げる最適な方法だと思った。最後がハッピーエンドにならないのなら、これが――手紙とクレジットの歌の間が――手に入れられるぎりぎりの結末なんだ。(2:25)

実際に歌い始める前にモニカの声を紹介しておきたいと思ってセリフを用意した。ゲーム全体のセリフがVNっぽくて不自然だから、普通の人がしゃべるように自然な感じにしたかった。シャイで不安そうな感じで。正しいフレージングとポーズになるようにレコーディングに時間を掛けた。(2:30)

「Your Reality」:クレジットの始まり方には明確なイメージがあった。ギターが入ってきて、ロゴを見せて、クレジットがスクロールして。モニカが歌うにつれて字幕が出るのがいいと思った。
最初の一節は、メロディを口ずさんだら自然と思い浮かんだ。でも、それ以外は、歌詞がゲームの進行に合わせてあるから、けっこう苦労した。3番の歌詞は一番孤独で落ち込んだ感じにしたかったし、2番はモニカがプレイヤーに近づけないことの不安感を表している。
「What do you call love in your reality?」:この歌詞も自然に思い浮かんだ。もちろんこれがこの曲がYour Realityと呼ばれてる所以だけど、この音節と発声は本当に気に入ってる。
「everything that we do is fun for them anyway」:ここの、跳ねるような発声も気に入ってる。
「Is it love if I take you, or is it love if I set you free?」:ここの流れ方もすごく好きだ。
最後の一節は文字通りの意味で、もうモニカはほのめかす必要がなくなってる。これがあなたのために用意してるエンディング。もしこれがうまくいかなかったら、あたなのことは諦めてゲームをもう終わりにする。(2:32)

4人のチビキャラを仲良く並んで登場させて、みんなを少し切なく思わせたかった。(2:35)

エンドクレジットで歌を聴いたのは、ポータルの「Still Alive」が初めてだった。ゲームを締めくくるのにエンドクレジットの歌を使う有名な例だけれど、自分が最も強く印象に残ってるのは、歌が進むにつれてGLaDOSのセリフと抑揚が変わっていくところ。最初はコメディタッチだったけど、最後には本当に感傷的になった。ゲームの結末としてエンディングに歌を使うのは忘れられないコンセプトだったし、このゲームでも最適な選択だと思った。(2:36)
https://www.youtube.com/watch?v=TiCSCDlbYes
エンドクレジットでモニカがCGを消していくのは、Your Realityに別の感情を付け加えられるんじゃないかと感じた。(2:38)

グッドエンディングは、ゲームのすべてを見ようとした人へのご褒美。(2:39)


その他

私は彼女たちをDokisとは呼ばないし、DDLCがDoki Dokiと呼ばれるようになるとも思わない。Doki Dokiは普通の擬音だから、スーパーマリオブラザーズをスーパーと呼ぶようなもの。(0:20)

ユリがチョコを食べるシーンで輝く埃(0:25)、ユリの目がリアルに動くシーン(0:26)、ユリの週末のシーン(1:01)、モニカ空間の背景など、静的なVNにアニメーションを加えると特別な効果がある。ホラー効果では絵のミスマッチとともにアニメーションのミスマッチも重視した。(0:27)

基本的に自分がデザインしたホラー演出には驚かないけど、たまに忘れてて驚かされる。(0:30)

DDLCを無料にしたのは、もし1ドルだったとしてもVNや恋愛ゲームのファンじゃない人は買わないだろうから。このゲームが面白いと聞いても見た目で買わないだろう。でも、無料でしかも短ければ? できるだけ多くの人にVNを体験してほしかったんだ。(2:47)


※実況をに自動字幕付きでYouTubeに公開してあります。設定で「英語」を選択して字幕ボタンをONにしてください。
https://www.youtube.com/watch?v=CIuhUHIIvGo
その他のコメント【ストーリーの舞台裏】
上記のまとめで省いたコメントのうち、ストーリーに関連するものをここに集めています。
コメンタリーで話された残りのすべての話題を抄訳してあります。資料的な価値として翻訳したので、DDLCのすべてを知りたい人以外には面白味はないと思います。


全般

自分がこのゲームの規模を最初に決めておかなかったら、それぞれのキャラクターのコンテンツが増え、登場人物も増え、さらにはActも増えて、自分のやりたかったことに焦点が当たらなくなっただろう。(9/23 1:58)

自分がDDLCを遊んでる時にキャラクターのはっきりとした具体的な声は聞こえてない。聞こえてるのは、セリフの抑揚。(9/23 3:05)

どのキャラクターも書くのは大変だった。それぞれの人格に相応しいニュアンスを与えたかったから。(9/23 3:31)
週末に選んだキャラクターといちゃつくシーンを書くのは、けっこう難しかった。(9/24 0:03)

「PMはこのために死んだ」:Project Mを知らない人には不気味だと思うから入れた。実際にはスマブラのミームのこと。(9/24 3:09)
モニカがスマブラについて話すことも毎日ツイッターで聞かれた。長い間スマブラコミュニティで開発してたから、そうした人たちへのちょっとしたジョークだった。(9/24 3:23)

彼女たちは、最初から4人だった。プロットと彼女たちの性格は、かなり初めに決まってた。(10/15 0:19)


