Field of Glory II

Field of Glory II

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FIELD OF GLORY II 日本語マニュアル
By Nekomessiah
これは、FIELD OF GLORY II のゲームマニュアルの日本語訳です。

2018.3.24. 第一版公開。ソロプレイで必要な部分はおおむね訳しました。

このゲームの戦略編となる FIELD OF GLORY: EMPIRES の日本語マニュアルは下記のリンクにあります。
https://steamcommunity.com/sharedfiles/filedetails/?id=1800777027
   
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1. イントロダクション
Field of Glory II へようこそ!!
BC280年のイタリアにおいて、イタリアの近隣諸国を打ち負かし、領土を併合したローマ共和国は、まさに偉大な国となる寸前でした。しかしまず最初にエピロスのピュロス王による南イタリアへの侵攻を撃退しなければなりません。ここで初めて二つの強大な軍事システムーローマのレギオンとマケドニアのパイクファランクスが激突しました。

ピュロスは戦いの果てに行き詰まり、他に征服すべき土地を求めるよう仕向けられ、ローマは拡張を続けました。カルタゴの北アフリカのフェニキア植民地と、その帝国に対する二つの壮大な戦争の結果、カルタゴの究極の敗北とイタリアの完全な征服、そしてBC202年までにはヒスパニアの大部分の征服をもたらしました。北アフリカのカルタゴは簡単な第三次ポエニ戦争の後にBC146年に併合されました。

マケドニアのピリッポス5世とペルセウスのBC197年とBC168年の敗北は、それぞれBC148年のマケドニア併合と、BC146年のギリシア併合につながりました。BC190年のセレウコス朝のアンティオス大王の敗北は、BC63年までのユーフラテス北部までの中近東の併合へと不可避的に続きました。ガリアはユリウスカエサルによって、BC58年からBC50年の間に征服されました。プトレマイオス朝エジプトはBC30年に併合されました。

これらの征服はどれも簡単ではありませんでした。ローマの敵は皆それぞれ独自の文化を持っていました。戦術システムはバラエティに富んでいましたが、彼らすべてがローマと良く戦い ー そして彼ら自身の間でも戦いました。完全装甲のカタフラクト槍騎兵によって支援された軽弓騎兵を軍の主力に持つ東のパルティアだけが、ローマ軍が打ち破るのは困難だと証明して、その一見不可解な前進は止まりました。

その代わり、その帝国は現代のフランスとスペインからイラクにまで拡がり、ローマは自らの中での戦いに陥りました。共和制ローマの断末魔の苦しみは、ヒスパニアからエジプトまでの壮大な内戦によって特徴づけられました。そのすべての終わりに、一人の男がこの巨大な帝国を治めるためにやってきて、オクタヴィアヌスはBC27年に初代ローマ皇帝アウグストゥスとなりました。Field of Glory IIは、歴史のこの壮大な時代のターンベースの戦術級ゲームです。BC280年からBC25年にかけての、英国からインドに至る西洋から中近東までのすべてをカバーしています。

古代世界のどの国ででも指揮を取ってください、そのそれぞれが独自の戦術システムを用いています。あなたの選んだ軍とその将軍を率いて、歴史的な戦いの再現や、"what-if"カスタムバトルの中で、AIや人間の対戦相手に対して勝利してください。歴史上最も偉大な将軍たちの誰かを引き継いで、その壮大な軍歴を通してあなたが軍を勝利から勝利へと導くかーあるいは早過ぎる終わりをもたらしてください。

シングルプレイヤーとマルチプレイヤーのバトルモードがありー後者はSliterineの使い易いPBEM++マルチプレイヤーシステムを用います。

1.1. システムの要求性能
1.2. ゲームのインストール
1.3. ゲームのアンインストール
1.4. 製品のアップデート
1.5. マルチプレイヤーの登録
1.6. ゲームフォーラム
1.7. 助けが必要ですか?
2. 歴史的概要
このゲームでは、BC280年からBC25年にかけてのローマとその敵、そして同盟国の戦いを再現することができます。この時代に、ローマはイタリアから拡張して、地中海全域とその周辺地域を含む帝国を得ました。BC280年までにローマはエトルリア人やサムニウム人を含むイタリアの主要なライバルを征服して、イタリアのほとんどを強制的な同盟のネットワークによって支配していました。

タレントゥムのギリシャ植民都市は、イタリア半島の踵にあり、ローマに対抗する為にエペロスのピュロス王に援助を求めました。これはレギオンとヘレニズム式パイクファランクスとの最初の激突でした。ピュロスは厳しい勝利を得ましたが、彼はすぐに興味を失って他の場所に移り、ローマは南イタリアの征服を完了させました。

BC264年にシチリア島の北東先端にあるメッサナの都市を巡る紛争が、カルタゴに対する第一次ポエニ戦争をもたらしました。戦争はBC241年まで続き、ローマの勝利で終わりました。カルタゴはシチリアをローマに明け渡すことを余儀なくされ、BC237年にはコルシカとサルディニアも併合されました。

カルタゴはヒスパニアで新たな帝国を征服して自らを慰めました。BC218年にハンニバル将軍がローマの同盟国を攻撃して、第二次ポエニ戦争を始めました。彼はイタリアに侵攻し、ローマ軍に対して多大な損害を与えました。ローマにとっては厳しい状況でしたが、ハンニバルはローマ自身を占領しようとはせず、ローマはあきらめませんでした。彼らは次第にハンニバルをイタリアの南端に押し込めるよう画策し、その間にヒスパニアでカルタゴ軍を打ち負かし、彼らのヒスパニアの帝国を征服しました。やがてローマは北アフリカに侵攻してカルタゴ本国を脅かしました。ハンニバルは呼び戻されましたが、BC202年にザマの戦いで敗北しました。以前のカルタゴ帝国は、現代のチェニジア程度にまで縮小しました。

BC215年、第二次ポエニ戦争中に、ギリシャ北部でローマはヘレニズムのマケドニア王国との最初の戦いに入りました。第四次マケドニア戦争後のBC148年に、マケドニアはローマに併合されました。

BC192年の東ヘレニズムのセレウコス朝によるギリシャ介入の試みは、ローマの介入を誘発しました。セレウコス朝は二つの戦いに敗北して小アジアの領土を失い、ローマの同盟国の間で分割されました。

BC149年に、ローマは再びカルタゴに宣戦布告する口実を見つけ、短い第三次ポエニ戦争の後、カルタゴを破壊してその残された領土を併合しました。BC133年にペルガモンのアッタロス3世は、小アジア西部の彼の王国をローマに遺贈しました。BC88年にはポントスのミトリダテスの拡張主義の野心を咎めようとした結果、小アジアのすべてとギリシャの大半を失う初期の災難がローマに訪れましたが、ローマの反撃はすぐにポントス軍を撃退し、ミトリダテスを彼が新たに征服した領土から追い払いました。さらに二つの戦争が起こった結果、ミトリダテスはBC63年に最終的に敗北し、さらなる領土がローマとその従属国に得られました。この時にセレウコス朝シリアの残骸が併合されました。

BC58年からBC51年まで、ローマはユリウスカエサルの下、ガリア(現代のフランス)を征服しました。ブリテンも一時的に侵略されましたが、長くは続きませんでした。BC53年に東方でイランのパルティア王国を侵略しようとする試みは、カルラエの戦いで悲惨な結末に終わりました。

BC49年からの一連の内戦がローマ帝国を打ちのめしました。最後の段階で、エジプトのヘレニズム王国のプトレマイオス朝が敗者側に巻き込まれ、BC30年にエジプトが併合される結果となりました。これに続いてユリウスカエサルの甥の息子であり養子後継者でもある、オクタヴィアヌスが、ローマ世界の唯一の支配者となり、アウグストゥスを名乗って初代皇帝となりました。この時までに、ローマ世界には、イタリア、ヒスパニア、ガリア、北アフリカ、ギリシャ、小アジア、シリアとエジプトが含まれていました。東にある一連の小さな従属国は、パルティアとの緩衝地帯となっていました。
3. 勢力 1 (ローマ 〜 ヘレニズム諸王国)
以下の説明はゲーム内で使用可能な多くのカラフルな勢力のほんの幾つかをカバーしています。それぞれが独自の文化、組織、そして戦術システムを持っていました。

