1周目をクリア。到達レベルは146。
私はアクションが下手な方で、武器の強化とレベルで補っている。

ARMORED CORE Ⅵを機にダークソウルも始めたので両者を比較してしまうが、ご容赦願いたい。
AC6発売当初は「ソウル寄りか？」といった意見もちらほら見かけたので、実際にプレイしてみようと思ったわけだ。
私のようにルビコンからロードランを訪れた不死人たちは、この世界の難しさに何度も心が折れたと思う。
ゲームの難しさは安定のフロムソフトウェア。どうか生き延びてくれ。

もう少し具体的に言うと、まず主人公は空を飛べないし素早く移動する事もできない。
これを理解するためなら、不死院のデーモンは何度でもその巨大な武器を叩きつけてくるだろう。
まさに「逃げろ！」だ。呑気に回復している暇があったら、逃げろ。
そして、これから何度でも繰り広げる戦いも、花火を打ち合うような爽快感は無い。
敵はこちらを殺すために待ち構えている。戦うためではない。
なので、こちらも敵は殺すために動く。戦うのが目的ではない。
這ってでも生き延びて、衣擦れの音や獣の息遣いに怯えながら周囲の敵を皆殺しにして、ようやく自分が一歩前に進めた事に安堵する。
そんな、手に汗握るダークファンタジーだ。

ロードランの恐ろしい旅を演出するためだろう。道中のBGMは基本的に存在しない。
響くのは己の足音と風のざわめき。そこに亡者のうめき声や弓弦の音が混じる。避けろ。
この、いかに周囲の音を聞き漏らさないかが生死を分ける。
鬱蒼とした木々に視界を阻まれているが、遠くから何か轟く音が近づいてきてないか？
その場から大きく離れるか、せめて盾を構えよう。
打って変わって、ボス戦ではおどろおどろしいBGMでこちらを出迎えてくれる。
焦るなと念じつつも両手はジョイパッドを固く握りしめ、膝はガクガクと震えだす。
何度も死に、失くした銭を取り戻しては、また死んで。今度は運良く敵が死んでいる。

そして暗がりが本当に怖い。底の見えない水辺も怖い。
自分がまだ生きていられるのか。それとももう助からない分水嶺をすぎているのか、解らなくなる。
足場の悪い地下で武器を振り回した拍子に滑落する記憶を何度も見てきた。
正気でいられるうちに‥‥と、次の篝火を探し求める。

もしかして、ダークソウルはホラーゲームかな？　ホラーゲームかも‥‥。
だからこそ旅先で出会うNPCたちの人情にひとときの安寧を得る。
中には唾棄すべき社会のクズみたいな輩もいるが、それとて人間らしさなのだ。
だが、彼らもまた各々の理由があってロードランに在り、それぞれの理由で行動する。
形はどうあれ、別れは寂しいものだ。

主人公に明確なストーリーは紐づけられていない。
ロードランへ向かう使命も脱獄の手引をしてくれた恩人の遺言であって、こちらが律儀に代役を担う程でもないだろう。
だからこそ未来は分岐する。
旅路の果てでひとつの結末を見届けた時、確かに私だけの思い出は残った。
どうか、心折れた亡者たちも今ひとたび篝火を灯し、あなたの結末に辿り着ける日が来る事を祈る。



なお、本編だけなら基本的にオフラインでのプレイを勧める。
君の周りに共同プレイで助けてくれる友達がいるならその限りではないが、オンラインでは対戦目的のプレイヤーに乱入される事が多いだろう。彼らは最初から対人戦の覚悟を決めているので初見だとキツい。
もちろんソロは楽ではないが、ソラールを初めとした公式NPCたちを呼べる場所もある。彼らも十分に頼りになる。

私とフロムの出会いはまさに本作であった。友人宅で友人が画面に「YOU DIED」の文字を何回も出すもので、ゲームの内容を知らない私はそのシュールさに笑ってしまったような気がする。そのあと友人に借りて少しプレイしたが、当時の私には敵の火力、マップ、主人公の動き、操作感、ストーリー全てが理不尽で分かりづらく、当然パリィなどというテクニックも訳が分からず、本作を己の中で「クソゲー」認定してしまい、今日に至る。