Act 1

両親が居ないのはワザと。アニメでもよくあるけど、設定が面倒だから。DDLCでは、まず設定を決めて、それで周囲の出来事を考えた。ナツキが回転イスから転げ落ちるシーンも、最初は背景に普通のイスしかなかったから、あとで追加した。たいていのVNの背景に人がいないのは、描くのが面倒なだけじゃなくて、背景で人が動いても意味がないから。(9/23 1:53)

1周目の長さは、バランスを考えた。VNを遊んでる人はキャラと長い時間過ごしたいし、遊んでない人はそうじゃない。実況することも考えないといけない。(9/23 3:23)

サヨリがうつを告白するシーンは、発売前のテストプレイのフィードバックを受けて少し変更した。(9/24 0:11)

ついにMCを見ることができるけど、後ろ姿だけ。他の恋愛ゲームでもたいていそう。深く考えてはいない。(9/24 0:22)

ユリとの週末のシーンは、いちゃつく十分な時間があるようにした。(9/24 0:28)
ユリといちゃついてる時にサヨリが現れる:みんなの反応が楽しい。「オー!ノー!」(9/24 0:46)
ユリが逃げ去る:このアニメーションが好きなんだ。(9/24 0:47)

サヨリの部屋に入ったときにノイズがあったほうが良かったかどうかは、リリース後しばらくして考えた。ノイズは文字通りのジャンプスケアにはしたくなくて、嫌なシーンへの導入にしたかった。(9/23 1:46)

このゲームのルールを破り始める転換点:「……サヨ」のセリフの後、クリックしないのにシーンが進む。(9/24 1:17)
サヨリの首つりシーンのシーンで、突然いろんな物がアニメーションする。(9/24 1:20)

Act 1のラストで終了しようとすると「終了しますか」のダイアログ自体がバグって終了できなかったが、あとで修正した。ここで終了したいということはもう耐えられないわけだから、それを出来なくするのはちょっとひどい。(9/24 1:26)



Act 2

「俺はいつも一人で登校していた。」:勘の鋭い人は、このセリフで「サヨリがいない!」と気が付いた。鈍い人は、モニカが部員が3人だと言って分かった。
サヨリのしたことをプレイヤーのせいだと思わせたのは、残酷だった。(9/24 1:42)

一瞬画面の色が反転する効果:この効果は、ジャンプスケアに近い。効果音は大きくし過ぎないように注意した。クリックしてすぐに効果が起きないようにして、ゲームが制御不能になってると感じるようにした。このあとは、わざとホラー効果をあまり入れないようにした。(9/24 1:49)


背景のサヨリの首つり画像:1/6の確率だから、1回は見れる割合。
音楽も半音分ゆっくり上げ、画面全体もゆっくり傾け少しズームさせてる。気が付かない動きだけれど、めまいがしてくる。こうした効果は、他の事に気を取られてもう一度見直した時に気づく。気付かなくても、このあと突然元に戻して気づくようにしている。
さらにはユリの目がバグったり、ナツキが反転して登場したり、モニカがセリフの前に出て来たり、あらゆる所がおかしいから、何がおかしいのかすら確かじゃなくなる。(9/24 2:05)
このシーンでは、音楽もいくつかの音が外れてる。(9/24 2:19)

Act 2のポエム・ミニゲームの文字化け:開発初期に追加した。20回に1回の割合。面白いのは、プレイヤーがクリックするかしないかを選択できるところ。クリックした時に表示される画面は、かなり不気味にしたかった。ここでクリックした時の効果音は、めったに聞けない。(9/24 2:29)


「何かに支配されたような感じで……」:ナツキやユリが何かがおかしいことに気づいていく様は、興味深い。(9/24 2:29)

黒いフォントで「すると、突然んんんんんnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnn」:クリックすると自動的にこの文字が表示され、ヒストリーには普通のセリフが表示されるのが面白い。(9/24 2:39)

「本当に何も知らないのね……」:このセリフは、プレイヤーからはモニカも興味を持ってるだけに思えるけど、モニカにとってはプレイヤーがまだ気づいていないことに安心している。(9/24 2:43)

「ただ書き心地が……すごく……好きなんです」:彼女は、あなたのペンの書き心地がすごく好きなんだ。(9/24 2:55)

画面が赤くなるランダム効果:ここのセリフはAct 1と同じだから何かやりたかった。音楽はこもった感じで、眼球と同じように赤く血管が浮き出ている。ただ、色弱の人から何も見えないとメールをもらった。(9/24 2:56)


Act 2で文化祭について話し合うシーン:この章の終わりでこのおかしな状況について何らかの説明をしておきたいと思った。(9/24 2:58)

「あの目障りなクソガキなんてどうでもいいでしょう?」:ここの画面効果は、ユリの徐々に狂っていく頭の中を一瞬だけ覗いたような感じにしたかった。(9/24 3:02)


Act 2最後のポエム・ミニゲーム:いくつかの方法でポエム・ミニゲームを壊そうとした。モニカが下からジャンプして割り込んで来るのもその1つ。(9/24 3:05)

ポエム・ミニゲームの最後にサヨリの画像が表示される確率は、1/15ぐらい。こうしたレアイベントを経験したことを他人に話すのも楽しめる要素だと思う。(9/24 3:12)

Act 2では、ナツキとユリの専用シーンはそれぞれ2種類しか用意してない。なので、3回ユリを選んだ場合同じ専用シーンが表示されてしまうので、ちょっとした面白いことが起きるようにした。(10/15 0:11)

