Gary Grigsby's War in the East 2

Gary Grigsby's War in the East 2

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Gary Grigsby's War in the East 2 日本語マニュアル
By Nekomessiah
これは、Gary Grigsby's War in the East 2 (WiTE2)のゲームマニュアルの日本語訳です。

WiTE2 は、Matrix社から販売されている第二次世界大戦の東部戦線を扱ったゲームです。
本作は、2010年にリリースされた Gary Grigsby's War in the East (WiTE1) の直系の後継作になります。
WiTE1 がリリースされた後、2014年に西部戦線を扱った Gary Grigsby's War in the West (WiTW) が発売されました。
WiTE2 は、WiTWで新たに加えられた航空戦の要素等を取り入れつつ、全面的に刷新されているようです。

2021.12.16. 初版公開。まだ全く訳出途中ですが、完了してから公開にすると、いつまで経っても終らない(ので塩漬けになったプロジェクトを幾つも抱えている)ので、とりあえず現状で公開です。
2022.1.3. 第4章まで訳出。
2
   
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0.0 このゲームガイドについて
このゲームガイドは、Gary Grigsby's War in the East 2 (WiTE2) のゲームマニュアルの日本語訳です。この後に続く1.0章からは基本的にマニュアルの構成に則って訳出していますが、オリジナルのマニュアルは500ページ超の大分量ですので、まずは全訳を目指しません。

基本的な訳出方針は以下とします:
  1. Appendix(補遺)の部分は原則として訳出対象外とする。ただしAppendixを理解しないとゲームプレイに影響が出る部分(Appendix A - プレイヤーズノート等)については訳出を検討。
  2. 省略可能な図版は可能な限り省略し、必要ならオリジナルのマニュアルを参照して貰う。図版が無ければどうしても理解困難な部分に限り、ガイド内に図版を貼り込む。
  3. ゲームプレイに必須の部分から優先的に訳出し、歴史的背景の部分などは優先順位を下げる、あるいはインストール方法などゲームプレイに直結しない部分は訳出対象外とする。
  4. 表の類はSteamガイドの書式上作成が面倒なので、可能な限り省略する。
  5. Steamガイドのセクション毎の文字数制限に対処する為、オリジナルのマニュアルで略語を使用していない場合でも、可能ならば略語を使用する(Headquarter => HQ のように)。
  6. ゲーム本体は英語のままなので、プレイに支障が生じないよう、必要に応じて訳語に原語を付記(全体プール(Overall Pool)など)する。

以上の方針により、まずはゲームプレイ可能な状態にする事を目指します。しかし訳出部分を限定してもボリュームが巨大なので、ある程度まとまった部分の訳出を終えたところから順次公開していく方針です。まず最初の目標は第4章まで、ゲームの基本的な説明と入門シナリオのプレイ例までですが、そこまでで100ページのボリュームです。

節ごとに訳出を行ない、訳出を行なった節のタイトルは
99.8 訳出済み
のようにして、ヘッダーに書式を付けて訳出済みである事を明らかにします。

訳出を行なっていない節のタイトルは
99.9 訳出してません
のように他の地の文と同じにして、未訳出である事を明らかにします。


ガイドのタイトル画像にもした、こちらの画像は WiTW(左) と WiTE2(右) のマニュアルのサイズの比較(物理)です。
ページ数にしてWiTWは丁度300ページ、WiTE2は丁度500ページですので、実に前作比166%増です。
コンピューターゲームのマニュアルとしては屈指のボリュームだと思います。
これを超えるものを、私は同じMatrix社から出ている "World in Flames" しか知りません。(あれは三分冊で合計700ページ超ありますが…)
1.0 まず始めに
<<この章の訳出はやらない/または後回し>>
1.1 歴史的背景
1.2 ゲーム
1.3 マニュアル
1.4 システム要件
1.5 インストール
1.6 ゲームのアンインストール
1.7 製品のアップデート
1.8 ゲームフォーラム
1.9 ヘルプについて
1.10 チュートリアル
1.11 エディター
2.0 ゲームのセットアップ
2.1 ローディング画面
2.2 メインメニュー
2.3 ニューゲームの設定
2.4 セーブしたゲームのロード
2.5 マウスの操作
 WiTE2では、左クリックでタブを選択したり、ボックス内の値を変更したり、希望のアクションを確定する事ができます。
 ゲーム中は、左クリックでユニットを選択し、右クリックで命令(移動や攻擊)を実行します。
ユニットを選択していない状態で、任意のヘックスを右クリックするとメニューが表示され、マップの設定を変更したり、その他のゲーム情報にアクセスする事ができます(これについては第7章を参照)
 マニュアルでオプションを"選択"するように書かれていれば、それはマウスで左クリックする事を意味します。

2.6 ゲームのオプション設定と選択
2.7 進行中のゲームのセーブ
2.8 マルチプレイ
3.0 シナリオ
3.1 ゲームを学習する
 まず最初にゲームを学ぶには、"ヴェリキエルーキ入門(Velikie Luki introductory)"シナリオで、ドイツ軍AIに対してソ連軍でプレイする事をお勧めします (詳細な説明と最初の数ターンのプレイについては、4.19~4.23を参照)。その後は、より難しい設定にして、このシナリオを繰り返しプレイしたり、ドイツ軍で防衛を試みたり、あるいは"ミンスクへの道(Road to Minsk)"シナリオで、ドイツ軍としてソビエト軍AIと対戦すると良いでしょう。
 あなたに WiTE1 や WiTW をプレイした経験があったとしても、これらの短いシナリオは、WiTE2の全く新しいコンセプトを探求する手段として、あるいは、マニュアルに記載されている情報の理解度を試す実践的な経験として役立つでしょう。
 "レニングラードへの道(Road to Leningrad)"シナリオは、ユニット密度が低く、短時間でプレイでき、序盤のターンにおける決定の差異が、シナリオ後半における自軍の戦闘効率に如何にフィードバックするかの理解に役立つ事でしょう。
 また、"南西方面軍の崩壊(Destruction of the South Western Front)"シナリオは、ウクライナにおける第一ターン特別ルールや、プリピャチ湿地帯南部の比較的開けた地形における戦闘の全体的な違いの理解に役立つでしょう。"タイフーン作戦(Operation Typhoon)"シナリオは、秋の雨、そして冬の天候が作戦に与える影響を探る良い機会となるでしょう。
 ほとんどのプレイヤーが"1941年グランドキャンペーン(1941 Grand Campaign)"を出来るだけ早く始めたいと思うのは必然ですが、開始時期を遅くする事によって、興味深いゲームプレイやゲームの重要なメカニズムについての洞察を得る事ができるでしょう。特に"ヴィスワ川からベルリンへ(Vistula to Berlin)"シナリオで、ソ連側をプレイすれば、急速に前進する機動性に富んだ大軍へ、如何にして補給すべきか、と言う難題に直面する事になるでしょう。

3.2 シナリオ・リスト
シナリオ名
開始日
長さ(ターン)
先攻プレイヤー
キャンペーン
マップ範囲
1941-45 キャンペーン
1941年6月22日
215
枢軸
はい
全域
レニングラードへの道
1941年6月22日
16
枢軸
いいえ
部分
入門シナリオ2:ミンスクへの道
1941年6月22日
2
枢軸
いいえ
部分
南西方面軍の崩壊
1941年6月22日
17
枢軸
いいえ
部分
タイフーン作戦
1941年9月30日
14
枢軸
いいえ
部分
入門シナリオ1:ヴェリキエルーキ42
1942年11月17日
10
ソ連
いいえ
部分
赤軍の反攻
1942年11月17日
17
ソ連
いいえ
部分
スターリングラードからベルリンへ
1942年11月19日
137
ソ連
はい
全域
赤き戦争の神 42-43
1942年11月24日
11
ソ連
いいえ
部分
ヴィスワ川からベルリンへ
1945年1月13日
20
ソ連
はい
全域

3.3 シナリオのタイプ
3.4 シナリオ・セットアップのルール
4.0 基本ゲームプレイ(1)
4.1 目的
 "まず始めに"の章の目的は、WiTE2の基本的な部分の説明です。このマニュアルの後の章では、全てのトピックを再検討し、その全てがどのように機能しているのかを、かなり詳細に説明します。
 ゲームの中核的なコンセプトを理解する為に、Appendix A(第30章)のプレイヤーズノートを読む事をお勧めします。このノートには、WiTE2がオリジナルのWiTE1やWiTWとどのように違うのか、主要なルールやプレイ上のヒント等を簡潔にまとめています。本章と合わせて読めば、ゲームデザインの全体像や、さまざまなサブシステムがどのように組み合わされているか良く分かる筈です。
 またこの章には、そのテーマについてより詳しく説明しているマニュアルの他の章へのリンクがあります。
4.2 この章の構成
 基本的ゲームプレイの章は、大きく3つに分かれています。
  • 最初の部分は、ゲームの最も基本的な部分を説明しています (第4.3節)
  • 二番目の部分は、主要なゲームコンセプトを説明します。これは 4.4節から4.18節です。
  • 三番目の部分(第4.19節から第4.23節)では、Velikie Luki 基本シナリオの第一ターンのプレイ方法を比較的詳細に説明し、それからその後のターンをどのようにプレイするかについて、大まかなアイデアを説明します。
 この章は、新聞漫画形式にした視覚的な備忘録として、多くのフルページ・ガイドを散りばめています。
4.3 ゲームの概観
 この節では、WiTE2の基本的なコンセプトを全て網羅しています。最低限のレベルとして、この節を終える頃には、このゲームがどのようにプレイされるよう設計されているのかをある程度理解し、1~2ターンのテストプレイを行なえるようになっている筈です。
4.3.1 概要
WitE2は、1941年6月から1945年8月までの第二次世界大戦における東部戦線を舞台にしたターンベースのシミュレーションゲームです。プレイヤーは、ソビエト軍またはドイツ軍いずれかの最高司令部を担当します。プレイヤーは、コンピュータAIまたは他の人間と対戦する事ができます(また同様に、一人のプレイヤーが両陣営を担当するソリティアプレイをするよう設定する事もできます)。
 ゲームは、ヘックスマップ上で行われます。各ヘックスは10マイル(約16km)の広さです。マップでカバーされる正確なエリアは、選択したシナリオによって異なります。各ターンは1週間です。
 WitE2は、チェスやバックギャモンのように、プレイヤーが順番に手を動かしていく IGO-UGO ゲームです。各ターンは更に幾つかのフェーズに分かれており、そこでプレイヤーは移動したり変更を加える事ができ、コンピュータはゲームプレイに影響を及ぼす関連した計算を行ないます。
 これらの問題点は全て、1ページのガイドにまとめられています。
4.3.2 ゲームコンセプト
 WiTE2では、ルールの中で特定の意味や役割を持つ数多くのゲームコンセプトを用いています。本章では、この章での詳細な説明やルール本文を参照しています。
 ユニットの戦闘力(Combat Value: CV) (23.1)は、ユニットの総合的な戦闘力を示す重要な情報です。しかしこの値は、リーダーシップ、地形、補給、支援ユニットの割当などによって、更に変化します。また戦場の霧 (10.2)の影響により、(敵のユニットについて)不正確になる事もあります。
 それ故にこの数値は、せいぜい戦闘効率の大まかな目安にしかなりません。戦闘終了時に、攻撃側がCVで2対1(またはそれ以上)のアドバンテージを持っていれば攻撃側の勝利となり、防御側は退却、敗走、または破壊される事になるでしょう。
 管理ポイント(Administrative Points: AP) (第9章)は、両陣営に影響を与える時間的な制約やその他の制約を表わしています。APは指揮官の交代、デポや飛行場の建設、特定のタイプのユニットの編成、ユニットの解散等に使用します。
<<WiTE2 1ページガイドの図版:省略>>
 戦闘準備ポイント(Combat Preparation Points: CPP) (23.2)は、攻撃を開始する前の準備の重要性をゲームに反映させる方法の一つです。あるユニットのCPPは、その休息状態に応じて0〜100%になります。CPPには攻撃ユニットのCVを向上させるという直接的な効果がありますが(言い換えれば、十分に休息したユニットは攻撃時により効果的です)、防御ユニットについては支援砲兵を引き出す能力を向上させます。
 CPPが高いユニットは、結果としてより多くの移動ポイントを持つようになります。
 戦闘ユニット(Combat Unit: CU) (21.3)とは、マップ上(または戦域ボックス内)に存在する陸上ユニットのカウンターの事であり、プレイされる可能性のある様々な種類の鉄道修理ユニットは含みません。
 支援ユニット(Support Unit: SU) (21.5)とは、マップ外に保持されているあらゆるユニットです。これらは戦闘ユニットやHQ(21.5.2)、都市や飛行場に直接アタッチする事ができ、必要に応じて戦闘や塹壕掘りのような支援作業に割り当てられる事になります。
 マルチロールユニット(Multi-Role Units: MRU) (21.4)とは、プレイヤーの希望に応じて、マップ上で活動したり(i.e. 戦闘ユニットの役割)、マップ外で活動する(i.e. 支援ユニットの役割)ユニットの事です。
 航空作戦グループ(Air Operational Groups: AOG) (4.6及び16.3)とは、個々の航空ユニットを管理し、それらを戦闘作戦に割り当てる為の主要な手段です。
4.3.3 メイン・ターン・フェーズ
 WiTE2では、ゲームターンを4つの主なサブセクションに分割します。そのうちの2つではプレイヤーが行動し、残りの2つではコンピュータがロジスティックと補給のルーチンを実行するか、航空フェーズの命令を実行します。
 従ってまずターンの最初の部分では、コンピュータが補給、生産、ロジスティックのフェーズを実行します。プレイヤーはこの時点では直接関与できませんが、プレイヤーがコントロールするフェーズで利用可能な様々なツールを用いて、補給の優先順位を設定したり、特定のユニットに新たな装備や補充を割り当てる事ができます。
 ゲームターンの二番目の部分では、航空フェーズの命令を作成します。プレイヤーの負担を軽減する為に様々なレベルの自動化が用意されていますが、作戦の割当と作戦の焦点についての全体的な決定を行なう必要はあります。
 プレイヤーは、航空グループ(16.4)を航空作戦グループ(16.3)に細かく割り当てたり、各スコードロンの武装や燃料の搭載量を手動で選択する等、様々な度合いで直接的なコントロールを行なう事ができます。
 あるいは AI支援ルーチン(4.6と17.1)を使って、空の戦いの大部分を任せる事もできます。
 これが完了したならば、コンピュータは3番目のフェーズを解決します - つまり地上支援・物資の空輸・空挺作戦(これらは全て陸上フェーズで行ないます)を除いた、全ての航空任務を遂行します。
 最後にプレイヤーは、陸上フェーズで陸上ユニットを移動させます。WiTE2では、移動しながらの戦闘と言うコンセプトを採用しているので、このフェーズ中にユニットは、必要に応じて移動や攻撃を行なう事ができます(目的のアクションを実行するのに十分な移動ポイントを持っている限り)。同様にユニットは、鉄道や船舶を使ってより長い距離を移動する事もできます。
 陸上フェーズで戦闘が発生した場合、先の航空フェーズで命令を受けた航空機も(地上支援に)投入される可能性があります。物資の空中投下やユニットの航空輸送は、陸上フェーズ中に行なわれます。同様に移動するユニットは、敵の空からの妨害攻擊を潜り抜けて移動しなければならない等の、先の航空フェーズの結果に遭遇する事もあります。
4.3.4 ユーザ情報
 WiTE2は複雑なゲームであり、様々な情報の表示が利用可能です。これらには以下のようなものがあります:
  • オンマップ表示を変更して、異なる情報を表示します。
  • カウンターの表示方法を変更します。
  • ゲーム画面上部のタブを使って情報にアクセスできます。
  • ゲーム画面上部を使ってあるヘックスの情報にアクセスできます(そのヘックスが、町や飛行場やデポのような名前のある場所の場合)
  • ヘックスの上にマウスカーソルを置くと、マップ表示を変更する代わりに使用できる情報ディスプレイを表示します。
  • ヘックスの上で右クリックすると、そのヘクスの情報が表示され、また様々な表示画面に移動する事ができます。
 プレイヤーにとって非常に重要な情報源は、指揮官レポートです。この章の後半で詳しく説明しますが、プレイヤーは入手可能な情報にアクセスして解釈する方法について、Appendix Fを参照する事を強くお勧めします。一見すると大変そうですが、すぐに重要な情報の見つけ方が分かるようになります。
 UI の使い方については、本章の後半(4.4)と第6章で詳しく説明します。
4.3.5 ユニット・ステータスの変更
 WiTE2では、マップ上でのユニットの移動(および攻撃)に加えて、各ユニットには特定の役割や基準を設定する事ができます。その選択肢としては、通常(normal)、再編成(refit) (ユニットが増援を得たり、新たな装備にアップグレードされやすい)、予備(reserve) (ユニットは戦闘に参加しうる - 防御または攻擊の支援として)等のモードを設定できます。また想定される装備を、ユニットが100%まで取得しないように設定する事もできます。
 これらのオプションは、指揮官レポート(複数のユニットを同じ状態にしたい場合に非常に便利)、マップ上のカウンター、またはマップ上のカウンターからアクセスできるユニット詳細ビューを使用する等、様々な方法で行なう事ができます。
 下の画像は、同じユニットを3つの視点から見たものです。画像Aは、カウンターを選択した時に、画面の右側に表示されている様子です。ここではカウンターの右側の再編成(Refit)をクリックしてモードを変更する事ができます。画像Bはユニット詳細タブ(37.3)からの抜粋で、ここではカウンター画像の下にあるボックスをクリックして、モードを再編成(Refit)から変更する事ができます。最後に画像Cは、指揮官レポート(第33軍の全師団)からの抜粋で、”ステータス"列のモードをユニット毎に変更したり、一度に大量の変更を行なう機能(35.2.3)を使って変更する事ができます。
<<図版省略>>
4.3.6 マップ
 メインとなるプレイエリアは、東はウラル山脈から西はライン川まで、北極から黒海までの地域の地形と物理的資源(都市、鉄道線、主要道路)が詳細に表現されています。多くのシナリオでは、このプレイ可能な地域の全てがプレイされる訳ではありません。
 各ヘックスは自然の地形と人工的な改良の両方に応じてコード化されます。例えば、1つのヘクスに開豁な地形や沼沢地が含まれ、そのどちらにも鉄道線が通っている事があります。
<<図版省略>>
 これは西ウクライナの一部を示しています。ヘックス”A"は荒地、ヘックス”B"は複線の鉄道線とレベル2の航空基地がある都市ヘックス、ヘックス”C”は整備された道路のある開豁な地形(マップビューを変更すると道路を見やすくする事ができます、第6章と第7章を参照)、ヘックス”D”は開豁な地形と複線の鉄道線、ヘックス”E"は開豁な地形と単線の鉄道線です。
 幾つかの地域は、戦闘を抽象化した”戦域ボックス”で表現しています。これらは、枢軸側が西側連合国と直接戦争している地域(1941年6月には北アフリカで発生)、枢軸側が実質的なパルチザン戦争に直面している地域(バルカン半島やドイツ軍の前進に伴うソ連内の後背地域)、枢軸側とソ連軍が対峙している地域(フィンランド戦線の大部分)、またはソ連が実質的な守備隊を維持する必要がある地域(極東など)を表しています。
<<図版省略>>
 最後に、両陣営とも”国家予備"の戦域ボックスがあり、ここで新たなユニットが編成されて訓練を受け、その後にメインマップに配備されます。同様に損傷の激しいユニットを、予備に送って再装備させる事もできます。ここでは人員と装備を優先的に受け取れます。
4.3.7 マップモードと表示
 マップに上に様々な情報を表示する為に、様々なフィルターや表示を適用する事ができます。プレイヤーは必要に応じて、これらのオプションをオンまたはオフに切り替えて、その混乱をコントロールする事ができます。
 これによって、敵の支配するヘックス、そのターン中に占領されたヘックス、そしてターン開始時に自軍側が支配していたヘックスを表示する事ができます。その他にも、天候グラフィック、デポのネットワーク、新たに修復した鉄道線、個々のヘックスの要塞化レベル等の表示をオン・オフする事ができます。
<<図版省略>>
 上の画像は、ほぼ同じマップエリアの3つの異なるビューを示しています。Aではドイツ軍が、以前にソ連軍が支配していた地域に、最近進出した事を示しています(濃いグレーグリーンのヘックス)。Bではドイツ軍戦線後方のロジスティック・ネットワークを示しており、2つのデポと主要鉄道線の使用状況を表示しています。画像Cでは、ドイツ軍戦線後方の鉄道ネットワークのうち、どの程度が修復され、使用可能になっているかを示しています(緑色の軌道シンボルがあるヘックス)。
 他のオプションでは、戦闘発生地点や、計画した航空作戦命令の任務ゾーンを表示する事もできます。
 また画面上にカウンターを表示しないようにする事もできます。これは鉄道線の使用状況や、デポの位置等のマップ情報を確認したい場合に非常に有用です。
 ヘックスの上にマウスカーソルを置くと、様々なマップ表示オプションから得られる情報を、まとめた表示ボックスを表示します。
4.3.8 ゲームオプション
 WiTE2は様々な方法でプレイする事が可能で、プレイヤーに合わせてカスタマイズする事ができます。オプションには、プレイヤーとAIの間で行われるゲームを選択するか、2人のプレイヤーの間で対戦するゲームを選択するかが含まれます(この場合は、Slitherine のサーバーを使ってもゲームをプレイできる事にご注意ください)。他にも、どちらの陣営が有利/不利か(ゲームの難易度)、戦場の霧がゲームに影響するかどうか、ゲームの保存方法等があります。
4.3.9 航空ユニット
 WiTE2では、マップ上に航空基地が常設されています。ゲーム中には、基地を増設したり、既存の基地を拡張する事もでき、もちろん所有者が変わる事もあります。
 航空司令部はマップ上にカウンターで表示され、空軍を編成するのに使用されます(AI支援ルーチンを使用している場合)。選択したマップ表示オプションに応じて、航空作戦グループの大まかな位置が表示されます(これは使用中の航空基地に関連して大まかに表示されます)。これらは実際にはマップ上に実体が無いラベルですが、空の戦いの管理に関連した多くの手続きを、容易にする為に使用します。
 最初にターンを開始した時に、マップ上には司令部とAOGの大まかな割当が表示されています。
 表示される内容は、マップ表示方法の設定によって異なります(ズームアウトして航空司令部だけを表示したり、ズームインして各AOGの情報を関連する情報タブに表示させたりできます)。
 航空司令部やAOGはそれぞれ、複数の飛行場に飛行機を駐機させる事ができ、他の司令部やAOGと飛行場を共有する事もあります。
 航空ユニットは、マップ上には表示されません。個々の航空機は、主要な役割(空中戦闘、偵察など)を持つ1種類の航空機から構成される(規模の異なる)航空グループに編成されます。これらの航空グループは、航空作戦グループ(AOG)と航空司令部に割り当てられています。これらは同じものである場合もありますが、ほとんどの場合は、1つの航空司令部には1つ以上のAOGが割り当てられています。
 航空ユニットのコントロールに関する詳細な説明は、以下の第4.6節と、第16章から第19章に記載されています。
4.0 基本ゲームプレイ(2)
4.3.10 陸上ユニット
 WiTE2は、ドイツ軍とソ連軍に利用可能な戦力を非常に詳細に表現しているのが特徴です。基本的な構成要素は、個々の戦車、砲、航空機と、歩兵、工兵、支援兵の分隊です。実際のゲームでは、これらは(様々なサイズの)航空グループや陸上ユニット(カウンターとしてマップ上に表示されるものもあれば、他の戦闘ユニットや様々な司令部に”アタッチ"されるものもあります)として登場します。
 戦闘ユニットは、その編成内における全ての構成要素の戦闘力(23.1)を集約した、推定の”戦闘力”(CV)で表示されます。
 陸上ユニット。WiTE2は基本的には師団レベルのゲームですが、軍団から中隊までの規模の戦闘ユニットが含まれています。戦闘ユニットに加えて、このゲームでは戦争中に両軍を統制していた様々な司令部が表現されています。
 戦闘ユニットと支援ユニット。WiTE2の陸上戦闘ユニットは、両軍の主要な戦闘力を反映しています。戦闘ユニットには2つの基本タイプがあります。マップ上にしか現れないものと、マップ上には現れないものです。また一部のユニットは、どちらのモードにも対応しています(“マルチロール"ユニットと呼びます)。
 マップ上のユニット(戦闘ユニット - 略して CU と呼ぶ)は、プレイヤーの選択によって様々な方法で表示する事ができます。オプションによって、カウンターの2つの主要な数値を、攻撃力と移動ポイント、または攻撃力と防御力として表示する事ができます(敵の場合は、常に後者のオプションで表示されます)。
 プレイヤーが"戦場の霧"オプションを使用している場合には、この情報は敵について常に表示されるとは限らず、また不正確かも知れません。
 マップ外ユニット(支援ユニットとも呼ばれ、SUと略します)には、両軍が配備する火砲、対戦車、対空、工兵などの様々な専門家集団が含まれます。また初期のソ連軍戦車旅団のように、単独で作戦行動するには小規模過ぎるユニットも含まれています。
 また一部のユニットは、マルチロールユニット(これはMRUと略します)に指定されています。これらには、ソ連軍の狙撃旅団や、ゲーム中に登場する様々な枢軸軍の旅団が含まれます。これらのユニットは、プレイヤーの選択によって、”マップ上"に配置する事もあれば、支援ユニットとしてマップ外に配置する事もできます。
 マップ外の支援ユニットは、常に他のユニットに割当てられます。全てのユニットは司令部ユニットに割り当てる事ができます。この方法を選択した場合には、そのHQにアタッチされたユニットが戦闘に参加する際に、コンピュータによって戦闘または他の機能(要塞の建設など)に割当てられます(これが起こる可能性は、HQの指揮官の相対的な能力によって変化します)。
 その他(歩兵、装甲、対戦車、戦闘工兵、対空など)は、マップ上の特定の戦闘ユニットに直接アタッチする事もできます。この役割においては、彼らは常に親ユニットが関与する戦闘に参加しますが、他の目的には使用できません。
 司令部(HQ)。WiTE2では、戦闘ユニットに加えて、マップ上のHQユニットによって、両軍の指揮系統を表現しています。HQの規模は、軍団から、軍、軍集団(ソ連軍の場合は方面軍)、最高司令部(ドイツのOKHやソ連のStavkaなど)までと多岐に渡ります。HQは戦闘ユニットを直接指揮する事ができ、また様々なマップ外支援ユニットをアタッチする事ができます。
 HQは論理的な階層を持って、構成されねばなりません。ドイツ軍の場合、一般的な組織では、戦闘ユニットは軍団HQに所属し、軍団は軍に所属し、軍集団に所属すると言うものです。1941年に最初の敗北を喫した後のソビエトの構造では、ほとんどの戦闘ユニットは軍に所属し、それらは方面軍に編成されるように変更されています。
 各々のHQには指揮の制限が存在する事に注意してください。これを超える事は可能ですが、その場合は、HQの時間や資源(スタッフ、通信班、野戦病院など)に対する過剰な要求により、HQの能力が低下します。
<<図版省略>>
 これはドイツ第6軍HQを示しています。カウンター上の全ての情報は後述(4.7.4)しますので、とりあえず現在は、これが南方軍集団に所属している事、補給優先順位がレベル3に設定されている事(4.10.12)、25,000人強の兵員が直接アタッチされている事、指揮能力27のうちの23を使用している事(4.7.4)に注意してください。
 WiTE2をプレイする上で、戦闘序列をコントロールし、適切な指揮系統を確保する事は非常に重要です。
 指揮官。各HQには指揮官が割り当てられます。このゲームでは、ほぼ全ての指揮官(軍団以上の編成を指揮していた者、または指揮できた者)が登場し、7つの要素について各々の能力を評価しています。これらの要素の中には、戦闘能力に直接影響するものもあれば、ロジスティックや移動に影響するものもあります。今のところ重要なのは、その数値が高いほど、優れた指揮官であると言う事です。
 軍団(ソ連軍の場合は軍)の指揮官は、自身の直接指揮下にあるユニットのパフォーマンスにのみ影響を及ぼす事ができますが、彼らの完全な評価値分だけ影響を及ぼします。軍(ソ連軍の場合は方面軍)以上の指揮官は、間接的な指揮下にある全てのユニットに影響を及ぼしますが、その値は減少します。そのレーティングは、指揮系統内における距離(つまりOKHの指揮官は、ドイツ軍のほぼ全てのユニットに何らかの影響を及ぼしますが、その影響は比較的限定的です)と、マップ上の物理的な距離の両方に応じて減少します(これがどのように作用するかについては、第15章、特に第15.5節を参照)。
 その為に、最高の指揮官を最上位の役職に就かせる事と、鍵となる編成に直接有能な指揮官を確保する事とは、トレードオフの関係にあります。

4.3.11 補給とデポ(物資集積所)
 WiTE2の補給システムは複雑ですが - コンピュータが全ての計算を行なうので、そのほとんどは"見えないところ"で行われています。
 補給は主に、鉄道線に沿ってデポに運ばれ、そこから戦闘ユニットに送られます。多くの場合、物資をデポからHQに運ぶ為にはトラックが不可欠であり、トラックは全体プール(Overall Pool)から引き出すか、またはユニット自身が内包するトラックの割り当てから引き出す事ができます(これをすると、ユニット自身が移動する為に利用可能なトラックの数は減少します)。
 基本的なレベルにも、留意すべき幾つかの重要な機能があります。
 まず、各鉄道線のキャパシティには上限があります(最も分かりやすい部分は、鉄道線が複線なのか単線なのかです)。このキャパシティは補給品や交換部品の輸送に使うだけでなく、戦闘ユニットを長距離移動させる為にも使用されます。従って、ある鉄道線が補給できるユニットの数は限られています(25.4)。
 第二に、補給品を集積し分配するにはデポ(集積所)が不可欠です。とりあえずデポには3つの特徴がある事を覚えておいてください。その種類(ゲーム中のほとんどは鉄道デポですが、中には国家補給源や港湾となっているものもあります)、その規模(そのヘックスにある鉄道車両基地の大きさに関連します)、そしてプレイヤーの設定する優先順位(0~4)です。

あなたはプレイヤーとして、デポの優先順位や位置、HQへの配備を直接コントロールする事ができます。余談ですが、デポの作成や優先順位の変更は、コンピュータに完全に自動化させる事もできます。