3.1. ローマ

ローマの軍事的成功は重装歩兵のレギオンに基いていました。レギオンは、この時代の始めに起ったサムニウム戦争後に改革されたばかりでした。

3.1.1. 共和制中期のレギオン

ポリビオスによると、この時代のレギオンは、理論的には1200のハスタティ、1200のプリンキペス、600のトリアリイ、1200の軽装備のウェリテスで構成された4200の戦力でした。各レギオンはまた300の騎兵を持っていました。通常は軍団と同じ数だけ存在していたアライド・アラエは、同様に編成されていましたが三倍の数の騎兵を持っていました。
レギオンは、前列がハスタティ、二列目はプリンキペス、三列目はトリアリイの3列に並びます。各『列』は120人のマニプルスから成り、後ろの列のマニプルが入るのに十分な大きさの間隙で隔てられています。これが有名なチェッカーボードフォーメーションであり、これがカルタゴやヘレニズム諸王国によって用いられた密集したファランクスに比べて、より大きな柔軟性の優位をレギオンにもたらしました。間隙が不利なようにも見えるので、敵と接触した時に、このフォーメーションが実際にどのように働いていたのかは分かりません。しかしながら、4つのマニプルスを再現する480人での1ユニットとしては、この細かいレベルについて心配する必要はありません。むしろハスタティとプリンキペスの各ユニットはチェッカーボードフォーメーションの中に両方のタイプのマニプルスを含むと仮定しています。

この時代、ローマのレギオンは大きな楕円形の盾(スクトゥム)を持っていました。一世紀から二世紀初頭の半円筒形の盾はまだ用いられておらず、ロリカセグメンタタ(板金装甲)もありませんでした。代わりに、それを買う余裕がある者はチェインメイルを着用しましたが、貧しい者は国から支給された小さな正方形の青銅の胸甲を身に着けていました。ハスタティとプリンキペスは重い投げ槍(ピルム)と短剣(グラディウス)で戦いました。トリアリイは旧式の突く槍(ハスタ)を持っていました。ハスタティは最も若く相応わしい男の中から選抜されました。プリンキペスは男盛りの熟練兵でした。そしてトリアリイは古参兵でありーあまり動くことはないが信頼でき、何か不味くなった時の最後の希望でした。

3.1.2. 共和制後期のレギオン

BC105年頃のマリウスの軍政改革以降、レギオンは最早ハスタティ、プリンキペス、トリアリイに分かれておらず、均一の楕円形の盾とメイルとピルムと剣を装備していました。マニプルスはコホルトと呼ばれるより大きな戦術単位に置き換えられました。
各レギオンは、各々は完全戦力で480人の10のコホルトから成ります。その後のレギオンでは、おそらくこの時代のものではありませんが、800人の大きな古参兵のコホルトを持ちました。
レギオンの全体的な質は高いものがありましたが、古参のレギオンの幾つかは、その武勲によって特に有名になったものがありました(例えば、ユリウスカエサルの第10レギオン)。一方で平和な地域で長期の任務に就いていたものは、時にその刃を失いました。

騎兵と軽歩兵は征服地や近隣地域から募集されましたが、まだ正規軍には編入されていませんでした。それらにはヒスパニア人、 ガリア人、ゲルマン人、マケドニア人、ヌミディア人、トラキア人、イリュリア人、ギリシア人、シリア人その他が含まれます。

3.2. ヘレニズム諸王国

この時代のヘレニズム諸王国は、アレキサンダー大王の帝国が、彼の夭折によって崩壊したことから生まれました。彼らの軍の主力はマケドニアのパイクファランクスであり、軽歩兵(トゥレオフォロイ槍兵、トラキア人、弓やジャベリンやスリングを持った雑多な軽歩兵)、戦象、優秀な槍騎兵に支援されていました。

3.2.1. マケドニア 式ファランクス

BC4世紀にマケドニア王フィリップII世によって発明され、息子のアレキサンダー大王によってアケメネス朝ペルシア 征服に用いられ、アレキサンダーの後継者にも用いられました。マケドニア式ファランクスは当時の無敵の歩兵でした。18ft(5.5m)のパイク(サリッサ)で武装し、最初の5列の穂先を最前列を越えて突き出し、侵入不可能な槍の壁を作っています。最も一般的なフォーメーションでは16列の深さでしたが、時には他のフォーメーションも用いられました。

良好な地形で、真っ直ぐ前方に戦うのであれば、ファランクスは最高でしたが、不利な状況においては失敗することがあります。ヘレニズム軍に対するローマ軍の勝利は、ほとんどがローマがより柔軟なフォーメーションを持ってして、ファランクスの弱点を突いた結果によるものです。例えば、キュノスケファライの戦い(BC197年)では、交戦しているファランクスの背後から、コリントスの戦い(BC146年)では、側面から襲いかかりました。ピュドナの戦い(BC168年)では、でこぼこした地形でファランクスが混乱しました。マグネシアの戦い(BC190年)では、側面からの騎兵の脅威の為に静止を強いられているうちに、ファランクスのブロックの間隙にいた象に雑多なミサイルが投げられて、象が暴れ出しファランクスを踏み潰しました。

3.2.2. トゥレオフォロイ

ヘレニズム時代の初期には、古代ギリシアの重装槍兵ホプリタイが軽装備のトゥレオフォロイに置き換えられました。トゥレオフォロイは大きな楕円形の盾(トゥレオス)を持ち、通常は兜を着用しましたが、身体の鎧や脛当ては着けていませんでした。主戦列で戦う時には、8ft(2.5m)の突く槍を使い、予備の剣を持っていました。時には彼らはユーゾノイとして行動し、スペアの代わりにジャベリンを持って散兵として展開しました。いくつかのトゥレオフォロイはチェインメイルの鎧を着用して、トラキタイと呼ばれました。

この時代の東地中海の傭兵歩兵のほとんどは、トゥレオフォロイとして働き、パイクファランクスの側面を支援するのに用いられました。

3.2.3. イクシストフォロイ

アレキサンダー大王の仲間伝統に従うヘレニズム時代の典型的な重装騎兵である、イクシストフォロイは初期のギリシア騎兵の散兵戦術を使わずに、突撃する装甲槍騎兵として戦いました。



3,2,4. カタフラクト

古代の槍騎兵の究極進化形であるカタフラクトは、頭から爪先まで装甲で覆われて、装甲馬に騎乗しています。

3.2.5 戦象

ヘレニズム諸王国、カルタゴ、そしてローマにさえも用いられた戦象は、この時代の戦争の大きな特徴でした。彼らはすべての兵種に恐れられていましたが、特に騎兵に対してはその馬を恐れさせるので効果的でした

入手するのが難しく、維持するのに費用がかかるだけでなく、彼らは危険な武器そのもののようでした。顕著な成功例としてはヘラクレアの戦い(BC280年)でのローマ騎兵の敗北、『象の勝利』(BC273年)ではガラティア騎兵とチャリオットを敗走させ、バグラダスの戦い(BC255年)ではローマのレギオンを踏み潰し、キュノスケファライの戦い(BC197年)とピュドナの戦い(BC168年)ではマケドニア軍の左翼を破壊しました。顕著な災害としてはザマの戦い(BC202年)での自軍の騎兵を、マグニシアの戦い(BC190年)で自軍のファランクスをパニックに陥れ分裂 [disrupt] させたことがあります。



3.2.6. サイズチャリオット

セレウコス朝とポントス王国によって用いられた、鋭い刃を逆立てたサイズチャリオットは敵の心を恐怖で打ち砕くように設計されていました。BC88年のアムニアス川の戦いなどで成功すれば、その効果は壊滅的になるでしょう。しかしそれらは、チャリオットの進路を避けて馬を撃つことのできる軽弓兵、スリンガー、ジャベリン兵にとっては、かなり簡単に対処することができました。

これは実際にマグネシアの戦いで起こりました。セレウコス朝のチャリオットの馬はその傷に荒れ狂い、自軍のカタフラクトとラクダ騎兵に突っ込んで暴走しました。すぐ背後を追走していたペルガメネ騎兵(ローマの同盟)はセレウコス朝の翼を一掃し、ファランクスの側面を脅かしました。安全に前進することができなくなったファランクスはローマ兵のミサイルの雨の中に立ち尽し、ファランクスの間にいた戦象がパニックを起こしてファランクスを踏み潰し、セレウコス朝の敗北に終わりました。

3.2.7. エピロスのピュロス(BC318-BC272)

