「最近のフロムがアーマードコアを作ったら」
がそのまんまお出しされた感じ
一応おすすめはするけど、過去作の延長線上と思って遊ぶとガッカリするかも
逆にソウルライク的なやりごたえを求めている人なら手放しでおすすめできると言える

前置きになるが、自分がACに求めている主観が多分に入っているので
批判的な物言いになってしまっていることをご容赦いただきたい

まず敵が強い
ボス級が今までのACと比較にならないくらい強敵揃いで
平気でこっちの体力の半分とかをワンパンで抉り取ってくる
一応リペアキットがあるので実質的な体力的にはもう少しダメージ割合は低いのだが
正直リペアキットは即時使用で隙も全くないので駆け引きもなく、所謂エスト瓶としては機能していないため
使用の手間とAP残量の確認がただ面倒でしかなかった
その回復分APがある前提のダメージ調整にしてほしかったかなという感じ

あとは新システムのスタッガーも、楽しくはあってもACのシステムとは噛み合わせが悪く感じた
先述のボス級達はどいつもこいつもスタッガーによる大ダメージを与えることを前提とした体力、防御力をしているため
「自由なアセン」を謳ってはいるが、「スタッガーを起こしやすくその後に追撃を入れられる」組み合わせをほぼ強制される形となり
よほど腕前に自信がない限り自由に機体を組み替えて遊ぶ従来のACの遊び方は難しいように感じた

戦闘スタイルも同上で、スタッガーを起こすためには常に攻め続けて相手にコンスタントに攻撃を当て続けなければならず
消極的なプレイをしているといつまでたっても敵を倒せないので
（意図したものであるのかもしれないが）必然的に皆プレイスタイルがある程度似通ってくるのは残念な部分だ

結局これらの要素が組み合わさり、強敵や難ステージは大多数のレイヴンにとっては
「自由なアセンと戦術を試す」のではなく
「開発の意図した構成を見つける」状態に陥りやすくなってしまっている


結局何が言いたいかというと、「昨今のフロムゲー」としては易しいが「アーマードコア」としては難しすぎる！


私はACだけでなく昨今のフロムゲーも遊んでいるので楽しんではいるが
決して上手なプレイヤーでは無いため、繰り返しプレイすることになっても
「次はちょっと尖った構成で遊んでみよう！」
といった「遊び」が出来るとは思えないのだ。
ちょっとでもぬるいアセンを組もうものなら一瞬で屑鉄にされる
その位今作はシビアだ

10年の歳月を経て、フロムソフトウェアに人々が求めるものが変わってしまったが故に
アーマードコアも変わらざるを得なかったのだろう

決してクソゲーではない、滅茶苦茶面白いのは本当だ
久しぶりに時間を忘れて一日中プレイしてしまった程に
スタッガー状態の相手にパイルバンカーのチャージをぶち込む瞬間は何度やっても爽快感で溢れているし
ハンガーで愛機を弄り、フォトモードで眺めているだけで時間が溶けていく

だからおすすめはできる。面白い作品だとも言える
だけど「アーマードコア」としてはどうだろう
これに関しては１０年近く待たされたというせいもあってか
「出してくれるだけもうありがたい」というバイアスがかかってしまっているせいで正しい評価を下せそうにない

ただこれでせっかく再び火のついたアーマードコアというIPが燃え尽きてしまわぬことを、一ファンとしてただ願うばかりである


あと敵の攻撃はスタッガー関係なくこっちのAP削りすぎじゃない？
ずるくね？



(ここから追記)
全ミッションをクリアし、EDも見た上で
改めて思うことがあったため、ここに追記させてもらう

シナリオやキャラクター、世界設定は全作を通して個人的には一番良かった
ストーリーは分かりやすく、キャラクターも魅力的なものばかりで印象によく残ったからだ


そして結局、これは私にとって紛れもなく「アーマードコア」だったらしい

自分のことにも拘らず「らしい」というのもおかしな話なのだが、それには理由があり
まず全ミッションを通して私はあまりこのゲームに対する難易度に心を折られずそこまで苦戦しなかった事が一つある

どのボスミッションや巷で高難度と言われている部分であっても、勿論詰まりはしたがそこまで時間はかからず
10回以上かかったものはないと言えるほどである
アセンも強アセンだったわけでもない、はずだ

これは私が上手だったと自慢したいわけでも、このゲームが実は簡単だったと言いたいわけでもない
難易度に関する批判の反論としての常套句である「過去作も難しかった」というものを私は肯定したうえで、それでも今作の難易度は総じて高いと感じたからだ