 最後に各HQには、プレイヤーが補給優先順位(0~4)を与える事ができます。全ての(0以上の)HQには最低レベルの補給が割当てられ、優先順位の設定は、特定のHQが要求しうる最大量に影響します(つまり、レベル3に設定された軍団は、レベル2に設定された軍団よりも多くの補給を獲得します - 利用可能であればですが)が、十分な補給が利用可能ならば、全てのHQは基本的な最低レベルを得る事ができます(25.8)。
 上記の第6軍HQの例では、”補給優先度3"に設定されています。
 HQはまず近くのデポから補給を受けようとしますが、時にはかなりの距離を越えて補給を求める事もあります。
 航空基地もまた、プレイヤーによって補給優先順位(0~4)を決めます。この場合の重要な違いは、レベル0に設定された航空基地は全く物資を受け取らないと言う事です。

なお、あるHQに高い優先度を設定しても、ローカルデポネットワークに十分な補給品備蓄がない場合には、その補給の受け取りは保証されません。補給品、弾薬、燃料が欠乏すると、ユニットの戦闘力は著しく低下します。

 鉄道車輌基地(Railyards)。これはWiTE2にとって非常に重要な要素です。上記のようにヘックス内の鉄道車輌基地の規模は、そのヘックス内のデポの規模に直結します。また、各陣営が保有する全体鉄道ストック(Overoll rail stock)にも影響します。最後に鉄道車輌基地は、戦略的移動の為に列車へのユニットの積み降ろしを容易にします。
 港湾(Ports)。鉄道車輌基地と同様に、港湾は補給流通モデルの一部であり、戦略的移動を可能にします。補給の目的の為に、港湾は(同じ海域の他の港湾に)補給を送り出す為にも、他の港湾から補給を受け取る為にも指定できます。
 先へ進む前に、これらの情報を整理しておきましょう。
  • ゲーム内の情報のほとんどは、様々な方法でアクセスできます。
  • 表示されているゲームマップを修正して、異なる情報を表示させる事ができます。
  • マップ上のカウンターを修正して、異なる情報を表示させる事ができます。
  • 補給は非常に重要で、輸送リンク(鉄道、トラック、馬車)、デポ、そして様々なHQに設定した相対的な優先順位が関係します。
  • 戦闘序列、リーダーシップの組織化は非常に重要です。
4.3.12 管理ポイント
 これらはゲーム中で、両陣営の限られた指揮キャパシティを表わす為に使用されます。ほとんどの場合、その特定のシナリオのターン毎の制限(3.3)から割当てられますが、一部は特定のイベント(40.12)や、マップ外の戦域ボックスでの状況(4.14)から得られます。これらを使って、デポや新たなユニット(ユニットの種類やゲーム期間によって異なります)を作ったり、指揮官を交替させたりします。関連するアクションの全てのリストと、各々のコストについては、第9.2節の表をご覧ください。

4.3.13 フェーズまたはターンの終了
<<アイコン省略>>
 そのフェーズで全てのアクションを完了したら(つまり、あなたが望むように全ての航空司令部や陸上移動の命令を出し終えたら)、上部のタブの右端にある”フェーズ終了"ボタンをクリックします。
 あなたがゲームターン全体の中のどこにいるかに応じて、このボタンは航空軍団が実行するフェーズを開始するか、そのゲームターンを終了します。この場合には、ゲームは対戦相手のロジスティック・フェーズに移行します(5.3.1)。

4.4 情報の検索
 このトピックでは、プレイヤー・インターフェイスとマップについて基本的な概要を説明します。前述したように、WiTE2はプレイヤーを支援する為に多くの情報を提供していますが、この節では、それらの情報にアクセスする方法や、情報を解釈する為の基本的なガイダンスを紹介します。更に詳しい情報は、マニュアルの第6章に記載されていますし、様々なAppendixでは、表や表示の読み方を詳しく説明しています。
 左の1ページのガイドは、この節の情報をまとめたものです。
<<図版省略>>
4.4.1. 基本原則
 様々な情報タブは、5つの原則のいずれかで動作します。
  • タブをクリックすると、特定のアクションを実行する事ができます。例として、鉄道移動モード(Rai mode movement)ボタンをクリックすると、そのオプションが有効になります(この場合、基準を満たすユニットが、鉄道で移動する事ができます)。<<図版省略>>
  • オプションをクリックすると、その情報がマップ上に表示されます。例えば、各ヘックスの要塞レベルを表示する機能などがあります。<<図版省略>>
  • このオプションをクリックすると、より詳細な画面が表示され、別の変更を加えたり、より詳細に確認する事ができます。例えば、”戦闘序列(Order of Battle)”(36.1)タブをクリックすると、詳細画面が表示されます。<<図版省略>>
  • オプションをクリックすると、その値を修正する事ができます。例えばデポの表示(左上)にマウスを合わせると、そのデポの優先順位を設定する事ができます。<<図版省略>>
  • このオプションをクリックすると、ドロップダウンボックスが表示され、このリストから選択して、マップやユニットの表示方法を変更する事ができます。例えば、戦闘箇所表示タブ(6.8.2)では、全ての戦闘を表示するか、陸上ユニットが関与したものだけを表示するか、あるいは航空ユニット間で発生したものだけを表示するかを選択できます。<<図版省略>>
4.4.2. メニュータブの使い方
 インターフェイスのほとんどには、画面上部のツールバーからアクセスできます。ここには大きく分けて4つのエリアがあります。
 メニュータブ。プレイエリアの上部には、重要な情報にアクセスする為に様々なツールバーがあります。
  • モードツールバー。これらはエリアの左と中央を占めています。上段のオプションは、3つのタブ(マップ情報、情報画面、管理)のどれを選択するかによって変化します。下段のオプションは、航空計画フェーズ内か陸上フェーズ内かによって変化します(現在のフェーズは画面の中央に表示されます)。<<図版省略>>
  • 幾つかのタブは、関連性があれば、これらの表示のうち複数に表示される事があります。例えば、航空優勢任務(18.1)の設定は、航空命令(17.4)の設定の時にしか利用できませんが、戦闘発生箇所を表示するオプションは、航空命令の設定時と陸上移動フェーズ(第22章)の両方で利用できます。
  • 一般情報ボックス。これは右上にあり、日付、ターン数、都市名(該当する場合)、利用可能な管理ポイント(第9章)等の重要な情報を表示します。都市名ボックスは特に重要で、名前をクリックすると都市情報画面にアクセスできます(これはマップからでもアクセスできます)。そのヘックスの内容にもよりますが、ここには存在しているデポや飛行場の情報が表示され、新たな飛行場の作成やデポの優先順位の変更に使用できます。<<図版省略>>
  • 情報ボックスの左側には、ソフト・ファクター・タブがあります。これは、マップ上のユニットに関する情報を、ユニット・カウンターの左上にある色分けされたタブで表示するもので、様々なソフト・ファクターを切り替えます。例えば良い例は、補給ファクターを選択した場合、必要補給が41%以下のユニットが、赤いタブで表示されます。<<図版省略>>
  • またこれらの情報は、マップ上のヘックスを右クリックする事でも、ほぼ全ての情報を得る事ができます。
  • これらのオプションの詳細については後述しますが、この方法を使って、新たな航空基地の作成(または既存の航空基地の規模拡張)、デポの重要性の変更(または新たなデポの作成)、都市画面へのアクセス(ここではVladimir)、その他様々なオプションにアクセスする事ができます。<<図版省略>>
  • 本章の残りの部分では、提供された情報をどのように使用し、解釈するかについて説明します。より詳細な情報は第6章に掲載されており、全ての二次図表の内容については関連するAppendixに記載されています。
  • 全ての様々なメニューボタンの一覧は、第6.2節に記載されています。
4.0 基本ゲームプレイ(3)
4.4.3. マップ表示の変更
 WitE2のマップは、5段階のズームレベルに設定でき(マウス又はzoom-in/zoom-outタブで表示を変更できます)、差渡し10マイルの六角形の格子をベースにしています。各々のヘックスには、その場所の地形、天候、そして恐らく鉄道線、道路、あるいは町のような人工物があります。このようにマップは、WiTE2の基本的なプレイ環境を設定しており、以下のような情報を提供します:
 地理学的な地形。各々のヘックスには特定の地形タイプがあります。その地形はそのヘックス内で/通過して、発生する移動や戦闘に直接影響します。更にヘックスサイドは河川のような特徴的な地形を表わす事があり、これも移動や戦闘に影響を与えたり、あるいは通行不能にする事もあります。より詳細な情報は第7章に記載されています。
 気象。WitE2では、上空と地上の両方の気象を、モデル化しています。これらの気象の状態は、気象表示ボタン(Hotkey-W)によって切り替えてマップ上で確認する事ができます。気象は戦闘と移動の両方に影響します(詳しくは第8章を参照)。気象モデルは動的であり、前線(高気圧または低気圧)がゲームエリアを移動し、降雨や晴天などの気象効果を発生させます。上空が雨や雪になると、地表の状態も泥濘や積雪に変化します。
地表の気象は陸上作戦にのみ影響し、上空の気象は航空作戦にのみ影響します。
 人工的な施設。港湾や飛行場、鉄道線のようなものは常に表示されています。また、工場、道路、要塞、ロジスティック情報ボタンで表示/非表示を切り替えられるものもあります。これらの人工的な施設のほとんどは、ロジスティック・モデルにとって重要なものです。
 天候が悪化したターンや、森林・山岳・砂地のように道路外での移動速度が低下しやすい地形では、道路は重要です(特に自動車の場合)。
 ユニットカウンター。ユニットはマップ上に、正方形のカウンターで表示されます。ユニットを左クリックすると、全ての移動オプションが表示(ヘックス・コントロール・オプションが表示されている場合)され、より詳細なユニットボックスが画面の右側に表示されます。
<<図版省略>>
 このケースでは、ソ連軍第1親衛狙撃軍団がマップ上で選択され、ユニットディスプレイがマップの右端に表示されています。(他の黄色で縁取りされているソ連軍ユニットは、それらも第54軍の所属である事を示しています)。これについてはこの後の第4.7.4節で、より詳細に説明します。
 ユニットの選択。移動または戦闘を行なう為にユニットを選択するには、そのユニットを左クリックします - 望むならば一つのスタック全体を選択して移動させる事もできます。そして移動先を右クリックします(それが移動か攻擊かによって)。
 ユニットの移動。ユニットを移動させるには、左クリックでユニットを選択し、右クリックで移動地点または攻撃地点を選択します。またスタック内の全てのユニットを選択して、一緒に移動する事もできます。またWiTE2では、戦闘とは移動ポイント(MP)を消費する、移動の特殊な形態となる事を理解しておくのが重要です。
 一度に使用可能なMPを全て、使い切ってしまう必要はないので、部分的に移動を命じておいて、その移動フェーズ中の後半で、再びそのユニットやスタックに戻ってくる事ができます。
 下のサンプルでは、ソ連軍第55狙撃師団が、その開始位置(黒枠)からヴォルガ川に向かって移動するように命令されています。ユニットの南西のヘックスには、ユニットがそのヘックスに移動した場合に、残っている移動ポイントを表示しているのに注意してください。移動すると僅かに疲労するので、ユニットは弱体化しています(4.8.3 及び 22.2)。
<<図版省略>>
 ユニットとマップの相互作用には、海ヘックスを渡る為に船舶に乗船させる必要がある等のように、見れば分かるものもあります。他の要素はそうでもありません - 装甲ユニットは開豁地形での攻撃に適しています。歩兵ユニットは森林のように戦闘距離の近い地形での守備に適しています。
 ヘックスの支配。ヘックスは自軍支配下であるか、敵軍支配下であるか、友軍支配保留(現在のターン中に占領したヘックスなので、プレイヤーターン終了時に所有権が切り替わります)があります。
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 これは移動の為にユニットを選択すると、マップがどのように変化するかを示しています。明るいヘックスはターン開始時にすべて枢軸軍の支配下でした。暗い色のヘックス(ルーマニア2-3歩兵連隊の東側)は、この移動フェーズ中に他の枢軸軍ユニットによって占領されました。薄茶色のヘクスはまだソ連軍の支配下にありますが、そこにソ連軍ユニットは居ない事が知られています。暗い茶色のヘックスはソ連軍ユニットが存在する事が分かっている(または、確認できる十分な情報がない)ヘックスです。
 ヘックスの所有権は移動とロジスティックに影響を与え、ユニットがそのヘックスに移動する際に蓄積される疲労を増加させます。可能ならば、ターン開始時に友好的だったヘックスのみを通過して移動する方が、より速く、より少ない疲労しか蓄積しません。
 ヘックスポップアップ。ヘックスの上にマウスカーソルを置くと、詳細な追加情報が ポップアップします。

4.4.4. 戦闘解像度情報
 重要なオプションの1つは、戦闘の解像度レベルをどのように設定するかです。これはゲームプレイ中に表示される情報量と、プレイ速度の両方に影響します。
 戦闘解像度レベルはゲーム作成時に設定され(36.17.1)、いつでも変更する事が可能です。デフォルトでは、新しいゲームを始める時、または既存のゲームをロードした時に、最後に選択したレベルになります。
<<図版省略>>
 戦闘解像度は、ユーザー設定画面から変更するか、数字キー(0~7)を押して変更する事ができます。この場合ポップアップメッセージが、一瞬表示されます。
 レベル0を選択した場合、戦闘は自動的に処理されるので、遅延は発生しません。戦闘が解決すると、そのまま移動して戦闘を続ける事ができます。レベル1では、戦闘情報画面(37.1)が短時間表示され、戦闘の概要と結果を知る事ができます。レベル5を選択する迄には、戦闘解決の時にはかなりの詳細(個々の要素の相互作用に至るまで)を見る事ができるようになります。この場合いつでも、好きな時にポップアップを閉じる事ができ、最終的な結果が表示されます。
 航空命令を解決する際には、遅延が1より大きい場合にのみ、戦闘結果画面を表示します。
 詳細な解像度を使うと、戦闘エンジンの動作を理解する上では有益なのですが、プレイ速度が著しく低下します。右上の十字をクリックすると、いつでも表示処理をキャンセルできます。
 通常は、遅延を1または2に設定し、後でマップ上の戦闘箇所指標にアクセスして、結果を確認します。このケースでは、上に表示された戦闘はソ連軍ユニットの降伏で終わったので、戦闘指標は黒枠に白旗で表示されています(枠はこれが枢軸陣営の攻撃である事を示しています)。
<<図版省略>>
 この画面の見方に関する情報は、23.10と37.1にありますが、結果として、参加した兵士・戦車・航空機の数、それらの損失の原因が表示されます。

4.5 航空プランニングフェーズ入門
 このトピックでは、航空フェーズの概要と、航空作戦命令の自動作成機能について説明します。航空フェーズは、プレイヤーターンの一番最初に行なわれる部分です。
 まだゲームに習熟していない時点では、手動操作を(どうしてもそうしたくて)行なう前に、AIアシストルーチン(4.6)を試してみる事を、強くお勧めします。
4.5.1. 空の戦いの目的
 WiTE2では、枢軸国とソビエト連邦の両空軍は、独立した戦略爆撃作戦を行なうよりも、主軸の軍隊の作戦を支援するの主目的とした編成になっています。その為にこのゲームでは、航空戦力をどのように利用するかという点で、ドクトリンと機体設計の両方のアプローチが、重要な意味を持ちます。

例えば実際的な一つの例では、ソ連の戦闘機の多くは航続距離が非常に短いです。これはつまり、前線や作戦予定地の近くを航空基地とする事が重要になります。また航続距離の長いレンドリース機は、ある状況下において、非常に貴重な存在となります。

 これは航空司令部の管理の方法や、航空司令部が作戦可能な任務の種類に影響します。
 工場や都市への爆撃等も含めて、あらゆる航空作戦を行なう事が可能ですが、次のいずれかの役割で空軍を用いる事が多くなるでしょう:
  • 地上攻撃(Ground Attack) - 移動妨害(Interdiction)、この任務は航空戦闘解決フェーズ中に飛行し、そのヘックスを通過する敵軍ユニットに損失を与えます(そしてそのヘクスから離れるコストも上げます)。これは補給線、予備、または戦闘の結果として敵が前進または後退しそうな場所を目標として使用します。
  • 移動妨害(Interdiction)任務は、敵支配ヘックス上でしか作戦できません。
  • 地上攻撃 - ユニット、この任務も航空戦闘解決フェーズに飛行し、敵軍の陸上部隊を混乱させたり破壊する事を目的とします。その為に、ターンの後半に攻撃する予定のヘックスを目標とする場合によく使用します。
  • 地上支援、この任務は、航空フェーズに命令されますが、実際には陸上フェーズになるまで実施されません。この場合は爆撃機と戦闘機は、陸上の攻勢作戦または防衛作戦を支援し、陸上ユニット間の戦闘にその効果を加えます(4.8)。
  • 航空優勢、この任務は航空フェーズで命令され、航空戦闘解決フェーズと陸上移動フェーズの両方で実施されます。この任務に割当てられた戦闘機は、設定したエリアに侵入した敵機との交戦を目指します。
  • この変形として、他に任務のない戦闘機は常に、自身の飛行場に接近する敵機の迎撃を試みます。
 航空兵力が陸上ユニットに与える影響は、多くの場合間接的です。ほとんどの場合は航空攻撃は多くの陸上部隊を破壊する事はありませんが、部隊を混乱させ損害を与えたり、移動コストを増加させたりします。損害を受けた陸上部隊は、(その後のロジスティックフェーズで)回復する機会を得るまで、いかなる戦闘にも参加せず、陸上戦闘によって破壊される可能性が高まります。混乱した部隊はその戦闘の終了時に回復しますが、攻撃されたユニットには疲労が加わり(その結果戦闘力が減少し)ます。
 従って航空戦力は、敵の機動力を低下させ、戦闘に勝利する能力を弱めやすくします。航空戦力がそれ自体で、直接的に大きな損害を与える事はありません(しかし時には、そうなる事もあります)。

4.5.2. 航空ユニットの理解
 各プレイヤーの航空戦力には7つの要素があります:
 航空司令部。航空司令部(16.2)は、航空作戦グループや航空ユニットを指揮するHQユニットです。両陣営とも航空司令部の階層を持っており、下級司令部(航空艦隊など)は、最高航空司令部(ドイツのOKLなど)へ順番に所属する事になります。
 指揮官。彼らは各航空司令部に配属されます。彼らの相対的な能力は、損傷した航空機の修理の速度や、与えられた任務に実際に参加できる航空機の数に影響します。
 このレベル以下では、航空ユニットは2つのレベルで編成されます(16.3)。
 航空作戦グループ(AOG)。これらは航空グループの組み合わせを表しており、あなたが航空戦力を管理する主な方法となります。
 航空グループ。航空グループは、航空任務を遂行する航空機のスコードロンとグループです。航空グループは、AOGや航空司令部の両方に配属されます(16.3)。
 更に、あなたの航空アセットには以下のものがあります:
 航空基地。これは航空グループが基地とすることができる、マップ上の固定された場所です(16.6)。
 パイロット。パイロットの各々は士気と練度を評価され、航空ユニットに表示される士気と練度の値は、これら個々人の平均値です(16.7)。
 航空機。あなたの航空戦力は個々の飛行機で構成され、各航空機は航空グループに割当てられます。各航空グループは、1種類の航空機だけしか所持していませんが、旧式となった航空機を戦闘部隊で使用しないようにさせる事ができます。
 使用できる機体の種類は、そのユニットのタイプと訓練によって決まります(つまり水平爆撃機を使う訓練を受けた編成は、何らかの水平爆撃機を装備するしかないのです)。
 ゲーム期間中に、航空機が旧式化したり、特定の機種が不足する事があります。この場合、航空グループは自動的にアップグレードして、最新型(不足している場合は旧型)に切り替わるように設定できますが、それを手動で処理する事も可能です。手動で行なう場合は、新機種の到着を確認する必要があります。
 航空機の種類によって、可能な航続距離が決まっています。これは、任務を遂行する事で消費されます。この航続距離を使い切った航空機は、そのターン中にはもう飛べません。あるターン中の使用量は、可能な総マイル数に対する割合で表わします。

4.5.3. 航空司令部
 陸上部隊を統制するHQと同様に、航空司令部にも大抵階層があります。航空司令部の主な役割は、航空部隊に指揮官を配置し、航空作戦グループを組織する事です。

4.5.4. 航空作戦グループ
 これらはWiTE2で空軍を管理する為の主要な方法です。1ページガイド(次ページ)には、ゲーム内での主な表示内容とアクセス方法を示しています。
<<図版省略>>
4.0 基本ゲームプレイ(4)
4.5.5. 航空作戦命令の種類
 航空作戦命令には7種類ありますが、ソ連軍とドイツ軍の様々なドクトリンの違いを反映して、全ての航空司令部がその全ての命令を利用できる訳ではありません。
 地上支援(Ground Support) - 陸上攻撃時に陸上ユニットへの直接航空支援を行ないます。この任務は実際には、陸上移動フェーズ中に遂行します。
 地上攻撃(Ground Attack) - マップのエリアに焦点を当てて、敵陸上ユニットを減速させ、移動妨害し、補給キャパシティを制限し、航空基地・鉄道網・港湾を攻撃します。
 地上攻撃任務は敵軍支配下のヘックスのみを目標とする事ができ、 航空作戦命令ボックス(17.4)に自軍ヘックスが含まれている場合には、それらは実際の 任務の割当てにおいては無視されます。
 この任務には幾つかのバリエーションがあります。一つ(移動妨害)は、敵の移動を妨げようとしますが、静止しているユニットには比較的ダメージを与えません(これは補給船団などを攻撃する事に注意してください)。ユニットの攻撃は敵ユニットを直接攻撃しますが、ある程度の移動妨害も行ないます。
 最後にこの任務は、鉄道の利用、敵航空基地、敵鉄道車輌基地や港湾を目標にする事ができます(18.1.4)。
 戦略爆撃/都市爆撃 - 都市の生産設備とマンパワーを爆撃する為に使用します。この任務にも様々なオプションを用意していますので、意図した目標を正確に狙う事ができます(18.1.5)。
 航空偵察(Air Recon) - 目標エリア内の敵陸上ユニットの発見レベルを上げるのに使用します。偵察任務は戦術的用途または戦略的用途に指定する事ができます。戦略偵察は、戦略爆撃モード(18.1.6)で攻撃可能な目標の種類に関する情報を収集します。
 偵察任務は敵支配下のヘックスのみを目標とします。
 航空優勢(Air Superiority) - 戦闘機ユニットがあるエリアへ飛行し、そのエリアでの敵の任務の妨害を試みます(18.1.7)。
 なお、どの航空作戦命令にも割当てられていない戦闘機は、自身の基地に接近してきた敵機を迎撃しようとします(18.1.7)。敵航空作戦命令の防御的迎撃は自動的に行なわれ、戦闘機は自分の航空フェーズと相手の航空フェーズの両方を飛行するので、その為に航空作戦命令を設定する必要はありません。
 海軍パトロール - ユニットは目標地域で海軍移動妨害地点を作ろうと試みます。海軍移動妨害は敵の海軍移動(海軍補給を含む)を混乱させ(可能ならばは阻止し)、自軍の海軍の活動を保護し活動可能にする事ができます(18.1.8)。
<<図版省略>>
 航空補給(Air Resupply)。これは陸上移動フェーズ中にのみ遂行可能な特殊な任務です。AI アシストは航空輸送アセットを利用して、該当するHQの戦闘ユニットに補給物資を輸送します。その司令部配下の航空グループが使用する航空基地の優先順位を設定する事で、これを上書きする事ができます。
 手動で行なう方法は18.1.9に記載していますが、基本的にはF9でタブを開いて目標ヘックスを選択します。通常は、適切な送り出し側の航空基地と航空グループの集合が、自動的に選択されます。
航空補給任務は、航空作戦命令の作成時ではなく、陸上移動フェーズ中にのみ実行する事ができます。
 もし、あなたが手動で空の戦いをコントロールしているのならば、これらのタブの一つを選択する事によって、各々の任務を設定します(航空計画フェーズ中に表示されます)。AI アシストを使用する場合には、あなたに代わって適切な航空作戦命令が作成されます。
プレイの助言。可能であれば、自軍支配下の航空基地 - 占領した直後であっても - を目標にすれば、より多くの物資を届ける事ができます。
4.5.6. 航空作戦命令の作成
 航空作戦命令の自動作成。航空作戦命令の自動作成を使用するには、1 ページガイドの”AIコントロールによるAOGの使用(Using AOGs with AI Control)"を参照してください。
 航空作戦命令の手動作成。このオプションは初心者にはお勧めできません。空の戦いの基本を理解するまでは、AIルーチンを使用する事を強くお勧めします。もし航空作戦命令の作成、航空機の割当て、航空機の武装の選択などを手動に移行したい場合には、このマニュアルの第18章をお読みください。
 4.5.7. 航空作成命令の実行
<<アイコン省略>>航空作戦命令の設定(自動または手動)を完了したら、F12 キーを押す必要があります。
 これによって、航空作戦命令の解決に向けたプロセスが開始します。表示される詳細の速度と量は、戦闘解像度(4.4.4)を見る為に選択した詳細レベルによって決定します。
 最も低い解像度の場合は、画面右下に小さなボックスが表示され、任務と損失のサマリーが表示されるだけです。
 この画面の見方についての詳細は、第37.16.7節に記載しています。
<<図版省略>>
 解像度を上げると、航空機が通過した経路(戦場の霧で隠されていない場合は敵の迎撃も含む)が表示されます。特定の種類の任務は表示しないように設定する事もでき、デフォルトでは偵察任務は表示されません。
 また戦闘解像度レベル1以上を選択すると、実際に発生した戦闘を見る事ができます。これよって高いレベルでは、航空フェーズを解決するのに時間が掛かるので、通常は航空フェーズが完了した後に、戦闘結果を確認する事で、重要な事件を再確認します(37.1)。
 サマリー画面が表示されると(37.16.8)、航空フェーズが終了します。これを閉じて次に進む事もできますし、航空戦闘解決フェーズの側面を検討する為に使用する事もできます。また、航空フェーズが解決した時に簡単に表示された全ての内容の詳細は、ロジスティックログ(36.9)で確認する事ができます。
 これが完了したら、陸上フェーズの準備が整います。

4.5.8. 航空基地
 航空基地。航空基地は、1、2、または3(これが最大)の3 種類の規模を持つ、マップ上の固定施設です。1つのヘックスには1つの航空基地しか存在できないので、幾つかの航空基地は歴史的な複数の航空基地をまとめて表わしている事があり、規模はそれに応じて調整されています。
<<図版省略>>
 上記の画像内の航空基地は全て枢軸側が所有していますが、現在は無人の状態です。他の色の組み合わせにもお気づきでしょうが、これらについては後程第6.4.7節でまとめて説明します。
 新たな空軍基地は、非-山岳ヘックスに建設する事ができます。町、都市、または既存のデポが存在するならば、山岳ヘックスにも建設する事ができます。上陸侵攻作戦が成功した場合、目標ヘックスのいずれかにレベル2の航空基地を建設します。
 画面上部、その場所のユニット詳細、または希望する場所を右クリックする事で、航空基地を建設する事ができます。
 以下の例では、Pavlovo を選択して新たな航空基地を建設する方法を示していますが、Gorky を選択してその航空基地の規模を2から3に拡張する場合も同じ手順で行ないます。
<<図版省略>>
 このケースでは、最初のアプローチは最上段右側のタブ(6.2.2)、二番目はヘックスの上で右クリックして出てくるリスト、三番目は画面上部の名前バーをクリックして都市表示(37.13)にアクセスすると現れる情報です。
 新たな航空基地が運用可能になる迄には、ある程度の時間が掛かりますが、コンピュータが予備の工兵支援ユニットをそのヘックスに割当てる事ができれば、これを早められます。
最高司令部または方面軍・軍集団のHQに建設工兵ユニットをストックしておくと、ゲームマップ内のほとんどのヘックスにコンピュータが割当ててくれるので、新たな航空基地を迅速に建設するのに便利です。
 レベル1とレベル2の航空基地は、規模を拡大する事ができます。特に規模2から3への拡張は、天候や地形が良くないと遅くなり、またかなりの物資の割当てを必要とするので、近くに十分な在庫を持つデポがない限り、時間が掛かるでしょう。
 航空基地TOE。航空基地は固定的ですが、それでもユニットです。それらには、支援や防衛を行なう地上要員を表わすTOEがあります。航空基地が占領されるとTOEは0%になり、支援分隊がその場所に移動する事によって回復します。航空基地は、その基地に駐留する航空機の数によってTOEが増減します。AOG に基地への移動を命じた場合、その基地が十分な支援ユニットを有していなければ、ロジスティカルフェーズ中に支援ユニットを獲得して、その基地は作戦可能になります(17.3.5)。
 ある基地から全ての機体を撤去すると、その基地のTOEは0に戻ります。
 航空基地の支援、補給とキャパシティ。航空基地の有効性(戦闘任務の支援や、損傷した航空機の修理など)は、支援のレベル(十分な数の地上要員など)と、十分な補給の両方に依存しています。
 基地のキャパシティは、駐機する航空機の種類とサイズに依存します(16.6.6)。航空基地に収容する航空機の数が多過ぎる場合は、ペナルティがあります。キャパシティ超の航空基地は、航空基地の周りが赤いリングで表示されます。ヘックスポップアップに%キャパシティが表示されます。
 航空基地のロジスティック優先度は、指揮官レポートのツールを使って、個別に又はまとめて設定する事ができます。補給優先度が0の航空基地が補給を受ける事はありません。
 航空基地への爆撃被害と航空基地の修理。被害を受けた航空基地の航空グループは、作戦上の損失が増え、出撃回数も減少します。また航空基地が混雑していると、爆撃を受けた時に基地内の航空機が被弾する可能性が高くなります。
 AIアシストルーチン(17.1)を使用する場合、AIが必要と判断すれば、既存の飛行場を拡張しますが、プレイヤーが必要と感じた場合には、手動でレベル1の飛行場を新設しなければなりません。
4.0 基本ゲームプレイ(5)
4.6 空の戦いの管理
 AOGを管理するには2つのオプションがあります。まずAI アシストを利用する事であり、この場合に、あなたが主に入力するのは、AOGを陸上HQに割当て、AOGに所属する航空機の相対的な数を設定する事です。これはその後、航空作戦命令を生成し、あなたが設定した優先度に従って航空戦力を再配置します。
 一方で、完全な手動制御を選択する事も、AIアシストルーチンと手動介入を混在させる事もできます。
4.6.1. AI航空アシスト
 これには2つのレベルがあります。1つは、AIルーチンのみを使用する場合で、これは航空作戦命令と再配置は、航空命令フェーズと、陸上移動フェーズのフェーズ終了(つまりF12キー)を押下した時に実行する事を意味します。このオプションを選択した場合には、PBEMやサーバーベースのゲームでは、その後にこのオプションを変更する事はできません。
 もう一つの方法でも、AIアシストに頼る事ができますが、AOGまで手動で管理する事もできます。
 AIアシストの基本的な使い方は、次ページにある1ページガイドに記載されています。