ハンニバルによって、アレキサンダー大王に次いで史上二番目に優れた将軍と呼ばれるピュロスは、ローマ 軍に対して甚大な損害を被りながらも勝利した『ピュロスの勝利』によって有名です。彼は戦場でローマ軍主力を打ち負かした唯一のヘレニズムの将軍であるために、やはり彼の勝利は偉大な業績と見なすことができます。彼はまたシチリアのカルタゴ人とギリシアやマケドニアの様々なライバルに対してのキャンペーンを行ないました。 彼はBC272年にアルゴスの 街中の喧嘩で、老女が投げた屋根瓦で気絶した後に殺されました。

3.2.8. アンティゴノス朝マケドニア

アレキサンダー大王の死後、ギリシア北部のマケドニアは、アレキサンダーの帝国が彼の後継者による内戦の最初のラウンドの後で分割された3つの主要な王国のうちの一つでした(他は、アジアのセレウコス朝と、エジプトのプトレマイオス朝でした)。ローマが到来するまで、マケドニア王国はギリシアの支配勢力でした。BC215年からBC148年の間にマケドニアは、拡張してくる共和制ローマとの間で一連の戦争を戦いました。第4次マケドニア戦争の後で、BC148年にマケドニアはローマに併合されました。ローマとの戦争の時代に、アンティゴノス朝マケドニアは槍騎兵をジャベリン装備に置き換えていきました。

3.2.9. セレウコス朝シリア

セレウコス朝はアレキサンダー大王の死後に形成されたヘレニズム後継王国の中では最大の領土を持っていました。その最大版図では、エーゲ海の東海岸からインドにまで伸びていました。BC250年頃に地方のギリシャ人の反乱により、北東部のバクトリアを失いました。アンティオコス3世のグレコバクトリア王国に対する戦争に続いて、BC210年頃にセレウコス朝の騎兵は完全装甲のカタフラクトにアップグレードしました。BC192年にアンティオコスはギリシャに侵攻しましたが、BC191年にテルモピュライで、BC190年には再び小アジアのマグネシアで、ローマ軍に敗北しました。その後すぐに、ミトリダテス一世(BC170-BC138)に率いられたパルティアによって、東のセレウコス朝の領土のほとんどを奪われ、シリアとメソポタミアだけが残されました。恒常的な内戦は更なる犠牲を生み、BC63年にローマは最後のセレウコス朝王子を廃して王国の残りをローマの属州としました。

セレウコス朝の軍隊は主要なヘレニズム諸国軍の中で最も異質であり、あたかも巨大な領地の中に存在する複数の国家群であるかのように描かれていました。

3.2.10. プトレマイオス朝エジプト

エジプトのプトレマイオス王朝は、アレキサンダー大王の帝国が崩壊した結果、この主要なヘレニズム王国となりました。エジプトと同様に、初期のプトレマイオス朝は東地中海沿岸の多くを支配するために、強力な艦隊を用いてきました。BC2世紀の第2四半期までに、彼らの領土はエジプトとキプロスにまで縮小しました。この頃、ローマのレギオンの戦術を取り入れて訓練した歩兵が導入されようとしていました。王朝はマルクスアントニウスとクレオパトラの敗北と死後、BC30年にローマに併合されました。



3.2.11. ギリシャの都市国家群

この時代には、ギリシャ本土の都市国家群は非常に衰退しており、大抵多かれ少なかれマケドニアから恩恵を被っていましたが、それにもかかわらず、彼らは軍隊を配備し続けていました。伝統的な重装槍歩兵のホプリタスが、一番最初に軽装備のトゥレオフォロイへと置き換えられました。後には、幾つかの都市国家がマケドニア式パイクファランクスを配備しました。

3.2.12. グレコバクトリア王国

グレコバクトリア王国はディアドコイ戦争の時に、アンティゴノス2世が彼の領土を脅かすプトレマイオス朝エジプトとの戦争によって他所に行っている好機に乗じた、セレウコス朝のバクトリア、ソグディアナ、マルギアナの総督によってBC250年頃に建国されました。その最大版図では王国は現在のウズベキスタン、トルクメニスタン、タジキスタン、アフガニスタン、そしてイランとパキスタンの一部を カバーしていました。BC210年頃にバクトリアはセレウコス朝のアンティゴノス3世によって侵略されました。しかしこの戦争は、アンティゴノスがエウテュデモスに王位を認めた講和で終わりました。

BC180年頃、エウテュデモスの息子であるデメトリオスは、マウリヤ朝帝国が崩壊した後で混乱していたインドに侵攻し、BC175年までにインドーギリシャ王国を建立しました。その後すぐにバクトリアでのエウテュデモス王朝の転覆によって、王国はバクトリアとインドとに分裂しました。

ミトリダテス1世(BC170-BC138)の下でのパルティアによるセレウコス朝の東方領土の征服は、グレコバクトリア王国とインドーギリシャ王国とを、西方との直接の接触から切り離しました。その後、バクトリア王国の領土は遊牧民族の大月氏によって蝕まれ、最後のグレコバクトリア王の ヘリオクレスはバクトリアを放棄し、BC130年頃にインドの領地に後退しました。

グレコバクトリアの軍隊には、ヘレニズム様式の歩兵と、いくつかは非常に重装甲であった地元の騎兵、騎馬弓兵などが混在していました。

3.2.13. グレコインド王国

BC180年頃、グレコバクトリア王デメトリオスは、マウリヤ朝帝国が崩壊した後で混乱していたインドに侵攻し、BC175年までにインドーギリシャ王国を建立しました。その後すぐにバクトリアでのエウテュデモス王朝の転覆によって、王国はバクトリアとインドとに分裂しました。BC155年頃からBC130年頃までのメナンドロス1世の治世下では、インドーギリシャ王国はインドの北部から北西部の大部分へと大幅に拡張しました。その後、ギリシャ人の支配地域の東西には 少くとも二つの独立したインドーギリシャ王国が存在していました。BC70年頃に大月氏が西方の王国のほとんどを平らげました。最後のインドーギリシャ王国の王ストラト2世は、AD10年頃にインドースキタイ人によって倒されるまで、パンジャブ東部を支配していました。

グレコインド王国の軍隊には、ヘレニズム様式と地元のインド様式が混在していました。

3.2.14. アッタロス朝ペルガモン

西小アジアのペルガモンの大都市の総督であったエウメネス1世は、BC262年にセレウコス朝からの独立を果たしました。ペルガモンは、ローマの対マケドニアの第一次、 第二次、第三次マケドニア戦争と、対セレウコス朝のシリア 戦争で、ローマと同盟しました。ローマとペルガモンによるBC190年のマグネシアでのセレウコス朝に対する勝利の後で、エウメネス2世はトロス山脈より西側のセレウコス朝の領土をすべて獲得しました。BC133年のアッタロス3世の死後、彼の意思によって王国はローマに遺贈されました。彼の庶子のアリストニコスが反乱を起こしましたが、BC129年に鎮圧されました。

文化的にはヘレニズム様式でしたが、ペルガモンの軍隊にはマグネシアの戦いの後で領土を確保するまでは、パイクファランクスが欠けていました。

3.2.15. ポントス王国

ポントス王国は黒海東部の南側にある小さなヘレニズム王国で、BC281年頃の継承者戦争中に独立を確保しました。BC115年から、ミトリダテス6世の治世下で拡張を始め、クリミアのボスポロス王国を征服しました。ミトリダテスが小アジアの近隣国に侵入し始めた時に、ローマ元老院による命令で撤退を余儀なくされました。BC88年に戦端が開かれ、地方のローマ軍と同盟軍によるポントス侵攻の試みは散々な敗北に終わり、勝利を収めたポントス軍は小アジア全体を併合してギリシャへ進出しました。しかし彼らはそこでローマに破れ、ミトリダテスは撤退して和平を受け入れざるをえませんでした。さらに2つのミトリダテスの戦争が続いて、ミトリダテスは遂にはボスポロスへ逃がれ、BC63年に息子のファルナケスが反乱を起こした時に自殺しました。ファルナケスはローマ内戦の時にポントス王国の奪回を試みましたが、BC47年にゼラの戦いでカエサルに敗北しました。

ポントスの軍隊は周辺の多くの部族の傭兵によって補完され、地元のヘレニズム様式とカッパドキアの兵士が混在していました。彼の最初の敗北の後に、ミトリダテスは彼の歩兵を紛い物のレギオンとして再編成しました。