言わずとしれたフロムのダークファンタジーシリーズの1作目。超名作であり今更レビューするようなものでもないのだが、同じくフロムの『ELDEN RING』をプレイして思うところがあった。それは「『ELDEN RING』簡単すぎないか？」というものである。実はそんなこともなく『ELDEN RING』はそれなりに死にゲーであり、最初のダンジョンでもどんなボスでも何周もしたのは事実だ。ただ、そのリトライの際にコントローラーをブン投げたり、ソファをブン殴って叫ぶような、何というか「AVGN的な怒り」には至らず、心穏やかにパターンを覚えて攻略していった。それは私が大人になってしまい、子供の時のような感情を失ったからなのだろうか？
しかし本作をプレイして死ぬたびに私はこの「AVGN的な怒り」がこみ上げる。本作はとにかく「超複雑に入り組んだ暗いマップで落下死」「数パターンしか動きがない雑魚に囲まれ壁際に追い詰められリンチ」「一部のボスの壊れ火力でワンツー」でゴリゴリ死ぬ。「あの攻撃は出が遅いから次からはこのタイミングでかわそう」等という攻略の類ではなく、環境そのものが悪意に満ちており理不尽に難易度が高い。死ぬたびに失うソウルと人間性。祝福ワープなんかないし、篝火転送すらもゲームを結構進めないと出来ず結構手間取る。
本作は「理不尽な難易度だがゲームの筋（理屈）は通っている」のがまた憎たらしい。ちょっとしたバグはあるが、それで死ぬことは殆どなく（何なら助けられることのほうが多い）、死んだのは己の未熟であると思わざるを得ないようになっているのだ。ゲーム側は「YOU DIED」に煽りの意図はなくその言葉通りの事実を突きつけているだけのように思える。ビビって鎧着込んでいるからor欲張って大型武器装備してるから動作が重い（そのため早めの判断が必要）とか、盾も構えず無警戒にダッシュしてたから敵に殴られたとか、それを躱そうと焦ったから橋下へ落下死とか、もう一撃と欲張ったらスタミナ切れで一方的にボコられたとか「まあ俺が悪かったな」と思える本当にちょうどギリギリのラインに調整されている（気がする）。かの『魔界村』も『ロックマン』も確かに難しめだが、別にゲームが劣悪だから難しいのではない。プレイヤーが油断したから、欲張ったから、地形を覚えていなかったから、判断が遅かったから、冷静でなかったから殺されるのだ。
『ELDEN RING』が（アクション絶対NGの人を除いて）全国民にオススメできるウマ辛料理だとしたら、本作はちょっとでも気管に入ったら終わりの超激辛料理であり、だがしかし人間が食べられない激辛のギリギリ一歩手前で止まっている。なんという絶妙な調理加減！しぶしぶコントローラーを手に取り、あの憎たらしいダンジョンに潜っていく。そして同じところで死ぬ。何ならその手前で死んでソウルと人間性を失う。それを繰り返していくうちに段々と身体がダンジョンの感覚を覚えていき、ダンジョンを抜けた頃には自分自身が上達しているのを感じる。そして次のダンジョンでは違うギミックで同じことを繰り返す。
もちろん詰まったとしてもコントローラーを投げたり、ベッドの上でのたうち回って叫んだりはしない。大人なので。ただ、本作はそういう感情になれる（なりたいかどうかは別として）数少ないゲームのひとつなのだ。理不尽を強いられるから腹が立つのではなく、己の未熟に腹が立つ、つまり自省のゲームなのだ。

攻略のお供としては、人間性を持っていればお助けNPCの召喚が出来たり、現在はあまり活発ではないがオンライン協力プレイで攻略したりは出来る。この辺は同じくフロム製の『SEKIRO』より易しい。あとレベルアップで火力を上げたり体力を増やしたりして対策は出来るがいずれも根本的な部分ではなく、プレイヤーが成長しないことには攻略出来ない。

何が言いたかったのかわからなくなってしまいましたが、必ずプレイすべきだという事です。
よほどアクションが苦手な方でなければまあ大丈夫かと思います。
超絶激辛料理ではあるけど毒ではないので食べ切ることはできます。