4.6.2. 航空作戦グループの陸上HQへの割当
 あなたがAIアシストを使用すると決めた場合でも、どのAOGがどの陸上ユニットHQ(17.1)を支援するのか、そのAOGに何機割当てるのか、また支援する航空任務の種類を決定する必要があります。
 1ページガイド”AIコントロールによるAOGの使用(Using AOGs with AI Control)"には、重要なコンセプトが記載されています。
 枢軸国のAOGは軍または軍団HQに割当てる事ができ、ソ連のAOGは方面軍または軍管区に割当てる必要があります。ソ連のAOGはそれらを管轄している航空司令部と同じ方面軍に、自動的に割当られます(17.1)。

4.6.3. 航空ユニットのAOGへの割当
これは1ページガイド”AIコントロールによるAOGの使用(Using AOGs with AI Control)"に記載されています。事実上あなたは、各AOGと航空司令部の相対的な優先度を設定し、航空ユニットは相対的に拡がる負荷に合わせて割当てられます(17.1)。
 手動で操作する場合には、どの航空グループをどのAOGに割当てるかを直接決定し、AOGを再配置して航空機を新たな航空基地に移動させる事ができます。

4.6.4. スタンスとAIアシスト
 AIアシストを使用する場合でも、以下の変数を設定する必要があります。
  • スタンス(17.2)
  • HQの割当(AOG/航空司令部は通常、このHQがマップ上を移動するのに連れて"追従"します。
  • 海上作戦(そのAOGに、海上哨戒を実行させたいかどうか)
  • アセットの優先度(利用可能な航空兵力のうち、どれだけこのAOG/航空司令部に割当てるか)
  • 補給優先度
 更にプレイヤーは、航空基地の建設や拡張、航空兵力を支援する為にデポの建設が必要かどうかの決断、航空ユニットのアップグレードを自動的に行なうか手動で制御するかの決定を行なわねばなりません(16.5)。
AIが任務を作成する際には、あなたの航空ドクトリンの設定(17.4.3)を使用し、任務の高度、実行する日、任務の相対的な強度等の項目に影響する事に注意してください。もし航空作戦の結果が思わしくない(戦果が少ない、あるいは損失が非常に大きい)場合には、この画面を確認して幾つかの変数を変更すると良いでしょう。
 AIアシストを利用する上で重要なのは、AOGのスタンスを設定する事です。AOGがターン中、いつ、どのようにアセットを割当て、割当てられているHQに追従して移動するかどうかは、あなたの選択によって決定されます。
 スタンスには4種類あります:
  • 柔軟(Flexible)
  • 停止(Hold)
  • 後退(Retreat)
  • 前進(Advance)

 航空計画フェーズ中(自動AI航空アシストを利用する場合にはその終了時) において、柔軟スタンスのAOGが行なえるのは:
  • 航空グループを予備に送る(それらが戦闘任務に耐えられないほど弱体化したと判断した場合)
  • 予備から航空グループを獲得する
  • 他のAOGから航空グループを獲得する(これはアセット優先度に基づき、適切であれば完全なAOGごと譲渡する事もあります)
  • 航空グループを他のAOGに移譲する(優先度によります)
  • AOGは追従するHQの現在地に再展開します
  • 港湾に対する海上作戦の実施、AOGは目標の港湾に対する作戦の為に再展開します

 航空計画フェーズ中において、停止スタンスのAOGが行なえるのは:
  • 航空グループを予備に送る(それらが戦闘任務に耐えられないほど弱体化したと判断した場合)
  • 予備から航空グループを獲得する
  • 他のAOGから航空グループを獲得する(これはアセット優先度に基づき、適切であれば完全なAOGごと譲渡する事もあります)

 航空計画フェーズ中において、後退または前進スタンスのAOGは特定の行動を取りませんが、適宜航空作戦命令を生成します。移動フェーズ中(およびそれを自動化している場合はターン終了時)に、柔軟または停止スタンスのAOGが行なえるのは:
  • ユニットへの航空補給(HQを追従する場合)
  • 航空基地への航空補給(HQを追従しない場合)

 移動フェイズ中(自動的な場合はターン終了時)に、後退または前進スタンスのAOGが行なえるのは:
  • 航空グループを予備に送る(それらが戦闘任務に耐えられないほど弱体化したと判断した場合)
  • 予備から航空グループを獲得する
  • 他のAOGから航空グループを獲得する(これはアセット優先度に基づき、適切であれば完全なAOGごと譲渡する事もあります)
  • 航空グループを他のAOGに移譲する(優先度によります)
  • AOGは陸上移動フェーズ中に、追従するHQの現在地に再展開します
  • ユニットへの航空補給(HQを追従する場合)
  • 航空基地への航空補給(HQを追従しない場合)
  • 港湾に対する海上作戦の実施、AOGは港湾に対する作戦に適切なように再展開します

 輸送AOGは通常、所属するHQのユニットへの補給を試みます。もし所属するHQがない場合には、所属する航空司令部に割当てられている航空基地への補給を試みます。
 AOGはHQに割当てるか(通常)、港湾周辺で海上作戦を行なうかの、どちらかに設定する事ができますが、両方はできません。海上作戦に設定した場合、AOGは港湾近辺の海ヘックスの支配権を獲得しようとします。この場合、AOGは管轄している航空司令部と異なる焦点(海上哨戒)を持つ事ができます。ソビエトの場合、名前を持つ海軍航空司令部(恐らくバルト海司令部か黒海司令部)だけが、海上作戦を行なう事ができます。
第17.2節でスタンスの使い方について更に説明しますが、一般的には前線が基本的に安定している場合には、"柔軟"スタンスを使用すると、現在の地理的エリア内で、航空ユニットのサイズと配置を大まかに調整する事ができます。"前進"と"後退"スタンスは、戦線の移動に伴って航空兵力を再配置する場合に選択します。"停止"スタンスは、航空兵力を現在の基地に展開したままにしておきます(支援分隊の需要や補給の点から効率的です)。

4.6.5 航空ユニットの再配備
 AIアシストを利用した場合、航空ユニットは上記のルールに従って再配置されます。また航空ユニットと国家予備との間の移動も管理します(13.2)。

4.6.6 手動コントロール
 1 ページガイド"AOG の手動制御(Manual Control of AOG's)"(図 4-30参照)には、AOG を手動でコントロールする方法の基本が記載されています。更に第16章から第18章の重要な節を読んでください。そこには、独自の航空作戦命令を作成・修正する方法、航空グループをマップに配備する方法、航空兵力を再配備する方法等が説明されています。
 最初の何回かのゲームは、空の戦いはAIアシストに任せておく事を強くお勧めします。AIアシストは、ゲームを単純化する効果がある一方で、完全に適切な結果が得られるので、ゲームプレイが大幅にスピードアップする事が良く分かると思います。

4.7 陸上ユニットの理解
 このトピックでは、様々なゲームユニットの基本的な概要と、それらに関する情報の見方について説明します。1ページガイド(図4-31)では、この節がカバーする主要な論点について説明します。
4.7.1 ユニットの構成
 ユニットは様々な陸上エレメント(21.2)から構成されており、ユニットの正確な構成はその装備表(Table of Equipment: TOE)(21.2.5)に基づいています。TOE が 100%のユニットは、必要な全ての陸上エレメントを有しています。
 陸上エレメントはユニットの種類によって異なりますが、通常は、マンパワー(分隊に編成)、個々の車輌、火砲やその他の武器が含まれます。また戦闘エレメントをバックアップする支援分隊(通信班、衛生兵、ロジスティックなど)や、ユニットの移動に使用されるトラックも含まれます。
 陸上エレメントの数・士気・経験値・疲労は全て、ユニット全体の攻撃力と防御力に影響します。
 ユニットは、戦闘・消耗・移動によって陸上エレメントを失なう事があります。この時にエレメントが損傷を受けたり破壊されると、ユニットのTOEが下がります。TOEを維持する為に、工場(4.10と26.1)で生産された新しい陸上エレメントを、補充として受け取る事ができます。
 ゲームが進むにつれて、TOEが変化していく事に気が付くでしょう。これは、より近代的な装備を使用していく事と、両陣営が戦闘ユニットの構成に対して行なった様々な変更を反映しています。従って1941年の装甲師団は、Ⅰ号/Ⅱ号/Ⅲ号/Ⅳ号戦車(実際には鹵獲したチェコやフランスの戦車も使用します)の混合編成を中心に構成されますが、1944年には同じ師団がⅤ号/Ⅵ号戦車の混合編成を使用する事になるでしょう。
 ユニットが希望するエレメント(例えば中戦車としてⅣ号戦車を使用する)にアクセスできない場合、敵から鹵獲したものも含めて、似たエレメントで代替される事に注意してください。従ってソ連の1944年の戦車編成は基本的な中戦車として T34/85 を使用しようとしますが、代わりにレンドリースのシャーマン戦車を使用する事があります。またドイツ装甲師団は鹵獲したソ連のT34を使用する事があります。

4.7.2 ユニットの種類
<<図版省略>>
ゲームには陸上ユニットが5種類が存在します:
  • 戦闘ユニット(CU)。CUとは歩兵師団のように、マップ上にカウンターとして現われて、戦闘を行なう事ができるユニットです。多くのCUは、より広い範囲をカバーする為に、3つの小さなユニットに分割する事ができます(21.3)。
  • HQユニット(21.11)。HQはマップ上にカウンターとして現われます。これらは戦闘を行なう事はできません。ほとんどのHQは航空または陸上ユニットを指揮統制しています。HQの幾つかは、鉄道修理や上陸作戦能力を提供します。
  • 支援ユニット(SU)。SUは、砲兵、対戦車砲、対空火器、工兵、突撃砲、建設部隊などの小規模なユニットです。ほとんどのSUはマップ上には現われません。SUはHQやCUにアタッチされ、その”支援"は自動的に提供されます。SUは必要に応じて、親ユニット間で移動する事ができます(21.5)。
  • 工兵と建設部隊SUは、鉄道ヘックスを修理している時にのみマップ上に現われ、それ以外は彼らが修理している都市・デポ・航空基地にアタッチされています。
  • マルチロールユニット(MRU)。MRUは主として旅団サイズのユニットであり(但し全ての旅団がMRUである訳ではありません)、マップ外にある(戦闘ユニットやHQにアタッチしている)か、それ自体が戦闘ユニットとしてマップ上に存在する(21.4)かのいずれかです。
 MRUをSUに変換するには、管轄しているHQと同じヘックスに存在し、残りのMPが1以上である事が必要です。下の例では、第46機械化旅団は管轄するHQ(第39軍)と同じヘックスにいるので、ユニットの詳細ウィンドウを開いて"ユニットの変換(Convert Unit)"をクリッ クします。
<<図版省略>>
 一度マップ外に出れば、他のSUと同様に再割当する事が可能になります。MRUをマップ上に戻す為には、HQのあるヘックスにMRUがマップ上に現われる為のスペースがある必要があります。
 このプロセスを逆転させるには、該当するHQの詳細タブを開き、ユニット(この場合は第86狙撃旅団)を選択し、”マルチロール(Multi-Role)”をクリックします。これでこのユニットは、1MPでマップ上に現われます。

4.7.3 ユニットの結合(Building Up)と分割(Breaking Down)
 ドイツの師団とソ連の軍団は、3つの小さなユニットに分割する事ができます。これらを再結合したい場合、元のユニットが同じヘックスに存在する必要があります(そして各々の部分には少なくとも1MPが必要です)。元の師団または軍団は、その構成部分の士気・経験値・および疲労の平均値で再生されます。

4.7.4. HQとリーダーシップ
 WiTE2では、HQは陸上ユニットの指揮系統について、ソ連のStavkaやドイツのOKHと言った、国家毎の最高司令部まで提供します。各々の陸上HQには、特定の特性を持った指揮官が配置され(15.3)、これらの指揮官は管理ポイント(9.2)を使って変更する事もできますが、戦死したり、コンピュータルーチンによって除去される(彼らの政治的価値が比較的低い場合に起こり得ます)事もあります。死亡または解任された場合、新たな指揮官が任命されます(ターン中に、あなたはこれを変更する事ができます)。
 指揮官の役割(第15章)とHQ(第21.11節)については、このマニュアルの後半で詳しく説明しますので、ゲームプレイの基本を理解したと思ったら、それらの項目を読む事をお勧めします。
 とりあえずここでは、HQと指揮官は、戦闘ユニットのパフォーマンスに、様々な方法で影響を与える事に注意してください。
  • 戦闘を支援する為に支援ユニットを割当てるには、管轄するHQが戦闘ユニットの5ヘックス以内に存在しなければなりません(23.6)。
  • 支援分隊(無線操作員、野戦病院、コック、整備士等のスタッフを表わすものと考えてください)を戦闘ユニットに提供する為に、異なるタイプのHQは、異なる範囲を持つものとします:
HQユニット
指揮範囲(ヘックス)
最高司令部
90
軍集団/方面軍
45
15
軍団
5
航空
90
 様々な指揮官のレーティングは、戦闘パフォーマンス(23.8)、移動キャパシティ(22.1)、補給と補充の割当に関連する様々な問題(25.1)に影響します。
 指揮官の効果は、指揮階層における位置と、HQと戦闘ユニット間の物理的距離の両方に影響されます。これらのルールの実際の運用は、指揮系統がどのように構成されているかによって複雑になるので、基本を理解し終えたら第15.5節を読む事を強く推奨します。

4.7.5 ユニット間の関係に関する情報
 WiTE2では、ユニットとHQの間に効率的な指揮系統を構築する事が重要です。これを支援する為に、ユニットの関係性に関する情報にアクセスする事ができます。指揮統制については、第15章と第21.11節でより詳しく説明しますが、この段階では、ユニットの関係性を示すユニットカウンターの境界色の表示機能に注目する価値があります。
 マップ上でユニットを選択した時に、この機能が表示されます。境界色の意味は:紫色=選択したユニット、オレンジ=選択したユニットのHQ、黄色=同じHQが直接指揮する他のユニット、青色=指揮範囲内の下位ユニット、赤色=指揮範囲外の下位ユニット。
 更にそのユニット/HQが、他の編成とどのようにリンクしているのかを示す線が、適切な色でマップ上に表示されます。
 場合によっては、この線が見えている画面の端まで引かれ、関連するHQが少し離れた場所にある事を示しています。これはHQ/ユニットが、ドイツ軍OKHのような最高司令部の1つに所属する場合に、よく起こります。
<<図版省略>>
 上の例では、選択した師団(12-11)は紫色で囲まれ、同じHQに所属する他の全てのユニットは黄色で、オレンジ色の線はそのユニットと直属のHQとの接続を示しています。
 このケースでは、HQ が選択され(紫色で囲まれています)、青色の中のユニットは指揮範囲内の下位の編成で、赤色の中の一つのユニットは指揮範囲外にあります(4.7.3と15.5.4)。HQとその指揮下のユニットとの間の青い線に注目してください。更に選択した軍団を統制する軍HQは、オレンジ色でハイライトされています(そして、その繋りを示すオレンジ色の線があります)。最後に、同じ軍HQを共有する他の軍団HQは黄色で表示されています(この場合、同じHQに直接所属すると言う関係性を共有しているので)。
<<図版省略>>
4.0 基本ゲームプレイ(6)
4.7.6 移動ユニットの選択
 基本的な手順は、ユニットを左クリックします。画面右側にユニットの詳細ボックスが表示され、他のマップ上ユニットがハイライト表示されるのが分かります。同じヘックス内の複数のユニットを同時に移動させたい場合には、右側に表示される追加ユニットボックスをクリックするか(選択したユニットは白枠で囲まれます)、ダブルクリックでスタック全体を選択します。
 あるヘックスに複数のユニットが存在する場合、左クリックを繰り返すとカウンターの順番が変わり、その都度一番上に新しいユニットが来ます(つまり移動可能な状態になります)。
 ユニットを選択したら、移動させたい目的地を右クリックします(これは移動でも攻撃でも構いません)。ユニットの選択と、移動と攻撃の様々な種類については、”1ページガイド6"を参照してください。

4.7.7 ユニット情報
 WitE2では、ユニットを管理する為に、非常に詳細な情報を提供しています。理解しやすいように、これらは3つのレベル - マップ上表示・ユニットバー・ユニット詳細画面、に分ける事ができます。
 マップ上の表示。マップ上のカウンターは、最初のレベルの情報です。ユニットカウンターの色は国籍や種類を表しています(例えば、ドイツのSSやルフトヴァッフェ、ソ連の親衛ユニットは、他のドイツやソ連のユニットとは背景色が異なります)。カウンター上のシンボルはユニットの種類とその規模(34.1、34.2、34.3)を示しています。
 カウンター下部の数字は、戦闘力、移動ポイント、防御力の3種類を表示するよう変更可能です。また必要に応じて、ユニットの名称を表示するようにもできます。
<<図版省略>>
 ソフトファクター(6.5)を選択している場合、カウンターの左上に補給・燃料・士気などの情報が表示されます。これらは第6章で説明しますが、補給に問題があるユニットや、士気の高いユニットを”一目で”把握する事ができます。
<<図版省略>>
 ユニットバー。マップ上のカウンターをマウスの左クリックで選択すると、ゲーム画面の右側のユニットバーがアクティブになります。ユニットバーでは、マップ上のカウンターと同じ情報が表示され、更に詳細な情報が提供されます。CUの場合、親HQ、補給の詳細、戦略移動ポイント、準備ポイント、モード、マンパワー・AFV・火砲によるユニットの戦力が含まれます。
 このビューを使って、”モード”を変更でき(準備完了から再編成または予備ステータスへ)、HQ(ここではⅩXXⅨ自動車化軍団)をクリックすると、表示がHQに移ります。
 HQは、自身の上位HQ、戦略移動ポイント、指揮キャパシティ、現在の補給状況など、若干異なる情報を表示します。またHQの補給優先度を変更したり(25.8)、指揮官レポートで関連情報にアクセスする事もできます。
 これはドイツ軍の第2軍と中央軍集団の2つのHQを示しています。
 HQには本来的な戦闘力はないので、数値は常に 0-MP です。戦闘ユニットと同様に、所属先のHQの名前を見る事ができますが、それ以外の部分の表示は大きく異なります。
 指揮官の画像をクリックすると、関連する全ての詳細情報を記載したボックスが画面上に表示されます(37.7)。指揮官の下では、補給の優先度を変更したり(現在は各々1と3)、指揮官レポート(4.17)にアクセスする事ができます。また第2軍HQは枢軸軍ですので、突撃状態(Assault Status)に設定する事ができます(これについては 4.13.3 で後述)。
<<図版省略>>
 左側にあるカウンターの下には、使用可能な戦略移動ポイントとユニット内の戦力(このHQが直接統制している支援ユニットの人員、火砲、戦車も含まれます)を表示します。右側には指揮ポイントの使用状況と使用可能な数(それぞれ 12/27 と 80/108)、そして補給の割合とユニット内の燃料を表示します。
 ユニット詳細。これは、ユニットバーのユニット名をマウスの左クリックで選択するか、ユニットボックス内のどこかを右クリックする事でアクセスできます。これについてはマニュアルの後半(21.2)で説明し、その情報の全てはAppendix H(37.3)で説明します。

4.7.8 ユニットのモード
 ユニットのモードは、WiTE2の重要なコンセプトの一つです。これによって、あるユニットが補充を獲得できるようにしたり、戦闘中に他のユニットを支援するするよう、変更する事ができます。プレイヤーが選択可能なモードは5つあります。
 デフォルトは準備完了(READY)で、ユニットの一般的なステータスと見なす事ができます。
 再編成(REFIT)は、補充を受け取ったり(4.11.1 と 25.8)、新しいTOEが利用可能になった時にアップグレードする機会を増やします。
 予備(RESERVE)は、戦闘に参加するよう選ばれていなくても、戦闘を支援する為にユニットを投入する事ができます(これは攻撃側と防御側の両方で起こり得ます)(23.7)
 ユニットを静止(STATIC)モードにすると、車輌を節約できますが、機動力が低下します(21.8)。
 要塞化(IN FORT)は主要都市(20.6)で、ユニットがスタッキングレベルを超えて、防衛力を高める事ができる特別なステータスです。
 更にユニットは、幾つかの非自発的なステータスを持つ事があります。それらは敗走(routed)、消耗(depleted)、準備不足(unready)、孤立(isolated)などです。

4.7.9 支援ユニットの再割当
 このセクションでは、SUをHQ間で/または戦闘ユニットとの間で移動させる2つの方法について説明します。都市へ割当る方法の詳細については第21.5節を参照してください。
 これは自動で、または手動で行なう事ができます。新しいシナリオのセットアップ画面(2.3と4.19.1)でHQサポートを”ロック(lock)”すると、手動で行なうよう選択されます(AIとの対戦では、どの段階でも変更できます - 36.18)。

自動再割当て
 このオプションを使用するには、あなたのHQの”支援レベル"を設定する必要があり、それは個々のユニットカウンターまたは指揮官レポートのいずれかを使って行なう事ができます。
<<図版省略>>
 この値は、0〜9の間となり(21.5.6)、この値によってそのHQに割当てられる各タイプの数(例えば、全ての砲兵SUは単一の種類として扱われます)が決定されます。建設工兵SUは若干異なるルールに従います(これも21.5.6に記載されています)。
 つまりレベル4のドイツの軍団は、AT、砲兵、装甲、対空SUの4つをアタッチしようとします(利用可能なものが十分あると仮定して)。レベル 0 の軍団は、これらのいずれもアタッチせず(そしてアタッチし始めても、より高いレベルのHQに戻されます)。

手動再割当
 この場合には、セットアップ画面かゲームオプション画面でHQをロックする必要があります。また指揮官レポートから行なう事もできます。
 これによって、どの支援ユニットをどのHQや戦闘ユニットに割当てるか選択する事ができます(21.5.7と21.5.8)。
 新たなHQに支援ユニットを割当てるには、マップ上のHQを左クリックし、右側のHQディスプレイを右クリックします。"割当(Assigned)"タブを開くと、このような画面が表示されます。
<<図版省略>>
 "支援ユニットの割当(ASSIGN SUPPORT UNITS)"を選択すると、このような画面が表示され、使用するHQより上位の指揮系統にある対象の支援ユニットが全て表示されます:
 希望するユニットをクリックすると、そのリストから削除され、第6軍HQに割り当てられます。
 またHQや戦闘ユニットから支援ユニットを移動させる事もできます。
<<図版省略>>
 この場合、HQタブからユニット(例えば767臼砲大隊)を選択してユニットタブ(37.4)を開き、HHQテキスト(これはユニットを再割当てできる場合は黄色、それ以外はグレー)をクリックすると以下のように表示されます:
<<図版省略>>
 これらのHQのいずれかをクリックすると、砲兵ユニットが再配置されます。これによってSUを他の軍HQ、AGS、または範囲内にある軍団(第6軍に直接従属している軍団だけではありません)に送る事ができる点に注意してください。
 SUを戦闘ユニットに割り当てるには、ユニットタブで同じく"支援ユニットの割当(ASSIGN SUPPORT UNITS)"機能を使用します(37.3.3)。戦闘ユニットからSUを切り離すには、以下にあるようなユニットタブの [x] をクリックします。
<<図版省略>>
4.0 基本ゲームプレイ(7)
4.8 基本的な移動と戦闘
 このトピックでは、陸上移動と戦闘の概要を説明します。WiTE2では、これらを組合わせて主要なアクティビティを行ないます。

4.8.1 移動の基本
 ユニットを移動させるには、まずユニットを左クリックします。するとマップの表示が変わり、そのターン内にユニットが移動可能なヘックスが表示されます:

 このケースではハンガリー騎兵旅団が選択されており、マップ上では5つの色によって全て移動オプションに関する情報を示しています。
  1. これらのヘックスは枢軸国側が支配しており、ユニットの移動範囲内にあります。
  2. これらのヘックスは枢軸国側の支配下ですが、ユニットの移動範囲外にあります。
  3. これらのヘクスはソビエト側の支配下にあり、ソ連軍ユニットが占有しているか、又はあなたが知る為に十分な探知(10.2)を欠いているかです。事実上ユニットは移動して、これらのヘックスに隣接する事ができますが、実際にそのヘクスに進入するには、恐らく戦闘を行なわなければならないでしょう。
  4. これらのヘックスはソビエト側の支配下にあり、占有されていない事が分かっています。この場合には、ユニットはこれらのヘクスに進入する事ができます(しかし追加の移動コスト(22.2)が掛かります)。
  5. これらのヘックスに暗い影が付いているのは、非常に特殊な理由があります。ハンガリーユニットはルーマニアユニットとスタックする事ができないので(逆もまた然り)、これらのヘックスは選択したユニットの 移動範囲内にあるにも関わらずブロックされています(14.2)。ハンガリーやルーマニアのユニットを互いの国内に移動させようとしたり、ゲームマップの余りに北へ遠くに移動させようとすると、同じような問題が発生する事になります。
 マウスカーソルを任意のヘックスに移動させるだけで、可能な移動経路をトレースする事ができます。選択された経路の各ヘックス(デフォルトでは常に最もコストの低い経路が選択されます)には、ユニットがそのヘックスで停止した場合の残存MPを表示します。経路の最後のヘックス(ソ連の4-5師団の隣)は経路インジケータの周囲に赤い輪がある事に注意してください。これは現在ソ連側の支配下にあるヘックスに進入する事を意味しています。またこれは旅団ですので、ソ連側支配下のヘックスに進入する際に、移動ペナルティを支払う事に注意してください(これが最後のヘックスで3MPを消費する理由です)。
<<図版省略>>
 移動させたい目的ヘックスを右クリックします。ゲームの設定(36.17.1)に応じて、ユニットは指定した目的ヘックスに自動的に移動するか、ヘックスからヘックスへ移動するように表示されるかのどちらかです。
<<図版省略>>
 これはユニットが選択したヘックスに移動した時の状況を示しています。このユニットはまだ、自軍の支配するヘックスや他のソ連側の支配するヘックス に移動する事ができます。進入したヘックスは、このターンに所有者が変更された事を示す為に、薄い灰色で表示されています。
 この処理は、1ヘックスの移動であろうと、鉄道システムを使用した長距離再配置であろうと、敵ユニットを攻撃する為であろうと、同様に適用されます。
 同様にして、まず最初のユニットを選択してから、シフトキーを押下する事によって、一度に複数のユニットを移動させる事ができます。同じヘックスにいる追加ユニットを左クリックすると、ブロックとして移動できます(そして一緒に攻撃します)。スタックをダブルクリックすると、そこにある全てのユニットを選択します。
 複数のヘックスに存在するユニットを用いて、攻撃を命令する手順は、以下の第4.8.2節で説明します。
 移動可能な距離は、スタックの中で最も遅いユニットに合わせられますが、通常はより速いユニットを、陸上移動フェーズ後半で再び移動させる事ができます。
 陸上ユニットの移動には、大きく分けて"戦術移動"と"戦略移動"の2種類があります。ゲーム画面上部のツールバーからモードを選択します。

 戦術移動(F1 - 陸上移動タブを選択した時)は、移動ポイント(MP)を消費して陸上ヘックスから陸上ヘックスへ移動します。戦闘もまたMPを消費します。戦略移動も行なうユニットは、戦略移動ポイント(SMP)の消費割合に比例して戦術MPが減少し、同様に戦術MPを使用して移動する(例えば、鉄道車輌基地へ)と、使用可能なSMPが減少します。
 移動の目的においては、4種類のユニットタイプ - HQ、歩兵、騎兵、そして自動車化があります。
 騎兵は歩兵ユニットよりも多くの移動ボーナスを受け取りますが、特定のヘックス に進入するコストや、戦闘を計算する際には非自動車化として扱われます。一部の騎兵ユニットにはかなりの自動車化アセットまたは装甲アセットが含まれていますが(ゲーム序盤のドイツ第1騎兵師団や、ゲーム終盤のソ連騎兵軍団など)、これらは移動と戦闘の目的においては依然として騎兵として扱われます。
トラックと管理ポイントを消費して、歩兵ユニットを(一時的または恒久的に)自動車化する事も可能である点に留意してください。そのようなユニットは与えられる移動ポイントとコストの両面で、自動車化ユニットとして扱います。
 各ターンの開始時に、ユニットにはMPが与えられます。与えられるMPの数は変動しますが、その重要な要素は以下の通りです:
  • ユニットのタイプ。自動車化とHQユニットは、歩兵ユニットよりも多くのMPを受け取りますが、地形タイプによってはより高いコストを支払う事になります。騎兵ユニットは全体的な機動性においては、歩兵と自動車化ユニットの中間に位置します。
  • そのユニットが直前のフェーズに攻撃を受けた場合(直接的に、または"予備"として反応した為)、そのMPは戦闘の激しさと結果に応じて減少する事があります(22.1.3)。
  • 指揮官チェック。士気や管理チェックに失敗すると、MPが減少します。
    この点において、戦闘準備ポイントが非常に重要であり、これを多く持っていればいる程、そのような指揮官チェックにパスできる可能性が高くなります。これが、ゲームが進行するに連れて戦闘準備ポイントを維持するのが重要である理由の一つです(22.2.2節参照)。
  • 疲労と燃料。疲労していたり、燃料(自動車化)または補給(非自動車化)が欠乏している ユニットは、MPを失ないます。
  • ユニット内のトラック。全てのユニットには、完全な機動性を発揮する為に必要な、トラックの想定レベルがあります。利用可能なトラック数が不足すると、移動ポイントが減少します。
  • そのユニットがトラックを利用可能な場合でも、その地域のデポが非常に少ない場合、補給を探す為に使用しなければならないかも知れません。この場合も、使用可能なMPは減少します(22.1)。
  • 一時的な自動車化。トラックが利用可能であれば、ユニットを自動車化する靴によって、MPを増やす事ができます。
騎兵ユニットは自動車化する事はできず、その兵力の大部分はトラックではなく馬匹の速度で移動します。
 ユニットが移動や戦闘を行なうと、MPを消費します。消費するMPの量は様々な要因によって変化します:
  • 地形と気象。通過困難な地形を移動したり、河川を渡河するには余計なコストが掛かります。
  • 支配地域(Zones of Control:ZOC)。ZOCとは全てのマップ上のCUが、隣接するマップ領域を支配する能力を表わしています。ZOCへの進入/離脱には追加MPを消費します(22.2.4)。
  • 後背地域移動(Rear Area Movement)(管理移動(Administrative Movement)とも呼ぶ)。ターン開始時にあなたの支配下にあるヘックスでの移動は、元々敵軍支配下のヘックスでの移動よりも迅速かつ疲労も少なくなります。管理移動は、如何なるレベルでも敵の移動妨害(22.2.1)が存在するヘックスでは使用できない事に注意してください。
  • 戦闘による移動遅延。あるヘックスで攻撃を行なった場合、その後でそのターン中に、そのヘックスを通過する移動を遅くする為に、そのヘックスにコストが置かれる事があります(22.2.7)。
なおコンピュータが採用する移動経路の候補は、常にコストが最も低い経路になります。もし別のヘックスを経路として移動したい場合には、移動計画をより小さなブロックに分割する必要があるかも知れません。
 管理移動(Administrative Movement)は戦術移動の一形態であり、ターン開始時に自軍が支配しており、敵軍による妨害が無いヘックスにおいてのみ使用できます(22.2.1)。これによってヘックスあたりの移動コストを減少できるので、各ターンにユニットをより速く移動させる事ができます。