「シィィーーーッ……」:実況だとセリフを一つずつ読み上げて行くから、この擬音が何を意味するのか次のセリフを読むまでみんな分からなかった。日本のVNだと擬音がたくさん使われていてそれをイメージしたんだけど、英語だと伝わらなかった。(10/15 0:13)

ユリにチョコを食べさせるシーン:こんなふうにMCの周囲で魔法のような出来事が起きて、好きな子とドキドキ・ワクワクするシーンを書くのは、とても楽しかった。この埃が輝くアニメーションは、より生き生きと感じられるようになって本当に興奮した。(10/15 0:20)

「ああ、別に構わないが……」:専用シーン以外だとAct 2でMCが話す唯一のセリフ。対話が必要だから入れたけど、MCにはもうセリフは必要ない。(10/15 0:36)

ユリの血と染みが付いた詩:ここからはPG13エリアだから、両親の許可が必要だよ。(10/15 0:38)

「ユリったら、せめて読み合いが終わるまで待ってくれれば良かったのに……」:このへんのセリフは、詩をユリに先に見せたかどうかでぜんぜん変わる。(10/15 0:41)

どの特別な詩が表示されるかはスタート時にランダムに決まるから、セーブ&ロードで全部見ることはできない。(10/15 0:47)

「権力を悪用なんてしてないわ」:モニカは権力(power)が何を意味するか分かってる。(10/15 0:51)

ユリのナイフがデザイナーナイフじゃないのは、きちんと指示してなかったせい。(10/15 1:04)

実況を見てると、ユリとの週末のシーンになると、みんなスキップの方法を教えてしまう。それぞれのやり方があるのだから、自分の体験を押し付けるべきじゃない。
方法の1つは、メインメニューに一旦戻ったり終了すると1日分進む。このシーンで詰まったと思わないようにするため。(10/15 1:06)

「モニカはćÐĹʼnă¦ōś£ģのトレイにかかっているアルミホイルを…」:Act 2の初めにサヨリの名前がバグってたように、ここでもナツキの名前がバグってるのは笑えると思う。(10/15 1:17)


Act 3

「だってあなたがどんなに優しくて、親切で、思慮深い人間であったとしても……」:短いセリフを1つずつしか表示できないから、こうした長いモノローグを分かりやすく順番を整理して書くのは大変だった。(10/15 1:26)

「でもあなたも私と同じ考えだったんでしょ?」「これはただのゲームなんだって」:前にも言ったように、これがモニカの間違い。ここでモニカははっきりと口にする。(10/15 1:27)

「はい」だけの選択肢:モニカは、プレイヤーには他の選択肢がないのを分かってる。ここはゲームを終了することもできないようにしようかと真剣に考えたけど、それはプレイヤーの領域を犯すことになるからやめた。(10/15 1:28)


ディベート部について:「それはダメ」「それはキモい」みたいな客観的な言葉遣いだと、違った考えを持ってる人は自分が攻撃されてると感じる。だから、みんな防御的になり議論が熱くなる。そうじゃなくて、「自分にはピンとこなかった」「自分の好みじゃなかった」みたいに主観的に言う。「あの映画はプロットが弱いから好きじゃない」と言えば、別の人は「あのプロットはすごいと思うよ」と言うことができる。そうすれば、プロットについて意味のある議論ができる。これは、個人的な趣味なんだけど、個人的な議論の経験や現在の社会的・政治的情勢の混乱を見ると、主観的な言葉遣いを使ったほうが他人の意見を尊重して議論できるようになると思う。客観的な言葉づかいで話すと、人は個人的に攻撃されてると感じて防御的なバリアを張って他人の意見を聞かなくなってしまう。(10/15 1:55)

monika.chrを削除した後すぐに元に戻してもモニカがmonika.chrを探し続けるのはこのゲームの弱点だけど、プレイヤーがこのゲームを終える決断をしたら後戻りできないようにしたかった。(10/15 2:02)


Act 4

Act 4の最初でmonika.chrを戻すとちょっとしたイースターエッグがある。リリース後のアップデートで追加した。(10/15 2:08)
その他のコメント【開発の舞台裏】
上記のまとめで省いたコメントのうち、開発に関連するものをここに集めています。


全般

絵が届く前にいろんなことをやった。ダミー絵を使って何カ月も開発した。Satchelyの絵が届く前は、主にAct 1を書いていた。Satchelyの絵がなくても、キャラクターの紹介は自分のデザインと彼女たちの詩や性格に基づいてて、最初は画面にも登場しなかったから難しくはなかった。(9/24 3:13)
公式絵が届いたのは、開発のかなり後になってから。だから、最初はキャラクター作成ツールを使った。ラフ絵が届いて、実際の位置に合わせてシーンを正確に構築できるようになった。(10/15 0:28)

一番最初に全体の構成を決めてから、基本となる章に取り掛かった。で、キャラごとの分岐やポエム・ミニゲームを組み込んだ。詩への反応はそれとは別に並行して直したりしながら書いていった。(9/23 0:42)

DDLCのMODについては、開発者が口をはさむべきではない。たまたま遊んだMODにコメントするのはフェアじゃないし、開発者とプレイヤーとではキャラへの見方が違う。セリフについてより批判的に評価してしまうし、このシーンではこう話すべきだと考えてしまう。(9/23 0:29)
プレイヤーはセリフやシーンで体験したことからキャラクターのイメージを作るけど、自分は一から作ったから全然違う。(9/23 2:02)