死にゲーと言われて始めたみた本作ですが一通りプレイしてみた感想としてはあくまで「初見殺し」の範疇ではないかと思います。

シリーズ未経験の人には攻略情報や動画情報は断って、一つ一つ手探りで進めるのが一番このゲームを楽しく遊ぶ方法なのは間違いありません。私も同じように初プレイしました。しかしそれでクリアした私の正直な感想としては「ある程度の基礎情報は仕入れないとダメ」に尽きると思います。
なぜなら人間性や強靭値等のステータス上表示される結構重要な語句が一体何を意味しているのか、このゲームはそういった説明が一切排除されているせいです。
人間性って何？人間性を捧げるってどういうこと？
この言葉の意味がゲーム画面の中だけを見ていても全然分からなかったため、攻略情報断ちをしていた私はダークソウルのオフィシャルサイトを開いて確認しましたがそこにも碌な説明はありませんでした。
システム面からひっくるめて何も分からない手探り感を楽しめる方はそのまま遊べばいいと思いますが、最低限初心者が覚えないといけない基礎的知識についてはネットで事前に調べるか、調べながら進めるほうがいいと思います。

ゲームの進行についても具体的な指示やログがなく不親切ですが、アイテムのフレーバーテキストやNPCの会話を注意深く見たり聞いたりしているとヒントになるような部分が少なくなく、敵の強さについても根本的な部分ではレベル制RPGの枠内であるためレベルを上げるか、武器を強化してしまえばどうとでもなるかなという部分はあります。
プログラム上の粗が多く、弓やアイテムを上手に使えばダンジョンの難所やボスも非正規の手段で突破できる箇所が少なくありません。難敵相手や難所と呼ばれる道中の部分においては正面からガチンコ勝負してもいいしアイテムを多用してハメてしまえる自由さがあります。

これは、ある一つの遊具を前にキミはこれを使ってどう遊ぶ？というのを試されている類のゲームです。

それが故に、仕掛けを理解するまで何度も殺された牛頭のデーモンを倒せた時は達成感がありましたし、初めてアノール・ロンドに到着したときに見た景色は感動しました。
センの古城で血と汗の滲む苦難の末ようやく篝火を見つけられたときの安堵感は他に類を見ず、ヤケクソみたいに挑戦し続けたオーンスタインとスモウを倒せたときの歓喜は未だに覚えています。
墓王ニトがバグって壁の裏から出てこなくなったときは頭を抱えましたし、どんどん増え続ける公王たちに囲まれてヒーヒー逃げ回ったときの恐怖は今でも脳裏に焼き付いています。
一癖ないダンジョンは一つとしてなく、壁を曲がった先に何がいるのか慎重に確認しながら歩みを進め、時に全力ダッシュで来た道を逃走して、迂闊に足場を踏み外して落下死するような大冒険を何度も何度も繰り返した良いゲームです。

こんな冒険をしてみたいと思ったあなた
是非このゲームをおすすめします。

SEKIROやエルデンリングなどは綺麗に作りすぎていて製作者に泳がされてる感があるが、このゲームは計算してるのかしてないのか分からない昔のファミコンゲームのような理不尽な難しさがあり、そこが面白さにつながっています。

シリーズ初見だったため、1周目では見事にステ振りに失敗、途中挫折しました。そこからキャラを作り直し累計70時間程でシナリオをクリアすることが出来ました!

これほどまでに熱中できたのは、他のゲームとは違う「冒険感」が味わえたからだと思います。
どこからやってくるか分からない死に脅え、禍々しくも美しいステージに気圧されながらも、手に力を込めて1歩1歩を踏みしめていく感覚は、広大なオープンワールドを探索するのとは違う、このゲームにしかない魅力だと思います。
篝火(チェックポイント)を追い求め、不安を募らせながら先に進むあの時の臨場感と、無事辿り着いて心の底から安堵するあの経験は、なんともやみつきになります。篝火までの距離が程よく絶望的なんだこれが。
初見でこのゲームを始められたことに感謝です。

正直理不尽に感じるステージもありましたが、「ダンジョンなんて人間が冒険するためにできてねぇんだよ!」と言われているようで、とんでもなく狭い足場や真っ暗闇で戦わされても、それがある意味普通だよねと勝手に納得してしまいました。超ファンタジー世界なのに、現実的な思考がチラチラ感じられるのが好きです。
そもそも人間が鎧着込んで長い剣をヒュンヒュン振り回せるわけもなく...もっさり目のアクションが逆に心地よく感じられます。(もしかしてシュミレーションゲーム、これ?)