 戦略移動。各ターンの開始時に、ユニットには200SMPが与えられます。これらは海上移動または鉄道移動に使用する事ができ、それぞれに幾つかの共通要素があります:
  • 戦略移動アセットの利用可能性。鉄道や海路を移動するには、列車や船舶が必要です。ユニットを移動させるのに必要なアセットは、そのサイズと装備の種類に関係します。
  • 積載/荷卸しのコスト。戦略移動へ/からの"転換"にSMPのコストが掛かります。このコストは、積載/荷卸しに要する時間を表わしています。大きな港湾/車輌基地ではより少なく、車輌基地から遠く離れた鉄道ヘックスではより多くなります。積載/荷卸しはまた、港湾/鉄道のキャパシティを消費し、同じ鉄道線を使用する他のユニットのコストを増加させ、ロジスティックフェーズにおける物資の流通を減少させます。
  • 鉄道移動のコスト。ユニットが鉄道移動する際、鉄道キャパシティを消費するので、混雑が発生し、他の通過ユニットにSMPコストが追加される可能性があります。
 移動妨害の影響。航空作戦命令の地上攻撃と海上哨戒は、ヘックスに妨害値を置きます。この値が高いほど、そのヘックスを通過する移動コストが高くなり、 移動中のユニットがダメージを受ける可能性が高まります。どのレベルの妨害であっても、そのヘックスでは管理移動が不可能になる事に注意してください。
 移動妨害はソ連のパルチザンの行動によって発生する事もあります(13.4)。
 移動妨害の多いヘックスを通過する鉄道移動と海上移動は(移動と損失の両方において)特にコストが掛かります。非常に高いレベルの敵の海上移動妨害は、実際にそのヘクスにおける移動を遮断する事ができます。

4.8.2 戦闘
 WiTE2では、戦闘は移動の機能ですので、戦闘にはMPを消費します。戦闘には、急襲攻撃(Hasty Attack)と計畫攻撃(Deliberate Attack)の2種類があります(23.4)。急襲攻撃はMPコストは低く済みますが、1つのスタックからしか攻撃できず、攻撃への参加と支援砲撃が減少します。計畫攻撃はより多くのMPを消費しますが、攻撃に参加するスタックを複数選択する事ができます。
あなたがあるヘックスを攻撃して勝利した場合、それは敵軍ユニットを退却(または降伏か敗走)させるだけであり、あなたの攻撃ユニットをそのヘックスに移動させる事はできない点に注意してください。そうしたい場合には、もう1回移動する必要があり、最初に攻撃したユニットは前進する為のMPが不足している可能性があります。事実上、勝利を確実にする為には、幾つかのユニットを攻撃から外すか、予備を置いておく方が良いかも知れません。
攻撃を命令する迄の手順
 WiTE2では、戦闘は移動の特殊な形態として扱います。事実上攻撃するには移動ポイントを消費し、移動(アクション)フェーズ内に、攻撃と移動を自由に混在させる事ができます。
 一つのユニットに攻撃を命じるには:
  • 単にユニットを左クリックで選択し、目標のヘックスを右クリックするだけです。
  • 攻撃する前にマウスカーソルを目標の上に合わせると、戦闘比率(23.8)を確認する事ができます。戦闘に勝利する確率予測が、ポップアップ表示されます。
  • 目標ユニットを右クリックすると急襲攻撃(Hasty Attack)、シフト+右クリックで計畫攻撃(Deliberate Attack )を行なう事ができます
<<図版省略>>
 上の例ではドイツ軍の連隊が、その北東のソ連軍狙撃師団への攻撃を検討しています。左の画像は急襲攻撃を行なおうとする場合、右の画像は計畫攻撃を行なおうとする場合の表示です。攻撃側の戦闘力が、移動ポイントを犠牲にして向上している点に注意してください。これらの比率を解釈するには少し注意が必要で、検出のレベルが低い場合には誤解を招く可能性があり、戦闘の展開(砲兵と航空戦力はユニットの戦闘力を大幅に低下させます)を考慮していません。
 同じヘックスにある複数のユニットに攻撃を命じるには:
  • 基本的な手順は上記と同じで、急襲にするか計画にするかも同様です。
  • 複数のユニットを選択して攻撃するには、シフトキーを押しながらそのヘックス内にある、攻撃を命じたい全てのユニットを左クリックします(ヘックスをダブルクリックすると、そのヘックスの全てのユニットが選択される事を忘れないでください)。
<<図版省略>>
 この例では、ドイツ軍の3個歩兵師団がソ連軍の狙撃師団と戦車師団のスタックを攻撃するように命令されています。計畫攻撃が選択されています(急襲攻撃にする事も可能でした)。もしスタック内の全てのユニットを使用しない場合には、右側のユニットディスプレイで左クリックします。
 複数のヘックスのユニットを選択して攻撃を命じるには:
  • これはより複雑で、計畫攻撃を行なう場合にのみ実行できます。
  • シフトキーを押しながら、攻撃させたいユニットが存在するヘックスにマウスカーソルを移動させます。
  • ゲーム画面の右側に、あなたが選択した全てのユニットの完全なリストが表示されます。
  • その画面で、参加させたくないユニットの、ユニットタイプアイコンをクリックします。
  • シフトキーを押しながら目標ヘックスを右クリックします。
 ここではソ連軍プレイヤーが大規模な攻撃を開始し、2つのヘックスにいるユニットを使ってドイツ軍を攻撃しようとしています。これは計畫1攻撃でなければなりません。例えば、第18親衛狙撃師団を参加させたくない場合は(恐らくは戦闘が成功した時に、そのヘックスに前進できるように)、その表示を左クリックすると戦闘から取り除かれます。
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 このケースでは、親衛狙撃師団を攻撃から外しており、戦闘後に空いたヘックスに前進させる事ができました(他の攻撃ユニットの中には前進する為のMPが不足していたものもあります)。残りMPは7ありますので、必要ならば弱体化したドイツ歩兵師団を再び攻撃する事ができます(前回の戦闘で損失を被ったので、現在のCVは1と表示されています)。
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 この第二次攻撃が成功し、ソ連軍が装甲ユニットを予備に持っていれば、ドイツ軍後方の奥深くにまで突破する事ができるかも知れません。
この作業は複雑に聞こえるかも知れませんが、すぐに直感的に理解できるようになります。計畫攻撃をする為のMPが不足している(または間違った場所の)ユニットを選択した場合、攻撃を開始する前にそれらの選択を解除する必要があります。
 CV (戦闘力:Combat Value)。いつ、どこで、誰と一緒に攻撃するのかを決定するのは重要なスキルです。ユニットの相対的な強さを理解する為に、カウンター上にはそのユニットのCVが表示されます。攻撃側CVと防御側CVとを比較する事で、起こりうる結果を予測する事ができます(4.8.4)が、実際の戦闘を解決する際に両者の値が変化する可能性は反映されません(4.8.3)。
 攻撃する予定のユニットの上にマウスカーソルを重ねると、ヘックスポップアップに両者の調整済みCV値が表示され、より分かり易くなります。注意:戦闘が発生すれば、地形、予備、指揮官チェック等の他の予測できない要因が発生するので、CVは成功の可能性を示す指標の一つに過ぎません。同様に、敵ヘックスに関する知識が限られている場合(検出値として知られます。10.2)、そのCVに関する情報は誤解を招くかも知れません。
 最終的なCV比率が2対1(以上)であった場合、防御側はそのヘックスから後退(retreat)します。状況によっては、防御側は単に後退するのではな く、敗走(rout)、粉砕(shatter)、または降伏(surrender)する事があります。
 支援ユニット。どの戦闘ユニットが戦闘に参加しているのかは明らかですが、支援ユニットについてはあまり明らかではありません。戦闘ユニットに直接アタッチされている支援ユニットは、自動的に戦闘に加わります。戦闘に参加している戦闘ユニットのHQにアタッチされている支援ユニットは、戦闘に参加する為には一連のチェックにパスしなければなりま せん。
 戦闘の解決。攻撃が発生すると、戦闘エンジンは個々の陸上エレメントが交戦したものとして戦闘を解決します。あなたが見る事のできる詳細は、設定したメッセージレベルに依存します。
 結果はF11キーを使って確認する事ができ、(両者の)最近のターンの全ての戦闘が表示され、あなたが確認したいものを選択する事ができます(37.1)。
 あなたが勝利した場合、敵はそのヘックスから後退し、あなたに十分なMPが残っているユニットがあれば、そのヘックスに前進する事ができます。
4.0 基本ゲームプレイ(8)
4.8.3 戦闘に影響する他の要因
 このトピックでは、戦闘に関わるその他の要因について説明し、それらをどのように活用するかを解説します。
 検出レベル(Detection Level: DL)。検出レベルとは、あなたが敵についてどれだけ知っているかを示す指標です。これは戦場の霧をオンにしてプレイする時に最も顕著に現われます - DLが1のユニットはマップ上にカウンターが表示されますが、それ以上の情報はありません。また検出レベルが低い場合は、防御側に奇襲されたり待ち伏せされる事によって、逆に攻撃側に不利となります。
 戦闘準備ポイント。準備ポイントは、WiTE2における重要な機能です。これはユニットを休息させ攻撃の準備を行なう事を意味し、表示されるCVと支援ユニットの割当ての両方、そして全体的な戦闘パフォーマンスに影響を与えます。準備ポイントはユニットが戦略移動力を使い切らなかった場合に得られます(友軍の支配地域で停止した場合、敵ユニットに隣接していない場合、または突撃HQの一部である場合には向上します - 4.13.3)。ユニットが移動した、攻撃した(この場合は残りの半分)、攻撃されて敵が勝利した、あるいは支援ユニットの場合は新たなHQや別の戦闘ユニットにアタッチされた場合に、戦闘準備ポイントは失なわれます。
また自軍の機動性や効率性を維持するのに役立つので、可能であればCPPを保持するようにしてください。
 要塞化。防衛作戦で重要なのは、自陣を守る為に要塞化する事です。要塞レベルは、防御戦闘における大きなボーナスとなります。
 WitE2のほぼ全てのユニットは要塞レベルを作り出す能力を持っていますが、最高レベルに到達するのはかなり困難です。要塞レベルの構築は自動的に行われますが、そのヘックスに戦闘ユニットが存在しなければなりません。両陣営ともこのプロセスを助ける為に、特定のヘックスに特化した要塞ユニットを建設する事ができ、またユニットのHQかユニット自身(これは要塞ユニットにのみ可能)にアタッチされている建設工兵によって、このプロセスを速める事ができます。
 士気と経験値。全てのユニットには、ユニットの能力と訓練を表わす士気と経験値の評価があります。簡単に言えば、ユニットの士気と経験値が高ければ高いほど、良いと言う事です。これらは移動と戦闘の両方に影響します。
 疲労。ユニットが作戦を実施すると疲労します。疲労の蓄積率は士気や補給、通過した地形や何らかの戦闘によって影響を受けます。疲労は陸上エレメントの戦闘力に影響を及ぼし、CVは疲労レベルの ⅓ だけ減少します。また疲労は、与えられる移動ポイントにも影響を与えます。疲労が高くなり過ぎる前に、ユニットを休息させるようにしてください。
 予備モード。準備状態(READY)の戦闘ユニットは、ユニットバーの準備/再編成/予備をトグルする事によって、予備(RESERVE)モードにする事ができます(4.7.7)。予備モードの戦闘ユニットは、近くの(3ヘックス以内の)攻撃側の戦闘と(6ヘックス以内の)防御側の戦闘の両方において、自動的に参加します。戦闘に参加する予備ユニットは移動しませんが、戦闘に参加するのに必要なMPを持っていなければなりません。移動、後退、敗走したユニットは予備モー ドから抜けます。

 消耗(Attrition)。消耗は、ユニットの摩損による影響を表わしています。
 WiTE2におけるユニットが消耗を被る方法は様々にあります。
  • 敵ユニットに隣接してターンを開始したユニットは、ロジスティックフェーズ中に低強度戦闘を表わす追加の消耗損失を被ります。
  • ユニットは移動すると、疲労を蓄積し始めます。ユニットが前のターンに消費した移動ポイント数に応じて、一定割合のユニットの車輌が破壊したり損傷します。
  • 戦闘後、ユニットが後退を余儀なくされた場合、追加の消耗損失を被ります。この損失は後退するユニットの経験値や士気、そして一方が自動車化されているかどうかに依存します。
 ロジスティックフェーズ中にはトラックも消耗を被ります。これはロジスティックシステムを支援する為に割当てられたトラック(デポにある)と、ユニットにアタッチされたトラック(これらは利用可能な最も近いデポから補給を引き出すのに使用します)の両方に影響を与えます。

 移動妨害。航空戦力またはパルチザンの行動によって、ヘックスに移動妨害レベルを付与すると、ユニットと補給の両方の移動コストを上昇させ、更に直接損害を与える可能性があります。いかなるレベルの移動妨害も管理移動(4.8.1)を使用する能力を失わせます。
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4.8.4 戦闘結果の解釈
 戦闘レポート(37.1)には、両軍が被った損失が表示され、他のタブを開けばより詳細に戦闘を確認する事ができます。
 上のサンプルは、4.8.2で説明したソ連軍の攻撃に関するレポートです。最初は上側の画面だけが表示され、何が起きたのかの概要を知る事ができます。”詳細の表示(show details)”オプションを押すと、見えているような画面が表示されます(ここで"詳細を隠す(hide details)”をクリックすると、余分な情報が削除されます)。
 この情報(及び他のタブ)をどのように解釈すれば良いかは、23.10と37.1で説明します。とりあえず、一番上には参加した兵士の数、戦闘開始時と終了時のCVの変化(ドイツ師団は93から22に減少しました)、参加したユニットの数(マップ上のユニットと支援ユニットの両方)、混乱(disrupted)、損傷(damaged)、破壊(destroyed)されたエレメントの数等の情報に注意してください。他のタブでは、どのエレメントが最も打撃を被ったか、また同様にどのエレメントが最も敵にダメージを与える事ができたかを見たい場合、これでより詳細に調べる事ができます。

4.8.5 起こり得る戦闘結果
 戦闘が解決されれば、どちらかが勝利した事になります。通常は、最終的な比率が2対1より小さい場合は、防御側がそのヘックスを保持し、2対1より大きい場合は、防御側は退却を余儀なくされます。最終的な比率が圧倒的な勝利を示していた場合には、敵の防衛線を著しく破壊した事を示して、この後退が複数ヘックスに及ぶ事があります。
 戦闘の勝敗だけでなく、他の結果も生まれるでしょう:
  • 攻撃側がうまく指揮すれば、敗北しても”偵察(scouting)"攻撃に変換され、遥かに損失を少なくする可能性があります。
  • 最終的な比率が5対1より大きい場合、防御側が2ヘックス以上の退却を余儀なくされる可能性があります。
  • 防御側のいるヘックスが、ターン開始時に孤立(isolated)していて(23.12)、退却を強いられた場合、退却経路があれば通常通り退却できますが、さもなければ降伏します。この場合は有効な退却経路がない場合には、常に降伏します。
  • 防御側に有効な退却路がない(しかしターン開始時に孤立していなかった)場合、退却はより大きな損失を伴う敗走となります。
  • 防御側が酷く打ちのめされていたり、その士気や経験値が低かったり、指揮が不味かったり、歩兵ユニットが自動車化ユニットの攻撃に直面した場合、退却の結果が退却とならず、ユニットが粉砕されて破壊される事も有り得ます。このような状況では、例えそのユニットが正常に退却できた場合でも、遥かに重い損失を被る事があります。

第一ターン特別ルール
 上記のルールの中には、任意のシナリオの第一ターンでは停止したり、修正されるものがあります。多くの場合は、何ターンか凍結されるユニットが見受けられるでしょう。更に1941年6月22日に開始するシナリオでは、第11章のルールの影響を受けます。
 これらはバルト諸国及びベラルーシ(ウクライナは含まれない)に侵攻する枢軸国のユニットが、少なくとも15MPを持っている場合(もし自動車化ユニットであれば)、移動ボーナスを与えます。これらの移動ボーナスはヘックス列 x:194(つまりミンスク(Minsk)を南北に貫く線)に進入、またはそれを越えたユニットには停止されます。その他の重要な変更点は、敵ZOCのコストを無視し、そのヘックスを離れるユニットの戦闘への影響を軽減する事です(11.2)。
 より広くは、ドイツ軍はハンガリーおよびルーマニアにいる/の中へユニットを移動させる事ができず、ドイツ軍がリヴィウ(Lvov)の南または東に移動しない限り、ソ連南方方面軍は固定されたままです(正確には 187,187 がトリガーヘックスです)。以下のマップはこの地域におけるソ連の開始時の配置と、重要なヘックスを示しています。
ユニットを移動させる際に、これらのコストは計算されますが、同じヘックスに進入する同様のユニットが、このルールにより異なるコストを支払わなければならない事があります。
 更にもし枢軸側を人間プレイヤーがプレイする場合、ソ連の自動車化ユニットは予備モードになり、任意の戦闘に介入する事ができます(11.3.2)。これは南西方面軍(再びウクライナ)に所属する編成に起こりがちです。
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4.9 上陸侵攻作戦と空挺降下作戦入門
 WiTE2では、ユニッオの空輸(空挺作戦を含む)及び上陸侵攻は比較的マイナーな部分です。WiTE2では、西側連合国が1943年までに開発したような水陸両用作戦や空挺作戦の能力を、双方とも持っていません。しかし望むならば、双方ともに空挺作戦を行なう事はできますが、旅団または分割したドイツ師団の連隊のみが可能です。
 ソ連軍プレイヤーだけが、黒海に限って、上陸侵攻を行なう事ができます。
 空挺作戦と上陸作戦の準備と実行の詳細については、このマニュアルの後半(第23.9節と第24.7節)に記載されています。貨物輸送の為の航空輸送機の使用方法の概要は、本章の第4.10.16節および本マニュアルの後半(22.5)説明しています。

4.10 ロジスティック入門
 このトピックでは、WitE2のロジスティックシステムの基本的な概要を説明します。WitE2のロジスティックシステムは、一見シンプルに見えますが、探索すればするほど、より詳細な情報が見えてきます。ロジスティックシステムに関するより詳しい情報は、第6.9章と第25章に記載しています。また、プレイヤーズノートの章、特に30.8の情報は、このゲームの重要な部分を理解するのに役立つでしょう。
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 これは4つの重要な要素:精算、ユニットの要求、輸送、配送の4つから構成されています。
 前ページの1ページガイドでは、この章の基本的な内容を説明しています。

4.10.1 生産
原材料は工場で4種類の補給アイテムに変換されます:
  • 物資(Supplies)
  • 燃料(Fuel)
  • 弾薬(Ammo)
  • 補充(Replacements) (航空または陸上エレメントで構成されます)
 これらのアイテムは、必要になるまで生産プールに保管されます。それらが補給システム上を移動する時、それらは”貨物(freight)"(25.3)として扱われ、あなたの軍隊に届けられる迄に鉄道、船舶、トラックの容量を使用します。
 貨物がユニットに到着すると、4種類のアイテムの内の1つに分解されます。
 ユニットが移動し、戦闘を行なうには、4種類の補給アイテムを必要とします。各アイテムの需要は、ユニットの種類と、直前のターンにどのように使用されたかに応じて変化します。
 更に生産システム(第28章)が、新たな陸上エレメント(21.2)を作成する為に用いられます。そしてそれらは、新たに編成したユニットを戦力化する為、 または既存の編成の損失を補う為に使用する事ができます。
 プレイヤーは、WitE2の生産システムを直接コントロールする事はできません。ゲームの進行に応じて資源や工場を失なったり得たりする事はありますが、工場が何をどれだけ生産するかや、ユニットのTOEを変更する事はできません(ただしユニットが、このTOEの員数をどれだけ満たすかを制御する最大値を、設定する事はできます)。
 生産画面(36.3)では、生産量と生産プールでの備蓄量の概要を表示します。”#-"の付いたエレメントはもう生産されておらず、”**"の付いたエレメントはまだ生産が開始されていません。
 今のところ、この画面は無視しても構いませんが、例えば航空ユニットの航空機が不足している理由(生産量の少ない機種や旧機種を使っている可能性があります)を確認する為に、参照する事ができます。この画面を使ってあるエレメントについて、より詳しく調べたり、どの工場がそれを生産しているのか、どのユニットがそれを使っているのかを確認する事ができます。
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4.10.2 デポの種類
 貨物は列車・船舶・トラックによって、デポのネットワークへ移動します。デポには2つの属性があります。デポは今後のターンに最寄りのユニットが利用する物資を貯蔵しておく能力を持っています。同様にデポは、ロジスティックフェーズ中に貨物を受け取ったり送り出したりする能力も持っています。更にロジスティックシステムを支援する為に、使用するトラックを保持する事も、しばしばあります。
 デポには4種類あります。
 反対側の図は3種類のデポと、そのシンボルを示したものです。ベルリンは国家補給源(星印)、シュチェチンは積出港(黒枠)と受入港(シンボルの変化に注意)、ラーテノーは鉄道デポ(列車のシンボル)である事を示しています。
この部分の管理にはある程度の経験が必要ですが、1つの重要な問題を強調して、強調し過ぎる事はありません。デポはより優先度の高いものにしか貨物を送れませんので(4.10.4)、優先度4のデポは他のデポに貨物を送る事ができません。同様に積出港は、より優先度の高い目的地にのみ海上輸送貨物を送る事ができます。
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 レベル4(国家補給源)。これらは貨物を生産します。ゲーム中にこれらを建設する事はできません。
 レベル3(積出港)。これらはレベル2デポに貨物を海上輸送します。港湾は、ゲーム中に建設する事はできませんが、損傷して修理が必要な場合があります。ある港湾は、プレイヤーの必要に応じて、物資を受け取ったり送り出したりする為に割当てる事ができます。
港湾が鉄道ネットワークに接続されている場合、鉄道システムを利用した貨物の受領と発送の為に、他の鉄道デポと相互作用する事に注意してください。
 レベル2(受入港)。これらはレベル3デポから海上輸送される貨物を受け取ります。このデポは港湾を占領した時に作成され、必要に応じて後で解散したり再建する事ができます。港湾の優先順位が高いほど、海路で貨物を受け取る可能性が高くなります(貨物の輸送キャパシティは、港湾のキャパシティだけでなく、その地域の輸送船の数によって制限されます)。
 港湾デポは、上陸作戦HQが侵攻した際には、自動的に作成されます。
 レベル1(鉄道デポ)。これらはレベル1~4のデポから鉄道輸送で貨物を受け取ります。鉄道が敷設されているヘックス(現在鉄道ネットワークに接続されていないヘックスも含む)にデポを建設する場合に、作成されます。選択した場所に鉄道車輌基地がない場合、100%ダメージを受けたレベル1鉄道車輌基地建設されます。
 従ってレベル1デポは、鉄道路線上にはあるが現在どこにも連結していないヘックスにも、建設する事ができます。このようなデポ(すなわち既存の町や都市以外に建設するデポ)を、各ターンに作成する数は制限されています。
 これによってプレイヤーは、鉄道車輌基地をあらかじめ建設しておく事ができ、鉄道線が接続された時に、デポは完全に稼働するようになります。
飛行場と同様に、コンピュータは鉄道車輌基地を建設(または修理)しているヘックスに、建設工兵支援ユニットを割当てます。この為に最高司令部または方面軍/軍集団HQに、これらをストックしておけば便利です。
 レベル1デポは、"一般情報ボックス”の”ユニット”にある”都市名"をクリックすると表示される"都市情報ウィンドウ”から建設・解散できます。

4.10.3 デポの建設
 新たなデポを建設するには、2つの方法があります。
  • 完全自動。Cntrl+C を押すと、コンピュータが新たなデポを建設し、その優先度を変更し、 不要なデポを解散します。このオプションを使用する場合は、ルーチンが有用な全ての情報にアクセスできるように、この操作を行なう前にそのターンの全ての鉄道修理(21.6.1)アクションを完了しておく事を強く推奨します(このオプションに使用するルールの詳細は 25.7.3 をご覧ください)。このオプションがある事は、現在のターンの終了を決定する際に通知されます。
  • 手動。デポを鉄道線上の任意のヘックスに建設できます。そのヘックスに鉄道車輌基地がない場合、デポを支援する為に鉄道車輌基地が(100%のダメージで)作成されます。この方法で各デポを建設するには、1管理ポイントを要すします。
4.0 基本ゲームプレイ(9)
4.10.4 デポの優先度の設定
 あなたの作戦を支援する貨物を分配する助けとして、補給優先度を設定する事ができます。優先度は0(最低)から4(最高)までの範囲で、各デポとHQ(HQにアタッチされている全てのユニットは同じ優先度を持つ)に設定する事ができます。
 デポの優先度は、マップ上の表示、画面上部のタブ、デポ画面、指揮官レポートから変更する事ができます。
 レベル4であっても、関連する鉄道システムやデポ自体のキャパシティが不十分な場合、デポやHQは潜在的に保有しうる全ての貨物を受け取れない可能性があります。補給システムは、各デポに基本的な量を割当てようとしますが、より優先度の高いものは、十分な輸送キャパシティがある場合にのみ、より多くを得る事ができます。
 各航空基地は、管轄しているHQの補給優先度に関係なく、独自の補給優先度を持ちます。

4.10.5 デポの保管キャパシティ
 デポのキャパシティは、デポの種類ではなく、港湾や鉄道車輌基地のサイズに関連しています。港湾や鉄道車輌基地が大きければ大きいほど、デポが扱える貨物の量は多くなります。
 相対的なデポのキャパシティは、黒いバーの高さで示されます。巨大なデポはより効率的に見えるかも知れませんが、ソビエト連邦の多くのセクターでは、より多くの比較的小さなデポに頼る必要があるかも知れません。これは、あなたがロジスティックタブを選択した時に表示されます。
 上の例では、黒い棒グラフはシュチェチンがラーテノーよりも大きなデポである事を示しています(しかし実際には、ラーテノーはマップ上の大部分のデポと同じく典型的なものです)。
 デポの大きさ(ヘックス内の鉄道車輌基地の大きさと連動しています)は、そのキャパシティの鍵であり、鉄道車輌基地がダメージを被っていた場合(所有者が変わった時や敵の爆撃によって起こり得ます)には減少し、HQがそのヘックスにスタックした場合には増加します(25.7.8)。
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 これは、デポにHQを配置した場合の影響を(視覚的に)示したものです。左側のバラナヴィーチにはHQがおらず、黒いバーは貨物を処理するキャパシティを示しています。このヘックスに軍HQを配置すると、その能力は3倍になります(これはマウスオーバーオプションで確認する事もできます。より詳しくは 6.9.1 を参照)。
このようにロジスティックネットワークを最適化する重要性は、幾ら強調してもし過ぎる事はありません。特に1941年の枢軸側プレイヤーにとって、この能力を使用する事は、あなたの軍隊がソビエト連邦を掃討する際に、大いなる違いを生むでしょう。また1944年になると、ソ連軍が大規模な攻勢に出る際に、補給を維持する為にあらゆる努力を必要とします。
 従って、ダメージを被った鉄道車輌基地(または港湾)ヘックスにあるデポは、完全に修理された鉄道車輌基地(または港湾)ヘックスほどは、効率よく機能しません。
 鉄道車輌基地が、占領されたり建設されたばかりで、ダメージを被っている場合、利用可能な建設ユニットを自動的に割当てて、迅速に修理しようとします。

4.10.6 貨物の配送
 海上または鉄道によるデポ間の貨物の移動は有限です。
 貨物の移動には2つの制約があります。1つは港湾や鉄道車輌基地が貨物を処理するキャパシティ、もう1つはその間のネットワークのキャパシティです。
 これらのコストは、戦略移動で移動するユニットのコストと同じです。戦略移動を行なうと、そのターンの後半に貨物移動のコストが法外なものになる可能性があります。事実上、ユニットの戦略移動は貨物を制限する事になります(最悪の場合、移動コストが高過ぎて、貨物を送る為の十分な鉄道アセットが不足する事になります)。
 この点において、ゲームターン中のフェーズが重要になります。ターン中にはロジスティックフェーズ(5.3.1)が陸上移動フェーズの前にあるので、ロジスティックの計算の終了時点で鉄道使用量はゼロにリセットされます。従って、あるゲームターン中の陸上移動は、次のターン中に貨物を移動させるのに利用できる鉄道キャパシティを減少させます。
 最後のリンクは、デポとユニットとの間です。ユニットは、最も近いデポから貨物を引き出そうとします。これは主にトラックか、場合によっては馬匹で輸送します。
もしユニットが、機能している最も近い補給基地からも遠く離れている場合、補給を運ぶ為により多くの自身のトラックを割当てねばなりません。その結果として、そのユニットは自身の戦闘作戦を支援するトラックが減少する為、MPの配分が減少します。
 港湾デポは貨物の積出または受入(25.2.2)に設定する事ができます。積出港湾は補給フェーズにおける優先度を持ち、その海域に十分な数の利用可能な貨物船があり(25.6)、かつ高い補給優先度を持つ受入港湾がある場合にのみ貨物を送り出す事ができます。