音楽の切り替えは、Ren'pyのツールを使って直接書いてる。2つのチャンネルに別々の曲を流して、同時に片方をフェードアウトさせてもう片方をフェードインさせた。(9/23 0:58)

開発者モードでシーンを巻き戻すことができる。(9/23 2:23)
開発者モードではセリフ番号が表示されていて、アーティストに指示する時に役立った。(10/15 1:08)
開発者モードだとモニカ空間のセリフの表示速度は通常と同じ。(10/15 1:17)

ルールを破るようなホラー要素を追加する方法をいろいろ考えるのは、本当に面白かった。ユリのキャラクターファイルに昔書いた短編を仕込んだり。(9/23 3:45)

イースターエッグとかを仕込んだのは、いろいろ調べて何もなかったらがっかりするだろうから。(9/23 3:49)

効果音は、パブリックドメインや著作権フリーのをたくさん使った。VNやホラーに合うようにAudacityとかを使って加工したりもした。(9/24 0:56)

キャラが話す時にズームする効果は、Ren'Pyで自動的にやる方法が見つからなかったので、手
作業で1つ1つスクリプトした。behindを使わずにzorderを使ったのは、よりプロフェッショナルな感じになるから。こうしたキャラのズームやフェードイン・フェードアウトのようなアニメーションをこのゲームでもやりたかった。(9/24 1:57)

フォントについては、特に話すことはない。いろんな用途にあったフォントを見つけただけ。(9/24 3:21)

ゲームデザインをやり始めたのは子供のころだけど、本格的にやり始めたのは大学生になってから。いろいろ失敗した経験からアドバイスできるのは、できるだけプロジェクトを小さくすること。必要な作業量やモチベーションを小さく見積もりがち。自分のできる範囲を現実的に考えること。ゲームを作ることでスキルを学んで、できる範囲を少しずつ増やしていける。DDLCは、既存のゲームエンジンを使って動くパーツも少ないけど、それでもほぼ2年かかった。(10/15 2:43)

Patreonを使うつもりはない。定期的にコンテンツを作るクリエーター向きだし、コミュニティに強く関わらなければならないから、そういうのは苦手。ツイートをたまに止めるのも、ストレスだから。(10/15 2:50)

DDLCの今後について:下記の「Team Salvatoの今後の活動について」とほぼ同じ内容を語ってます。(10/15 2:53)


Act 1

タイトル画面がアニメーションするのは、出来る自信がなかったから出来上がって本当に嬉しかったし誇らしかった。(9/23 0:19)
トレイラーもやったことがない効果がいろいろあって結構時間が掛かった。普通のVNのトレイラーから影響を受けた。(9/24 3:36)

いくつかの章では、ちょっとしたイントロやエンディングを用意した。たとえば、サヨリの顔にクッキーが飛んでくるシーン。余力があれば、ここはアニメーションさせたかった。(9/23 1:42)
ナツキがMCのみぞおちに肘を入れた時もアニメーションと音を入れたかった。(9/23 2:49)

ナツキかユリをずっと選んでると、ここで特別な詩が読める。告白みたいなもの。セリフにいろんなパターンがあるから、バグをなくすのが大変だった。(9/23 2:50)
だから、DDLCのコードはスパゲッティだ。(9/23 2:56)

サヨリの首つりシーンでサヨリがブレて動くのは、半分の透過度の同じ画像を重ねて0.5秒ぐらい遅らせて動かした。(9/24 1:19)


Act 2

Act 2の初めにスクリプト的にはAct 1.5がある。エラーファイルみたいのを生成し、sayori.chrを削除してからAct 2に移行してる。(9/24 1:27)

バグ演出:テストプレイでIT系に強い人が本当にゲームが壊れたと思って再インストールしたことがあった。なので、本当のバグだと思われないように調整した。
ゲームキューブやWiiでのROMハッカーとしての経験が役に立った。
昔のDOSゲームとかでも、ゲーム中に突然変な音がしたりブルースクリーンになったり。暗闇で遊んでて突然音が止まってエラーメッセージが表示されると不気味だった。
4歳の頃に遊んだ最初のPCがAmigaで、FDDのアクセス音がうるさくて、ゲーム中にディスクエラーが起きると震え上がった。
他の例はリヴェンを遊んだ時で、オリジナルはCD5枚構成で、エリアを移動しようとすると突然静かになってCDを自動的にイジェクトして「4枚目のCDを挿入してください」といったメッセージが表示された。ある意味、第4の壁を破ってる。8歳の時だったし、とても不気味だった。
こうした経験が明らかにDDLCのバグ演出に影響してる。(9/24 1:29)

Act 2の初めにサヨリの代わりにモニカ&ユリがバグりながら表示されるシーン:ここの効果音は、Ren'Pyで音を強力にコントロールする最初の事例。昔のHalf-Life 1とかがクラッシュした時に音がループしたことを思い出したて作った。(9/24 1:35)

Act 2の初めにモニカがバグりながら登場するシーン:ここでいろんな画面効果を使ってるけど、Ren'Pyでやるのは大変だった。ここで効果を入れたのは、Act 2での文芸部の紹介を不気味にしたかったのと、何が起こるか分からなくさせたかった。(9/24 1:44)

