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6.5 hrs on record
■どんなゲームか
18xxと呼ばれる、『1830』をオリジンとする重厚長大ボードゲームジャンルのビデオゲーム化。

鉄道会社を創業・経営し、株の値上がりや収益の配当を通じてプレイヤー個人の私腹を肥やすことを目的とする点についてはジャンル内で共通しており、時代や地域別に無数の作品が制作されている。

本作は、1897年を端緒とする朝鮮半島における鉄道輸送の勃興をテーマとする。

■ジャンルレベルでみた本作の特徴
(18xxジャンルのゲームをプレイしたことのある人向けの記述)
・ゲーム中盤に朝鮮戦争が発生し、盤面の上半分(北朝鮮)が消滅し、アクセスできなくなる。残った盤面でも都市部のタイルが全て除去され、再建する必要がある。

・開始時に、ゲーム中に鉄道会社に付与して利用する特殊効果をプレイヤー間で分配する。弱中強の3種類をそれぞれでドラフトを行う近年のボードゲームで散見される方式。
いずれもかなりドラスティックな効果であり、1回のゲームで登場するのは全体の3分の1程度なので、ゲーム展開のバラエティを担保している。

■よいところ
・処理負荷の高いゲームなので、自動化の恩恵が大きい。また、ボードゲームとして遊んだ場合プレイヤー間の優劣が把握しにくいのだが、本作では常に株券を含めて各プレイヤーの総資産額をグラフとして確認できるのも◎。

・ルーチンに問題はあるがbotが実装されている。そのため、本作のみならず18xx全体のルール習熟としても有用。

・一風変わったギミックを搭載した中小規模の18xxとして十分な出来であるように思える。

■気になるところ
・チュートリアルは存在するが、基本的に18xxを理解している人向けの操作説明であり、初見の場合ゲーム理解がやや難しい。また、少なからずゲームに影響するルールや処理タイミングについての説明が不足していて、bot戦を一度遊んで確認する必要がある。

・対応言語は英語と韓国語だが、特殊効果の中に英語テキスト通りの効果を及ぼさないものがある。底本となったボードゲームは存在するらしいが、現時点では元になったルールを参照できないため、バグなのかテキストが間違っているのか確認する方法がなくすっきりしない。

・列車運行の収益計算は自動で計算されるが、列車一本単位でしか計算されないので、複数種類の列車を運行する場合、判定する順序によって収益が変わってしまう場合があり、メーカーの開発力に対して不安を覚える。

・ビデオゲーム化されたボードゲームに共通する宿痾だが、狭い画面上でゲームを成立させるため画面切替を多用するUIで、情報の一覧性がテーブルトップにくらべて圧倒的に低い。UI自体の作りやレスポンスも決して良好とはいえない。マルチディスプレイを生かせるような、オールドスクールなマルチウインドウスタイルのUIを実装してほしい。

・現状ではβ版機能とされているbotは前述した朝鮮戦争の発生を考慮したルーチンになっておらず、前半に収益性の高い北朝鮮で会社を運営し、途中でほぼ必ず消滅してしまうので、実質的には対人戦専用。
Posted March 28, 2022.
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13.0 hrs on record (12.4 hrs at review time)
Vaporwaveオリエンテッドな古典的アドベンチャー

Vaporwaveグラフィックの頻出モチーフ(宇宙 ネオン トロピカル 古代文明 1980~90年代調子こいてる日本 グリッチ など)をローファイなFPS空間上に落とし込み、それらのモチーフから具体的な意味を引き出して組み上げた、大変に込み入ったMythicな世界設定上で起きた奇妙な殺人事件を捜査する。主人公は3000万日の謹慎を解いて呼び戻された捜査官、容疑者も一人を除いて全員不老不死の半神的存在。