[h3[4.10.7 鉄道の使用量[/h3]
 鉄道は、鉄道の使用量を示す為に色分けされます(補給マップモードを選択した場合)。明るい緑色は、そのヘックスを貨物が全く通過していない事を意味し、赤色は30,000トン相当が通過した事を意味します(38.7.7)。鉄道の使用量は移動だけでなく、航空移動妨害やパルチザンのアクションによっても発生します。
 鉄道を使用すると混雑が発生し、移動に掛かるSMPが増えます(緑色=ペナルティなし、赤色=最大ペナルティ)。混雑は30Kで最大になりますが、ユニットと鉄道車輌基地(特に貨物に影響します)のSMPが最大値になっても移動自体は可能です。
複線の場合は、最大キャパシティに達するまで、ターンあたり30,000トンまで運ぶ事ができます。単線の場合は、最大キャパシティに達するまで、12,000トンまでしか運べません。

4.10.8 鉄道修理オプション
 完璧に機能する鉄道ネットワークは、ロジスティックの鍵です。損傷を被ったヘックスは2つの方法のどちらかで修理する事ができます(22.6)。両軍とも鉄道修理を行なう事ができる多数の支援ユニットを有しています。これらのユニットはHQに割当てられ、そのHQの指揮範囲内の適切なヘックスに送られます(4.7.4)。
この範囲の制限は重要で、もし鉄道修理をOKHやStavkaユニットに割当てた場合、マップ上のほとんどの場所で使用される事になります。もし鉄道修理を、特定のセクターに集中させたい場合には、範囲が狭いおかげで配備が限定的となる、軍団または軍HQに割当てた方が良いでしょう。
 使用中、鉄道修理ユニットはマップ上に表示され、通常のスタッキングルールの影響を受けます(すなわち、通常1つのヘックスに存在できる3つのユニットのうちの1つです)。このユニットによる任意のヘックスの修理を停止したい場合、"HQに戻す(Return to HQ)"をクリックするとマップから取り除かれます。
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 さらに両軍は、鉄道修理専門のHQカウンターを完全に手動でコントロールする事ができます(21.11.1)。これらはマップ上を移動し、修理可能なヘックス(つまり既に修理されたヘックスに隣接している)にいる場合、以下のように表示されます:
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 これには他のHQにはない2つのインジケーターがある事に注意してください。RRCの行は現在のヘックスを修理する為のコストです(この場合 1)。このテキストをクリックすると、現在のヘックスは修理され、そのMPコストがユニットの割当から差し引かれます。RRVと言う値は、そのユニットが現在持っている鉄道修理キャパシティを示しています。

4.10.9 デポの優先度と再補給の適格性
 全てのユニットとデポの優先度を4に設定しても、全ての人が全てのものを手に入れるのに十分では無いので、ロジスティックの課題は単純ではありません。
 システムは優先度に従って、貨物(必要に応じて、物資、燃料、弾薬および/または補充に分解されます)を割当てます。レベル4のデポは、鉄道キャパシティがあれば、レベル1デポよりも多くの貨物を受け取ります。しかしデポは、貨物を受け取る為にトラックを使用しようとし、そうする事で戦闘編成への補給とその編成の移動との、両方に利用できる車輌の数が減少する可能性があります。

4.10.10 デポの優先度と貨物の移動
 デポは、より優先度の高いデポへのみ貨物を送ります(従って優先度4のデポは、他のデポに貨物を送りません)。
 一般的には、NSS(国家補給源)から前線に貨物を運べるように、デポの優先度のレイヤーを重ねるとよいでしょう。NSSと前線の間にある優先度1以上のデポは、戦闘ユニットや近隣の飛行場への補給源となっている場合、幾らかの貨物を要求する事ができます。

4.10.11 デポ間の補給割当てに影響を及ぼす為のツール
 貨物の配分に影響を及ぼすには、主として3つの方法があります。
 まず始めは、各デポの相対的な補給優先度で、より重要なエリアへ貨物を誘導する為に重要ですが、優先度4のデポを置いたからと言って、必要な補給を全て得られるとは限らないと言う事を覚えておいてください。鉄道、船舶、トラックのキャパシティが不足する可能性があります。
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 これは1941年8月の、南方軍集団背後のデポの配置を示しています。ポーランド内の幾つかのデポは0に設定され、リヴィウ(Lvov)からヴィーンヌィツャ(Vinnitsa)までの幹線には優先度2のデポが続き、主要な航空基地のある場所では3に、前線に近いデポでは4に増加しています。
 二番目は、デポの上にHQを置く事で、そのデポが利用可能なキャパシティが増え、また貨物の積み卸しの能力が向上します。軍レベルのHQはこの点で特に効果的です(4.10.5と25.7.8)。
これは非常に重要な事であり、可能であればHQを機能しているデポ上に置いてけば、物資を戦闘ユニットへ輸送する能力が向上します。またユニットを再編成する場合(戦闘で損失を被った時や、より新しい装備にアップグレードする時)、再編成(REFIT)モードにして、デポ上に置き、HQをスタックすると、より早く再編成する事ができます。
 三番目は、鉄道修理HQ(ドイツ軍はFBD、ソ連軍はNKPSと呼ばれます)の1つをデポ上に配置し、そのターン中に動かさない事で、そのデポへの補給量が同じネットワーク上の他のデポに比べて増加します。
この場合、ある補給経路を移動する貨物の量は増えませんが、どこにその貨物を運ぶのかを変更する事になるので注意してください。これにより、小さなセクターで比較的素早く攻勢をかける事ができるようになります。

4.10.12 HQの優先度と再補給の適格性
 HQにもまた1~4の補給優先度があります(25.8)。この場合、各HQにまず基本的な最低限が割当てられ、その後、優先度の高いHQから(利用可能であれば)、追加の貨物を入手するシステムデザインになっています。
 なおHQは、配下のユニットが必要とする補給を得ようとし、その為には戦闘編成を移動させる為に割当てられているトラックを使用し始めます。
補給を得る為にトラックを使用すると、ユニットの移動力に悪影響を及ぼしますので(22.1)、主要補給網から遠く離れたHQの補給優先度は、高くしない方が良いでしょう。その補給を得る為のコストが、作戦全体の機動力を損なう可能性があります。
 同様に優先度の高いHQは、必要な貨物を得る為に、ユニットの移動からトラックを流用する事になります。
注意しておかないと、補給は潤沢だが相対的に動けないユニットになってしまうかも知れません。これを避けるには、比較的孤立している地域のHQは、補給レベルを低く設定するようにしましょう。

4.10.13 ユニットの再補給
 ユニットがHQから再補給を受ける適格性がある場合、まず指揮官の管理チェックをパスしなければなりません。成功すれば、そのユニットが求めるアイテムの最大20%(燃料を求める自動車化ユニットまたは弾薬を求める砲兵ユニットは最大40%)を得ることができますが、入手可能である事と輸送中の損失を前提としています。
 なおこの処理は、各ユニットについて、1ターンに最大5回まで繰り返されます。従って、指揮系統の全てにおいて優秀な指揮官を擁しているユニット(15.5)は、劣悪な指揮官を擁しているユニットよりも、平均的に多くの補給を受ける可能性が高まります。
 ユニット補給ウィンドウ(37.12)には、受け取った補給の詳細が表示されます。一番下は、ユニットが適格性チェックに失敗して、受け取れる筈の補給の一部を受け取れなかった時に見る事になります。
 ユニットは最寄りのデポから貨物を引き出そうとしますが、それらが少し離れている事もあります。ユニットがデポから遠ければ遠いほど、物資を運ぶ為の車輌や燃料の使用量が増え、輸送中の損失も大きくなります。
注意:この時に、汎用トラックプール(General Truck Pool)に保持されているトラックと同様に、ユニットにアタッチされているトラックも使用されます。再補給の為に余りに多くのトラックを使用する必要がある場合、そのユ ニットに使用できる移動ポイントは減少します。
 補給を得る為にユニットからデタッチされたトラックの全体数は、ターン終了時のロジスティック・生産レポート(36.9)で確認する事ができます。
 この補給の範囲は、30 ヘクスか、ロジスティック・レベルが100に設定されている場合、75自動車化MP に制限ます。
 全てのユニットは馬匹を使用する事で、車輌を使用せずに最大3ヘクス離れた場所にあるデポから貨物を入手する事ができます。
 一番近いデポの貨物が無くなると、ユニットは次に近いデポから最大5つまでを使って残りの需要を満たそうとしますが、通常はせいぜい異なる2つのデポにアクセスするだけです。

410.14 補充と補給の獲得の機会の向上
 ユニットが補充を得るには、管理チェックと支援チェックの両方にパスしなければならず、それが再編成モードにあるか、国家予備(13.2)の中にある事が助けとなります。
 ユニットには各ターンに最大5回、補給と交換を受け取るチャンスがあります。従って、全ての指揮官テストにパスし、十分なキャパシティを有するデポの近くにいる場合、必要なものを最大100%受け取る事ができます。
 ユニットが再編成モードである場合、これらのテストのいずれかに合格する毎に、必要量の最大40%を受け取りやすくなります(補給が利用可能な場合)。任意のデポの上の再編成中のユニットは、補給優先度に関係なく、他のデポからも調達してTOEを100%得ようとします。
 デポにHQカウンターを追加する事は、そのヘックスにスタックしている戦闘ユニットや、増援を得ようとするユニットを大幅に支援する事になります。同様に、鉄道修理HQをデポに置いておくだけで、補給優先度を上げる事ができます(25.7.9)。
 国家補給源デポ(タイプ 4)と同じヘックスにある再編成中のユニットは、実質的に無限の貨物を利用する事ができます。
 再編成モードに設定され、適切な国家予備(13.2)にあるユニットは、新規または補充用の装備を優先的に配備されます。マップ上の再編成が行われる前に、できる限り彼らの必要が満たされます。

4.10.15 戦略移動と再補給の為の鉄道キャパシティ
 デポの貨物受け入れキャパシティは、ターン終了時に残っている鉄道車輌基地・港湾キャパシティのポイントによって設定されます。戦略移動もまた、鉄道車輌基地・港湾キャパシティのポイントを消費しますので、戦略移動の使用は十分にバランスを取るよう注意が必要です。つまり、あるセクターに新たなユニットを送る為にキャパシティを使い果たすと、ロジスティックフェーズに割当てられる貨物が非常に少なくなります。

4.10.16 航空補給
 前線のユニットへの補給に航空輸送を使用する事もできます。航空基地ヘックスへの航空輸送は、飛行場のないヘックスに補給を届けるよりも効率的です。

4.10.17 ロジスティックシステムに関する情報の表示
 ロジスティック表示で、幾つかの重要なロジスティック情報を見る事ができます。全てのマップ上の情報と同様に、画面上部の情報タブ(6.2)、マップ上で右クリック(6.3)、またはホットキー(Appendix J)を使ってアクセスできます。
 鉄道線は、混雑によって移動コストが増加しているエリアを示す為に、使用状況が色で示されています。
<<図版省略>>
 これは1942年初頭、ロストフを攻撃するソ連軍のユニット背後の鉄道網を示しています。コーカサスへの主要線は黄色で、問題を起こしうるに十分な使用量である事を示してます。幾つかの支線はオレンジ色で、それらを使用しているユニットや貨物は更に遅延を受ける事になります。タガンログ周辺の黒い線は、まだ修理されていない線です。
 また”8"キーを押すと、ユニットに補給した主たるデポ(赤線)と、その前のデポとデポとの間のリンク(白または青線)を示すネットワークを表示します。
 これは1941年8月のAGC(中央軍集団)とAGN(北方軍集団)の補給網(拡大図)です。赤線は、ヴィリニュスやミンスク等のデポが戦闘ユニットの大部分に補給している事を示しています。引き続いて、これらのデポはドイツ本国に戻る鉄道ネットワークから、補給を引き出しています(白線)。海上補給(青線)は、リトアニアとエストニアの幾つかの港湾に貨物を送るのに使用されています。
<<図版省略>>
 これは、ユニットやHQがどこから補給を受けているのか理解しようとする場合に役立ちます。もしこの為のトラックの使用量が多過ぎれば、相対的な戦闘能力や移動に影響を与えているかも知れません。
4.0 基本ゲームプレイ(10)
4.11 あなたの軍隊の変化
 ゲームが進むにつれて、2つの軍隊は変化していきます。これは新装備の配備、新たな組織形態、そして士気や経験値のレベルの変化を反映しています。また戦闘による損失を吸収し、その損失を既存のユニットに置き換える過程も反映します。

4.11.1 増援
 増援とはゲームに到着して現われる新たなユニット(戦闘ユニットと支援ユニットの両方)の事です(歴史的に発生したイベントとして、またはソ連プレイヤーによって新たなユニットが編成された結果として)。
ゲーム序盤(1941年11月1日のターンまで)に破壊されたソ連軍ユニットの大部分は、増援サイクルに乗せられ、後のステージで復活する事に注意してください。しかし、これらのユニットが適切な陸上エレメントで再建され、戦闘で大いに役立つようになる前には、訓練する時間が必要です。
<<図版省略>>
 増援表(36.7)には、予定されている全ての増援が表示されています。
 これはゲームの第一ターンとドイツ軍の増援スケジュールを示しています。これには増援、他の戦域からマップへ移されたユニット、戦域間の移動が含まれます。この画像には示されていませんが、この表はユニットがいつ解散・撤退・またマップから他の戦域に移送されるかも示しています。

4.11.2 補充
 補充は既存の編成に割当てられ、その編成が現在の TOE(26.1)に設定されている戦力になるようにします。
 再編成モードにあるユニットは、補充を受け取る際に、他の類似のユニットよりも有利になります。同様に、国家予備にある再編成中のユニットは、利用可能な装備を最初に受け取る事ができます。
 敗走した(routed)ユニットは、敗走から回復するまで補充を受け取れない事に、注意してください。
 新たな人員と装備に加えて、戦闘で損害を被ったエレメントも補充として戻ってくる事があります。
 軽傷の兵士や損傷した装備が治療または修理され、その後ユニットに復帰するまでの、時間的なロスを表わす為に、損傷を被ったエレメントが復帰する速度に影響を与える遅延があります。
 補充は物資・弾薬・燃料と一緒に、貨物として送られます(25.3)。
 補充がユニットに到着する事によって、そのタイプの陸上エレメントの平均経験値が少し下がります。

4.11.3 開戦時点の軍の変化
 先の編成表(TOE)の部分でも述べたように、ユニット内のエレメントの種類や組合わせは、時間の経過と共に変化します。同様にユニットは、その望ましいエレメントを利用できない場合に、同等のエレメントで代用する事があります(これは特に戦車や砲兵で起きます)。国家予備または国家補給源にいるユニットはより迅速に新たなTOEに変更され、その他のユニットは数ターン掛けて変更されます(主要補給ネットワークに接続している事を前提とします)。
 加えて、両軍の構成も変化します。枢軸国軍は大まかには、ゲーム中に変わりません。基本的な戦闘ユニットは師団のままで、指揮系統は軍団・軍・軍集団のいずれかになります。
 ソ連軍はゲーム中に大きく変化します。1941年8月までに、開戦時点の軍団は解散するか、軍HQに転換し始めます。それ以降戦争が終わるまで、ソ連軍の基本的な指揮系統は、軍が方面軍に所属するようになります。
 同様にゲームが進むにつれて、全く新しいタイプのユニットを、ソ連軍プレイヤーは利用できるようになります。
<<図版省略>>
 1941年12月には、ソ連軍も徐々に基本的な戦闘ユニットを、師団から軍団に置き換え始めます。
4.11.4 ソ連戦闘軍団の作成
 1941年後半から、赤軍はユニットを軍団規模の戦闘ユニットとして運用するように再編成し始めます。WiTE2では、これらは通常の戦闘ユニット(CU)として扱い、軍団レベルHQ(21.11)として扱いません。
 これらは、2つの方法のいずれかで作成します。ユニット作成画面(27.2.3)では、使用可能な時期、構成要素、そして一度に作成できる最大数が表示されます。
 この画面は、新たなユニットを作る為のものです。一番上には、作成したいユニットの数と、コスト(管理ポイント)が表示されます(この場合は5)。幾つかの部品は既に存在しているので、それらを使用する事が提案されます(この場合は、全てソ連軍予備です)。その下に、新たな編成を作成する為に必要なエレメントと、既存の全ての軍団編成とのリストがあります。ゲームのこの段階で、ソ連軍は26個の狙撃軍団をプレイしており、最大41個まで作成できる事に注意してください。
 マップ上。ソ連軍プレイヤーはゲームマップ上に騎兵・狙撃・機械化軍団を作成する事ができます。その為には、必要な種類のユニット(騎兵軍団には騎兵師団、狙撃軍団には狙撃師団)を3つ用意する必要があります。これらの構成部品がヘックスに存在している場合、構築/分解(build up/breakdon)ボタン(21.3.2)を押します。あなたには管理ポイントによるコストが知らされ、そのアクションを実行するかどうか尋ねられます。その師団または旅団が、ある段階(13.1)で他の戦域に移されるスクリプトがある場合、それは軍団を作成する為に使用されません。
 マップ外。ソ連軍予備にあるユニットも同様にして軍団に変換する事ができます。更に予備で軍団を作成する場合、構成部品が3つ全て揃っていなくても作成する事ができます。この場合は、足りない旅団または師団を作成し、新たなユニットに統合します。軍団を作成するだけでなく、新たなユニットも作成しなければならないので、管理ポイントのコストは高くなります。
 最後に、ソ連戦車軍団と機械化軍団はマップ外でのみ作成する事ができます。構成エレメントは既に国家予備にあるか、マップ外の支援ユニットとして行動し、Stavka HQに直接アタッチされていなければなりません。
 これは戦車旅団は、あくまで支援ユニットであり、マップ上に直接配備する事ができない為です。戦車軍団は2個戦車旅団と1個自動車化旅団を使って作成されます。これらのユニットはソ連軍予備に配置され、その後マップに移す事ができます。
 ソ連軍団はその構成部品の内の2つ以上が、既に親衛のステータスである場合には、親衛編成として作成されます。

4.11.5 新たなユニットの作成(戦闘と支援)
 通常、ソ連軍プレイヤーだけが新たなユニットを作成する事ができます。例外的に、両軍とも固定要塞ユニット(20.5)を作成する事はできます。
 これを行なうには、作成画面(シフト+b)を選択します。ここでは、作成可能な全てのユニット、その管理ポイントコスト(もしあれば)、および作成可能な合計数を表示します。また、ユニットを作成する為に必要な部品と、それらの幾つが現在利用可能であるかも表示します。
 ほとんどのユニットタイプには作成できる上限があり(これはゲーム中に変化します)、新たなユニットを作成する際にはこの上限を越える事はできません(制限の変更によって、現在作成可能な数よりも多くのユニットを所有する事もありえます)。
 特定のユニットタイプは、いつでも1~10個まで発注する事ができます。新たなユニットは国家予備に配備され、必要な装備を手に入れ、訓練と経験値を積むプロセスを開始します。
 なお表示されている数値は、そのユニットを構成しうる全てのエレメントについてのものです。ゲームシステム上ある程度の代用は可能ですので、特定の戦車や火砲のモデルが利用できない場合、似たもので代替する事になります(21.2.7)。
 ドイツ軍プレイヤーは専門家としての要塞ユニットを作成する事ができます。

4.11.6 エリートユニット
 両軍ともに、ユニットの士気で優位を持ち、そのTOEによってより良い装備をより多く持つエリートユニットがあります。
 ドイツ軍のSSユニットは、史実的な日付で作成されます。これはしばしば、ユニットのあるバージョンを撤退させてから復帰させる事を含みます。従って、SS自動車化師団の初期のグループは1942年後半に撤退し、SS擲弾兵師団として復帰する事になります。その後これらの師団は撤退し、SS装甲師団として復帰します。更にグロスドイッチュラント編成(旅団としてスタート)は、他のドイツ軍ユニットと同様にエリートユニットとして扱います。
 1943年には、ドイツ軍プレイヤーはまずSS軍団HQを、次にSS軍HQを受け取る事になります。これらは、SS指揮官のみが指揮する事ができます(15.2)。
 ソ連のエリート戦闘ユニットは、ほとんどが戦闘に素晴しい勝利を納めた時に作成されます。特定のタイプのユニット(歩兵、戦車、山岳、砲兵など)で、親衛ユニットになれる数には制限があります。騎兵や空挺戦闘ユニットが親衛になれる数には制限がありません。重戦車ユニットとロケットユニットは自動的に親衛のステータスを持ちます。自動車化タイプのユニットの上限は約35%です。
 非自動車化タイプのユニットについては、年によっておおよその制限割合が以下のように異なります: 1941年 - 5パーセント。1942年1月〜6月 - 10パーセント。1942年7月〜12月 - 25パーセント。1943年 - 25パーセント。1944年 - 30パーセント。
 1942年以降、ソ連プレイヤーは通常の増援サイクルの一部として、数多くの親衛軍HQを受け取る事になります。これらのうちの幾つかは、歴史的に名称が変更された日付で既存の軍HQを置き換える事になります。
 ソ連の航空作戦グループは、歴史的な日付で親衛編成に改組されます。これはゲームプレイに直接的な影響はありませんが、多くの航空ユニットが、親衛に指定されるきっかけとなります。これらの編成は、潜在的な最大士気に+5のボーナスを受ける事になります。

4.11.7 航空ユニットのアップグレード
 航空ユニットは、自動的または手動で新たな機種にアップグレードするように設定する事ができます。自動的に行なわれる場合、ロジスティックフェーズに行なわれ、次のターンから使用できるようになります。手動で行なった場合には、アップグレードを行なったそのターン中には、そのユニットは飛行する事はできません。
 航空ユニットが新たな機種に乗り換えた場合、経験値の損失が発生する事があります。
 航空ユニットがアップグレードする時、そのタイプを変更する事はできませんから、戦術爆撃機編成は長距離爆撃機ではなく、戦術爆撃機を装備したままです。この点に関する制限のリストは第16.5.1節に記載されています。
 非予備-戦域ボックスの航空ユニットは、自動的にアップグレードされます。

4.12 天候
4.12.1 基本システム
 WitE2の気象システムは、地表と上空の天候の両方をモデル化しており、更に河川や湖の水が凍結すると移動が容易になります。地表の状態は、移動に掛かるMPコストと、陸上戦闘における攻撃側CV値への影響を決定します。上空の状態は、航空任務に影響を与えます。
 気象はソ連軍フェーズの前に変化します(言い換えると、ドイツ軍ターンはその直前のソ連軍ターンと同じ天候を使用します)。これはソビエト連邦(とその同盟国)の優れた天気予測能力を反映しています。
 支配的な気象状態。各ヘックスは、ある気象ゾーンに割当てられ、各気象ゾーンには、年間の特定月において支配的な気象が割当てられます。これは、気象前線(8.1)によって変更されない限り、そのヘックス に適用される気象です。
 気象前線。気象前線は、特定のゾーンの気象を左右する重要なもので、ターン毎に気象は変化する事になります。5種類の気象前線がマップ上に進入し、季節、基本的な気象、気候帯に応じてそのヘックスの基本的な気象状態を変化させます。あるヘックスに降った雨や雪は、引き続いて泥濘や積雪のレベルを作り出します。
 上空の状態。上空の気象の状態は6種類あります:晴天(Clear)、雨(Rain)(小雨 - 夏の雨で週に2-3日程度)、大雨(Heavy Rain)、寒冷(Cold)(小雪、ほとんどの場合晴天)、降雪(Snowfall)(より多くの雲に覆われた定期的な降雪)、吹雪(Blizzards)(雪嵐と極端な低音)。これらは航空作戦の実施に影響を与え、大雨と吹雪はほぼ全ての航空任務を中止させます(任務を実施したとしても、結果的に大きな作戦損失を被る事になります)。
<<図版省略>>
 地表の状態。地表の状態には6種類あります。通常(Clear)、軽い泥濘(Light Mud)、酷い泥濘(Heavy Mud)、軽い積雪(Light Snow)、積雪(Snow)、酷い積雪(Heavy Snow)です。これらは陸上移動と戦闘に影響します。
 各状態はヘックスを移動する為のコストに影響します。 このコストは引き続いて道路システムの質:良好(Good)、平均(Average)、不良(Poor) によって修正されます。WiTE2の各ヘックスは、道路の質によって等級付けされています。道路システムが良好なほど、気象が移動と陸上戦闘に与える影響は少なくなります。
 気象の確認あるヘックスの気象を確認する方法には、3種類あります:
  • ヘックスロールオーバー。各ヘックスの気象状態は、ヘックスロールオーバーのテキストで確認できます - これには積雪量や降水量も表示されています。
  • 気象画面。また気象画面(前ページ参照)からも情報を確認する事ができます。気象画面では、"地表気象状態(Ground Weather Condition)"、"上空気象状態(Air Weather Conditions)"、"気候帯(Climate Zones)"、"道路システム(Road Systems)"の情報を切り替えて表示する事ができます。
 このケースでは、ソビエト連邦の大部分には積雪があり、2つの高気圧が優勢です。
  • また気象画面では、次のターンの気象予測を見る事ができます(8.2)。
  • 気象グラフィック。マップ情報バーの気象ボタンをトグルすると、マップ上の気象を見る事ができます。上空と地表の状態の両方、地表だけ、上空だけ、全く気象を表示しない、をトグルする事ができます。
 気象が航空作戦に与える影響。航空任務天候は、非常に悪い(Very Poor)、悪い(Poor)、まあまあ(Fair)、良い(Good)、素晴らしい(Excellent)に分類され、これは特定の航空任務の全飛行経路上の総雲量によって決定します。特定のヘックスにおける雲量の割合の決定は、現在の航空気象状態を反映しています。
 天候が悪化すると、任務を完了できる航空機の数が減少するか、任務そのものが完全にキャンセルされる可能性があります。
 任務が実施されれば、目標地域の気象も航空攻撃や偵察任務の有効性に影響を与えます。地上支援任務は、大雨、降雪、吹雪などの悪天候時には、その有効性が著しく低下します。悪天候は、航空任務の有効性を減じるだけでなく、任務に参加する航空機の数を減らし、航空任務全体がキャンセルされる事さえあります。悪天候時に飛行すると、航空機の損失が増大します。

4.12.2 特別天候ルール
 戦争の最初の冬が異常に厳しかったのかどうかは、議論の余地がありますが、明らかなのはドイツ軍がその影響に対して酷く準備不足だったと言う事です。この事は消耗と故障による損失の増加によってシミュレートします。完全なルールは(第8.6.1節に)記載されていますが、恐らくドイツ軍は春になってから編成に復帰する、多くの負傷者を抱える事になるだろう点に注意してください。
 対照的に、1943〜44年の冬は異常に暖かく、通常の気象ルールはこれを反映する為に再び修正されます(8.6.2)。
4.0 基本ゲームプレイ(11)
4.13 指揮官とHQ(司令部)の管理
 このセクションでは、WitE2における指揮統制(Command and Control)の管理方法について説明します。上述のように、HQの配置、戦闘序列(Order of Battle)、そして指揮官の配属を管理する事は、ゲームをうまくプレイする為の重要なスキルです。