ヒストリーが文字化けするのは、ハードコーディングした。セリフを表示したら、ヒストリーのオブジェクトにアクセスして最後のセリフを削除してから追加した。(9/24 2:09)
ヒストリーには1種類のフォントしか使えないから、バグった文字は色を変えた。(9/24 2:15)

ナツキの目と口が黒くなる効果:黒い四角いフォントを重ねて作った。面白い効果が出来たので、録画してすぐに友達に見せた。公表しないで作っていた1年半の間、こうしてモチベーションを保った。(9/24 2:09)

Act 2でナツキとユリの口論が激しくなるシーン:シーンが移行するタイミングに合わせて音楽をシームレスに移行させて行くのが大変だった。
ナツキとユリの選択肢がズームして行くシーンは、最初ズームしなかった。テストプレイで、ここで何度もクリックしなければならないことが分からなかったので、ズームさせた。
さらに面白い効果は、モニカの顔が選択肢の前に突然現れること。モニカが前面に居てもセリフが読めるようにモニカが調整している。(9/24 2:20)

Act 2での詩を読む選択肢のコーディングは、管理する変数がたくさんあって大変だった。彼女たちの詩への反応やポエム・ミニゲームでのポイントとか。本当はキャラクターをオブジェクト化して管理したほうがいいんだけど、全部グローバル変数を使った。(9/24 2:44)

「わたしと遊んで」のシーン:ナツキに不気味なことを言わせる画面効果もそうだけど、オーディオトラックもコーディングが楽しかった。ポエム・ミニゲームの曲が別バージョンにフェードする。楽器がランダムな音を鳴らし、奇妙な効果音も流れる。ナツキが首を曲げてセリフの前に走ってくるアニメーションに合わせて、黒い四角も移動させた。(9/24 2:46)

サヨリのマウスポインターは、Ren'Pyで出来るのでやってみた。(9/24 3:14)

偽のブルースクリーンは、PCがおかしくなるのは怖いから自分には自然だった。Windows 8以降のブルースクリーンはいくつかのブロックで現れるから、本物らしく見えるように工夫した。(9/24 3:16)
1つは、背景で聞こえるブーという音。2つ目は、一瞬ではなく3ブロックで表示するようにした。(10/15 0:42)

ユリの巻き戻しシーンは、Ren'Pyを長い時間掛けていじれば本当に巻き戻すこともできただろうけど、現状の効果で十分。ヒストリーも元に戻ったように見せてる。ここの音楽は、2倍の速度で逆再生してるんだけど、シーンにタイミングを合わせるのに少し苦労した。(10/15 0:17)

ユリの目がリアルになるシーンは、目をリアルにするだけじゃなくて、人間の目のように動かしたかった。(10/15 0:27)

マウスポインターを強制的にモニカの選択肢に動かす:最初、出来るかどうかわからなかった。Ren'Pyで秒間60フレームでマウスカーソルを動かすとプレイヤーは何もできなくなったので、秒間30フレームで動かしてる。ナツキとユリが不公平だと不満を言うのが笑える。(10/15 0:52)

ユリが胸を刺すシーン:刺す動きと音を同期させるために最初はただのポーズを使ってた。そうするとずれることがあったので、クロックタイマーを使うようにした。(10/15 1:03)

ユリとの週末を抜けた後、Ren'Pyに1行追加してセーブできなくした。Ren'Pyの開発者の基本方針には反するんだけど、プレイヤーから制御を奪うのがこのゲームの要点。モニカ空間でも1行追加してスキップできなくした。(10/15 1:10)

コマンドプロンプトを作るのは、ちょっと大変だった。初めは自分で書いていたけど、途中でRen'Pyのセリフを表示するルーチンを利用するのを思い付いた。ただそのせいで、カーソルを表示できなかったりヒストリーにその内容が残ったりで修正するのに苦労した。(10/15 1:14)


Act 3

Ren'Pyは、モニカ空間のような効果を作るように出来てないんで大変だった。背景が輝いた時にモニカにハイライトを入れるだけでも長い時間が掛かった。Ren'PyのレンダリングはMacに最適化されてないみたいだから、Macだとかなり負荷がかかる。(10/15 1:18)

モニカ空間でモニカがあなたの本当の名前を呼ぶのは、あなたの名前がWindowsのログイン名と違っていて、実況をしてない時。実況してるかどうかは、実行してるプロセスにOBSやXSplitなどの実況ソフトがあるかを検知してる。実況者のプライバシーを守るため。(10/15 1:23)
「……これ、収録してるでしょ?」:実況に使われることは優先してなかったけど、これは実況者への激励。画面効果はたいしたことはしてない。変更した画像を重ねただけ。(10/15 1:36)

ここのポエム・ミニゲームに「モニカ」の文字がランダムに入れ替わるちょっとしたコードを加えた。(10/15 1:33)

すべてなくなるまで同じモノローグが表示しないように注意した。終了して再開してもモノローグの進行を追えるようにした。(10/15 1:39)

モノローグ間のポーズでmonika.chrが削除されてるかチェックしてるんだけど、初期バージョンでは20秒ぐらいに一度チェックしていたのをアップデートで5秒ごとにした。だから、monika.chrを削除したらすぐに反応するようになった。(10/15 1:39)