ゲームの枠組みは探索+キャラクター会話による捜査と証拠集めのあとに法廷審議で答え合わせを行う逆転裁判スタイル。上述の凝った世界設定によるとっつきにくさは、使いやすい情報データベースによってあまり障害にはならない。
逆に、ゲーム中の物理的移動はかなり制限されていて、マップはほぼ使い物にならず、ファストトラベルはFP地点のアンロックにも移動にも有限のリソースを消費するが、これはせっかく凝って作られた世界をじっくり味あわせたいというデザイン意図によるもの。PS2時代のクオリティで異様に生々しく表現された築30年前後のジャパニーズ・アパート/マンション/一軒家の生々しさの中に散りばめられた膨大なサブテキストを渉猟する中でプレイヤーの脳も黄昏とネオンとオパールと血飛沫に染まっていく。

難易度については、多少のアスレチック要素といくつかの不親切な導線を除いては幸せな推理小説を読むレベルで進行可能。他レビューのネタバレヒントは抑制された内容なので詰まったらすぐ参考にしてしまうとよい。

ローカライズについては、世界観の特殊さによる難易度、2000円規模のインディーゲームであること、アドベンチャーゲームとしてのスクリプト量を考えれば望外のクオリティ。翻訳の粗を指摘するレビューが散見されるが、エキゾチシズムとしてのぎこちない言語表現の再現であることを理解していない可能性があるように思われる。

また、日本語ローカライズについてまわる書体の違和感も、Vaporwave自体がダサい書体のベタ打ちをよく用いることから、うまくカモフラージュされていて◎。


情報量の海を漂いながら10-15時間程度でくたびれる前にクリアできるナイスアドベンチャー。ビジュアルに引っかかる部分があるならぜひ。
Posted August 23, 2021.
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18.4 hrs on record
ミニマル極まるUIと細やかなドット仕草で孤島暮らしをサバイバルしていく『Kingdom』の姉妹的続編。
プレイヤーにできるのはかけずりまわって予算を配分することだけ。
前作から色々おかずが増えて進行ペースもややゆったり。

ゲームの難しさが、ごく基本的な仕様以外が説明されないことに起因しているため、
そこがわかってしまうとあとはゆったりした概ね単調な作業が待つことになる。

そういうゲームなので、ガイド類を読む時はよく気をつけて。

また、ステージ間のリソース引き継ぎが重要なゲームでありながら、
ゲームオーバーになると諸要素のアンロック状態を除いて無一文になってしまい、リプレイ意欲が挫かれるのも辛い。

とはいえ、ついあと一日、あと一日と続けてしまう常習性と
安定しているように見えても少し判断を間違うとあっという間に王国が壊滅するバランスが心地よく、オススメ。

最後に、必要最低限のスポイラーを1つだけ。
放浪者や行商人が現れる茶色いキャンプは、左右に木が一本づつないと消えてしまうので、
木を切って開拓する際にはよく注意すること。
Posted February 5, 2017.
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49.6 hrs on record
ピクセルアートグラフィックの全方位シューターにローグライク的なランダムレベル生成&死んだらさようなら、
更にハックnスラッシュライクなレベル制ステータス割り振り&スキルツリーがついて、こんな感じ。

Good
・それなりにバリエーションのあるキャラクター
・パターンは少ないながら丁寧に描かれたグラフィック
・自機性能の一方的なインフレによるカタルシス
・いい加減な値段でよく行われるセール

Bad
・単調なステージ構成。特に自キャラのパワーが上がって安定した後は延々と作業的なプレイを強いられる。
・さしてユニーク感のない、決して多くないユニークアイテム達。数回遊べば全てのドロップを確認できちゃう。
・デベロッパーの開発力のなさ。正式リリースからずいぶん経っても頻繁に仕様追加のアップデートが行われ、その度に大量の、すぐ再現するバグが出る。
早期アクセスでもこれより完成度の高い製品はいくらでもある。

決してつまらなくはないし、見た目上のボリュームもある。でも本質的なゲームとしての奥行きは水たまりみたいな浅さ。
1ドル以下で買えたなら、ヒマで仕方ない時に1キャラでノーマルモードをクリアして、そして忘れよう。
Posted September 3, 2014.
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