3.2.16. ボスポロス王国

ボスポロス王国は、初期にはヘレニズム系トラキア人のスパルトコス朝によって、続いてはポントス王国のミトリダテス6世と彼の子孫に、その後はローマの属国として、黒海北部のクリミアとタマン半島のギリシャ植民地回りを中心に支配していました。その軍隊は、傭兵、地元の民兵、サルマタイ式の槍兵として装備した貴族の混成でした。
3. 勢力 2 (カルタゴ〜ケルティック)
3.3. カルタゴ

北アフリカの都市であるカルタゴは、現在のチュニスの郊外で、ティルスのフェニキア人の都市でした。この時代の始めに、カルタゴは北アフリカ、シチリア、サルデーニャ、コルシカ、南ヒスパニアに通商帝国を築いていました。第一次ポエニ戦争の最中と後で、ローマにシチリアとサルデーニャとコルシカを奪われた後に、カルタゴはハンニバルの父ハルミカルバルカの指揮の元でヒスパニアに帝国を拡張することに集中しました。BC228年にハミルカルが死んだ後、彼の娘婿の美男子ハスドルバルが指揮を引き継ぎました。しかし彼はBC221年に暗殺され、続いてハンニバルが指揮官となりました。彼はヒスパニアにあるローマの同盟都市サグントゥムをBC219年に包囲攻撃して占領し、第二次ポエニ 戦争の火蓋を切りました。

ハンニバルは常に最高の将軍の一人として有名です。戦争をローマの玄関口まで持ち込む為にBC218年に行なった彼のアルプス越えは、 彼の戦象のほとんどが行軍の後の劣悪な環境の中で、トレビアの戦いの後に死んでしまったとしても、軍事史に残る卓越した業績の一つとして賞賛されています。戦場で彼と戦うのは愚か者であると言っていい程に、彼はローマ軍に対して勝利に継ぐ勝利を重ね、その最も有名なものがBC216年のカンナエの戦いでしたが、彼はローマそれ自身を得ることには決して成功しませんでした。結局のところ、ローマ人は戦いを避けることを学び、単にハンニバルを南イタリアに封じ込めました。そしてその間に、ローマ軍はヒスパニアにあるカルタゴの拠点を征服しました。やがてローマ軍は北アフリカに上陸してカルタゴ本国を脅かしました。ハンニバルは呼び戻されましたが、BC202年にザマの戦いでスキピオアフリカヌスに敗北しました。彼はBC183年頃に亡命の地で没しーローマに引き渡されるよりも自殺を選びました。

BC201年の第二次ポエニ戦争の終わりにその帝国の大部分を失って屈辱的な和平を結んだ結果、カルタゴはもはや列強ではありませんでした。BC149年にローマは虚偽の口実で再びカルタゴに宣戦布告しました。BC146年にカルタゴが陥落した時、都市は破壊され、市民は殺され、奴隷として売られました。

3.3.1. カルタゴ軍

カルタゴの軍隊は、ローマにもヘレニズム様式にも追従していませんでした。彼らはパイクファランクスを 用いませんでした。その代わりに彼らの軍隊は、ヌミディア、リビア、ヒスパニア、ガリアなどを含む西部地中海全域から募集した傭兵で大部分が構成されていました。彼等の最も重装備の歩兵はスピアを装備したファランクスとして編成されました。彼らは良質の騎兵を多く募集する傾向があり、通常はローマ軍に対して騎兵の優越がありました。彼らはまた戦象も用いました。

3.4. シラクサ

シラクサはシチリア島の南東の海岸にあり、BC8世紀にコリントスとテネアからのギリシャ人の入植者によって建設されました。シラクサは(第一次ポエニ戦争前に)カルタゴが西部を支配している間に、シチリア東部の支配的な勢力となりました。2つの国家は頻繁に争っていました。

第二次ポエニ戦争中に、シラクサはローマに対抗する為にカルタゴと同盟して、自らの運命を封じ込めてしまいました。3年間の包囲攻城の後、BC211年に都市はローマに占領され略奪されました。攻城戦の間に、シラクサの偉大なる数学者でありエンジニアでもあったアルキメデスは、様々な『秘密兵器』を考案し、都市防衛に用いられました。これらの中には、太陽光線を鏡で集めてローマの軍船を焼くのに用いられた彼の有名な『デス・レイ』や、クレーンの先につけた鉤爪を軍船を転覆させるのに用いた『アルキメデスの鉤爪』などがあります。現代における最近の実験で、これらの兵器を再現する試みでは、それらが明白に機能するものであると検証されました。アルキメデスは都市の略奪の最中に殺されました。

シラクサの軍隊は、伝統的なギリシャのホプリタス槍兵を主力として、様々な傭兵で支援されていました。

3.5. ヒスパニア

この時代のイベリア半島の部族は、イベリア人、ルシタニア人、ケルティベリア人の3つの主要な部族に分かれていました。



彼らの多きな楕円形の盾(スクートゥム)の為にローマ人によってスキュタリと呼ばれ、ヒスパニア(イベリア人)の歩兵は後に多くが、カルタゴやローマの傭兵や同盟者として見受けられました。重ジャベリンや剣で武装した彼らのチャージは、獰猛で抵抗し難いものでした。彼らは勝利すると秩序を失ないましたが、敗北には毅然として、しばしば必死の自殺的なチャージを行なったり、攻城されて降伏するよりむしろ集団自決を選びました。

彼らはヒスパニアの険しい木々の茂った丘陵を移動する機動性で有名でした。彼らは待ち伏せ攻撃と、あらゆる形態のゲリラ戦を好みましたーヒスパニアでのローマ鎮定は長く苦しいプロセスであり、この時代の終わりまで 完了しませんでした。彼らの散兵は、その小さな丸い盾(カエトラ)によってローマ人にカエトラティと呼ばれました。彼らの騎兵は数は少ないながらも良質でした。

ケルティベリア人はケルト人の起源でした。彼らのスキュタリはイベリア人と同様な装備でしたが、荒れた荒廃した地形にはあまり適しませんでした。

ルシタニア人の歩兵はすべて、スキュタリと言うよりはカエトラティですが、少なくとも白兵戦用の装備を持ち、メイルを着込んでいました。

3.6. ヌミディアとムーア人

古代ヌミディアとムーア人は北西アフリカに住む半遊牧民族のベルベル族でした。ヌミディア王国はカルタゴの西にあり、それを越えたムーア人の王国でした。



ヌミディア人とムーア人の騎兵と歩兵は、主にジャベリンの散兵として戦っていましたが、彼らはジャベリンだけでなく、卓越した速度と敵のチャージを回避する機動性によって、敵に嫌がらせを行なう役割に熟練していました。カルタゴはポエニ戦争中にローマに対して、ヌミディアの騎兵と歩兵を多く用いました。BC216年のカンナエの戦いでは、カルタゴ軍右翼のヌミディア騎兵は相対するローマ軍騎兵と小競り合いを行ない、左翼のヒスパニアとガリアの騎兵が相対するローマ騎兵を圧倒し、ローマ軍の後方に回り込んでローマ軍歩兵の後方に殺到する前に、反対側のローマ軍の翼の騎兵を攻撃するまでの間、戦闘から十分に遠ざけておく働きをしました。彼らは待ち伏せや他のトリックを好んで用い、地形をうまく使いました。彼らは逃走する敵を追撃する時には最善を尽くしましたが、彼ら自身が逃走に追いやられると停止する危険を犯す前に2〜3日も逃走し続けました。

ローマ軍の影響下で、歩兵の白兵戦戦闘の訓練を開発する様々な試みが行なわれました。ヌミディアのユバ1世は、ローマ内戦ではポンペイウス陣営に与しました。マウレタニアのボグド(ボグス)はカエサル陣営に与しました。