「……早送りしようとしてるの?」:こう言ってモニカはスキップを無効にする。こうした理由は、仕組み上ここでスキップすると今読んでる話題が既読になってスキップされてしまうから。(10/15 1:45)

「さようなら」:モニカがこう言った時、みんなが本当にゲームを止めてしまわないか心配だった。10秒ほどの待ち時間だけど、少しだけ本当に止めてしまった人がいた。それでも、またスタートすれば10秒の待ち時間から始まる。(10/15 2:04)

ヘルプボタンは、このゲームで実装しなかった要素の1つ。テストプレイでも技術系の人がサヨリが死んだ後に本当にゲームがバグったと思って、ヘプルボタンについて聞いてきた。(10/15 2:07)
その他のコメント【Act間の差異・その他】
Act間の差異

Act 1では、みんな文芸部に情熱を持ってるけど、Act 2では違う。モニカがいろいろいじって、しかも文芸部を楽しくしていたサヨリがいないせいで、口論になった。(9/23 2:30)

Act 1ではユリは「私は役立たず」と言い、Act 2では「役立たずではありません」と言う。これはサヨリがいないことによる環境の変化。(9/23 3:10)

週末にMCが誰を手伝うかを選ぶシーン:Act 1ではこのシーンは笑えるけど、Act 2ではみんなひどいことになって書いてて悲しかった。ナツキとユリがせっかくお互いに少し尊重するようになったのに、Act 2ではぶち壊し。サヨリが望んでるように、みんな仲良く幸せになってほしいよ。(9/23 3:14)

「私は卒業するまでにはこの部をみんなでもっと大きくできる自信があるわ」:Act 1では部員全員に情熱があったけど、Act 2ではナツキは「……そうね」としかたなく同意する。変えた理由は、その後の話でそれぞれ文芸部でやりたいことが違ってもめるようにするため。(9/24 1:52)

「作家が読者の想像力不足を逆手に取って驚かせにくるなんて凄いですよね?」:同じセリフでもAct 2で読むと面白い。(9/24 1:53)

「でも最近よく読んでるのはホラーなんです……」:ユリのこのセリフに対して、モニカはAct 1では「ホラー好きだなんて意外だわ」と言い、Act 2では「あなたらしいわね」と言う。(9/24 1:53)

「文化祭まであと一人見つけないと……」:Act 1と違って、モニカは直接的にMCにお願いする。MCと直接話せるようになったから、もっと気を引こうとしている。(9/24 1:59)

Act 2にもっと違いを加えようかとも考えたけれど、その違いを正当化できるだけの内容を思い付かなかったし、思い付いても大変すぎた。(9/24 2:16)

ユリの本の説明は、Act 1とAct 2とで違う。Act 2ではもっと不快で怪しく、ユリはかなり変わったものに興味を持ってる。(9/24 2:39)

「この主人公って、ちょっとユリに似てるよな」:Act 2では、ユリはかなり否定的になる。おそら前に読んでて、主人公にとてもまずいことが起きることを知っているんだろう。(9/24 2:41)

「いつも自分の世界に閉じこもってるから、きっとあの子にとってはそっちの方が楽しいんでしょうね……」:Act 1と違ってモニカはユリに意地悪だ。(9/24 2:49)

「自販機の下にある小銭でも探して来たらどうですか?」:ここは、ナツキを選んできたら違いがあるようにアップデートで追加した。その分、みんながナツキに意地悪になるように。(10/15 0:08)

ユリがピッチャーに水を汲みに行くシーン:Act 2ではユリに一緒に行くのを断られてしまう。理由は明らか。モニカは分かっているが、知らないふりをする。(10/15 0:12)

モニカは、いつも通り元気良く「よし、みんな!」とい言い始めても、Act 2ではすぐに「さっさと片付けてしまいましょ」と言って投げやり。(10/15 0:48)
「淀んだ空気は大抵、何か不吉なことが起きる前兆です……」:同じセリフでも、Act 1ではただのコミックリリーフだったけれど、Act 2ではもっと不吉な意味になる。(10/15 0:48)
「それだけは得意だものね」:モニカのこのセリフもナツキに意地悪になってる一例。
ユリに対しても、Act 1ではユリのすることを考えようとしていたが、Act 2では「何をしたって構わないわ」。文化祭も文芸部もどうでもよくなっている。ただプレイヤーに近づきたいだけ。(10/15 0:48)

Act 4で3回目だからみんなクリックで飛ばすと思うので、独自の違いを付け加えるようにした。ナツキもユリもMCに最初からやさしいのは、サヨリが部長になったおかげだろう。
ナツキはたまたまカップケーキを作った。MCのために作ってなかったから「あんたのために作ったわけじゃない」とか言わない。(10/15 1:12)

Act 4では、ユリは「よく読んでるのはホラーなんです」とは言わない。(10/15 2:15)

「今日の部活はこれで終わりかな?」:アップデートでここも変えた。残りすべてを誤ってスキップしてしまわないように、ここでスキップを無効にしてる。(10/15 2:17)


ゲームやアニメなどへの言及

スピードランとかステップマニア、スマブラの実況を週に一、二回、定期的にやりたい。スマブラのトーナメントにもまた参加したい。(9/23 0:05)(9/23 3:28)(9/24 0:02)