その上で私があまりミッションに詰まらなかったのは
ひとえに私の中の「アーマードコア」が息づいていたからという結論に至った

パーツのステータスの見かた、機体の組み方、武器や内部パーツの特性への理解
ミッションに失敗すれば、どこをどうすればよいか
機体構成をどう見直すか、攻略順をどうするか、どう動けばよいか
それが、私が過去作のアーマードコアを遊んだ時に感じた感覚と同じだったからだ

護衛対象を何度も焼失し、マップで迷って時間制限になり、距離を見誤って落下死し
大きな縦穴でパルスを喰らい、虹色のビーム散弾を浴び、捉えられない動きでハンドレールガンを浴び続け、不条理な数の敵ＡＣの群れに何度も叩きのめされた
あの経験が、私を幾度となく助けてくれたのだと思う

それでも「らしい」と付け加えたのは
「アーマードコアとは変化し続けているからこれもアーマードコアだ」
という今作を擁護するよくある言葉に対して
「その『アーマードコアの変化』は直近作などに影響されていない独自の変化だから受け入れられたんだ」
という理解を拒む、いわば老害と言われてもしかたない思考が未だに私の中にあるからだ
こればかりは何を言われようが変わらない、今作は明らかに最近のフロム作品の影響を受けて作られているからだ。ただのアーマードコアではない。頭ではそう言い続けている
スタッガーありきの戦闘システムはもう少し見直すべきだと思うし、難易度も平均値が高すぎると感じる
アセンの幅だって、プレイ中に箸にも棒にも掛からなかったパーツが半分以上あった

だけれど遊んでいく中で、私の魂が、肉体が
これは「アーマードコア」だと告げているのだ

だからこれは紛れもない「アーマードコア」の続編だ
時代や作風に応じて変わってしまっていても、きっとそうなのだろう

要点も曖昧でいずれも長文となってしまい申し訳ないが、思いのほかこのレビューが多くの人の目についてしまったが故に、追記なしに
「とても面白いがアーマードコアではないかもしれない」
というレビューのままこれを残しておきたくなかった為、蛇足と駄文を承知の上でこの追記をここに記させてもらう