4.13.1 指揮官
 ほぼ全てのHQユニットには、そのHQに所属する全てユニットを指揮し、下位のHQに所属するユニットにも間接的に影響を与える指揮官が存在します。指揮官には階級と呼称があり、どのレベルの、どのタイプのHQユニットを指揮する事ができるか決まっています。更に重要なのは、指揮官には様々な機能に影響を与えるリーダーシップ評価がある事です。
 指揮官評価(Leader Ratings)。指揮官評価には、政治力(Political)、士気(Morale)、イニシアティブ(Initiative)、管理力(Admin)、機械化(Mech)、歩兵(Infantry)、航空(Air)の7つがあり、最後の3つを総称して戦闘評価(Combat Ratings)と呼びます。どの場合も数字が大きいほど"良い"のですが、政治力のスコアが高くて軍事的能力が低い指揮官は、交替させるのに高いコストが掛かる可能性があります。
  • 政治力。これは指揮官を交替させる時のコストと、昇進/解雇/処刑の確率に影響します。
  • 士気。これは戦闘におけるユニットの戦闘力、勝敗の判定、ユニットの陸上エレメントの疲労や回復、敗走したユニットの回復に影響します。
  • イニシアチブ。ターン中にユニットが持つMP、戦闘中の陸上エレメントが射撃したり命中させる能力、予備ステータスのユニットが戦闘へ参加する能力、低い比率の急襲攻撃を威力偵察に変えて損失を減らす能力、または大幅な損失を被る前に失敗した攻撃を切り上げる能力、に影響します。
  • 管理力。ターン中のユニットが持つMPに影響し、損傷した航空機や陸上エレメントの修理をチェックし、消耗と補給を決定します。また管理チェックは、指揮官のHQにある支援ユニット(21.2.2)の陸上エレメントの実際の数によって影響を受けます(これは将校のスタッフの幅広い能力を反映し、ゲームがドイツ侵攻開始時点のソ連軍の無秩序をモデル化する方法の一つです。
  • 機械化と歩兵。これらの評価は陸上戦闘システムの一部であり、総合的な戦闘力と、指揮下のユニットの陸上エレメントの射撃能力および敵陸上エレメントへの命中能力を決定する為に使用します。評価チェックに成功すると、戦闘力が上昇し、陸上エレメントの射撃と命中率が向上します。
  • 自動車化ユニットは機械化(Mech)評価を、非自動車化ユニットは歩兵(Infantry)評価を使用します。
  • 航空(Air)。航空指揮官については、航空戦闘スキルチェックに成功した場合、 その航空グループからより多くの準備完了状態の航空機が、特定の航空任務に参加する事になります。
<<図版省略>>
 カリュゥルジン将軍はソ連軍の指揮官として余り優秀ではなく、ほとんど全ての項目で低い値を示しています。その結果、彼のユニットは多くの指揮ロールに失敗する可能性が高く、その結果、戦闘効率が大幅に低下します。
 指揮官の変更。ユニット詳細画面で指揮官の名前をクリックすると、指揮官を変更する事ができます。指揮官を解任(Dismissal)するにはAPが必要です(カリュゥルジン将軍の場合は8)。新たな指揮官の選択肢が評価付きで表示されますので、最も適任の指揮官を選択してください。
 解任ボタンを押すと、以下のように後任候補のリストが表示されます:
<<図版省略>>
 交替コストは、新たな指揮官がそのポストにどれだけ相応わしいかによって変わります(昇進する場合や、現在の階級が低過ぎる場合は高くなります)。また選択した指揮官が、既にHQを指揮しているかどうかも画面に表示されます。もしそうであれば、自動的にその役割に置き換えられます。
 同様に、政治力が比較的低く、戦闘で何度も敗北を喫した指揮官を、ゲームルーチンが更迭する事もありますし、また指揮官が戦死する事もあります。
 指揮官評価チェック。指揮官の評価は、ユニットが行なうほぼ全ての行動に影響を与えます。それ故に、あなたのAPで可能な限り最高の指揮官を選び、規模と配置の両面から、最適な編成でユニットの指揮を執らせる事が重要です。
 戦闘序列の中の異なるレベルの指揮官は、その指揮下のユニットに異なる影響を与えます(15.5.3)。
 ほとんどの戦闘ユニットは軍団または軍HQに所属します(後者は 1941年8月にソ連軍が開戦前のOOBを放棄してから、一般的になります)。この軍団または軍の指揮官は、その指揮下のユニットに直接的にその完全な評価を使って影響を与えます。
 次のレベルの指揮官(すなわち枢軸軍の軍指揮官またはソ連軍の方面軍指揮官)は、その指揮下の全てのユニットに与える影響が小さくなります。指揮官 のスコアは指揮系統における距離とマップ上の物理的距離によって減少します。下級司令官が多くのリーダーシップチェック(補給、戦闘力、混乱したエレメントの回復などに影響する)のいずれかに失敗した場合、上級指揮官のリーダーシップスコアを使用します。
 更に続いて、Stavka(ソ連軍最高司令部)、枢軸同盟国最高司令部、ドイツ軍軍集団、またはドイツ軍OKHのHQの指揮官は、直属の指揮官がテストに失敗した場合、ユニットの合格を支援します(15.5)。
プレイヤーノート:論理的な戦闘序列を作成し、最高の指揮官を適切なレベルに配置する事は、WiTE2をプレイする上で鍵となるスキルです。非常に高いスコアを持つ指揮官は、より上級のポジションにおけば直接的な影響は少なくなりますが、より多くのユニットのパフォーマンスに影響を与える事ができます。各レベルに最高の指揮官を集めれば、戦場のあるセクターで真のアドバンテージを生み出す事ができます。  また、ドイツ軍の指揮官はソ連軍よりも一般的に優れており、ソ連軍が3つの指揮レベル(軍-方面軍-Stavka )を持つのに対して、4つの指揮レベル(軍団-軍-軍集団-OKH)を持つと言う利点がある事に注意してください。

4.13.2 HQ(司令部)
 指揮官はHQ(司令部)ユニットに割当てられ、そして軍隊を構成する様々な戦闘ユニットや支援ユニットを指揮します。この節では、HQとユニットが相互作用する仕組みと、これが欠陥だった場合の結果について述べます。
 HQの指揮。戦闘中に各陣営は指揮しているHQを持っています(通常は、その戦闘で最もCVが多い直属のHQです)。このHQに直接所属しないユニットは、その戦闘においてCVが減少する修正を受けます。従って可能であれば、同一の軍団またはソ連の軍のユニットで攻撃するようにしてください。同じ戦闘に複数の枢軸国の軍指揮官やソ連軍の方面軍を混在させないのが理想的であり、さもなければ指揮ペナルティが深刻になりえます。
 指揮ポイント(CP)。各戦闘ユニットはそのサイズと、ユニットとそのHQとの間の国籍の違いに応じて指揮ポイントを消費します。通常、ソ連軍の軍団は3CP、枢軸国またはソ連の師団は2CP、枢軸国またはソ連の旅団/連隊は1CPの指揮ポイントを要します。
 マップ外の支援ユニットにはCPのコストが発生せず、マップ上の鉄道修理ユニットにもCPはありません。
 そのユニットが異なる国籍のHQに所属する場合、これらの値は1増えます。これは指揮系統全体に適用され、ハンガリーの旅団がドイツの軍にアタッチされると、その軍に2CPのコストが掛かり、更に関連する軍集団にも2CPのコストが掛かる事に注意してください。
 指揮キャパシティ(CC)。対象となるHQユニットにアタッチできるユニットの数に制限はありません。しかしHQユニットには指揮キャパシティ(CC)があり、効率的に指揮できるユニットの数(CP値)を決定します。
<<図版省略>>
 このケースでは、第6軍は合計21指揮ポイントを消費するユニットを 指揮しており、指揮キャパシティの18を超えています。通常リーダーシップチェックはその指揮官の該当するスコアを10で割りますが、第6軍は3越えていますのでその除数は13(10+3)になります。一般的には、可能な限りHQを過負荷にしないでください。
 多くの種類のHQのCC値は、時間の経過と共に変化します(21.11.3)。
 指揮範囲。指揮官評価チェックが行なわれる場合、HQまでの距離は重要です。自軍のユニットは、そのHQユニットの指揮範囲内にあるようにしてください。最も重要な関係は、ユニットは直接指揮を受けるHQから5ヘックス以内にいなければなりません。
 ユニットが指揮範囲外なのかどうかは、マップ上でHQを選択して確認する事ができます。範囲内のユニットは青いボーダーで表示され、範囲外のユニットは赤いボーダーで表示されます。戦闘ユニットは直属指揮を受けるHQから5ヘクス以内にいる事が重要です。
 HQの変更。ユニット詳細画面でHQをクリックして、1ターンに1回、ユニットのHQを変更する事ができます。変更した場合、"*"の印が表示されます。HQの変更に管理ポイントのコストは掛かりません。
<<図版省略>>
ここでは、ソ連機械化軍団がこのターンに、HQを第1親衛軍に変更しました。この為に、次のターンまでは他のHQに移動する事ができません。
 そのターンに戦闘または支援ユニットが新しいHQに配属された場合、管理値(主にロジスティック)を使用する指揮官チェックに 対して、ペナルティが課されます。

4.13.3 突撃HQ
 HQ が”突撃HQ”(21.11.2)に指定された場合、上記のルールは修正されます。
 これは限定的な、しかし変化する、枢軸国の軍またはソ連の方面軍にのみ行なう事ができます。
 このケースでは、第1装甲集団は突撃ステータスに設定され、軍HQとアタッチされている全ての軍団HQの指揮ポイントを増加させます。対照的に、第6軍は突撃ステータスではないので、第6軍と所属軍団は標準的な指揮キャパシティを維持します。
 その結果、そのHQ自身の指揮キャパシティを5/3に、そのHQに所属するHQの指揮キャパシティを4/3に増加させ、 そのHQに(直接的または間接的に)所属するユニットはより迅速に戦闘準備ポイントを獲得し(23.2)、各種リーダーシップチェックにパスする確率がより高くなり(15.5)、レベル1を超える要塞(20.2)を構築しません。
<<図版省略>>
これは強力なオプションですが、主にアタッチされた編成の攻勢能力を向上させる為のものです。しかし、CPPをより迅速に回復させる能力は、あらゆる場面で役に立ちます。
 どの司令部が突撃ステータスになっているかは、OOB画面(6.2と36.1)から、以下のように確認できます:
<<図版省略>>
 これらの利点は、以下の場合には発生しません:
  • そのユニット自身またはそのHQが、このターンに関連する枢軸国の軍またはソ連軍の方面軍にアタッチされている場合。
  • 突撃HQまたは指揮チェーン内の他のHQのいずれかの指揮ポイントが過負荷である場合(21.11.6)。
  • 指揮チェーンのいずれかのHQが、突撃HQの指揮範囲外にある場合(21.11.4)。

4.14 戦域ボックス
 戦域ボックスは、他の戦線が東部戦線に及ぼす影響をシミュレートする機能を提供します。戦域ボックスをマップ上に表示するには、情報画面のタブを押すか、任意のヘックスで右クリックするか、Ctrl+t ホットキーを使用します。Ctrl+tはデフォルトで国家予備に移動します。
 WiTE2には、2種類の戦域ボックスが存在します。

4.14.1 国家予備
 両陣営は予備ボックスを持ち、損傷したユニットや新たなユニットを再編成する為に使用する事ができます。
 陸上ユニットを予備からマップ上に移すには、まず予備にアクセスし(指揮官レポート 35.2.3 またはマップ上の表示 13.2 を使用します)、そして再配備するユニットを選択します。ドイツ軍とソ連軍のユニットの到着ヘックスは、マップ上で指定する必要があり、様々なユニットが様々なヘックスに到着するようにターン中に変更する事ができます(13.2.1)。他の枢軸国からのユニットは、それぞれの国の首都に到着します。
 陸上ユニットは、鉄道線が稼動しており、敵ユニットから4ヘックスを越えて離れていれば、予備に送る事ができます。またそれらのユニットは、鉄道で1ヘクス移動するのに十分な戦略移動ポイント(SMP)が残っている必要があります。
 これもまた、マップ上のカウンターや指揮官レポートを使って行なう事ができます。
 予備に送られたユニットは、既存の戦闘準備ポイント(23.2.2)を全て失ないます。
 航空ユニットを予備から移動させるには、移動先の航空基地を選択し、航空再配置オプション(13.2.2および17.3.2)を開きます。もしあなたがAIアシストルーチンを使っているなら、AIは消耗した航空ユニットを予備に送り、新たなものをマップ上に運んできますので、これは自動的に行われます。

4.14.2 その他の戦域ボックス
 予備に加えて、一方が大規模な守備隊を維持しなければならない地域(ソ連の極東など)や、副次的戦闘が行われた地域(バルカンや北極圏など)をモデル化した戦域ボックス、枢軸軍が西側連合軍と交戦している地域(西ヨーロッパ、北アフリカ、イタリア)を反映した戦域ボックス等が多数存在します。
 最後に、ソ連国内とユーゴスラビアでのパルチザン戦争は、適切な戦域ボックスを使ってモデル化されています。
 ゲームプレイオプションによって、幾つかの戦域ボックスはプレイ不可能となり、ユニットは歴史的な配備通りにのみ出入りする事になります。プレイヤーは、ゲーム開始時に戦域を積極的に管理するかどうか決定しなければならず、これはその後変更する事はできません。
 ユニットに撤退日(Withdrawal Dates)が設定されていない場合、マップ(または国家予備)から非予備のTB(戦域ボックス)に移送して、その場所の戦力を高める事ができますが、13.3.4 のオプションを有効にしない限り、その後取り除く事はできません。プレイヤー戦域ボックスコントロールの強化によって、戦域間、戦域とマップ間の自由な移動(一定の限度まで)が可能になりました。
 初期のゲームでは、戦域ボックスはロックしたままにして置く事を推奨します(非キャンペーンシナリオでは自動的にロックされます)。戦域ボックスの管理に関する完全なルールは第13章に記載されています。

4.15 イベント
 WiTE2にはイベントシステムがあり、シナリオ開発者は、マップ外の戦域ボックスで発生するアクション(新たな攻勢の開始や戦闘の休止など)を反映させる事も、マップ上に直接影響を与える事も可能になっています。これらは、ある日付までにある場所を失なう、あるいは占領する、と言った特定の結果を条件とする事ができます(13.5)。
 1ページガイド(反対側の図表4-70)"更なる詳細"では、戦域ボックス、イベント、気象、ロジスティックシステムに関する重要な情報をまとめています。
4.0 基本ゲームプレイ(12)
4.16 勝利ポイント
 VPと勝利条件を獲得する事で - 例え戦争に負けたとしても、史実より良い結果を得る事で - ゲームに勝利する事ができます。勝利ポイントはVP画面(Hotkey-V)で確認する事ができます。ショー
トシナリオとキャンペーンゲームとでは、勝利ポイントや勝利条件の計算方法が異なります。

4.16.1 ショートシナリオでの勝利ポイント
 非キャンペーンシナリオの勝利条件は、シナリオ製作者によって設定された勝利地点の支配と、兵士、火砲、戦車、航空機の累積損失に基づいています。勝利地点の支配に対する勝利ポイントは各プレイヤーターンに与えられ、シナリオ終了時に勝利地点を支配していた場合には別の勝利ポイントが与えられます。勝利地点は両軍に適用する事も、一方の軍にのみ適用する事もできます。
 勝利ポイントの地点は、マップ情報メニュータブ(Hotkey-shift-V)の"勝利地点トグル(Toggle Victory Locations)"ボタンを選択すると表示します。
 損失は、相手側が1勝利ポイントを得る為に破壊しなければならない兵士、火砲、戦車、航空機の数に基づいています。この損失の基本数値は、更に各陣営ごとに一定の割合で変更する事ができます。
<<図版省略>>
ゲーム終了時に両者の合計ポイントを比率で比較し、以下のルールで勝敗を決定します:
  • 決定的勝利 - 比率が5.0以上
  • 大勝利 - 比率が5.0未満、2.0以上
  • 小勝利 - 比率が2.0未満、1.1以上
  • 引分け - 比率が1.1未満

4.16.2 キャンペーンシナリオでの勝利ポイント
 キャンペーンシナリオは戦争中の様々な時点から開始されますが、ゲームは常に遅くとも1945年8月の第1ターンに終了します。
 1941年6月に始まるキャンペーンでは、システムは基本的に枢軸国プレイヤーがより多くの都市を占領した事を評価します(史実よりも早く占領するか、史実では占領していない都市を占領するかのいずれか)。引き続いて、ソ連軍プレイヤーが主導権を取り戻した時、彼らもまた、 史実よりも早く都市を奪還する事でボーナスポイントを獲得します。
 1941年6月以降に開始したキャンペーンでは、VPスコアは当初、史実の戦争の進行状況に基づいて設定されます。
重要なコンセプト
 キャンペーンの勝利システムは、2つの重要なコンセプトに依存しています。
 イニシアティブ
 ゲームのどの段階でも、イニシアティブを握っているのはどちらか一方です。その陣営は以下のように、都市を占領してVPを獲得し、相手に都市を奪還されるとVPを失ないます。
 イニシアティブの移動 - 1942年10月1日から1943年7月1日の間に、ドイツ軍のスコアがドイツ軍のHWMより10%以上低い場合、イニシアティブはソビエト軍に移ります。これがまだ起きていない場合、イニシアチブは1943年7月1日に移ります。一度イニシアティブが切り替わると、二度と元に戻りません。
 イニシアティブが切り替わると、VPスコアはソ連プレイヤーが任意の段階で保有している都市の価値と、史実上は失われていたが現在のゲームではそうではない都市のボーナスを用いて再計算されます。
ドイツ軍の絶頂期(German High Water Mark: HWM)
 これはドイツ軍がゲームを通じて獲得した最高得点です。イニシアティブが変化した時点で、枢軸軍のHWMスコアは凍結され、ソ連軍は(ドイツ軍が得点したのと同様に)得点を記録し始めます。
このルールは、ドイツ軍がゲームの任意の段階において達成した最高得点を使用し、イニシアティブが変化したターンの得点ではない事に注意してください。
 詳細なルール
 特定の都市は勝利地点としてマークされ、それらの各々の都市に基本勝利ポイント値が与えられています。
 都市を占領した場合、史実上の占領日と比較してボーナスが与えられます。1都市について最大6ポイントまで獲得できます。史実と同じターンに都市を占領した場合は、3点のボーナスが与えられます。また1週間早く都市を占領する毎に1点加算され、1週間遅く占領する毎に1点減算されます。つまり3ターン早く都市を占領すると6点に、2ターン遅れると1点になります。
 一度獲得したボーナスポイントは決して失われませんが、基本ポイントは都市を失なうと失われます。都市を奪還した場合、この基本ポイントは回復しますが、ボーナスポイントはゲーム中に1度しか与えられません。史実上、複数回都市の争奪を繰返した場合(ハリコフなど)、最初に占領した日がボーナスの決定に使用されます。
 史実上ドイツ軍に一度も占領されなかった都市は、ゲーム中のどの段階でもドイツ軍が占領した場合、最大限の初期占領ボーナスが発生します。しかしそのような都市をソ連軍が奪還した場合、早期奪還のボーナスはなく、単にその都市の価値だけになります。
 ドイツ軍がイニシアティブを握っている時に、ソ連軍が都市を奪還した場合、ソ連占領ボーナスを獲得する事ができます。イニシアティブが切り替えられた時に、ドイツ軍に占領されていなかったソ連の都市は、ソ連のボーナスポイントを決定する為には、イニシアティブの切り替え時にソ連軍に奪還されたものとみなします。
このルールの効果は、ソ連軍プレイヤーには早期のイニシアティブの切り替えを促し、ドイツ軍プレイヤーにはできるだけそれを遅らせる事で、利益を得るようにさせる事です。
 イニシアティブが切り替わるまでの全ての得点はドイツ軍が獲得します。この段階でソ連が獲得した正の得点(イベントまたは都市奪還のボーナス)は、ドイツの負の得点となり、ソ連の負の得点はドイツの正の得点となります。戦争後半で、イニシアティブが切り替わると、ソ連軍のみが得点を獲得し、枢軸軍の得点はソ連軍の得点を減らす為に使用されます。

4.16.3 キャンペーンシナリオでの勝利条件
 WiTE2には、突発勝利条件(29.1)、ベルリン占領、1944年末のゲーム内の状況、またはシナリオの終了日に到達する事によって、勝利する事ができます。
 サドンデスの勝利は、以下のように生じます:
  • 枢軸国の突発勝利(枢軸国の四半期ごとのチェック値の達成)、これは決定的枢軸側勝利をもたらします。
  • ソ連の突発勝利(ソ連の四半期ごとのチェック値の達成)、これは決定的ソ連勝利(1944年12月31日以前に起きた場合)またはソ連軍の大勝利(1944年12月31日以降、1945年4月1日までに起きた場合)をもたらします。
  • 枢軸国の突発敗北は、HWMスコア(29.1.1)が1942年1月1日までに525以上、1942年10月までに575以上を達成していなければ発生します(これらの日にこれらのスコアを必要としているのではなく、任意の段階で達成していれば良い事に注意してください)。これは枢軸側をAIがプレイしている場合には、適用されない事に注意してください。
 ベルリン陥落は、ソ連が都市を占領した場合、以下のような結果をもたらします(西側連合国の関連する日付は若干異なりますので、第29章のルール全文を参照):
  • 1944年12月31日以前に起きた場合は、ソ連の決定的勝利
  • 1944年12月31日以降、1945年2月28日以前に起きた場合は、ソ連の大勝利
  • 1945年2月28日以降、1945年5月31日以前に起きた場合は、ソ連の限定的勝利
  • 1945年5月31日以降、シナリオ終了日以前に起きた場合は、引き分け
<<図版省略>>
 1944年12月31日にソ連が枢軸のHWMスコアに達せず、西側連合国がドイツ国内を占領していない場合、これは枢軸国の大勝利です。
 最後に、その他の勝利条件を引き起こさないままゲームがシナリオ終了日に到達した場合、枢軸国の限界的勝利となります。終了日はシナリオによって異なります:
  • 1941年キャンペーン - 1945年8月1日
  • スターリングラードからベンルリンへキャンペーン - 1945年7月1日
  • ヴィスワ川からベルリンへキャンペーン - 1945年6月1日
 突発的勝利条件のルールは、勝利ポイント画面にアクセスして、以下のように確認できます:
 前ページの画像は、ドイツ軍の移動前のT1の画面です。左側には現在のVPレベル、枢軸軍のイニシアティブ、および突発勝利または突発敗北に必要なVPスコアが表示されています。右側にはVPスコアに貢献する全ての都市とその基本値、そしてこのターンに占領した場合のボーナスを表示しています。

マップ上表示
適切なマップモード(勝利地点タブ、shift+v、またはヘックスを右クリック)を選択すると、マップ上に、VP値を持つ全ての都市、占領した場合の基本値、現在のターンに占領した場合のボーナススコアを表示します。
<<図版省略>>
  これはタイフーンシナリオの勝利地点の一部を表示しています。全ての旗が灰色と赤色の両方である事に注意してください(その地点で双方がVPを獲得できる事を示しています)。これらのヘックスの1つにマウスカーソルを置くと、ポップアップスクリーンがそのヘックスのVP獲得量を表示します。このケースでは、ドイツ軍はゲーム中にVPを獲得しませんが、シナリオ終了時にその地点を保持していれば150VPを獲得し、ソ連軍はヴャジマを保持しているターン毎に100VP、ゲーム終了時に保持していれば500VPのボーナスを獲得します。

4.17 指揮官レポートの使用
 指揮官レポートの使い方を学ぶ事は、それ自体が技術です。実際には指揮官レポートにアクセスせずにWitE2をプレイする事もできますが、ほとんどのプレイヤー重要な情報にアクセスする手段として、すぐにそれを使う事を学ぶでしょう。指揮官レポートが提供する機能の使い方に、正解も不正解もありません。時間を掛けて、表示される情報と、様々なビューを並べ替えたり選択したりする、様々なツールを探ってみてください。
 指揮官レポートでは、ユニットのグループに対して、予備ボックスに送る、再編成モードにする、TOEを変更する等のアクションを実行する事ができます。また通常CRからクリックして、関連するマップの位置へ行く事ができます。
 指揮官レポートの使用方法に関する詳細は、Appendix F(第35章)に記載されています。

4.18 イベント・ログと評価指標
 このトピックでは、WitE2に含まれるロジスティックフェーズイベントログと評価指標機能の基本的な概要について説明します(36.4と36.9)。
 ロジスティックフェーズイベントログの概要。ロジスティックフェーズ中に、要塞の建設からパイロットの訓練まで、あなたに代わってゲームは何千もの計算を行ないます。イベントログ(Hotkey-Shift-E)は、そのプロセスの概要を表示し、何が起きたのかを確認する事ができます。
 イベントログは、そのターンを振り返ったり(例えば、全ての航空任務はここに記録されます)、あるいは予期せぬ事が起きた原因を突き止めようとする時に、特に役立ちます。
 評価指標(Metrics)。評価指標画面(Hotkey-Shift-M)では、生産量、部隊戦力、勝利ポイント等の主要な変数の経時変化を、様々なグラフで確認できます。データの傾向を把握する事によって、それに応じてゲームプレイを修正する事ができます。
 1ページガイド(図4-75)評価基準は、この情報の幾つかを読む方法を要約しています。
<<図版省略>>
 ターン要約。これは直前のゲームターンに起きた変化(36.16)の概要を表示し、孤立しているユニットや補給切れのユニットを特定し、勝利条件を追跡する事ができます(キャンペーンゲームでターン要約を見る場合と、ショートシナリオで見る場合とでは、このセクションは異なるでしょう)。
 この画面はゲームを開いた時にデフォルトで開きます。また、タブ、マップ上での右クリック、Ctrl+Sからでもアクセスできます。
 前のターンの概要を簡単に確認できるだけでなく、この画面をクリックして、他の画面(またはマップ)へ移動する事ができます。1は現在のターンの増援画面へ移動し、2はマップ上で影響を受けているユニットをハイライト表示し、3は勝利画面へ移動します。
4.0 基本ゲームプレイ(13)
4.19 入門シナリオを始める
 この節では、この章で既に紹介した情報をまとめ、ヴェリキエルーキシナリオの第一ターンを詳細に説明し、その後のターンをどのようにプレイして行くかについての概要を説明します。
 史実では、これは南方軍集団の撃破を目指したスターリングラードにおけるソ連軍の攻勢と同時に行なわれた、中央軍集団の撃破を目的とするソ連軍の広範囲な攻勢作戦のオペレーションマーズの一部でした。この大規模な攻勢は大失敗に終わったのに対し、ヴェリキエルーキ自体は1943年1月にソ連軍に占領されました。この重要な鉄道分岐点は、ソ連軍の補給活動の助けになると同時に、AGC(中央軍集団)とAGN(北方軍集団)との間の直接の接続を断ち切りました。そしてスモレンスクへの脅威によって、1943年後半にはドイツ軍がルジェフ突出部から撤退する事を余儀なくさせました。
 戦闘序列は可能な限り史実に沿っており、ドイツ軍がこのセクターを守る為に作った戦闘や指揮編成の様々な専門家が含まれています。マップレイアウトは若干非史実の部分(ソ連軍によるルジェフの占領から始まる)がありますが、これは単にシナリオの設計とマップ外へのロジスティックシステムへの接続等の問題を簡単にする為です。
 ゲームをセットアップする際、以下の手順に加えて、最初の1ページガイド(ゲーム紹介)を確認しておくと、通しプレイの中で、その節で示される適切なガイドを展開します。

4.19.1 シナリオのセットアップ
 シナリオをセットアップするには、WiTE2を起動してください。既に見ている場合には、ESCキーを押して紹介ビデオをスキップする事ができます。
 オープニング画面に到達したら、以下のように設定します。
<<図版省略>>
 枢軸側(Axis)をコンピュータ、ソ連側を人間、難易度を”Easy"に設定するのがポイントです。つまり、プレイヤーであるあなたは、コンピュータ制御の相手よりも、かなり有利になります。
 これは自動的に設定されるもので、オープニング画面で選択した内容が反映されています。
 しかしこの最初のゲームでは、幾つかの変更を追加したいと思います。ソ連側の列の戦場の霧(Fog of War)のボックスをクリックすると、以下のように画面が切り替わります:
 この変更によって、AIの編成やターン中の動きを全て見る事ができるようになります。これはもう一つの大きなメリットで、特に自分の移動を計画し、それにAIがどのように反応するかを予測する能力を向上させる事ができます。
 その他のボックスはそのままにして置きます。このゲームでは、空の戦いには自動AIアシスト(Automated AI assistance)(4.5)を使用し、マップ外の戦域ボックス(国家予備を除いて)を使用する事はありません(4.14)。難易度の変数は、カスタムセットアップと呼ばれるものを作成する為に変更できる事に注意してください。一般的に最も重要な変数は、士気レベル(2.6.2)で、これはAIの性能に直接影響を与えます(30.7)。
 変更を終えたら、この画面を閉じる(右上のXをクリックする)と、オープニング画面に戻ります。
 AIとの対戦では、ゲーム中でもこれらの設定を変更する事ができます。人間との対戦では、これらの設定を変更する事はできません。
 実際にゲームを始める前に、ユーザー設定(2.6.3 と 36.17)を見直しておくと良いでしょう。今回のゲームでは、移動アニメーション(move animation)をオフにする以外は、ほとんどデフォルトのままにしておきましょう(どんな違いがあるのか後で調べられます)。小規模なシナリオでは、これは比較的小さな違いですが、大規模なゲームでは、カウンターがヘックス毎に移動し続けるのを見るのが、すぐに退屈になるでしょう(このオプションをオフにすると、カウンターは単にあなたが選んだ最終ヘックスに移動します)。
 繰り返しになりますが、これらの変数は、ゲーム中の表示や動作に影響を与えるだけなので、ゲーム中に(例え人間プレイヤーとの対戦でも)好きなように変更する事ができます。
 あなたが採用した設定は、最初にゲームを開いた時のプレイに影響を与えるので、常にこの順序に従ってください。もし最初のターンがAI対戦相手のターンであれば、彼らはあなたが望む設定ではなく、デフォルトの設定で実行します。
 そしてメインメニューに戻り、”シナリオ選択(pick scenario)"を選択します(PBEMボックスをクリックしないでください、他の人間との対戦が設定されてしまいます)。
 これは現在ゲームにある全てのシナリオのリストです(あなた自身が作ったものも含みます)。日付は、シナリオを最後に修正した日を示しています。
 "入門シナリオ1-ヴェリキエルーキ(Introductory Scenario 1 - Velikie Luki)"をクリックすると、画面が切り替わります:
 選択したシナリオは緑色にハイライトされ、右側にはシナリオに関する情報(ゲームは9ターンの長さであり、枢軸国の第1ターンは存在せず、ソ連軍のターンから始まります)、簡単な歴史的背景、そしてプレイヤーノート等が表示されます。
 また、中立的な設定であれば、毎ターンに幾ら管理ポイント(4.3.2)を受け取るかも表示されます。もし、どちらか一方が管理レベルに関して有利になるように設定した場合(上記のように)、この基本数値は修正されます。つまりこの場合、ソ連のターン毎の5APは6AP(5×1.20)になります。このシナリオではこれらは比較的重要ではありませんが(4.3.12)、ソ連軍プレイヤーが西進する際に、新たなデポを作る為に必要になってくるかも知れません。
 選択したシナリオをセットアップするには、左下の矢印/ロード(load)シンボルを押します。
 ゲームが作成されると、以下のようにターンを保存するフォルダが提案されます:
 余程の理由が無い限り、提案されたフォルダを受け入れるのが簡単です。もしあなたがソ連側をプレイしているのなら、このインターフェースは赤茶色になり、枢軸側なら暗い灰色になる事に注意してください。この慣例はゲーム中で何度も使用されます。
 チェックマークをクリックすると、マップが表示されます。
 ゲーム中には、いつでもセーブする事ができます。"管理(ADMINISTRATION)"タブに移動して、以下のアイコンをクリックしてセーブできます。