3.7. ケルティック

3.7.1. ガリア人

ガリアとローマの関係の歴史は、何世紀にもわたる矛盾の一つです。BC387年に、ブレンヌスが率いるセノネス族はローマ軍を打ち負かし、ローマそれ自身を略奪しました。これは、ローマとガリア部族との関係を永遠に色付けるトラウマでした。北イタリアのガリア(ガリア・キサルピナ)は危険なままで、BC225年のテラモンの戦いでのガリア敗北まで、ローマは幾度となく敗北しました。7年後にハンニバルが第二次ポエニ戦争を始めて、イタリアに侵攻した時にはボイイ族とインシュブレス族が彼に加わり、彼のローマに対する多くの勝利に貢献しました。BC121年に南ガリア(トランスアルペン ガリア)がローマの属州に組込まれました。BC58年、ヘルウェティイ族の大量移住はユリウスカエサルにガリアの征服を開始するきっかけを与え、これは彼らの仇敵に対するウェルキンゲトリクス指揮下でのガリアの最後の効果的な防御戦となった、BC52年のアレシアの包囲戦で最高潮に達しました。ガリアに対する『野生の蛮族』の一般的なイメージとは対照的に、彼らの歩兵は通常は、近距離のフォーメーションではきちんとした指揮統制下で前進し、その前進は獰猛な集団チャージで最高潮に達しました。ガエサタエのように勇猛な兵士は、しばしばその盾と武器を除いては裸で戦いました。



ガリアの歩兵は主に密集して戦っていましたが、しばしば盾を重なり合わせて、荒れた地形では不利でした。しかし一部の丘陵の部族はその慣れ親しんだ地形で広がって戦いました。ガエサタエは、ガリアの戦士集団でした。彼らは通常のガリアの盾と武器以外は、裸で戦いました。大きなガリアの軍隊は、通常は幾つかの部族の連合軍でした。

ガリアの軍隊はまた非常に優れた騎兵を、しばしば多数に渡って配備していました。.

3.7.2. 古代ブリトン人

ユリウスカエサル指揮下のローマ軍は、BC55年とBC54年にブリテン島に上陸しましたが、その当時は永続的な征服を行ないませんでした。しかしそれはAD43年にクラウディウス皇帝が、アウルスプラウティウス指揮下でブリテン島に本格的な侵攻を開始するまででした。低地のブリテンの部族は、非常に機動性に優れた軽チャリオットを数多く使用し、急速に戦場で敵に恐怖を伝染させました。彼らの騎兵はガリアの同等のものよりも軽量でしたが、チャリオットと密接に強力して活動するのには理想的でした。しかし軍隊のほとんどは歩兵で構成されていました。これらのほとんどは、ジャベリンと剣を持って荒々しくチャージしましたが、特に南西部の部族などではスリング部隊も多く配備されていました。BC54年に最初の敗北を被った後に、カッシウェラウヌスは歩兵のほとんどを故郷へ戻し、自らの4000のチャリオットを使ってカエサルに対してゲリラ作戦を繰り広げました。

3.7.3. ガラテヤ人

ガラテヤ人はケルティック部族のグループであり、BC280年にマケドニア、ギリシャ、トラキアを侵略しました。彼らは最終的にはマケドニアのアンティゴノスゴナタスによって、追い払われました。トロクミ、トリストボギ、テクトサゲスの三部族は、彼の兄弟に対しての彼らの助けを求めたビテュニアのニコメデス1世の招きに応じて小アジアに渡りました。彼らの前進は小アジアを荒廃させました。最終的には彼らはセレウコス朝のアンティオコス1世に、BC273年の『象の勝利』の戦いで、騎兵とチャリオットとサイズチャリオットがセレウコス朝の象によってパニックに陥って敗北しました。その後、彼らはアナトリア中央部に定住し、以降その地域はガラテアとして知られました。彼らは襲撃を行なったり傭兵として雇われたりして、糊口を凌いでいました。

BC189年、彼らはグナエウスマンリウスウルソ指揮のローマに敗北し、それ以降彼らの勢力は落ちました。ポントスのミトリダテス6世の治世の間、彼らはポントスの覇権のもとに入りました。BC64年のミトリダテスの敗北にともない、ガラテアは三つの部族の族長(テトルラキア)の下で、ローマの属州となりました。トリストボギのテトラルキアのディオタルスは、すぐ後にローマによって王の地位を得ました。彼は軍隊をローマ式のレギオンに再編成しー完全編成のレギオンを2つ編成しました。ポントスのファルナケスによって、ドミティウスの敗北で重大な損害を被った後、生き残りを一つのレギオンに再編成し、BC47年のゼラの戦いでのファルナケスに対するカエサルの勝利に貢献しました。BC25年にガラテアがローマに併合された時、これらの部隊は第22軍団デイオタリアナ[Legio XXII Deiotariana]となりました。彼らはエジプトに赴き、アレキサンドリアに駐屯しました。レギオンは恐らくサイモンバルコクバの反乱(AD132-AD135)の時にユダヤ人によって破壊されたでしょう。
3. 勢力 3 (イリュリア〜インド)
3.8. イリュリア

イリュリアは、アドリア海の東でギリシャの北西に位置していました。イリュリアの部族は、陸と海で襲撃して奴隷や略奪品を奪うのを好みました。ほとんどの古代の人々とは異なり、彼らは奴隷を武装させ、戦いでは彼らの横で戦わせました。

この時代、イリュリアは鍛え抜かれた槍兵で戦いました。ローマとはBC229年以来、一連の戦争を戦ってきましたが、最後の部族はAD9年に制圧されました。

3.9. トラキア

マケドニアとギリシャの北東の、ヨーロッパ南東の広い地域に住むトラキア人は、その時間のほとんどを自分達の間の戦いに費していました。トラキアの一部はマケドニアに、やがてはローマに断続的に支配されました。



ヘレニズム時代、彼らの歩兵の多くは、長い持ち手の先に、カーブの内側に刃のついた湾曲した刀身を持つ、致命的な両手持ちの偃月刀を装備していました。これは四肢を切り払うことができました。また彼らはジャベリンか弓を持つ多くの軽騎兵と、いくつか貴族の装甲騎兵を持っていました。

3.10. スパルタクスの奴隷反乱

BC73年、スパルタクスはカプアのレントゥルス・バティアトゥスの学校を襲った70人の剣闘士の一人でした。反乱軍は当初は襲撃に台所用品を使っていましたが、脱出する際に数台分の剣闘士の装備を手に入れました。彼らは彼らを捕える為に送られてきた小規模な部隊を打ち負かし、その武器と防具をその兵器に加えました。数週間のうちに、反乱軍はヴェスヴィウス山の斜面のより防御に適した場所に移動し、更に多くの奴隷が逃げ出して彼らに合流しました。より大規模なローマの民兵が奴隷を包囲しましたが、蔓と梯子を使って奴隷部隊の一部が通れない筈の斜面を下り、背後からローマのキャンプを襲いました。戦いの結果は、ローマが包括的に敗北したように見えました。

スパルタクスの軍隊は更に大きくなり、プブリウスウァリニウス指揮下の別のローマ軍を打ち負かしました。BC73年の終わりまでには、奴隷軍隊の規模は70,000人と女子供でした。BC72年に奴隷は北上を開始し、彼らのまだなお膨張する軍勢を少なくとも二つに分割しました。小規模な方の部隊はクリクススに率いられたが、ルキウスゲッリウスプブリコラの率いるローマ正規軍によって捕えられ敗北しました。しかしスパルタクスは、元老院が安穏としている間にローマのすぐ近くに現われました。ゲッリウスが奴隷軍を罠にかける為に移動している間に、いくつかの急遽編成されたレギオンが、スパルタクスのローマへの進路を塞ぐために送られました。スパルタクスは軍を分割し、小規模な部隊でローマ主力軍を忙しくしている間に、方向転換してゲッリウスを打ち負かし、そして全軍で取って返してローマ主力をも打ち破りました。

この時にスパルタクスはローマ攻撃に同意せず、代わりに今や120,000人以上を数える軍を南へと向けました。翌年、反乱が深刻な問題と認識され、マルクス・リキニウス・クラッススが率いる8個レギオンに奴隷の後を追わせました。奴隷軍はイタリア半島の爪先に閉じ込められ、クラッススはムンミウスの指揮下で2個のレギオンに、交戦せずにスパルタクスの背後を突くように命じました。栄光のチャンスと見てムンミウスは命令に反抗し、敗北しただけでした。クラッススは彼の主力軍で攻撃し、その最初に主力奴隷軍は数千の死傷者を出して敗退しました。

スパルタクスは海からシチリアへ脱出する方法を見つけようとしましたが、叶いませんでした。奴隷たちはイタリア半島の爪先にあるレギウムに向かって後退し、クラッススのレギオンは奴隷を閉じ込めるために、地峡部を横切る城塞線を建設しました。さらにポンペイウス指揮下の精鋭ローマ軍が近づくにつれて、奴隷たちは絶望的な突破を試みましたが、クラッススのレギオンによって捕えられ、さらに2つの戦いで敗北しました。スパルタクスは戦いの中で死亡したものと、考えられています。5,000人の奴隷がポンペイウスに捕えられて虐殺され、6,000人の奴隷がクラッススに捕えられて、カプアからローマに至る街道沿いに磔にされました。