難しいが、やる価値はきっとある
だからこそ、その燃え残った部分に火を点けてみてほしい

「最近のフロムがアーマードコアを作ったら」 がそのまんまお出しされた感じ 一応おすすめはするけど、過去作の延長線上と思って遊ぶとガッカリするかも 逆にソウルライク的なやりごたえを求めている人なら手放しでおすすめできると言える 前置きになるが、自分がACに求めている主観が多分に入っているので 批判的な物言いになってしまっていることをご容赦いただきたい まず敵が強い ボス級が今までのACと比較にならないくらい強敵揃いで 平気でこっちの体力の半分とかをワンパンで抉り取ってくる 一応リペアキットがあるので実質的な体力的にはもう少しダメージ割合は低いのだが 正直リペアキットは即時使用で隙も全くないので駆け引きもなく、所謂エスト瓶としては機能していないため 使用の手間とAP残量の確認がただ面倒でしかなかった その回復分APがある前提のダメージ調整にしてほしかったかなという感じ あとは新システムのスタッガーも、楽しくはあってもACのシステムとは噛み合わせが悪く感じた 先述のボス級達はどいつもこいつもスタッガーによる大ダメージを与えることを前提とした体力、防御力をしているため 「自由なアセン」を謳ってはいるが、「スタッガーを起こしやすくその後に追撃を入れられる」組み合わせをほぼ強制される形となり よほど腕前に自信がない限り自由に機体を組み替えて遊ぶ従来のACの遊び方は難しいように感じた 戦闘スタイルも同上で、スタッガーを起こすためには常に攻め続けて相手にコンスタントに攻撃を当て続けなければならず 消極的なプレイをしているといつまでたっても敵を倒せないので （意図したものであるのかもしれないが）必然的に皆プレイスタイルがある程度似通ってくるのは残念な部分だ 結局これらの要素が組み合わさり、強敵や難ステージは大多数のレイヴンにとっては 「自由なアセンと戦術を試す」のではなく 「開発の意図した構成を見つける」状態に陥りやすくなってしまっている 結局何が言いたいかというと、「昨今のフロムゲー」としては易しいが「アーマードコア」としては難しすぎる！ 私はACだけでなく昨今のフロムゲーも遊んでいるので楽しんではいるが 決して上手なプレイヤーでは無いため、繰り返しプレイすることになっても 「次はちょっと尖った構成で遊んでみよう！」 といった「遊び」が出来るとは思えないのだ。 ちょっとでもぬるいアセンを組もうものなら一瞬で屑鉄にされる その位今作はシビアだ 10年の歳月を経て、フロムソフトウェアに人々が求めるものが変わってしまったが故に アーマードコアも変わらざるを得なかったのだろう 決してクソゲーではない、滅茶苦茶面白いのは本当だ 久しぶりに時間を忘れて一日中プレイしてしまった程に スタッガー状態の相手にパイルバンカーのチャージをぶち込む瞬間は何度やっても爽快感で溢れているし ハンガーで愛機を弄り、フォトモードで眺めているだけで時間が溶けていく だからおすすめはできる。面白い作品だとも言える だけど「アーマードコア」としてはどうだろう これに関しては１０年近く待たされたというせいもあってか 「出してくれるだけもうありがたい」というバイアスがかかってしまっているせいで正しい評価を下せそうにない ただこれでせっかく再び火のついたアーマードコアというIPが燃え尽きてしまわぬことを、一ファンとしてただ願うばかりである あと敵の攻撃はスタッガー関係なくこっちのAP削りすぎじゃない？ ずるくね？ (ここから追記) 全ミッションをクリアし、EDも見た上で 改めて思うことがあったため、ここに追記させてもらう シナリオやキャラクター、世界設定は全作を通して個人的には一番良かった ストーリーは分かりやすく、キャラクターも魅力的なものばかりで印象によく残ったからだ そして結局、これは私にとって紛れもなく「アーマードコア」だったらしい 自分のことにも拘らず「らしい」というのもおかしな話なのだが、それには理由があり まず全ミッションを通して私はあまりこのゲームに対する難易度に心を折られずそこまで苦戦しなかった事が一つある どのボスミッションや巷で高難度と言われている部分であっても、勿論詰まりはしたがそこまで時間はかからず 10回以上かかったものはないと言えるほどである アセンも強アセンだったわけでもない、はずだ これは私が上手だったと自慢したいわけでも、このゲームが実は簡単だったと言いたいわけでもない 難易度に関する批判の反論としての常套句である「過去作も難しかった」というものを私は肯定したうえで、それでも今作の難易度は総じて高いと感じたからだ その上で私があまりミッションに詰まらなかったのは ひとえに私の中の「アーマードコア」が息づいていたからという結論に至った パーツのステータスの見かた、機体の組み方、武器や内部パーツの特性への理解 ミッションに失敗すれば、どこをどうすればよいか 機体構成をどう見直すか、攻略順をどうするか、どう動けばよいか それが、私が過去作のアーマードコアを遊んだ時に感じた感覚と同じだったからだ 護衛対象を何度も焼失し、マップで迷って時間制限になり、距離を見誤って落下死し 大きな縦穴でパルスを喰らい、虹色のビーム散弾を浴び、捉えられない動きでハンドレールガンを浴び続け、不条理な数の敵ＡＣの群れに何度も叩きのめされた あの経験が、私を幾度となく助けてくれたのだと思う それでも「らしい」と付け加えたのは 「アーマードコアとは変化し続けているからこれもアーマードコアだ」 という今作を擁護するよくある言葉に対して 「その『アーマードコアの変化』は直近作などに影響されていない独自の変化だから受け入れられたんだ」 という理解を拒む、いわば老害と言われてもしかたない思考が未だに私の中にあるからだ こればかりは何を言われようが変わらない、今作は明らかに最近のフロム作品の影響を受けて作られているからだ。ただのアーマードコアではない。頭ではそう言い続けている スタッガーありきの戦闘システムはもう少し見直すべきだと思うし、難易度も平均値が高すぎると感じる アセンの幅だって、プレイ中に箸にも棒にも掛からなかったパーツが半分以上あった だけれど遊んでいく中で、私の魂が、肉体が これは「アーマードコア」だと告げているのだ だからこれは紛れもない「アーマードコア」の続編だ 時代や作風に応じて変わってしまっていても、きっとそうなのだろう 要点も曖昧でいずれも長文となってしまい申し訳ないが、思いのほかこのレビューが多くの人の目についてしまったが故に、追記なしに 「とても面白いがアーマードコアではないかもしれない」 というレビューのままこれを残しておきたくなかった為、蛇足と駄文を承知の上でこの追記をここに記させてもらう 難しいが、やる価値はきっとある だからこそ、その燃え残った部分に火を点けてみてほしい