 この段階で、1ページガイド #2 ゲームインターフェイスを確認すると、現在見る事のできる内容に対する有益な情報が得られるでしょう。

4.19.2 空の戦いにAIアシストを使用する
 さてゲームを開くと、このような画面が表示されます(右側に概要の情報画面がありますが、後程このウォークスルーで確認しますので、とりあえず閉じておいてください)。このゲームでは、AIアシストを使用します(そのように設定しました)。今が1ページガイド #4 (AIアシスト)を見直す良い機会かも知れません。
 Aとマークされているエリアは、このシナリオでは立ち入り禁止で、Bは枢軸国の支配地域、Cは勝利する為に占領しなければならない場所の一つ(マップ表示の様々な設定方法は後述します)、Dはあなたの航空戦力の配備場所を示すラベルの一つです(4.5.4)。
 このラベルにどれだけの情報が表示されるかは、マップを見る時の拡大・縮小の程度によって異なります(6.8.1)。
 WiTE2は明確なフェーズに分かれていますので、まずは空の戦いの設定に焦点を当てます(どのシナリオでも最初のターンにロジスティックフェーズは無い事を思い出してください(4.3.3))。
 航空ゲームの背後のコンセプトを簡単におさらいすると、あなたの航空戦力は個々の航空機で構成されており、このシナリオには251機の準備完了機がある事を覚えてください - これは第3航空軍のラベルで確認できます(3機種の合計が 82+149+20) - そしてあなたの保有機のうちの 83% が準備完了しています(従って実際の保有機は291機です)。これらの航空機は5つの航空作戦グループに分けられ、これらのグループの幾つかは第1ShAK航空軍団に所属し、他のものは航空軍に直接所属します。[訳注:明らかにこの数字は間違っています。マップ上に表示されているのは準備完了機の数ですので、第3航空軍の稼動機は 82+149+20=251機であり、その稼働率が83%なので保有機は 251÷83%=302機になる筈です]
 地上攻撃機を持つ2つの航空グループは軍団に所属するので、他のラベルはずっと不鮮明になっています。このように、マップ上のオプションを使用するだけで、航空戦力のレイアウトに関する多くの情報を確認できるので、大規模なシナリオではより重要な役割を担います。
 空の戦いをマネジメントするもう一つの要素は、実際に航空機をコントロールするHQです。ラベル(第3航空軍)は、航空基地で実際に航空機が配備される場所のなるべく中心に位置しています(その為に、航空グループの再配置に伴って移動します)。
 これはゲーム中では2つの重要な役割を担っていますが、このシナリオでは完全に無視できます。これは航空軍の指揮官を変更する為(4.13.1)と、支援ユニットを活動中の飛行場に割り当てる為に使用します。これはその位置から90ヘックス以内で自動的に行なわれるので(4.7.4)、このシナリオではそのままにして置く事ができます。
 これら全てを確認し、航空ラベルを開閉し、航空基地を見たりする事ができます。そしてこれから、AIがどのように行動するのかを左右する命令を設定します。
 WiTE2では、空の戦いの多くをAIが行なってくれますが、幾つかの基本的なパラメータは設定する必要があります。地上攻撃機に何か違う事をさせたい場合には、ShAK編成を使う事もできますが、今回は航空軍と一緒に行動させる事にします。
 第3航空軍のラベルをクリックすると、画面が次のページの画像に変わります:
 これには多くの情報が含まれていますが、今回は無視します。使用中の基地(青いラベル)を見る事ができ、その一つをクリックすると、その基地にいる航空機が表示されます。これらの情報は全て画面の右側に要約されています。
ここで表示される情報は、マップ上のカウンターから得られる情報とは非常に異なることに注意してください。
 気にすべきは、画面上部の第3航空軍の情報ボックスだけです。
 このボックスから必要な全ての変更を行なう事ができます。
 2つの変数を変更しましょう。日中のみ飛行するようにし(その為に、一番上のフィルターを現在の”混合任務(MIX MISSION)”から”日中のみ(day only)”に変更します)、スタンスを”柔軟(Flexible)”から”前進(Advance)”に変更します(我々が前進しようとしているからであり、航続距離の短いソ連の航空アセットを航続範囲内に留める必要があります。我々にはソ連軍方面軍指揮HQは1つしかありませんので(カリーニン方面軍)、これを修正する必要(またはスコープ)はありません。

 必要ならばターン毎に設定を見直す事もできますが、このシナリオ全体ではこのルールで十分なので、ここからは空の戦いをほぼ無視しても大丈夫でしょう。
 必要なものはこれだけで、後はAIが利用可能なアセットとあなたが提供した情報を使って、一連の航空作戦命令を生成します。シナリオによっては、T1にスクリプト化された任務セットがある事があります。もしそれらが存在すれば、AIはそれらをデフォルトとし、後のターンの為に独自の変更を行ないます。
 それでは、F12 キーまたは画面右上の矢印を押してください。
WiTE2では、マップ上での右クリック、ホットキー、画面上部のタブのクリック等によって、アクションを実行できます。要するに、あなたのやりやすい方法で操作してください。

 この段階でゲームを保存しておくと、この時点に戻って選択を見直しやすくなります。
 管理(admin)タブを選択し、セーブオプションを選択します。
 するとこの画面が表示されます(このシナリオで保存した全てのゲームを表示します)。今回は他に1つも無いので、一番下の左側の矢印を選択します。
 そして保存するものの名前を入力します。私は第1ターンの航空計画フェーズのものである事を示す為に、”1a"としました。あなたにとって意味のある名前なら何でも使う事ができます。
 チェックマークを押すと、ゲームが保存されて、メインマップに戻ります。
 それでは航空フェーズを実行してみましょう。F12 を押すと、確認画面が表示されます。ターンが実行されると、画面の右下に要約ボックスが表示されます(4.5.7)。
 ここで行なわれた任務の概要を表示します(今回は幾つかの偵察任務だけです)。この画面を閉じると、マップに戻ります。
 ゲーム毎に毎回微妙な違いがあり、特に損失や選択されたアクションについての報告は異なるでしょう。しかし、今回のプレイスルーにおいてAIアシストを動作させたやり方と、根本的に異なる事はまずないでしょう。
 ここで報告さる任務が少ない理由は、AIアシストによって戦闘航空機が全て地上支援に回された為です。これはこのゲームで最も有用な任務なのですが、航空機は陸上フェーズ中に実際の戦闘の支援の為にのみ飛行します。
4.0 基本ゲームプレイ(14)
4.20 陸上フェーズの開始
War in the East 2 では、作戦を計画する事が重要です。このような単純なシナリオであっても、自軍の戦力、地形、敵の情報、そして目標を見直す事には価値があります。事実上大まかな計画を立てると言う事は、後で気付いた時にはあなたの主目標を確保する選択肢を減らしているような、移動(や攻擊)を行なわずに済ます事を意味します。
これはある意味では自然な事です。正確なゲームルールの詳細な理解よりも、これらの要素(クラウゼヴィッツは”地形”と呼びました)が如何に組み合わさって機会を作り出し、あなたの選択肢を制限しているのかを理解する事こそ重要です。簡単なテストとして、後でまたこのシナリオをプレイする時に、ヴェリキエルーキを無視して、ソ連軍をマップの上の隅に攻め込ませてみてください - これは地形が悪く、まともな補給線もないので、大失敗となる事でしょう。
 編成を移動する前に、状況を確認し、幾つかの管理作業を行なう事が大事です。一般的に、航空フェーズが完了したら、セーブを作成するのが良いでしょう。そこで再び、以前のようにセーブをセットアップすると、航空フェーズのセーブが見つかります。この時点用に新しいものを作成してください。ここでも、好きなように名前を付ける事ができます。

4.20.1 ハウスキーピング
 実際の移動を検討する前に、全体的な状況を確認し、当面の関心に合わせてマップを調整するのが有用です。
 保存したゲームをリロードしている場合、またはターンを実行した直後の場合は、画面の右側にターン要約が表示されます。
 上のXをクリックすると解除できます(1)。1ターン目には余り情報がありません。しかしこの画面から2つの便利な画面にアクセスする事ができます。一つは勝利ポイント表(2)で、もう一つは増援画面(3)です。
 VP画面をクリックすると、次の画面が表示されます:
 この画面には、4つの重要な部分があります。一番上のマーク(1)は、ターン毎のVPスコアのグラフを表示するもので、シナリオをプレイしながら、VPスコアがどのように変化したのかを確認する事ができます。
 次の2つ(2と3)は、VPがどのように得点されているのるかを示しています。このシナリオでは4つのVP地点があります(現在、前述のようにマッ プ上に表示されています)。枢軸側はシナリオ終了時にこれらの場所を保持していればVPを獲得し、ソ連側はシナリオ終了時とゲーム中の任意のターン数保持していれば両方のポイントを獲得します。事実上VPの観点からは、ソ連軍プレイヤーにはできるだけ早くこれらの場所を占領しようとする強い動機があり、枢軸軍プレイヤーにはこれを遅らせようとする、または奪還しようとす強いる動機があります。
 更に各陣営は、相手陣営の損失に応じてVPを獲得します。つまり枢軸側はソ連軍の損失1,000毎に1VPを獲得し、ソ連側は枢軸軍の損失666毎に1VPを獲得します。
 ソ連側は最近行なわれた航空フェーズで何機か失なっているので(正確な数はあなたのゲームでは違うでしょう)、枢軸側は既に1VPを得ています。これは大まかに言って、双方に損失を与える動機があり、損失を最小限に抑えようとする理由がある事を意味します。
 一番下には、どちらの側がどれくらい勝利しているかを表示します。この段階では、どちらにも優位はありません。
 これを閉じるとマップに戻りますが、我々は増援スケジュールを確認しましょう。これをクリックすると、以下のように表示されます:
 デフォルトでは陸上ユニットの増援を表示しますが、航空ユニットの移動も見る事ができます(1)。
 キャンペーンにおいては、この画面はマップへの到着、戦域間の移動、撤退と非常に複雑です。ここで注目すべきは、5ターン目に比較的大きな増援があり、あなたの戦力の増強に役立つかも知れないと言う事です。到着ヘックスがある編成と無い編成がある事に注意してください(2)。到着ヘックスがあるものはマップ上の戦闘ユニッと(4.7.2)として扱われ、無いものはマップ外の支援ユニットとして扱われます。
 この違いの意味するところは、シナリオを進めながら探って行く事にします。
 ではこの画面を閉じて、マップに戻ります。ここでターン要約の画面も閉じてください。
 WiTE2のオンマップ表示は、必要な情報を見やすくする為に様々な方法で設定できます - この点については、自分なりのやり方を見つける事ができますし、たまにしか使わない表示もあるかも知れません。
 デフォルトでは、敵の支配するヘックスとVP都市の位置が表示されています。
 ここに更に4つの概要を追加しましょう。
 ヘックスの要塞レベルは計画を立てるのに役立つので、これを選択します(ヘックスの上にマウスカーソルを乗せても分かりますが、敵が良く準備した防衛線を持つ場所をすぐに視覚的に表示します)。更に道路網(7.2.2)、補給網(4.10)、そして天候の表示方法を変更して、地表の状況だけを表示させようと思います。空の戦いは自動化しているので、空模様にはそれほど注意を払う必要がありませんし、天候が悪化すると、地図を読み慣れるまでは重要な地形の違いが見えにくくなる事があります。
 この組み合わせによって、以下のように表示が変化します。
残りのオプションも自由に試してみてください。人それぞれに好みの組み合わせがありますし、時間の経過と共に変化する事も良くあります。ここではカウンターの表示を、"攻撃CV-移動" にしていますが、戦略的防御をしている場合には、"攻撃-防御CV"の表示にする方が便利かも知れません。

 これらを変更するには、画面上部のタブを押すか、マップ上で右クリックして”マップ情報(Map Info)"メニューにアクセスして行なう事ができます。
 これらを変更できるのは、このゲームでは本当に補給が重要であり、デポのネットワークを確認する事が、それを管理するのに役立つからと言う理屈です。同様に、特に天候が悪化した時には、数少ない良い道路が重要になります。
 ゲーム内の移動ルーチンは最速経路を探し出してコストを計算しますが、道路の在処を知っておけば役に立ちます。特に敵支配地域に進入した際に、補給に使用するトラックのコストを削減できます。
 見ればすぐ分かるように、ここでは枢軸側が有利です - 史実でも貧弱な道路は、特に鉄道線が少なかったソ連軍の広域な火星攻勢において、大きな支障をきたしました。
 ロジスティックについては、また後で説明しますが、今一度、ロジスティックに関して1ページガイド#7を確認しておく良い機会かも知れません。
 ゲーム表示の設定の一部として、カウンターの表示方法を変更する事もできます(4.7.7と6.5)。デフォルトでは、敵カウンターは攻撃-防御のCVを表示しますが(戦場の霧でプレイしていると、正しく表示されない事もあります)、自分のカウンターは攻撃CVと移動ポイントを表示しています。
 これが恐らく最も便利だと思いますが、もしあなたが守りに入っているのなら、あなたの防御陣形がどれだけ優れているかの目安として、カウンターの表示を攻撃-防御CVに変更すると便利かも知れません。
 試しにCTRL+Zを押してみると、2つ目の値が変化するのが分かります。
 マップやカウンターの表示方法については、色々と検討する事ができます。最終的には、マップがごちゃごちゃになったり、他の情報が見えにくくなってしまうかも知れません。どれも有用なものですが、あなたのゲームプレイに本当に役立つものを幾つか見つける事ができるでしょう。
 1つ良い事は、ゲームは最後に選んだマップレイアウトで再開しますから、ゲームのプレイ毎に修正する必要は無い事です。
完全なゲームでは、この計画/管理フェーズに、ユニットを予備に/から移動したり、弱体化したユニットを後方に再配置したり、デポを変更したりする事でしょう。同様にこれらの事柄はいつでもゲームターンの後半に行なう事ができます - あなたはこのゲームを管理する為に独自のシステムを見つける事ができます。
 マップとカウンターが思い通りに表示されたので、最初の移動を計画する事ができます。
4.0 基本ゲームプレイ(15)
4.20.2 あなたの最初の移動の準備
 陸上ユニットで何か始める前に、まず陸上戦闘に関する1ページガイド#6を見直す良い機会です。
 このような移動前の作業は、経験を積めば自然にできるようになります。同様に多くのゲームでは、自分の望むゲーム展開に見合うように、戦闘序列を再構築する事になります。
 しかし実際に軍隊を戦闘に投入する前に、幾つかの手順を踏む事は有用です。
 その第一歩として、指揮系統の見直しを行ないます。各タイプのHQには、それを超えると戦闘ユニットに有益な支援を提供できなくなる範囲(4.7.4)を持ちます。このシナリオでは、ソ連軍プレイヤーは3つのHQを有しています。
 最高司令部を表わすStavkaカウンターがあります。キャンペーンゲームでは恐らくモスクワに配置されるのですが、ここではプレイアブルなマップエリアの右下に配置しています。これは特定のゲーム機能を有効にする為に設置されているだけなので、本シナリオでは無視して構いません。
 もっと重要なのは、ポルドヴァにあるカリーニン方面軍HQです。これをクリックすると、マップは反対ページの画像のように変化します。
 シナリオエリア外のヘックス以外にも、グレー(1)の網掛けがされているヘックスがあります。それらはHQがこのターンに移動するには(移動ポイントにおいて)遠過ぎるか、他の理由(HQが単独で敵戦闘ユニットに隣接するようなヘックス)によるものです。
 他の幾つかのカウンターには、青色で輪郭が描かれています(2)。これらは全て、選択したHQによって直接指揮されています。青色の接続線は方面軍に所属する幾つかの戦闘ユニットへのもので、ターコイズ色の線は選択したHQに従属するHQへのリンクです。最後に(3)、Stavkaはオレンジ色で輪郭が描かれ、HQがStavkaに所属する事を示すオレンジ色の線があります。
 この確認は、HQが指揮範囲外になると、その価値の多くが失われてしまうので、有用です。
 カリーニン方面軍HQカウンターを見ると、これが突撃HQ(4.13.3)に設定されている事が分かります。これは指揮キャパシティと、失なった戦闘準備ポイント(4.8.2)の回復速度が増加する点において重要です。とりあえず方面軍HQを出て、第3打撃軍HQに移動しましょう。
 ここでも左クリックすると、再びマップ表示が変わります。
 ここでは方面軍HQへのリンクはオレンジ色(これは打撃軍を指揮しています)、戦闘ユニットへのリンクは青色(全て指揮範囲内)です。なお方面軍に直属する3つのユニットは黄色で表示されています。これは、これらのユニットは選択したユニットと指揮を受けるHQを共有している為です(それらもまた方面軍に所属していると言う意味で)。

 ソ連軍の軍HQ(または枢軸の軍団HQ)にとって、おそらく最も重要な試金石は、HQが指揮する戦闘ユニットが青色で囲まれているかどうかです。
 ユニット画面(画面の右側)を右クリックすると、そのユニットに所属する全てのユニットを表示します。
 この時点では、このカウンターの情報は殆ど無視して良いのですが、このHQの指揮下に2種類のユニットが存在している事には注意してください。マップ外支援ユニット(1)は名前の前に”-“が付いています。これらの内の幾つかは直接戦闘ユニット(2)にアタッチする事もできますが、HQに残しておけば、コンピュータのルーチンが戦闘に割り当ててくれます。重要な事はそれらのユニットは、HQの指揮範囲内で戦闘が発生した場合にのみ参加すると言う事です。
 つまりHQカウンターにおいて最も重要な事は、麾下のユニットを指揮範囲内に収めておく事です。
 しかし攻撃計画に移る前に、注目すべき点がもう1つあります。HQがデポとスタックしていれば、そのデポのキャパシティを増加させます(4.10.11)。これが非常に重要なのは、そのデポが戦闘ユニットへの補給物資を受け取り、貯蔵し、分配する能力を向上させるからです。
 デポのシンボルの上の黒いバーで表示されているのがキャパシティで、カリーニン方面軍HQを南西に1ヘックス移動させてください。
 見ての通り、キャパシティが減りました。画面上部のタブの3段目にある”U”タブを使って、その移動をアンドゥ(Undo)してください(これで方面軍HQはデポの上に戻ります)。
 また、ネリドヴォにマウスカーソルを重ねると、その移動の意味合いを見る事ができます(6.4.2)。これも今は無視して構いませんが、この情報はより複雑な補給システムである場合に非常に役に立ちます。
 さて今度は第257狙撃師団(ヴェリキエルーキの真東のヘックス)をクリックすると、再びマップ表示が変わります。
 選択したユニットは紫色(1)で、同じHQに直接所属する他のユニットは黄色(2)で、そのHQはオレンジ色(2)で輪郭が描かれます。方面軍HQ(3)に所属する3つのユニットは、選択したユニットと指揮系統が異なるので、輪郭は描かれていません。
 敵の支配ヘックスは、濃い茶色か、薄い(4)茶色で影がついています。明るい方のヘックスは現在敵が支配しているヘックスで、選んだユニットが実際には戦闘を行なう事なく到達できるヘックスです。我々は戦場の霧をオフにしていますから、マップの全てでこれを見る事ができます - そうでない場合は、敵の配置の情報が不足している為に、この情報にはしばしば欠落があります。
 試しに、1-2 自動車化軍団カウンター(203, 131ヘックス)を選択してみましょう。このカウンターを選択できるまで、何度かスタックを左クリックする必要があるかも知れません。再び、マップ表示が変更されます。
左クリックを一回する毎に、ヘックスにスタックしているユニットが循環し、ダブルクリックするとそのスタックの全てのユニットを選択します。
 まず、軍団の他の旅団が青色で表示されている事に注意してください(これは、それらが同じ戦闘ユニットに属している事を示しています)。最初に選択した狙撃師団とは異なり、この旅団は実際に都市への鉄道線を切断し、都市を包囲する事ができます。
 この段階で、攻撃計画を立て始める事ができます。
 勝利地点は比較的戦線に近い所にありますが、最も価値があるのはヴェリキエルーキです。基本的にあなたには二つの選択肢があり、直接攻撃すれば、最初のターンで陥落させられるかも知れませんが、防御側のドイツ軍は安全に後退するでしょう(損失を与える事によってもVPが得られる事を忘れないでください)。あるいは、都市を包囲する事もできます。次のターンで都市が孤立し続ければ、後の攻撃はより容易になるでしょう(敵は遮断されると弱体化します)し、更にうまく行けば、彼らは降伏するでしょう(更に多くのVPを獲得します)。
 どちらを選ぶにしても正解はなく - どちらにもメリットとデメリットがあります。直接攻撃の最大のリスクは失敗する事であり、包囲攻擊のリスクは枢軸軍が何とか突破して接触を回復する事です。
 選択の助けとする為に、今はマップ表示を変更して、デポとVP位置の両方を消しておくのが有用でしょう。
このようなマップ表示の再構築は、しばらくすれば自然に出来るようになり、その時々で注目すべきものを正確に表示するように設定できるようになります。
 今明らかにすべきは、相対的に防御側がどれだけ強いかと言う事です。WiTE2の戦闘エンジンは複雑ですが(4.8.2)、基本的には防御側を後退させる(4.8.5)には、戦闘終了時に防御側のCVの2倍を保持する必要があります。戦闘開始時点の防御側のCVに匹敵するCVを得るのは困難でしょうから、直接攻擊でこれを達成できる事はほとんどありません。同様に失敗した場合、あなたのユニットは CPP(4.8.3)の半分を失なって弱体化し、その後の攻撃がより困難になります。一方で、防御側はそのような攻撃で弱体化しますから、もしかすれば最初の攻撃が失敗しても、2回目の攻撃で成功するかも知れません。
 このような判断が、良いゲームプレイをする鍵です。明らかに、強固なヘックスを奪う方法の一つは、繰返し攻撃する事であり、攻撃するユニットを交替させて、毎回新鮮なユニットを投入する事です。多くの場合、直接攻撃を避けて、機動力によって敵を後退させる(または包囲される危険を冒させる)事ができます。この状況では、新たな攻擊の為に、新鮮なユニットを投入する戦力が不足しています。
 これらを踏まえて、まずは都市の包囲を試してみましょう。

4.21 ソビエト軍第一ターン
4.21.1 包囲計画の立案
 このターンをどのように行なうかについては、実際には多くの選択肢がありますが、重要な目標はヴィエリキエルーキVelikie Lukiを包囲することです。
 そこでヘックス201、107のスタックを左クリックする事から始めましょう。これらのユニットは共に、都市西側のヘックスに移動できる事に注意してください。
 デフォルトでは、これで狙撃旅団(31)が選択され、旅団が目標ヘックスまで移動できる事に注意してください。
これは、あなたの士気を120に設定して、ボーナスによってその移動コ ストを削減し、これらのユニットをそのヘックスに前進させる事ができる場合にのみ起こり得ます。このシナリオを士気100でプレイする場合には、包囲を完成させる為に機械化旅団だけに頼らざるを得ない事が分かるでしょう。
 とりあえず旅団を残しておいて、狙撃師団(381)を移動させましょう。再度ヘックスを左クリックすると変更が反映され、表示が変更します。これで師団はマップ上でもカウンター表示でも、紫色で輪郭が描かれている事に注意してください。
 マウスカーソルを200,129に動かすと、ユニットの移動経路がマークされ、最初のヘックスに”11"、二番目のヘックスに”0"と表示される事に注意してください。これらの数値は、そのユニットが目標ヘックスに移動した場合の残存MPです。
 目標ヘックスを右クリックすると、実行可能な移動を移動順序に変換します。そして第381狙撃師団が目標ヘックスに現われます("移動アニメーションを表示"を選択していた場合、ヘックス毎に移動するのが分かります)。
これで状況は以下のようになる筈です:
 マップの濃淡の変化に注目してください。まだ選択中のユニットの残存MPは0なので、マップ上の全てのヘックスは、手の届かない処にあります。
 この移動の注目すべきもう一つの点は、CPP%が50から48に下がった事です。ターン中に移動したヘックス毎に1ポイント失なう為です。
 今度は203,128ヘックスをクリックし、第381狙撃師団が通過した2ヘクスが異なる色合いになっている事に注目し てください。これはターン開始時には枢軸国の支配下にあったが、ソ連軍ユニットが進入したヘックスです。それらはソ連軍の支配が”保留”されたヘックスとして扱われ、その使用は制限され、進入する為のコストに影響を与えます(4.8.1)。特にソ連軍ユニットは、それらのヘックスで”管理移動”を行なう事ができません(そしてこれには、ターン終了時に前線に送られる補給物資のコストも含まれます)。

 これから包囲を支援する為に、他のユニットを再編成します。第257狙撃師団(ヴェリキエルーキの真東)を選択して、ヘックス201,128へ移動します(これで都市を切り離しているユニットへの通信線を確保します)。第28狙撃師団を202,138(戦線の南端のヘックス)から202,129に移動させます。これによって戦線の南側はがら空きになりますが、枢軸側からの攻勢を受ける危険はほとんどありません。
 現在のレイアウトは以下のようになります:
 ここで今あなたは、選択を迫られています。部分的な包囲を最適化する為にユニットの配置を変更し続けるか、ヴェリキエルーキ南西のヘックスを占領して都市を完全に切り離すかです。

4.21.2 包囲完成の為の攻撃
 このオプションを、枢軸軍の"2-6"スタックに隣接しているソ連軍4個師団で試してみるつもりです。これはまた、歩兵編成だけで攻撃する場合の幾つかの重要なコンセプトを探る事にもなります。移動コストと支配地域(4.8.1 と 22.2.4)の作用により、これら4個のユニットは、このターンに攻撃と目標ヘックスへの前進の両方を行なうMPを持っていません。従って、この攻撃は慎重に行なわなければなりません。
 "19-16”と表示されているスタックを左クリックする事から始めましょう。
 ここでシフトキーを押しながら(または情報ツールタブのシフトオプションをクリックして)、マウスカーソルを南西に、"6-16"ユニットが占めているヘックスまで移動します。すると以下のような表示になります:
 4個師団は全て紫色の輪郭で表示され(選択中です)、画面右側に4個師団全てが短冊状に表示されます。
 ここで、画面右側の第9親衛狙撃師団の項目をクリックします(これを計画的な攻撃から外します)。これはテキストではなく、カウンターのシンボルをクリックして行ないます。
 これで、以下のような表示に変わります:
 ここで攻撃について考えてみましょう。
 シフトキーを押しながら(キーボードでもタブからでも)、枢軸軍ユニットの上にマウスカーソルを移動させると、今攻撃した場合にどうなるかの予想を表示します。
 WiTE2の戦闘エンジンには多くの変数がありますが(4.8.2と4.8.3)、主要なコンセプトは - 実際の戦闘が終わった時点で - 攻撃側のCVが防御側のCVの2倍であれば、防御側は(少なくとも - 4.8.5)後退を強いられると言う事です。開始時点のCVは最終的な状況の良い手掛りとなりますが、その関係は直線的ではなく、(戦場の霧の為に)誤解を招く事もあり、また一方または双方がかなりの砲兵または航空戦力を有していても、そのような事が起こります。
 しかし、あなたの開始時点の比率は3対1以上あり、防御側を圧倒しています。あなたは4個師団で攻撃し、防御側は1個連隊(2/83 ID)と1個大隊(スキー部隊)です。
このような攻撃前の戦闘比率の解釈は、時間が経つにつれて自然に行なえるようになります。表示されているCVは有用なガイドですが、経験によってそれが時に誤解を招くものである事を理解できるようになります。例として、1941年夏のソ連軍狙撃師団は強力に見えるかも知れませんが、士気や経験の低さの為に、特に開豁な地形でドイツの機械化部隊に攻撃された時には、戦闘で崩壊してしまうかも知れません。
 ですからこれは価値ある賭けです。
 0~7を押して、戦闘を見る時の詳細のレベルを選択します(0では何も見えず、7で全ての歩兵分隊、砲兵、航空機の射撃結果を見れます)。2を選択すると、戦闘結果の要約を確認し、戦闘後に更に詳細を見るかどうか検討する機会が与えられます。
 後は目標ヘックスを右クリックするだけです(つまり移動命令を出すのと同じです)。これで攻撃が開始され、最後には反対側の画面が表示されます。
 この画像の為に、ゲーム表示を戦闘地点の表示に変更しました。
 ドイツ軍は比較的素早く退却したので、双方とも損失は軽微でした。戦闘レポートの"詳細を表示(show details)"オプションを使って、この戦闘をかなり詳細に調べる事もできますが、とりあえずは残りの移動に移りましょう。
 各々の戦闘は多くのダイスロールと、交戦中の様々な戦闘エレメントの相互作用に依存しており、必然的に損失は上で表示されたものとは異なってきます(21.2.1)。
 実際の詳細が、あなたのゲームとは異なっている事は明らかです。特にAIが、航空機を地上支援(4.5.5)に割当てているかも知れませんが、これは実際の陸上戦闘が始まる前に敵を混乱させるという意味で非常に有効です。
 私のように、戦闘が起きた後でその戦闘を見直したら、F1キー(または左側のタブ)を押して、ユニットの移動に戻りましょう。
4.0 基本ゲームプレイ(16)
4.21.3 最終的移動
 202,130の3個のユニットのうち、第9親衛狙撃師団は移動力を完全に有している筈なので、ドイツ軍が後退したヘックスへ前進させます。これがこのユニットを攻撃から外した理由です。防御側の配置を考慮すると他の全ての狙撃師団は、支配地域を通過して、目標ヘックスに進入するだけのMPを欠いています(38.7.1)。
 移動を完了する為に、第31旅団を202,128に配置し(これで防御側が容易に脱出するのを阻止します)、機械化軍団の1個旅団を200,129に配置します(これで直接的な救援路を塞ぐ強力な部隊を持つ事になります)。
 HQを移動させる時には、ロジスティックとデポを表示するよう戻すと良いでしょう。他の全ての条件が同じであれば、従属ユニットが指揮範囲内にあれば、HQはデポとスタックするのが良いです。このケースでは、方面軍HQを移動させるのが望ましい適当なデポはありませんが、飛行場に建設する事は可能です。しかしこれは高くつきます(インフラを建設する為の必要物資において、ショートシナリオでは恐らくそのコストに見合いません)。
 最終的にカリーニン方面軍HQのカウンターを、205,126の航空基地に移動します。これは必須ではありませんが、AIが航空機を方面軍の近くに再配置するのに役立ちます(航空司令部はHQに”従う”ように設定しましたね)。
 このようなレイアウトになる筈です:
デポのレイアウトは複雑ですが、基本的には国家補給源(4.10.2)に繋がるチェーンが必要で、更に前線の近くでは、ユニットの補給チェーンが長くなり過ぎないようにします。しかし余り多くなり過ぎると、全てのトラックがデポに割り当てられてしまうので、ユニットとユニットにアタッチした砲兵を移動させる為のトラックが不足してしまいます。

 (このステップに戻る場合に備えて)ゲームを保存し、F12を押します。これでターン終了ルーチンを開始します。このターンでは、AIデポ管理オプションについて尋ねられたら、追加のデポを建設するだけの価値のある場所はないので、”はい"をクリックします。

4.21.4 AIの反応
 マップが変化し、AIがまずロジスティックを、次に航空フェーズを、そして戦闘ユニットの移動を実行するのを見れます(戦場の霧をオフにした事を覚えていますか)。
AIがどのように反応するかは、ゲーム毎に、また選択した難易度によって異なります。特にAIに110を越える士気を与えると、その挙動が変化します(そして、あなたがより経験を積むと、より挑戦的なゲームを作り出す事ができます)。