難しいゲームではありますが、ぜひぜひ、プレイしてみてください!


以下、私と同じようなシリーズ初見の人に向けた情報です。

・とにかく強敵とバトりたいという人にはむかないかも
戦闘センスとは関係ない土俵で戦わされることも多いです。くっそ狭い足場を綱渡りさせられたり、そもそも敵どころか足場すら見えないほど暗いとか...
そこのマッチングが上手くいかないとひたすら理不尽に感じてしまうかもしれません。

・システムを理解してないとかなり辛いので、マップ情報以外を事前に頭に入れておくのをオススメ
正直攻略見ても難しいです。ですが、間違った育成や強化が原因で勝てず、ネガティブな気持ちになるのは残念だなと思います。ステータスと装備重量関係については先に調べておくことをオススメします。マップについては初見の方が楽しめると思います!

・武器強化は正義
詰まったら素材マラソンして武器を強化すればなんとかなる! (自分はなりました。)




最後に、挫折した1周目の時に書いた発狂レビューも置いときます...
----------------------------------------------------------------
初めてのダクソシリーズだったので、新鮮な気持ちで攻略を見ずに進めていましたが、アノール・ロンドで力尽きました....


世界観やグラフィックは素晴らしいです。
ボス戦では何度もぶっ飛ばされましたが、クリアした時の快感が忘れられず、 再トライする手が止まりませんでした!
クリアできて嬉しいという気持ちになったのは本当に久しぶりです。

ですが自分のように、立ちはだかる敵全てを殲滅しないと気が済まないバーサーカー気質の人にはおすすめできないかもしれません。
高難易度ゆえ死にやすく、同じ敵との再戦が多くなりがち。というか普通に雑魚も死ねるレベルの強さなので、1体1ならまだしも敵複数となると全然前に進めませんでした。


あと、回復薬の価値を高める目的でステータスを耐久力に振っていたのですが、耐久力は現状使い道のないステータスと聞いて完全に心が折れました ﾁ───(´-ω-｀)───ﾝ
攻略を見た程度でどうにかなる難しさではないので、シリーズ初見の人は攻略を確認することをおすすめします。


とは言いつつ、数十時間はのめり込んでしまうこのゲームはやはり神ゲーだと思います。

シリーズ全てプレイした感想として、1は一番遊びやすいです。
敵のスキが多め、マップがつながる楽しみ、パリィの決めやすさ、NPCイベントのわかりやすさ。
注意すべき部分と、注意しなくていい部分の塩梅がちょうどいいのです。

UIや地形のわかりにくさなど欠点はあるけれど、シリーズで一番繰り返し遊びやすいゲームだと感じています。

2023/8/6追記
全実績解除。一部の後半の落下マップは酷いしストレスも溜まるが、全体的には疲労よりも達成感が勝るゲームでした。

最初にダクソ３をプレイして、クリアしたのです。じゃあシリーズやってみるかと２をプレイしたら…確かにダクソなのですが動きや音やモデルが何か違う感じ。例えるなら、「今PS版のFF7やらないよね」とか、「ストリートファイターやろうと思ってSFC版をやらないよね」という。当時であれば楽しめただろうに、もったいないと感じたのです。
で、１ですよ。REMASTEREDは伊達じゃない。３をプレイしたあとでも普通にプレイできるよ！
せっかくだから３のときに全く手を出さなかった魔法を使ってみた…んだけど、回数制なんですねー。３で魔法使いだった人は違和感があるのかな？

・ボス戦は楽しいのに道中がだるい
・NPCがすぐにキレる(ちょっと殴っただけで)
・なんか死ぬとやせ細る→ビジュアルのせいでさらにやる気がなくなる
・俺が下手なのは認める

上か下に行けと言われたので下に言ったら車輪の骸骨がいるところから出られなくなって詰んだ

「よく死ぬ。が、スプリガンよりはマシだろ！」

ダークソウルシリーズの中では一番思い入れのある作品。
PSでプレイしていた頃より、リマスター化されてより鮮明になった。

フロム初心者はエルデンをやろう。