Faust
Fujiwara no Mokou
 
 
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Red Dead Redemption 2
3
正直者之死
僕ら正直村はもともと八人だけだったのだ。
全員で東の山に引っ越すことになって二年が経とうとして
いたんだ。正直退屈な毎日だった。
ある日、一人が桃の木の脇に小さな穴を発見した。
そう、それから僕らはこの楽園に迷い込んだのだ。
そして僕はさっそく、人間をやめた。

最も好奇心の高い僕は、先を急ぎ森の奥を目指した。
奥で謎のピエロに呼び止められ、なにやら嬉しそうに蓬莱
の玉の枝を手渡されたんだ。受け取ろうとしたら一瞬で首
と体が離れたようだ。僕は動く事も喋る事も出来なくなっ
て、二度と仲間に会うことが出来なかった。
残りの正直者は七人になった。

朝は、池の上に紅と白の二色の巫女が踊ってるのが見えた。
最も早起きな僕は、その無慈悲で過激な舞に長い間魅了さ
れていたんだ。やがて雨が降り始め、僕は我にかえった時、
もう巫女の姿は無かった。

雨は止むことを知らなかった。巫女はしっとりと全身を濡
らしたまま、雨に溶け込む様に消えていく。巫女に見とれ
ているうちに雨は恐ろしい嵐になり、最も美しいボクはピ
エロに捕らわれたのだ。そのままピエロは嵐の中に消え、
もう僕らの所へ帰る事は出来なかった。
残りの正直者は六人になった。

夜、六人は異国風のパーティを開催した。最も幼い僕はま
だお酒も阿片も飲めなかったのでひどく退屈だったんだ。
僕は一人でこっそりその場から抜け出したんだけど、暗闇
で不吉なピエロに捕まってしまったんだ。僕は、あっさり
首を切られた。もう退屈することも二度と出来なかった。
残りの正直者は五人になった

僕は息が切れるまで走った。最も臆病な僕は、この楽園が
怖くなったのさ。この位予想していたことだけど、いくら
走っても帰り道を見つけることは出来なかったのだ。もう
僕の想い人も消えてしまっている、生きていても仕方が無
い、僕は失意の後に太い枝に縄を縛りつけ首を掛けた。
...僕はなぜか意識がある。縄が脆かったのか?...
最も臆病な僕は生まれ変わった。もう失うものは何も無い、
僕はもう一度だけ人間の真似をしてみることにしよう。

目が覚めたら僕ら五人は暗闇に居たんだ。一人の言うこと
には、僕らは謎のピエロにさらわれたらしい。四人は幼稚
な脱出計画を立てている。最も聡明な僕は、止めとけばい
いのにと見ていたがとうとう口に出さなかったのだ。
四人の予定通り計画は実行され、一人の予想に反し成功に
終わったんだ。そして僕は永遠に逃亡出来なかった。
永い暗闇の中で暇を潰していると、すぐに僕らの中にピエ
ロがいたことに気づいてしまった。ふと後ろに気配を感じ
たが、身を任せた。熱いものが背中を伝った。

僕らは見事脱出に成功したんだ。僕らは何て賢いんだろう
と感心し、楽園に見つけた住みかに帰ろうとした。
 誰もお互いを疑う事なんて考えたことは無かったのさ。
 みんな正直者だったんだ。みんな仲良しだったんだ...

楽園は、僕らが住むにちょうど良い建物を用意してくれた。
森の奥にある古びた洋館は、いつでも僕らを受け入れてく
れる。でもいつもなら大量に用意する食事も、いつもの
半分で済んだ。
 正直者の僕らはいつのまにか半分になっていたのだ。

午後は、いつもお茶の時間と決めていた。いつもならだた1
苦いだけの珈琲が、今日は僅かに甘く感じたんだ。
 それが惚れ薬-Love Potion-入りだったとは...
最も大人びた僕は、美しきピエロに恋し幸福のままに眠り
に落ちた。
残りの正直者は三人になった。

僕は明らかに毒で殺された仲間を見てしまったんだ。あれ
は自殺のはずがない。珈琲は僕が適当に選んで皆の部屋に
配ったんだからな。他の二人には彼の死を伝えなかった。
最も警戒心の強い僕は、自分で用意した食事以外は口に入
れなかった。他の二人が寝静まるまで必死に起きていた。
僕らは別々に部屋に入って鍵をかけた。そう僕は二人のう
ちある一人を疑っていたんだ。
 どこからか、すぐ近くで木に釘を打つような音が響いて
いたんだ。一体どっちの仕業だろう? 暗闇の中恐怖に顔
が歪む。音に合わせ僕の手足が痛む。まるで五寸もある釘
で打たれたかのようだったんだ。霊媒師にでも相談しよう
とも考えたが、ある事に気付いてしまったんだ。
 そうだった、僕が木に打ち付けられていて動けないんだ
った。どっちが僕を木に打ち付けてるのだろうか?
 そして最後の釘が眉間に当てられた。
 そこには予想通りの顔が見えた。
 声を出す間も無く、光は完全に途絶えた。

君は余りにも腑抜けだったのだ。
正直者が馬鹿を見るということが分からないのか?
こんな隠居暮らしで昔のあの鋭い感覚が麻痺したのか?
もう一度街の賑わい、富と快楽が恋しくないのか?
僕は、昔みたいに皆で盗賊団になって、もう一度人生やり
直したいだけだったのに。
一仕事終えた僕は、朝食の準備をし夜があけるのを待った。

最も早起きな僕の意識は、すでに虫の息だったんだ。今朝
のハムエッグに何か盛られてたんだろうな。なんて僕は頭
が悪いのだろう、二人になるまで全てが分からなかったな
んて。全部あいつの仕業だったんだ、気違いになった時点
で殺しておくべきだったんだ。
 いずれにしても、もう遅すぎたな...
いつかの巫女が見えた気がした。僕の幻覚なのか?
それにしても髪の色はあんなブロンドだっただろうか。
僕の命と引き換えに、もうしばらく幻覚を見せて欲しいと
言う願いは、前者だけ叶ったようだ。

あれから生まれ変わった僕は、昨日は夕食後、強烈な睡魔
の襲われたんだ。頭が割れる様に痛い。昨夜のことが何に
も思い出せない、永い夢を見ていたような気がする。目の
前の現実さえ見なければもっと良かったのに...
 何てことだ、一人は珈琲に毒、一人は木に打ち付けられ
 ていて、そしてもう一人は首をはねられてたなんて...
僕は椅子と縄を用意し最後に呟いた。
 最後に死んだとしたら、珈琲で死んだ奴しかありえない。
 つまり、そういうことなのか?
 そういうことなのだろう。
 僕の夕食にも何か盛られていたようだな。
 そんなことはもうどうでもいい、僕は一人だけなんだ。
 もうこんな嘘つきだらけの世に未練など、無い。
今度は丈夫な縄を天井に縛り、僕は高い椅子を蹴った。
今度こそ、二度と体が地面に着くことは無かった。

そして正直者は全員消えた。
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