スマブラ:20XX TEを作ったときは予約を取ってたからストレスだった。また競技に参加したい。(9/23 0:35)
桜井(政博)に直接会ったことはない。会って握手をして自分のキャリアと人生に大きな影響を与えてくれたことを伝えられたらクールなんだけど。(9/23 2:22)
スマブラSPECIALには、興奮してる。明かされたしずえのデータはすごい。予想してなかったから遊んでみないと。(9/23 3:21)
スマブラプレイヤーHugS86と闘った時の思い出を熱く語ってます。(9/23 3:33)
UCFと20XX TEのアップデートは、将来ぜひやりたい。開発の予定があるわけじゃないけど。(9/24 0:45)
すべての要素を考えて、一番好きなスマブラはWiiU用。アシュリーが登場しない限りリンクを使う予定。(10/15 2:49)

ユリのスマブラのメインはマルス。ユリはマルスと特別な繋がりを感じてるから。
ナツキのメインはピカチュー。ナツキはかわいいものが好きだから。でもあえてプリンは選ばない。かわいいから選んだんじゃないという言い訳が必要だから。
サヨリは怖い見た目のキャラクター以外は全部遊んでみたい。でもあえて選ぶとするとヨッシー。ヨッシーの背中に乗ってみたいから。
モニカのメインは当然フォックス。モニカの研究の成果。(9/24 3:08)

ヨッシーストーリーのALLメロンに今ハマってる。(9/23 3:31)
数カ月スマブラは遊んでないけど、ヨッシーストーリー・コミュニティではまだ活動してる。(10/15 0:01)
ALLメロンを短くするMODを作ろうと計画してる。(10/15 3:49)

中学生の頃、任天堂ファンだから周囲から幼稚だとバカにされた。一方で、自分も任天堂ゲームの良さが分からない周囲をバカにしていた。(9/23 1:31)

コレクタソンについて:※コレクト+マラソン。アイテムを集めて回るタイプのゲームのこと。
A Hat Of Timeは、もちろん凄い。以前は、スーパーマリオ64やサンシャインのような際立ったゲームがあったけど、今はこのジャンルは流行らなくなってしまったが、マリオオデッセイやA Hat Of Timeのように現代版コレクタソンを作ることができる。
子供の頃によく遊んだジャンルが復活するのを見るのが好きなんだ。宇宙戦争モノやもパズルアドベンチャーもそう。(9/23 3:00)

「月姫」は、全体としてはこれまで読んだVNの中で演出面やシナリオ的に最高というわけじゃない。でも、最初に読んだVNだし、キャラクター主体で進むストーリーに感銘を受けた。「Fate/Stay Night」もルートを3つすべて遊んでスゴイと思ったけど、好きなのは「月姫」。大学時代で、勉強もうまく行ってなかった。(10/15 0:15)

遠野秋葉:「月姫」が初めて遊んだVNで、秋葉の物語は本当に心を打って共感した。自分にとって動機付けになる人なんだ。(9/23 1:34)

「ゆめにっき」で好きな部屋を選ぶのは難しい。魔女のエフェクトをゲットできて、不気味な黒髪の顔なし女がいる場所。音楽もシーンに合って完璧だった。(10/15 0:29)
ゆめにっきのポニ子を思い出す代わりにすーぱーそに子の「ぽちゃ子」と混同した。(9/24 3:10)

「グラビティフォールズ」を目にしたことはあるけど、ギファニーから影響を受けたということはない。(9/23 0:25)

「ととの」の存在を知ったのは、DDLCを開発してから。似たようなVNがすでにあっても驚かない。(10/15 1:32)

「がっこうぐらし」:自分がハマったのは、すべてのエピソードが失われたものに焦点が当てられてるから。非情で悲痛。(9/23 0:22)
まどかマギカは、好きなアニメ。(9/23 2:44)
Cupheadはすごい。(9/23 2:57)
「ひぐらし」はまだ読んでない。(9/23 3:12)
大学時代にVNにハマってた。「STEINS;GATE」と「999」にも衝撃を受けた。「Fate/Stay Night」も読んだ。劇場版アニメはすごく良く出来ていたので、次回作が楽しみ。(9/23 3:41)
いりす症候群!はクール。ゲームのルールを破る良いお手本。(9/23 3:52)


その他

ポエム・ミニゲームで誰を選ぶかをTwitchで投票して:過去の投票でサヨリが選ばれたことはなかったから驚いた。サヨリがみんなに愛されてうれしい。(9/23 0:32)
また、みんながサヨリを選んでくれた。さよならを言う前に、サヨリにふさわしい愛情をあげよう。(9/23 2:28)
サヨリの告白を受け入れるかの投票はさせないよ。もちろん受け入れる。ずっとサヨリが好きだったんだから、受け入れないなんて痛ましすぎる。(9/24 1:03)

文化祭の準備で誰を手伝うかをTwitchで投票して:ナツキもユリも投票数がほとんど同じだから、戻って両方試すよ。二人ともペアなんだから片方だけ選んだらがっかりするから可哀そうだよ。(9/23 3:19)

サヨリのイベントCG:このCGをポストカードにしたりして地元のイベントで配ったんだけど、まるでMCがサヨリのボタンを外してるエッチなシーンに見えてたってことに後で気が付いた。(9/23 0:51)