4.22 第二ターンから第三ターン
 この段階でゲームは、あなたの航空計画フェーズに戻ります。そして以下のように表示されます:


 イベントメッセージを開き、全てのメッセージを読んで、閉じる事で、イベントメッセージを破棄する事ができます。
 マップ上では、AIがあなたの航空戦力をどのように再配置したか見る事ができるので注目してください。右側にはターン要約チャートがあり、これは目を通す価値があります。この画面の見方については、36.16節で詳しく説明します。



 一番上の(1)の箇所で、陸上と航空の増援が1 回ずつあった事が分かります。このシンボルをクリックすると増援チャートが表示され、狙撃旅団が1個増えているのが分かります。
 その下には、幾つかの情報画面があります。一番上にはあなたの合計損失(直前のターンの戦闘と消耗)、(2)マップ上の戦力がどう変化したか(枢軸は幾らかの増援を得た事に注意)、(3)あなたのロジスティックの状況の早見表として非常に有用です。この場合、ユニット内のトラックは編成の機動力を決定する故に重要です(4.8.1)。(4)はマップ上で弱体化していたり補給不足のユニットを見つけるのに役立ちます。(警告"ALERTS"オプションをクリックするだけです)。
 最後に(5)で勝敗が分かります。そしてこれは酷い状況に見えます。しかしVPの得点は、ソ連軍の都市占領状況に大きく依存している事を忘れないでください。
 どのターンでもこの段階で、指揮官レポートを使って様々な要素を見直す事ができます。これは、あなたが有用だと思うあらゆる管理業務を実行する良いタイミングです。プレイヤーズノート(第30章)は、この点について幾つかのアドバイスを含んでいます。
 とりあえずF12を押せば陸上フェーズに移行します(航空命令を修正する必要はありません)。
 以前と同じように、航空フェーズが実行され、フェーズ要約が表示され、それを閉じるとマップに戻る事ができます。
 この表示では、二つの有用な物事の為に、ユニットモードタブ(shift-r)を選択しました。まず、増援は緑色でアウトラインされており、すぐに見つける事ができます。次にドイツ軍の守備隊が孤立しています(赤色のアウトライン)。第6.5.3節で、可能な全てのオプションを見る事ができます。


 状況を確認したら、これをオフにする事ができます。他の大きな変更点は、機械化軍団の残りが203,126ヘックスのスキー旅団(44)と同様に移動可能になった事です。


 ここに見えるのと違う部隊配置をAIがしていたとしても、AIは前線をカバーしようとしているでしょう。高難易度の場合には、ヴィエリキエルーキへの突破を試みているかも知れません。
 実質的に、このターンで重要な事はただ一つ、都市の攻略です。
 都市を包囲しているユニット全てを選択してみると(上記のように)、戦闘比率は39-32のようになっています。これで十分なようにも思えます、あなたは恐らく数で敵を圧倒しており、敵の物資は欠乏しているかも知れません(実際はそうでもありません - FOWをオフにしているので、デポにどれだけの貨物があるか見る事ができます - この情報を見る方法を調べてみてください)。
 あなたが攻撃して失敗した場合には、全てのユニットは残りのCPPの半分を失ない、再びこのような戦力で攻撃する事は難しくなります。
 追加可能な強力なユニットは2個機械化旅団だけなので、それらを202,129に移動させてから、可能な全ての攻撃ユニットを選択します。戦闘比率は55-32あたりに改善されている筈で、他のアドバンテージを考慮すると、恐らくうまくいくでしょう。最後の選択肢は、あなたの側面を確保している201,131の4-12師団を追加する事です。
 これはこのままにして置く方に賭けてみましょう。


 それでは攻撃を始めましょう。
 このケースでは、戦闘後にシンボルが変わって、敵が降伏した事を示しています。
 ここからは、様々な選択肢があります。
 まず、狙撃旅団の様々な使い方を探ってみましょう。マップ上に置いて戦闘ユニットとして扱う事も、HQか戦闘ユニットに割当てる事もできます(これでヘックス内の戦闘力を大幅に向上させられます)。直接戦闘ユニットに割当てるには(シナリオの設定上)数ターン掛かるので、まず新たに到着した旅団を打撃軍HQのヘックスに移動させます。
 ユニットカウンター(画面右側)を右クリックすると、ユニット詳細画面を表示します:
 現在それはHQのあるヘックスにあり、少なくとも1MPを残しているので、マップ上の状態からHQにアタッチする状態に変換する事ができます。ユニット変換"CONVERT UNIT"をクリックしてください。
 その後、軍HQの詳細タブを開いて、"割当(assigned)"ユニットの一覧を見ると、第26旅団はマップ外にあって、* 印がついています(このターンにステータスかHQを変更し、次のターンまで再び変更できない事を意味します)。
 このユニットの他の有効な利用方法としては、そのままにして"予備(RESERVE)"モード(4.7.8)にする事でしょう。この選択肢の利点は、近隣での攻撃の支援にコミットされる可能性が高い事です(特に旅団は、師団よりもこの用途に選ばれる 可能性が高いです)。
 残りのターンの間、避けられるものなら、突撃ユニットを再び動かさない方が得策です。彼らはターン開始時に所有していたヘックスに静止してい た方が、より多くのCPPを回復する事ができます。
 ターンを完了する為に、第44スキー旅団を西に1ヘックス移動させます(これによって、あなたの北側面へ枢軸軍が容易に侵入してくるのを防ぎます)。また第28狙撃師団を市内に前進させます(他のユニットは市外に残しておきます - ターン開始時に所有していたヘックスに残しておけば、より多くのCPPを回復する事ができます)。編成を1つだけ市内に移動させて、反撃に備えて守備を固めます。
 そして第9親衛狙撃師団(201,130)で南西を攻撃します。計畫攻撃の戦闘比率は4-1以上になる筈で、これによって先のターンでネヴェル(もう一つの勝利地点)の占領を容易にします。
 防御側が敗走する可能性が高く(防御側は警備大隊です)、第21親衛狙撃師団を201,131から200,131に前進させます。テストゲームでは、この移動によってドイツ軍HQと隣接し、ソ連の前進に伴なってドイツ軍も退却しました(23.13)。

 ここでも、もしかしたら違う配置になっているかも知れません。その場合、防衛側がもっと強力であれば、この攻撃は後のターンに残して置きましょう。WiTE2では、"出来るから"と言う理由だけで攻撃しても報われません。
 最後にあなたが行なえるのは、ヴェリキエルーキにデポを建設する事です。これは接続する鉄道線が修理されるまでは、完全には機能しませんが、後で必要になるものです。
WiTE1のプレイ経験がある人には、これは大きな変更点の1つかも知れません。ゲームを通してCPPの維持(と回復)に務める事は、防御側より強力だからという理由でヘックスを一つ取るよりもより重要な事です。
 これはヘックスをクリックして上段のデポタブから選択するか、ヘックスを右クリックして"デポ建設"を選択するか、都市名のタブを開いて、こうやってデポ建設を命令する事ができます。
 どの場合でも、利用可能な管理ポイントが11から10に減少する事に注意してください。
 これらの手順に関する全ての情報は、第6章と1ページガイド#7に記載されています。
 ゲームを保存し、次のターンに進みます。
 この段階になると、AIには様々な選択肢があり、あなたのゲームもかなり変わってきていると思われます。私の場合は、ヴィエリキエルーキの北西から大規模な攻勢を受けました(戦闘後に前進した師団が阻止し、攻撃後にユニットは後退しました)。マップ上の戦闘箇所を見る事によって、AIのターンを便利に確認する事ができます。
 他のゲームでは違う反応をする事でしょう。
 要約画面では、AIが他の3つの勝利都市を保持する事を想定しているので、まだ負けているように見えます。しかし第3ターンの時点では、守備隊を降伏させた事によるVP獲得と、ヴィエリキエルーキを1ターン保持した事によって、僅かに優勢になっています。
 この議論を終える前に、戦闘ユニットに支援ユニットを割当てる方法を確認しましょう(支援ユニットの全てがこの方法で直接アタッチできる訳ではありません)。第381狙撃師団(200,129)を選択してユニット画面を開き、"支援ユニットの割当(assigh Support Unit)"を選択すると、前ターンに変換した狙撃旅団を表示します。
 これを師団に割当てると、CVが4.8に向上するのが分かります。これはユニットやスタックの直接的な戦闘力を向上させる非常に有効な方法です。
これは、このゲームにおける数多くのトレードオフの内の1つです。戦闘ユニットにアタッチされた支援ユニットは、その戦闘ユニットが関与していれば常に行動しています。HQに割当てられたユニットは、コミットしないかも知れませんが(これまで通り、これはランダムな偶然と、指揮官の質によって決まります)、一方では複数回戦闘する事ができ、重要な戦闘に割当てられるかも知れません。

4.23 シナリオ終了
 ゲームのこの段階までは、上記のステップにかなり近い形で進められる筈ですが、どのようなリプレイでも、次第に変化していく事しょう。AIは異なる方法で反応し、あなたはユニットを休息させる事の重要性について、チャンスを生かすのとは対照的に、異なる判断を下すかも知れません。
 ではゲームを進めてみて、どうすれば良いか見てみましょう。VPの位置を忘れないように、マップ上に表示しておくのが良いでしょう。あなたは現在、205,126の3個狙撃師団を利用でき、次の2ターンで更に増援を得られる事も忘れないでください(しかしドイツ軍も同様です)。
 それを終えれば、通常の設定で戦場の霧をセットした状態で、シナリオを再プレイしてみてください。そうすれば上記のような利点(とAIに影響する悪条件)がなくなり、ヴェリキエルーキ周辺での戦闘がより困難になる可能性があります。
 またこのシナリオを、枢軸側でプレイするのも価値があります。これは都市要塞のコンセプトを扱っており、まず攻勢を遅らせ、次に止める方法を探る事ができます。

4.23.1 他のシナリオ
 このシナリオをクリアしたと思えたら、 "入門シナリオ2 - ミンスクへの道"に進んでください。これは1941年6月の中央軍集団による開戦時攻勢を、2ターンで研究するものです。この場合は、枢軸国側でのプレイが最適です(ソ連軍には、ほとんどする事が無いので)。
 このシナリオとは異なり、迅速な機動に重点が置かれていますが、鉄道の修理や包囲網の確保方法、慎重な戦力配分の必要性など、ゲームの重要な機能の練習に使う事ができます。
 その先の”レニングラードへの道”はユニット密度が低く、"南西方面軍の崩壊"はユニットの数、規模ともに多くを要求するものとなっています。これらを組み合わせる事で、1941年6月のドイツ軍の侵攻の主要な推進力を見る事ができます。
 "戦争の赤き神"シナリオは、ソ連の"火星"攻勢全体をカバーしているので、ヴェリキエルーキ周辺の行動をより文脈的に行なう事ができます。"タイフーン作戦"は秋の雨と冬の吹雪が、移動と補給に与える影響を学ぶのに便利です。

4.23.2 キャンペーンゲーム
 その他のキャンペーンを開始すると、戦争の特定の局面を学ぶ事ができます。テスターの多くが、スターリングラード・ベルリンとヴィスワ・ベルリンのキャンペーンを如何にに楽しんだか報告してくれています。1941年の枢軸軍の大攻勢はもう無いとしても、スターリングラード-ベルリンはバランスが良く、まだ赤軍が学習中で、ドイツ軍の装甲部隊が集中した時に壊滅的となる局面を、どのようにゲームが扱うかを学ぶ事ができます。ヴィスワ-ベルリンは一方的に見えるかも知れませんが、ソ連軍がどのように大規模な攻勢を行なうのか、また枢軸軍として1941年とは全く異なるロジスティックの要求について学ぶべき事が沢山あります。
5.0 プレイの順序
焦点:この章ではWiTE2のプレイの順序について解説します。 重要なポイント:
  • 2つのプレイヤーフェーズがどのように相互作用するか。
  • ソ連と枢軸プレイヤーフェーズの主な違い。
  • AI対戦と人間相手での対戦との違い。
  • ロジスティックフェーズと航空実行フェーズで発生するアクションの極く簡単な概要。
5.1 基本的なプレイの順序
 Gary Grigsby’s War in the East 2 はターン制のゲームで、各ゲームターンは枢軸側とソビエト側のプレイヤーターンで構成されています。これらのターンを合わせると、現実世界の時間での1週間になります。
 また、”フェーズプレイヤー"という用語は、現在自分のプレイヤーターンを行なっているプレイヤーを指します。例えば、枢軸側プレイヤーターンの間は、枢軸側プレイヤーがフェーズプレイヤーとなり、ソ連側プレイヤーはフェーズプレイヤーではありません。

5.1.1 一般ルール
 各プレイヤーターンはプレイヤー固有のロジスティックフェーズと一般的ロジスティックフェーズからなり、これらは幾つかのセグメントとサブセグメントで構成され、いずれもコンピュータによって自動的に行なわれます。
 各ターンの開始時に、プレイヤーには発生したイベントを確認するオプションがあります(36.9と36.15)。これらのイベントには、新しいオプション、マップ外戦域ボックスにおける戦争の進行に関する情報、または単に重要な史実上のイベントの報告があるかも知れません。
 航空命令の計画段階に続いて、航空任務の大部分、航空整備、航空訓練任務が実行されます。
 アクション(移動)フェーズでは、ユニットの移動と陸上戦闘、そしてユニットや物資の空輸のようなプレイヤーの手動による他のアクションを行ないます。
 コンピュータは陸上フェーズ中に、支援ユニットや予備戦闘ユニットの戦闘への投入や、迎撃や防御的地上支援の航空任務のような、非フェーズプレイヤーの軍と一緒にアクションを行ないます。
 ソ連プレイヤーの陸上フェーズ(24.7)に命じられた上陸作戦及び上陸侵攻を支援する為の空挺降下は、次の枢軸プレイヤーターンのロジスティックフェーズの後に行なわれます。
 メニュータブの右側のスペースに、現在のフェーズ(ロジスティック、航空計画、航空実行、移動(アクション))が表示されます。またアクション(移動)フェーズでは、航空地上支援(GS)の現在のステータスがオンかオフ(Hotkey-×)で表示されます。これはプレイヤーがターンの早い段階で、利用可能な地上支援任務を使い切らないようにする為です。

5.1.2 サーバーやPBEMを使う場合の相違点
 コンピュータと対戦する場合と、他の人間相手に対戦する場合とでは、プレイの順序が微妙に違ってきます。
 コンピュータとの対戦では、あなたのターンの終了時にF12キー(またはターン終了タブ)を押すと、ゲームはロジスティックフェーズと自身のターンを実行します。これが終了すると、ゲームは2個のセーブファイルを生成します。1つは自身のターン用、もう1つはプレイヤーが次のターンを開始する時に使用するものです。
 PBEMやMatrixサーバー(2.8.2)を使って人間と対戦する場合も、基本は同じです。あなたのターンを完了しターン終了を押すと、自動的にMatrixサーバーに保存されるか、あなたが対戦相手に送信する必要があります。相手は自分のターンを生成し、次のターンに移ります。この手順については、本マニュアルの第2.8節で説明しています。
 一つ重要な違いは、上陸侵攻作戦がどのように扱われるかです。上記のように、ソ連プレイヤーは自軍の陸上フェーズ中に、これを命令しなければなりませんが、これは実際にはドイツプレイヤーターンのロジスティックフェーズが終了した後まで実行されません。
 マルチプレイヤーゲームで実際に起きる事は、このフェーズはソ連プレイヤーがゲームを保存した時に解決されますが、マップはブラックアウトされるので、ソ連プレイヤーには何が起きているのか見る事ができません - そうしなければ、戦場の霧によって通常は不明瞭になる筈の情報を、得る事になってしまうでしょう。

5.2 ゲームターンの概要
    A. 枢軸プレイヤーターン
  1. 枢軸ロジスティックフェーズ
  2. 一般ロジスティックフェーズ(枢軸ユニットに対してのみ)
  3. ソビエト上陸作戦フェーズ(上記のように、マルチプレイヤーターンでは、これは既に解決されており、枢軸プレイヤーターンのこの時点で表示されます)
  4. 枢軸航空計画フェーズ
  5. 枢軸航空実行フェーズ
  6. 枢軸陸上フェーズ(陸上移動と陸上戦闘)

    B. ソビエトプレイヤーターン
  7. ソビエトロジスティックフェーズ
  8. 一般ロジスティックフェーズ(ソビエトユニットに対してのみ)
  9. ソビエト航空計画フェーズ
  10. ソビエト航空実行フェーズ
  11. ソビエト陸上フェーズ(陸上移動と陸上戦闘)
 どのシナリオでも、最初のターンの最初のプレイヤーにはロジスティックフェー ズが無い事に注意してください。枢軸プレイヤーが最初のプレイヤーである場合には、シナリオは枢軸航空計画フェーズから始まり、ソビエトプレイヤーが最初のプレイヤーである場合には、シナリオはソビエト航空計画フェーズから始まります。
 2ターン目以降からは、通常のプレイ手順に従います。
 つまりソビエトが最初のプレイヤーであるシナリオでは、第一ゲームターンの第9フェーズまでスキップされ、枢軸プレイヤーには最初のターンが無く、ソビエトプレイヤーにはロジスティックフェーズが無い事になります。

5.3 ロジスティックフェーズと航空実行フェーズの要約
 ロジスティックフェーズと航空実行フェーズは、コンピュータが執り行なう幾つものアクションで構成されています。
 以下は、これらのフェーズ中に発生する主な活動の概要です。

5.3.1 ロジスティックフェーズ
 各プレイヤーターンは通常、明確なセグメントを持つプレイヤー固有のロジスティックフェーズと、両プレイヤーともに同じセグメントとサブセグメントを持つ一般ロジスティックフェーズを含んでいます。ゲームは、ロジスティックフェーズの開始時に通常モード(F1)に切り替わります。マップポップアップ、トップメニューボタン、ショートカットは、ロジスティックフェーズ中は無効になります。
 管理ポイントや車輌プールの値も、ロジスティックフェーズ中に画面から消去されます。
 このフェーズに発生する主なアクションに含まれるものは、消耗、要塞の建設、生産に関するあらゆる事、装備や航空機のアップグレードと交換、負傷したマンパワーの回復、士気と疲労の調整、ユニットの増援と撤退、管理ポイントの調整、ヘックスの支配権の変更、一時的自動車化の解除、鉄道・工場・デポの修理、航空基地ユニットの拡張、パルチザンの攻撃と損害の決定、指揮官の調整、貨物の移動、航空機やパイロットを含むユニットの補給や補充の提供、支援ユニットと支援エレメントの移動、ユニットの許容移動ポイントの設定、鉄道使用量のリセット、敗走したユニットの回復とユニットの降伏チェック、地上偵察によるユニット検出レベルの調整、シナリオ勝利ポイントの調整などです。
 また気象の決定は、ソビエトロジスティックフェーズ中にのみ行なわれ、次のソビトロジスティックフェーズまで継続します - 従って枢軸プレイヤーフェーズは、前のターンのソビエトプレイヤーと同じ気象になります。

5.3.2 航空実行フェーズ
 航空実行フェイズ中には、コンピュータはそのターンの7日間に渡って、パイロット訓練任務を含む航空任務を実施し、ターンの各日には昼と夜のセグメントがあります。更にターンの各日にはメンテナンスセグメントがあり、航空グループにパイロットや搭乗員を補充したり、航空機を修理したり、航空基地ユニットを修理して燃料や弾薬を補給する事ができます。

5.4 航空計画フェーズと陸上フェーズの要約
 この2つのターンが、WiTE2におけるプレイヤーのインタラクションの大部分を占める事になります。
 航空計画と陸上移動の大まかな流れは、第4章で説明した通りです。
 空の戦いの実施に関する詳細なルールは第16章から19章に、陸上移動と陸上戦闘に関するルールは第22章から24章に記載されています。
 なおこれらのフェーズのどちらにおいても、厳密な順番は存在しません。航空作戦命令は好きな順番で作成する事ができます(アイデアを修正しながら変更する事もできます)。
 同様に陸上フェーズでは、好きなカウンターから動かし始める事ができ、最初のアクションは戦闘、鉄道によるユニットの移動、通常の移動、上陸侵攻作戦の命令などが可能です。
 ただし航空作戦命令は、その航空司令部に表示されている順番通りに実行されますので、設定や修正を行なう際には、この点を考慮する必要があります。
6.0 ユーザーインターフェイス
焦点:このセクションでは、ゲームのインターフェイスの仕組みと、マップ上やバックグラウンドレポートから重要な情報にアクセスする方法について説明します。 重要なポイント:
  • 画面上部にある様々なタブのセット。
  • 各ユニットカウンターのソフトファクターの設定、変更、解釈の方法。
  • 航空計画および陸上移動フェーズで使用できる様々なタブのセットと、これらを使用して航空および陸上ユニットを使ってマップ上のアクションを実行する方法。
  • プレイマップ上に表示できる情報。
  • 個々のユニットについてアクセスできる情報。
  • 戦域ボックスの情報にアクセスする方法。
  • 特定のトピックに関する全ての情報をまとめる方法を幾つか示します。
  • ほとんどの情報は、タブ、ホットキー、またはマップ上のヘックスを右クリックする事によってアクセス可能です。
 インターフェイスは、トップパネル、マップエリア、ユニットバー(ユニットを選択した時)、及び情報提供や各種操作を行なう為の関連画面やウィンドウから構成されています。
 前述のように、マップエリア内の一部のアクションを除いて、ボタン上や選択可能なテキストリンク上でマウスを左クリックする事で選択は行なわれます。

6.1 一般的規則
 このセクションでは、UI で使用される幾つかの規則について説明します。各オプションの意味について のより詳細な情報は、第6.2節以降で説明します。

6.1.1 トップパネルのボックスとボタン
 上段には5つのボタンが並んでおり、以下のいずれかの操作を行なう事ができます:
・別の画面へのアクセス。例えば、詳細な戦闘序列画面(36.1)を開く事ができます。
・ゲーム内アクションの実行。例えば、陸上移動フェーズ中にF1タブによって、戦術移動で陸上ユニットを移動させる事ができます。
・マップの表示方法の変更。例えば、マップ情報画面に敵が所有するヘックスと、このターンにあなたが占領したヘックスを表示させられます。
・幾つかのボタンは、選択したオプションの二次セットに繋ります。例えば、マップ情報表示の戦闘表示タブ(F11)は、全ての戦闘、航空戦闘のみ、陸上戦闘のみの表示に細分化されています。
・選択したヘックスにデポがある場合、画面の右側にデポとその現在の優先順位を表示します。この表示から優先順位を直接修正する事ができます。デポが存在しない場合、この表示はデポの作成を指示する為に使用する事ができます。航空基地にも同様なオプションがあります。

 なお、ソ連側がアクティブの場合はパネルの色が茶色に、枢軸側がアクティブの場合はパネルの色がグレーになります。

6.1.2 マップ上表示
 任意のヘックスにカーソルを合わせると、ポップアップボックスが表示されます。表示される情報は、そのヘックスにあるもの、そして他の選択(ロジスティック表示を選択した場合など 6.9)によって大きく異なります。これは常に気象、地形、町や鉄道線のような物理的な特徴、そしてそのヘックスが河川に隣接しているかどうかを示しています。そのヘックスにユニットある場合、通常幾つかの情報が表示されます(これも戦場の霧(10.2)と他の表示の選択によって変化します)。
 ヘックスを右クリックする事で、マップ上の情報、様々な情報画面へのアクセス、そのヘックスの国家や地域に関する幾つかの情報など、さらなるオプションにアクセスする事ができます。

6.1.3 タブ、ファンクションキー、ホットキー
 ほぼ全ての情報オプションは、画面上部の各種タブ、マップ上での右クリック、キーボードのファンクションキー、またはホットキーでアクセスできます。
 つまり、あるオプションがF1タブと記述されている場合、これは上部のタブまたはF1キーを押す事でアクセスできます。ホットキーの全てのリストは36節にあります。
 この他にマップ上の任意のヘックスを右クリックする事によって、多くの機能(及びマップビュー)にアクセスする事ができます。
 基本的にはどのような行動でも、これらのオプションを使って行なう事ができますので、最も論理的と思われる方法でゲームを操作する事ができます。UIの様々な要素が相互作用するので、幾つかのオプションが利用できない場合もあります。各オプションで利用可能なメソッドについては、この章の残りの部分で詳しく説明します。

6.1.4 情報画面から
 これについては本章の後半や関連する付録の中で詳しく説明しますが、特定のヘックスの様々な情報画面からマップに戻ったり(例えば、関連する詳細戦闘レポートの表示から)、特定のユニットが居る位置に戻ったりする事ができます。

6.2 トップパネル
 トップパネルは、情報を提供すると共に、マップエリアやマップ上のユニットとのインタラクションを可能にします。
 これらは4行の情報に分割されていると説明するのが良いでしょう:
  • 最上段は標準的なWindowsスタイルのツールバーで、左側には現在のビルド、プレイ中のシナリオ、最後に生成されたセーブファイル、右側には画面の最小化、画面サイズの縮小、プログラムの終了を行なう標準的なWindowsタブを表示します。
  • 2段目の左から右へ3つのタブがあり、順番に下の段に何が表示されるか、ゲームターンに関する幾つかの情報、地上支援の状態やその他の情報(これは航空計画フェーズか陸上移動フェーズかによって異なります)に影響を及ぼします。下の例は陸上移動フェイズ(MOVEで表示)で、プレイヤーは地上支援(18.1.3)をオフにしています。
  • 右側には、管理ポイント(第9章)が幾らあるか、日付によるゲームターンとターン番号の情報が表示されるボックスがあります。このボックスには、選択したヘックスにある都市名/地点名、飛行場表示、デポがある場合にはその情報も含まれます。
  • 3段目の情報は一連のタブで、これらは上の段で選択した内容によって異なりますが、そのほとんどは他の画面にアクセスしたり、マップ上表示を変更する事ができます。
  • 右側には"ソフト"フィルター(6.5.11)を変更するオプションがあり、ユニットカウンターに表示される情報を変更する事ができます。
  • 4段目には、ゲームアクションを実行したり、情報にアクセスする為のタブがあり、これは航空計画フェーズか陸上移動フェーズかによって異なります(以下の例は、陸上フェーズのものです)。
  • 右端には、航空命令の実行やターン終了の為のキーが表示されます。
 タイトルバー以外のトップパネルの色は、枢軸側プレイヤーターンではグレー、ソ連側プレイヤーターンでは茶色になります。

6.2.1 タイトルバー
 これはMS Windows 標準のタイトルバーで、最小化、最大化、閉じるボタンがあります。ゲームのバージョン番号と、現在読み込まれているシナリオの名前も表示されています。
 AIがターンを行なっている間は、他にゲームを終了させる方法がないので、プレイヤーはタイトルバー右上の閉じるボタン(X)を使って、プログラムを終了しなければならない事に注意してください。

6.2.2 二番目の行
 左側に3つのタブがあります。これらは、その下の行の詳細なタブにアクセスする為のもので、利用できる組合せは、”マップ情報”、”情報画面”、”管理”のどれが選択されているかによって異なります。幾つかのオプションは、航空計画または陸上移動フェーズのどちらか一方でのみ表示され、その他のものは両方で利用可能です。
 中央には、関連する命令フェーズ(以下の4行目の情報を参照してください)中に選択したタブに応じて、航空ユニットまたは陸上ユニットに与える命令の種類が表示されます。その隣には、地上支援ミッションが行なわれるかどうかが表示されます。下の画像は、この情報が陸上フェーズ(1)または航空命令フェーズ(2)でどのように表示されるかを示しています。
 右側には、様々な情報が表示されるボックスがあります。これは常に表示されています:
  • プレイヤーが利用可能な未使用の行政ポイント数;
  • ゲームターン(暦日)
  • ゲームターン(特定のシナリオの開始時点からのターン数)
 メインマップ上のヘックスも選択されている場合、以下の情報のうちの1つ、2つ、または全てが表示される事があります:
  • 地名 - ほとんどの場合、ヘックス内にある町または都市の名前です。これをクリックすると、その地点についての詳細タブが開きます (37.13);
  • そのヘックスが、恒久的な建造物による港湾か、上陸作戦によって建設された一時的な港湾のどちらかである場合(24.7)、名前の右に錨が表示されます。
  • 飛行場 - これはマップ上に表示されるようにコード化されています。これをクリックすると、その飛行場についての詳細タブが開きます(37.16.2);
  • デポ - その種類と現在の補給優先度を表示します(25.7)。補給優先度はポップアップメニューから修正する事ができます。詳細タブを開くには、左側の地名をクリックする必要があります。
 そのヘックスに飛行場やデポを建設できる場合には、ここにそのオプションが表示されます。

6.2.3 Third Row
6.2.4 Fourth Row
6.3 Using the right click option
6.3.1 Actions you can carry out
6.3.2 Information you can access
6.4 Hex pop-up information
6.4.1 Basic Information(Always on display)
6.4.2 Hex Dependent information
6.4.3 If a unit is present
6.4.4 Information on player activities
6.4.5 Impact of fog of war
6.4.6 Mode dependent information
6.4.7 Air base display
6.4.8 Air operational group and air command display
6.5 Information on the counters
6.5.1 Counter display
6.5.2 HQ units and command links
6.5.3 Unit modes
6.5.4 Information displayed on the combat unit box
6.5.5 Information displayed on the air base unit box
6.5.6 Information displayed on the ground HQ unit box
6.5.7 Information displayed on Air HQ unit boxes
6.5.8 Information displayed on Naval HQ unit boxes
6.5.9 Information displayed on the rail repair HQ unit box
6.5.10 Multiple hex unit selection
6.5.11 Display soft factors
6.6 Changing map display mode and implications
6.6.1 Show Battles
6.6.2 Show Rail damage
6.7 Changing the counter order
6.8 Interpreting the information on the main map area
6.8.1 Zoom level
6.8.2 Combat related information
6.8.3 Displaying air directives on the map
6.8.4 Displaying air operational groups on the map
6.8.5 Hex selection and the unit counter border colour
6.8.6 Movement path
6.8.7 Factories
6.8.8 Reconnaissance and interdiction
6.8.9 On map display during the air execution phase
6.9 Logistics
6.9.1 Logistics map information tab
6.9.2 The supply net[`8]
6.9.3 Supply priority map view
6.9.4 Further information
6.10 Theatre Boxes
6.11 The Jump box
6.12 The Witepedia