3.11. ユダヤ王国

BC167年にユダヤの司祭であったハスモン朝の始祖マタティアは、セレウコス朝アンティオコス4世によるユダヤ教の宗教的行為を禁ずる命令に対して反乱を起こしました。彼の息子であるユダマカバイはユダヤ人の反乱を率いてセレウコス朝の軍隊に数度勝利しましたが、BC160年にエラサの戦いの敗北で殺されました。彼の兄弟であるヨナタンとシモンはなお戦い続け、ユダヤの独立を確保して司祭王のハスモン朝を確立しました。

内戦とローマの介入の結果、ハスモン朝に代わってイドマヤのヘロデ大王がBC37年までに完全に権力を掌握しました。彼はBC4年に亡くなるまでローマの従属国として治めました。彼の王国はアウグストゥス皇帝により、3人の息子たちーガリラヤをヘロデ・アンティパスに、ゴラン高原の地域をピリッポスに、ユダヤ(サマリアとエドムを含む)をアルケラオスに、分割されました。後者は失政を行なったため、彼の国民の要求によってAD6年にローマによって罷免されました。ユダヤは、シリアのローマ属州の自治区となりました。

死海文書の一つの記述『闇の息子たちに対する光の息子たちの戦争』では、ハスモン朝のユダヤ軍はヘレニズム様式のトゥレオフォロイと、それを支援する軽歩兵と重および軽騎兵で大部分が構成されていたようです。パイクファランクスが既に配備されていたかどうかは不明です。後にはレギオンの紛い物が含まれたかも知れません。

3.12. スキタイ/サカ

この時代の始めに、スキタイ/サカはユーラシア大草原の主要な遊牧民族でした。サカとは、ペルシャ人によって、マッサゲタイ、ダアイ(パルティアになったパルニを含む)、そして多分BC130年頃のグレコバクトリア王国征服の前の大月氏を含む彼らの東方の部族に与えられた名前です。いくつかのインドスキタイ王国がBC1世紀の初期に西部インドに建国されました。

スキタイ/サカの軍隊は騎馬弓兵を主力として散兵戦術に卓越していました。

時代を追うに連れ、彼らはサルマタイによって西部の領域から徐々に追われていきました。

3.13. サルマタイ

この時代、サマルタイは西部のスキタイを彼らの領土の大部分から押し出しました。彼らの勢力の最高潮の時には、彼らはボルガ河からドナウ河までを支配しました。



サマルタイの軍隊の主戦力は騎兵でした。イアジィゲスとシラカエの騎兵はこの頃までは、ほとんどが槍騎兵で、弓は携行しても戦場ではほとんど使いませんでした。人と馬の為のスケイルアーマーは一般的で、時には金属で、主には動物の角や塗装した革を使いました。シラカエの槍騎兵の多くは防具なしでした。ロクソラニは槍を採用するのが遅く、彼らの騎兵の多くは旧式なスタイルで、弓、軽スピア、柳で編んだ盾、レザーアーマーを装備していました。

サルマタイの女性の中には、男と同じ服を着て、長い髪を編み、戦士として戦ったものもいます。サルマタイの軍隊は十分な数の歩兵も持っていました。

3.14. パルティア

パルティア王国はその最大版図では、現代のイラン全域とその周辺地域の一部にまで拡がっていました。BC250年頃、パルニ(サカ ダアイの傍流)の遊牧民によってカスピ海南東部に既にあったパルティア地方に建立された王国は、アルサケス朝によって統治されました。パルティアは東、南、西へと拡がり、セレウコス朝王国の東部諸州を占領しました。結局のところ、それは拡張するローマ帝国との争いを招きました。パルティアは東でローマの拡張を阻むのに成功し、彼らの軽弓騎兵と重装甲カタフラクトの組合せがレギオンに優ることを証明してみせました。二つの帝国は、AD225年にパルティア王国が臣下だったサーサーン朝ペルシャに倒されるまで、不穏な隣人の関係が続きました。


3.15. アルメニア

アルメニアの山々がこの期間の間、偉大な帝国からの独立を守るることを、可能にしてくれました。

ティグラネス大帝(BC95-BC55)の治世において、アルメニアは絶頂期を迎え、遊牧民の侵入で弱体化したパルティア王国の残りや、セレウコス朝の残骸を吸収し、メソポタミアやシリアやメディアーアトロパテネなどを含む短命な帝国を獲得しました。ポントスのミトリダテス6世と同盟し、彼の娘のクレオパトラを娶り、ティグラネスはミトリダテスがBC70年にルクッルスのローマ軍に敗北した後でアルメニアに避難することを許しました。ローマはミトリダテスを引き渡すように要求しました。ティグラネスは拒否し、翌年ルクッルスが侵攻しました。彼は、アルメニア軍をティグラノセルタの戦いとアルタシャトの戦いの二度打ち負かしましたが、ティグラネスもミトリダテスも捕えることができずに、呼び戻されました。ミトリダテスは8,000の兵と共にポントスに戻りました。BC66年にポンペイウス指揮下の新しいローマ軍がアルメニアに全面侵攻を行ない、ティグラネスは降伏しました。彼は自らの帝国を諦めざるを得ませんでしたが、元々の王国は安堵され、BC55年に彼が85歳で死ぬまでローマの従属国として治めました。

アルメニアの軍隊はカタフラクト、騎馬弓兵、ジャベリンか弓を装備した多数の山岳歩兵の混成部隊です。

3.16. インド

古代インドの軍隊は、象、チャリオット、騎兵、歩兵の4つの部門で構成され、威信の高い順になっています。象とチャリオットは恐るべきものでしたが、騎兵の質はそれ程ではありませんでした。歩兵の大多数はアーマーを持たない弓兵でしたが、そのうちいくつかはジャベリンと盾を装備していました。
4. ゲームのプレイ
4.1. 新しいプレイヤー
4.2. シングルプレイヤーゲームを始める
5. クイックバトル
6. カスタムバトル
6.1. アーミー
6.2. シナリオタイプ
6.2.1. オープンバトル
6.2.2. 増援(敵軍)
6.2.3. 増援(自軍)
6.2.4. 側面行軍へ送る
6.2.5. リアガード
6.2.6. アドバンスガード
6.2.7. 最高指揮官を取り除く
6.2.8. 輜重馬車の護衛
6.3. フォースのサイズ
6.4. マップのサイズ
6.5. マップのタイプ
6.6. フォースの選択
6.7. 上級オプション
7. エピックバトル ー 史実シナリオ
8. マルチバトル キャンペーン
8.1. サンドボックスキャンペーン
8.1.1. アーミー
8.1.2. 最初のバトルのサイズと最後のバトルのサイズ
8.1.3. バトルの数
8.1.4. 難易度の設定
8.2. プリセットキャンペーン
8.3. キャンペーンバトル
8.4. ユニットの昇進
8.5. 損害
8.6. 守備隊
8.7. 戦略的決定
8.8. 徴兵
8.9. リプレイ
8.10. 難易度
8.11. 勝利
9. バトル
9.1. カメラコントロール
9.1.1. スクロール
9.1.2. ズーム
9.1.3. ローテート
9.1.4. ピッチ/ティルト
9.1.5. 他のホットキー

9.2. フォースの選択


各バトルを始める前に、シナリオでフォースがプリセットされているか、あなたが自動選択を選んだか、カスタムバトルで適当に任せたのでない限り、フォースの選択ディスプレイが表示されます。いくつかのユニットは固定されており、これらは歴史上の軍隊の中核ユニットです。残りはあなたの選択に応じて利用可能です。指定されたポイントの上限まで、使用可能なものの中から選択することができます。利用可能なポイントは、あなたがセットした難易度に応じて決まります。ユニットリストの上にマウスオーバーすると、ユニットの外観と急い能力値が、基本的な説明のテキストとともに表示されます。

ユニットリスト上で左クリックすると、バトルに展開するフォースにそのユニットが 加えられ、右クリックすると取り除きます。購入した(茶色にハイライトされた)ユニットは、マップ上で他のユニットを選択していない時には、マップ上で右クリックして取り除くこともできます。エピックバトルでは、まだ購入していない(青色にハイライトされた)ユニットを、マップ上でクリックして選択することができます。

