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Posted: Jul 11, 2018 @ 1:53am
Updated: Jul 11, 2018 @ 7:14am

丁寧に作られた上質な素材を、細切れにしてボロ布と一緒に縫い合わせたみたいなゲーム
idソフトウェア制作の、オープンワールド”風”ポストアポカリプスFPS。

続編発表ということで、ちょっとだけやって積んでたのを改めてプレイした。
クリア時間はダラダラやって12時間ほど。

良い所
  • コンセプトアートをそのまま立体化したかのような、美しい景観デザイン。
    豪勢なテクスチャリングと光源効果を用いた景観は、リリース後7年たった今見てもスクショを取りまくりたくなる程度には美しい。ロード画面で表示される絵も非常にセンスがいい。
  • 賢く、いやらしい動きをする敵。
    近接敵は天井、壁、床を跳ね転げ回り、非常に読みづらい動きをしてくる。銃持ちの敵は、連携してのグレ投げや、盾持ちの敵を前衛にした陣形組み、孤立したら退却し仲間のいる位置まで移動するなど、賢く、各々の特色も出ていて非常に良くできている。
  • レベルデザイン。このゲームでの戦闘はほぼそれぞれのギャングのアジト等(ダンジョンに相当)で行われるが、リニアシューターのような作りになっており、敵配置などがよく練られている。巨大ボスなども存在し、ダンジョン攻略自体は非常に楽しい。

悪い所
  • 全てが会話で進み、何も見せてはくれないストーリー。
    「〇〇が起きた、✕✕へ行って来い」このゲームのメイン、サブ含めた殆どのクエストがこれ。そして何よりの問題は、その〇〇が起きる瞬間を決して、ビタ一、全く見せてはくれない所。
    総ての出来事はクエストを寄こす偉そうな人らの言葉の上にしか存在しない。そしてその人らは寄越せるクエが無くなると忽然と消える。もちろんプレイヤーが見ていない所で。
    運命に翻弄されながらもそれを受け入れて使命を果たしていくというより、まるで詐欺師にこき使われた挙げ句夜逃げされるのを繰り返すアホを操作している気分になってくる。
  • ゲームのテンポと起承転結がすこぶる悪い。
     上記と同じところに根ざした問題だが、街でクエストを受け、ダンジョンに向かい、街に戻るのが基本の流れ…というかそれ以上の展開がない。出先の流れで新たな事件が発生して等のサプライズがないので、遊んでいてすごく平坦と言うか、作業感が強い。ワールドマップを経由して行ったり来たりを繰り返す意味への疑念が常に付きまとう。
  • あらゆるメカニズムのバランスが明らかに悪い。
    例えば戦闘、武器と弾の性能バランスが余りに悪い。ARやLMGは強化弾でも豆鉄砲な性能。ハンドガン(強化弾使用時)とショットガンが使い勝手も性能も良すぎる。
    例えば車関連、ストーリーの規模に比べて車関連の要素が多いが、その割に単純で出来が良くない。車両のアップグレード要素があるが、メインストーリーで無駄に車両の乗り換えイベントが多く、常に単純な上位互換なためアップグレードが無駄になり徒労感が凄い。
    他にもクラフト関連が手軽に行えすぎて、有用性に気付いてしまえばピンチを切り抜け安すぎるどころか、ピンチに陥ること自体がないような状態になったりうんぬんかんぬん…

全体として
 丁寧に時間をかけて作られた部分と、全体を無理やり繋ぐために適当にでっち上げた部分との差が顕著で、非常にいびつ。おすすめとはいい難い。まるでリニアなシューターゲームを無理にオープンワールド風に仕立て上げたかのような様相で、なんで素直にリニアシューターを作らなかったんだろうという疑問が常につきまとった。
新作に向けてストーリーを知るため…とかでもやる意味はない、プレイしてもストーリーはすべて細切れの会話で説明されるだけなので、Wikiやら何やら適当に検索して読んだほうがまだ頭に入ると思うので…。
 退屈な要素の数々に目を瞑って、シューターを楽しめる人にはおすすめ。
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