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Posted: Oct 12, 2021 @ 9:05am
Updated: Dec 26, 2021 @ 2:30am

追記 1: 2021.11.10のアップデートを受け、評価を「おすすめする」から「おすすめしない」に変更しました。
追記 2: 2021.12.17のアップデートを受け、評価を「おすすめしない」から「おすすめする」に変更しました。
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以下12月アップデート後のレビュー

11月のアップデートで地に落ちたと言ってもいいゲームの評価だが、続く12月のアップデートでは開発が入れ替わったのかと思うほどの改善が見られた。

まず、発売2ヶ月経ってもクリア率1%程度という異常な難易度だったナイトメアの仕様が緩和された。それと同時にやたらめったら出現していた特殊感染者の数も大幅に制限され、理不尽に思えるような場面は大幅に減って遊びやすくなった。

ナイトメアの緩和に合わせて様々なカードにも大幅な調整が入り、ランナー系カードは弱体化、戦闘系カードの強化が行われたことによって、ただ走り抜けるだけのゲームではなく、ちゃんとシューターとして楽しめるようになった。それでもクリアだけならまだまだ走り抜けたほうが楽ではあるが、以前はナイトメアを戦いながらクリアするというのはまず不可能であったため、取れる選択肢が増えたことは素直に喜ばしい。

あとはプレイヤーからも要望が多かったであろうコンティニュー数制限に関しても手が入り、プレイヤーがコンティニュー数を増やす手段も追加された。これも難易度の緩和には大きく影響している。

このゲームは元々ビルド幅自体はあったが、難易度のせいでそれらを使う機会がほとんどなかった。それがシューターとしての楽しさを損なっていたわけだが、今回のアップデートではそういった状況にメスをいれ、大幅な改善を見せた。11月のアップデートを思い出すとこれからの展望に不安がないわけではないが、とりあえず現状はシューターとして遊べるようにはなっているので、評価を「おすすめする」に戻すことにした。次の大型アップデートは年明けのDLC配信と同時になると思われるが、そこでさらに評価を上げることを期待したい。

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以下11月アップデート後のレビュー

発売からおよそ200時間プレイし、野良で最高難易度のナイトメアをクリアして実績もすべて解除した。全キャラクターでナイトメア攻略を目指すくらいには楽しんでいたが、11月10日に行われた1ヶ月ぶりのアップデート内容があまりにもひどく、開発の正気を疑わざるを得ない。もはや他人におすすめできる内容ではなくなってしまったので、レビューの評価を改めることにした。

11月に行われるアップデートはQoLの改善を謳っており、UIやコミュニケーション手段の改善を期待していたのだが、いざ蓋を開けてみるとプレイヤーの弱体化と敵の強化ばかりで、ユーザーからの声に耳を傾けるような素振りは微塵も見られなかった。本当に残念だ。

具体的にはプレイヤーの近接特化構成が集中的に弱体化され、移動速度に関してもトップスピードに達するのに時間がかかるようになったため、敵から逃げるのも難しくなった。その一方で敵はほとんど怯まなくなるなど凶悪さが増している。

現状の実績解除率を見て欲しい。最高難易度のクリア率は1%を割っているというのに、何を思ってプレイヤーから選択肢を取り上げ、敵をより理不尽にしたのか。本当に理解に苦しむ。

現時点では本作の購入はおすすめできないし、近いうちにアップデートでバランスが改善されない限り、自分ももうプレイすることはないだろうと思っている。

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以下発売直後のレビュー

まず初めに言っておきたいのは、この作品は『Left 4 Dead』シリーズとは全くの別物であるということ。L4D3を期待しているユーザーは本作を購入する前にどのようなゲームかよく調べてほしい。本作のCo-opモードを簡潔に説明するならば、「高難易度」、「ローグライト」、「キャラクタービルド」といった要素が挙げられる。中でも「ローグライト」要素が色濃く、序盤はできることがかなり少ない。しかしそこを乗り越えてプレイし続けると、挑戦しがいのある難易度や豊富なビルド要素など、本作の楽しさが見えてくる。

もう一点言っておきたいのは、ゲーム自体の出来には(ほぼ)関係ないが、本作のパブリッシングを担っているのは日本向けの対応が史上最低とも言えるWB Gamesであるということ。『Batman: Arkham Knight』、『Middle Earth: Shadow of Mordor』、『MADMAX』、『Dying Light』とこれまで築き上げてきた悪名は数しれず、例にもれず本作もオープンベータから製品版の仕様に至るまで、ユーザーを舐めてるとしか思えない対応ぶりを見せてくれている。詳細や対応策(ゴア表現規制の回避方法)は後述する。

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良い点
✓ 撃ち応えを感じるシューター要素
✓ 全33マップというボリューム
✓ ランダム要素によるリプレイ性
✓ 方向性を大きく変えられるビルド要素
✓ 挑戦しがいのある難易度

悪い点
✗ 極端な難易度曲線
✗ 長過ぎる1プレイ
✗ つまらない対戦モード
✗ ゲーム性を損ねるゴア規制

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やればやるほど幅が広がるゲームプレイ
本作の根幹はカジュアルとは対極の「ローグライトシューター」であり、繰り返しプレイして少しずつ強化要素をアンロックしていくプロセスを楽しめるかどうかが評価の分かれ目になる。ただ、このプロセスが非常に長いため、軽く見積もっても20時間はチュートリアルと思ってプレイする程度の気概が欲しい。

長い長いアンロックを越えると、自分のプレイに合った方向性のビルドを色々と組むことができるようになる。例えば近接攻撃に特化したり、スナイパーによる急所の狙撃に特化したり、味方を回復することに特化したり等々……。これらのビルドを構築する「アクティブカード」というアイテムは150枚以上あり、使用する武器なども考えると実に幅広いビルドが構築できる。