あなたは、"Autofill"を押すことによって、残ったポイントを使って自動購入させることもできます。自動購入した後でも、ユニットを取り除いて別のものに交換することができます。

ほとんどのエピックバトルではユニットの位置はー史実の配置に従ってー決められています。しかしいくつかのカスタムバトルでは、フォースを選択した後あるいはその最中に、あなたの軍隊の配置を変更することができます。ユニットをクリックまたはドラッグして手動で動かしたり、Autodeployを選択して現在選択しているユニットを現実的なフォーメーションの中に自動的に配置させることができます。自動配置させた後でも、手動でユニットを動かすことができます。

9.3. バトルフィールド

バトルフィールドは不可視の正方形のグリッドで覆われています。各ユニットは1つの正方形(タイル)を占めます。ユニットはスクエアからスクエアへと移動し、スクエアとスクエアの間で中途半端に止まることはありません。ユニットは8方向に向くことができます。対角線への移動は、直線移動の1.5倍のAP(アクションポイント)のコストが掛かります。

一つのスクエアに複数のユニットが存在することはできません(軽歩兵は他のユニットを通り抜けて、反対側に移動することができます)。

建物、森林、丘陵は視線をブロックします。あなたは視線が通り、かつ視程レンジ内のタイル上にいる敵ユニットしか見ることはできません。あなたが見通すことのできないスクエアは暗くなりー『戦場の霧』を表します。

敵を隠蔽しているかもしれない隠蔽地形の端にあるスクエアは、オプションがオンになっていれば、黄色い疑問符でマークされます。

異なる地形タイプは異なる影響を持ちますー以下の地形セクションを参照してください。

9.4. バトルフィールドディスプレイ

現在選択しているユニットの情報が、スクリーンの左側に表示されます。選択していない自軍のユニットあるいは敵ユニットの情報が、そのユニットの上にマウスオーバーさせると、スクリーンの右側に表示されます。ユニットの利用可能なAP、部隊タイプ、クオリティ、レーティング、アーマー、戦闘能力、結束力の状態が表示されます。



より詳細なユニットの情報は、右側のツールメニュー(下記参照)から詳細なユニット情報への切り替えを選択するか、ユニットをCTRL-左クリックして表示できます。

9.4.1. 現在のスコア

スクリーンの左上には各陣営の、現在敗走[routed]している、あるいは消滅[dispersed]したユニットの%が表示されます。敗走%の差もー勝っている側は緑色で、負けている側は赤色で表示されます。

9.4.2. ブリーフィングパネル

スクリーンの左上にあるボタンを使ってブリーフィングパネルを開くことができます。

ブリーフィングパネルにはバトルの勝利条件と、用意されている簡潔な説明が表示されます。また退却[Retreat]ボタンと設定[Settings]ボタンも含まれます。退却ボタンを選択して確定した場合には、プレイヤーは敵の勝利を認めたものとみなされます。

9.4.3. ターン終了ボタン

ターン終了ボタンはスクリーンの右上にあります。これをクリックすると、本当にターンを終了するのか確認を求められます。確認[Confirm]ボタン以外のどこかをクリックしてターン終了をキャンセルすることもできます。ターン終了ボタンには現在のターン数と残りターン数も表示されます。

9.4.4. ツールメニューボタン

スクリーンの左下と右下にはツールメニューを開くボタンがあります。ここには以下のボタンが含まれています:

トグルブリーフィング[Toggle Briefing]
このボタンはブリーフィングパネルを開いたり閉じたりします。



トグルユニットリスト[Toggle Unit List (L ホットキー)]
スクリーンの左下のツールボタンを選択し、トグルユニットリストを選択するかキーボードでLキーを押すと、ユニット(回復できずに消滅した、あるいは現在 バトルフィールドにいないものを除く)のリストが得られます。すでに移動し終えたユニットはグレーで表示されます。


射撃能力を持つユニットで、現在有効な射撃目標を持ち、このターンにまだ射撃していないユニットには、黄色で"Can Shoot"が表示されています。このターンに解決する白兵戦を持つユニットにはオレンジ色で"Melee Due"が表示されます。リスト中のユニットをクリックして選択することができます。

損害[Casualties (K ホットキー)]
このボタンは、ここまでの両陣営の損害を表示します。


トグル戦闘ログ[Toggle Combat Log (C ホットキー)]
このボタンは、戦闘ログをトグルします。これはゲーム中の各白兵戦闘解決に適用される、すべての要素と修正値の詳細を表示します。


トグルトップビュー[Toggle Top View (M ホットキー)]
このボタンは、トップダウンビューと投影ビューとをトグルします。


ロード/セーブ
このボタンは現在のゲームをセーブしたり、以前にセーブしたゲームをロードできます。

次の未移動[Next Unmoved (TAB ホットキー)]
このボタンは、このターンにまだアクションを実行していないユニットをサイクル表示します。

次の未射撃[Next Unshot (B ホットキー)]
このボタンは、このターンにまだ射撃しておらず目標を持つユニットを サイクル表示します。

トグル火線[Toggle Line of Fire - LOF (1 ホットキー)]
このボタンは、選択したユニットの火線の表示をトグルします。これは地形の影響だけを考慮しており、邪魔なユニットがブロックする影響を考慮していない点に注意してください。

トグル視線[Toggle Line of Sight - LOS (2 ホットキー)]
このボタンは、選択したユニットの視線の表示をトグルします。これは地形の影響だけを考慮しており、邪魔なユニットがブロックする影響を考慮していない点に注意してください。

トグル指揮範囲[Toggle Command Range (3 ホットキー)]
このボタンは、選択した将軍の指揮範囲の表示をトグルします。

トグル詳細ユニット情報[Toggle Detailed Unit Info (ユニット上でCTRL-左クリック)]

選択されている又はクリックしたユニットの、詳細な情報を表示します。

バトルフィールドディスプレイに表示されている情報に加えて、これは様々な敵対するユニットタイプに対して、白兵戦でユニットに適用されるポイントオブアドバンテージ(POA)を、すべて表示します。

9.5. 戦場でのユニットの識別

9.5.1. モデル
各ユニットは、幾つもの史実を再現したモデルによる適切なフォーメーションで構成されています。

歩兵と騎兵の場合、シナリオが標準的な再現スケールを使っていば、1つのモデルは60人を再現しています。

しかしいくつかのシナリオやキャンペーンでは、異なる再現スケールを使っており、そのような場合には、人数や死傷者数のすべてがそれに応じてレポートされます。被った死傷者数に比例して、ユニットからモデルが取り除かれます。
キャンペーンにおいては、時にバトルの開始時からユニットが 戦力低下している事があり、そのような場合には、それらはバトルの 開始時から少ないモデルを持ちます。彼らのオートブレイクポイント(以下の結束力セクションを参照)は、そのユニットタイプの完全戦力ではなく、バトル開始時の戦力に基づいています。

9.5.2. バナー
各ユニットは、以下の情報を提供するバナーを持ちます。
  • バナーの色は、ユニットの所属する陣営を示します。
  • バナーの向きは、ユニットの方向を示します。
  • バナーの大きさと飾りは、ユニットに将軍が含まれているかどうかを示します。
  • バナーの布の部分は、ユニットが損失を被るにつれ引き裂かれます。
  • ユニットが分裂[Disrupted]している場合はバナーの上部が黄色くなり、分断[Fragmented]された場合はバナーの上部が赤くなります。ユニットが敗走[Routed]している場合はバナー全体が白くなります。
  • 以下の結束力(モラル)セクションを参照してください。
  • プレイヤーのユニットのバナーは、移動を終えると暗くなります。
10. 将軍


バトルの開始時に、あなたの軍隊はコマンドの中に分割されます。クイックバトル、カスタムバトル、キャンペーンでは、すべての軽量ユニットではないコマンドは自身の将軍を持っています。史実シナリオでは将軍の割当はシナリオデザインの一部です。

ユニットをあるコマンドから別のコマンドへ変更することができるのは、配置フェーズ(存在する場合)の間だけです。

ユニットを選択すると、そのコマンド内の他のユニットと指揮する将軍がハイライト表示されます。

将軍のユニットを選択して3のホットキーを押すと、その指揮範囲内のタイルがハイライト表示されます。

10.1. 指揮範囲 [Command Range]