自分もスマブラのMODをやっていたので、MODコミュニティにはできるだけ貢献したいと思っている。ガイドラインは、著作権物に極端に間違ったことをしないようにするためのもの。(9/23 0:40)
技術的な興味で3DSやPSPに移植するのは、ぜんぜんかまわない。(9/23 1:55)
ファンが作った曲も聴いてる。他のファンアート同様、自分よりも実力がある人が作ったものを見れるのは本当に楽しい。(9/23 3:12)

今はチームは実質1人だけど、物事に対応するために変わっていかないと。(9/24 0:34)

大学ではITを学んだ。就職先ではあまり関係なかったけど、とても良かった。高校の頃にパソコン修理の仕事をフリーでやったりしてITのスキルはあったから、大学で学んでIT系で職を得て趣味でやったりするのは自然だった。(9/23 2:25)
インディーで生計を立てるのはとても難しいので、就職してお金を貯めて趣味をやるのは良い選択だと思った。(9/24 0:37)

自分でプロジェクトを立ち上げたい新人プログラマーに対してRedditのAMA #23のような回答。(9/23 3:07)

DDLCが出て1カ月ぐらいは他人の実況を見て楽しんでた。DDLCがこんなに人気になるとは思ってなかった。いまだに信じられない。(9/24 0:48)

Game Grumpsに丁寧なメールを書いたけど、残念ながら返事はない。かなり昔から彼らの実況が好きだったから、話を聞きたかったんだけど。(9/23 2:40)
ちょっと興味を示しただけだと思う。がっかりだけど、ダンがこんなことを言ってたなんて彼らにプレッシャーをかけるのはかんべんしてくれ。(9/24 0:50)

ZFGのTwitchは、よく見るよ。時のオカリナのとか。彼の知識はすごい。(9/24 0:52)

身長は160cm。(9/23 3:50)

Steam Playの初期対応タイトルにDDLCが選ばれたのは光栄だけれども、もともとLinux対応していた。(9/23 3:54)

ユリの精油:マルチ商法確定? 冗談だよ。ユリは絶対にやりそうもない。(9/24 0:30)

サヨリの首つりシーンを空港で作業してる時があって、誰かに画面を覗かれやしないか冷や冷やした。(9/24 1:19)

こうしてプレイしながら開発のことを思い出して、みんなの感想を聞けるのは本当に楽しい。ただ、すべての質問には答えられない。考察の余地を残しておいたほうが楽しいこともあるし、自分のちょっとした思い付きを公式設定だと思われてしまうのも困る。(9/24 3:06)

Nick Kaelar (Varien) :サウンドトラックにリミックスとかを追加したくて、最初、Shojiに連絡した。たまたま聴いたShojiの新曲が好きだったから。そうしたらShojiがVarienと友達だったというわけ。(9/24 3:11)

特定のことについて「ミームになってほしいですか?」とか「すごく人気なのを知ってますか?」とかよく聞かれる。Portalの開発者コメンタリーを思い出す。「the cake is a lie」やコンパニオンキューブがミームで話題になると思ってましたか?と聞かれて、予想していたこともあるし、まったく予想してなかったこともある、と答えていた。DDLCも同じ。「Just Monika」はゲームの最重要フレーズだから話題になるだろうとは思ってたけれど。(10/15 3:33)

モンキーラップのカバーをするんだったら、DDLCランをAGDQに投稿したほうがいい。(10/15 2:40)

Zero Punctuationのレビューは見た。彼らのようなYouTube文化のパイオニアからレビューされるのは光栄。(10/15 2:42)

DDLCのアーティストと以前から友達だったわけじゃなくて、そのために探した。(10/15 2:43)


※ダン・サルバト氏のしゃべり方はかなり早口で、さらに「you know」「like」「I don't know」といったあいまい語が3割ぐらい含まれています。
Team Salvatoの今後の活動について(2018/10)
Team Salvatoの公式サイトに今後の活動について記事が投稿されていたので要点を翻訳しました。

Team Salvato General Update – October 2018
http://teamsalvato.com/blog/team-salvato-general-update-october-2018/

個人について
Team Salvatoは実質1人なので、あらゆる物事が自分の肩にかかって来ている。
DDLC発売後の反響はまったく予想していなかった事態で準備もしていなかったので、発売後しばらくは精神的に参っていた。
それも復活してきたので、DDLCを愛してくれているファンの期待を絶対に裏切らないようにするつもりだ。時間がかかっても、楽しんでもらえるものを用意していくので、待っていてほしい。

DDLCの更新について
翻訳や他のプラットフォームへの移植、その他やってみたいことがたくさんあるので、準備を進めている。ファンのためにもDDLCの世界に関連するいろいろなものを用意したいと思っているし、その機会も出来つつある。なので、いつとは言えないが、話せるようになったら話す。

今後のゲームについて
2018年中に新しいゲームの発表はない。
DDLC発売後は新しいゲームに専念するつもりだったが、状況はまったく変わってしまった。
結果として時間がかかっているが、その代わり1年前に考えていたよりも良いゲームが出来そうだ。
頑張るつもりなので、期待して待っていてほしい。
1 Kommentare
nckomaki  [Autor] 23. Dez. 2018 um 2:31 
「私の夢すべてを叶えてくれて、ありがとう。」:これが私にとって一番心を動かされたセリフです。モニカの夢をすべて失わせてしまったにもかかわらず、恨み言も言わずに、ただ心から感謝してくれた…。あのすべてが消え去った世界からモニカの感謝だけが残されたラストが、いまでも心に残っています。たぶん永遠に。