このようにビルドの幅が広いのが本作の長所の1つではあるが、ここで1つ問題がある。ゲームシステム上、組んだビルドをフル活用できる場が非常に限られているのだ。本作のキャンペーン(Co-opモード)では15枚のカードで組んだデッキを使用するのだが、基本的に1つのマップを開始する度に1枚しかカードを有効化することができない。1回のプレイが大体10マップ前後で構成されているので、終盤こそ10枚以上のカードを使ってビルドの本領を発揮できるものの、序盤はゲームを始めたての頃とほぼ変わらない状態でのプレイを強要される。作品の根幹がローグライトであることを考えるとさもありなんという感じではあるが、事前にビルドを組む意味がやや薄く感じるのは改善してほしい点である。

プレイする度に変化するマップの状況
キャンペーンをプレイする際、様々なイベントやチャレンジを発生させる「退廃カード」というシステムがあり、各マップの開始時にAIディレクターによってこれが複数枚に選択される。これによって同じマップであっても天候が違ったり、出てくる敵が強化されていたり、強力なボスが出現したりとプレイする度に状況が変化するため、リプレイ性が高い。

しかし一方でこの退廃カードが難易度に影響しすぎているため、同じ難易度であっても簡単にクリアできることもあれば開始数分で全滅することもあるなど振れ幅が大きい。それが楽しい部分でもあるのだが、場合によっては思うようにクリアできずストレスを溜める要因になるかもしれない。

ライト層をふるいに掛ける極端な難易度曲線
キャンペーンはビギナー、ベテラン、ナイトメアという3つの難易度が用意されているのだが、ビギナーとベテランで難易度にかなりの開きがある。ビギナーはある程度FPSに慣れていれば楽にクリアできる程度の難易度で、人によっては退屈に感じるかもしれない。しかしその上のベテランに行くと急激に難易度が上昇し、強力なカードを揃えてからでないとまともに太刀打ちできなくなる。

挑戦的難易度があるのは悪くはないと思うが、おそらく大抵のプレイヤーはこのギャップで躓き、しばらくカード集めに回るか、そこでゲームを止めてしまうかの2者に分かれると思われる。カードを揃えてしまえば非常に挑戦しがいのある難易度で、このゲームにおける楽しさが詰まっているのだが、やはりもう1つくらい中間的な難易度がある方がとっつきやすいのではないかと感じた。

本作のボリュームについて
本作のボリュームと値段に関してはよく槍玉に挙げられているが、PvEとPvPの2つのモード、33個のマップ、そして大量のカードや武器、アイテムなどを考えると、$60に見合うだけのボリュームは十分にあるのではないかと思う。日本向けの価格設定は正直高いと感じるが、それはこのゲームに限った話ではないため割愛。

ローンチ時点で十分にボリュームはあるが、今後もDLCなどで拡張されていくことを考えると、相当長く遊べる作品になるのではないかと思う。クロスプレイにも対応しているので人口も安泰だろう。ただ、対戦モードは狭いマップで数分間わちゃわちゃするだけの微妙な出来なので、対戦モードをメインに考えている人はあまり期待しないほうがいい。

ボリュームがあるのはいいことだが、その弊害というべきか、1プレイが恐ろしく長いのが問題点の1つである。通しでプレイしようと思うと1プレイで10マップ前後、難易度にもよるが時間にして3~4時間程度かかる。一応途中で中断することもできるが、そうした場合再マッチングに時間がかかる可能性があるのでおすすめできない。この点もとっつきにくさの原因の1つであると言える。

ゴア表現の規制について
『Dying Light』の表現規制で大きく話題となったWB Gamesだが、あれ程ではないにしろ本作でも日本からプレイすると大幅な規制がかけられる。出血エフェクトの大幅な削除、欠損表現の削除、極めつけは自爆するはずの敵が爆発せずに寝転ぶだけ。最後の例に関しては視界が塞がれるなどゲームプレイにも影響してくるため、単なる規制の一言では済まされない酷さがある。ゾンビシューターで『Back 4 Blood』なんて名前をしていてこんな物が出てくるなんて詐欺じゃないかと言いたくもなるが、幸いにも下記の手順を踏むことで海外版と同等のゴア表現に変更できる。

  1. Windowsのスタートメニューから設定 > 時刻と言語 > 地域 を選択し、「国または地域」を米国に変更する
  2. C:\Users\ユーザー名\AppData\Local\Back4Blood\Steam\Saved\Config\WindowsNoEditorにあるGameUserSettings.iniを開く
  3. [LiteGore]の項目をEnabled=TrueからEnabled=Falseに変更して保存する
  4. GameUserSettings.iniを読み取り専用に変更する

WB Gamesは突然説明もなく日本だけオープンベータを中止にしたり、プレイ解禁直前まで規制に関して一切公表しなかったりとユーザーに対して非常に不誠実で心底辟易する。叶うならば金輪際日本向けのパブリッシングに関わらないでほしい。

総評
『Left 4 Dead』シリーズの精神的後継作という大きな期待を背負って登場した本作だが、残念ながらその期待には応えられていない。ゲームのコンセプトは大きく違うし、人気を博したキャンペーン対戦はなく、Modにも対応していない。だが、独立したCo-opゲームとしてみれば、大胆なビルド要素や高いリプレイ性などよくできた点も多く、噛めば噛むほど味の出るいわゆるスルメゲーだと感じた。繰り返しプレイや高難易度といった要素が嫌いでなければ、拡張も含め長く遊べる作品になると思われる。対戦モードの微妙さや日本でのゴア規制を踏まえて、総合評価は75/100といったところ。
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