ライン・オブ・コマンド内にある将軍の指揮範囲外にあるユニットは、コマンドコントロールが減少します。それらは指揮範囲にあるユニットに許されているターン毎に自由に45°方向を変える能力を失います(これはたいしたハンディキャップでは無いかのように聞こえるかも知れませんが、実際には重大な不都合を引き起こす可能性があります)。ただしこれが45°の方向転換を含んでいても、少なくとも1スクエア移動することはできます。


指揮範囲はプレイヤーターンの開始時に決定されます。その時点で指揮範囲内にあるユニットは、そのコマンドコントロールを得ている将軍が無効にされない限り、プレイヤーの次のターンまで指揮範囲にあるものと見なされます。ターン開始時に指揮範囲外のユニットは、たとえその前に将軍が範囲内に移動してきても、プレイヤーの次のターンまで指揮範囲外に留まります。

このターンに指揮範囲内にあるユニットは、同じコマンドのユニットを選択すると、そのタイルがハイライト表示されます。指揮範囲外のユニットはそうなりません。

スクリーンショットでは、選択したチャリオットのユニットは指揮範囲内にあります。軽騎兵はそうではありません。軽騎兵はスクリーンの下の情報パネルに"Reduced CC"と表示されています。


指揮範囲は将軍の指揮能力によって異なります。将軍のユニットを選択し、指揮範囲表示をトグルすることによって(上記参照)、その将軍の指揮範囲を見ることができます。『部隊指揮官 [Troop Commanders]』は4スクエアの指揮範囲を持ち、『野戦指揮官 [Field Commanders]』は8スクエアの指揮範囲を持ち、『最高指揮官 [Great Commanders]』は12スクエアの指揮範囲を持ちます。

白兵戦闘中、追撃中、敗走中の将軍は指揮範囲を持ちません。なのでプレイヤーターンの開始時にこれらの状況が起きている場合には、指揮範囲内にライン・オブ・コマンド内の別の将軍が存在しない限り、それらのユニットのコマンドコントロールは減少します。

10.2. ライン・オブ・コマンド

C-in-C (最高指揮官)はどのユニットにもコマンドコントロールを提供できます。副将軍は、同盟軍ユニット以外にコマンドコントロールを提供できます。同盟軍の将軍は自身のコマンド内のユニットにしかコマンドコントロールを提供できません。

10.3. 白兵戦闘中の将軍

白兵戦闘中のユニットといる将軍は、その戦闘で戦っているものと見なされます。彼はそのユニットの戦闘能力に+50ポイント・オブ・アドバンテージ(POA)を追加します。また彼は、彼が白兵戦闘に参加している間(それ以外はそうではありません)、(指揮範囲 / 4)スクエア内の自軍ユニットの結束力テストに+1の修正値も加えます。同盟軍の将軍は自身のコマンド内のユニットのみに影響を与えることができます。

しかしながら、彼は戦闘で死亡または負傷するリスクがあります。これは彼のユニットが戦闘で敗北した場合に発生する可能性が高くなります。

もし将軍が死亡または負傷した場合、将軍が副将軍であれば1スクエア以内の、将軍が最高指揮官か同盟軍の将軍であれば2スクエア以内のすべての自軍ユニットが結束力テストを行なわなければなりません。同盟軍の将軍は自身のコマンドのユニットにのみ影響します。

将軍がキャンペーンゲーム内で無能力化された場合、彼は生存していようがいなかろうが、後のキャンペーンで再び戦うことはできません。

10.4. 将軍の移動

将軍は通常は彼がいるユニットと共に移動します。しかしながら、そのユニットが白兵戦に入ったり追撃したりしていない限り、将軍はターン毎に一回4スクエア以内のライン・オブ・コマンド内の他のユニットに移動することができます(下記のバトルフィールドオーダーを参照してください)。

10.5. ユニットの回復

ユニットが、分裂(Disrupted)した、分断(Fragmented)した、敗走(Routed)している場合、その資格があれば(下記の結束力/モラルの章を参照してください)、各々の自分のターンの開始時に、回復のためのテストを行なうチャンスを持ちます。

将軍が共にいるユニットは、毎回テストを行なえます(将軍のいないユニットがテストするチャンスはかなり少なくなります)。従って将軍は不安定なユニットが回復するチャンスを大幅に増加させるのに使うことができます。
11. 配置
いくつかのシナリオでは、然るべくバトルを開始する前にユニットを再配置することができます(一部はそうではありません)。任意の認めらているスクエア(下記参照)にユニットをドラッグしたり、移動させたり、位置を交換し、初期の方向を設定することもできます。

ユニットの一つを選択すると、その潜在的に再配置可能なエリアがハイライト表示されます。再配置は特定のエリアに制限されています。ほとんどの場合には、非-軽量ユニット(用語集の『軽量ユニット』を参照してください)は、現在のバトルフィールドであなたの非-軽量ユニットが占めている幅とあなたの背後のマップ端との両端で定義される四角形内にしか再配置できません。軽量ユニットはあなたの軽量ユニットの現在の位置と背後のマップ端の両端で定義される、もう少し大きな再配置エリアを持ちます。

ハイライト表示されたスクエアのいずれかにユニットを再配置することができますが、ユニットを指揮している将軍からあまり遠くに移動させると、コマンドコントロールが損なわれて、機動性が損なわれることに注意してください。ただしユニットを別のコマンドの一部に切り替えることはできますー以下のセクションのコマンドオーダーの切り替えを参照してください。

[重アーチェリーはドラッグする事はできませんが、それらをクリックしてから目標スクエアをクリックする事によって再配置する事はできることに注意してください]

あなたのユニットの開始位置に満足すれば、バトルを開始することができます。
12. バトルフィールド・オーダー 1 (移動〜射撃)
デフォルトの左/右UIモードを使用している場合、ユニットは左マウスボタンで選択され、右マウスボタンでオーダーが発行されます。他のユニットや空のスクエア左クリックするか、スペースを押すと、ユニットの選択は解除されます。

オプションの "Left Only" UIモードを使用している場合、左マウスボタンでユニットの選択とオーダーの発行を行ないます。いずれかのスクエアを右クリックするか、スペースを押すと、ユニットの選択は解除されます。

オーダーシステムはシンプルです。以下のアクションが実行可能です。各々は独自のアイコンを持っており、目標スクエアをマウスオーバーした時に表示されます。

12.1. 移動

移動できない重アーチェリーを別として、すべてのユニットは潜在的にそのAP(アクションポイント)で届く範囲内の任意のスクエアに移動することができます。開豁地では1スクエア移動するには、直線移動するなら通常4AP、対角線移動するなら6APのコストが掛かります。他の地形のタイプでは、いくつかの或いはすべてのユニットタイプにとって、より高い移動コストを持ちえます。ユニットはそこに到達する為の合計コストが、その総APを越えないような任意のスクエアに移動することができます。移動全体の中に方向転換が含まれている場合には、追加のAPコストが掛かる場合がありますー下記の"方向転換"を参照してください。

白兵戦闘中のユニット、あるいは追撃中や敗走中のユニットは移動することができません。



12.1.1. ZOC (支配地域)

敵に接近した時に、移動は以下のように制限されます:
  • 各ユニットは、その直接正面のスクエアに一次ZOC(支配地域)を及ぼします。
  • 一次ZOCスクエアの両側の2つのスクエアに二次ZOCを及ぼします。

ユニットは敵ユニットの一次ZOCまたは二次ZOCに入ることはできますが、それを通り抜けることはできません。

あなたがユニットを選択すると、潜在的に移動に影響を与える敵ZOCがスクリーン上に表示され、一次ZOCは赤くハイライト表示され、二次ZOCは黄色くハイライト表示されます。同じ色のドットがどのユニットがZOCを及ぼしているのかを示しています。

既に敵ZOC内にあるユニットは、その敵ユニットから離れること以外には、通常移動を行なうことができませんーつまり(方向転換の制限によって)意味するところは、たいてい軽量ユニットだけに可能だということです。移動の方向は敵ユニットから直接離れる方向の45°以内でなければなりません。側面への移動は許されませんーこれは軽量ユニットのすり抜けを減らすことを特に意図しています。もしユニットが複数の敵ユニットのZOC内にある場合、ゲームはどのユニットから離れるように移動しなければならないかを決定しー一次ZOCの優先順位を決めます。

一次ZOCと二次ZOCは通常の移動に等しく影響しますが、一次ZOCは方向転換とチャージに対して追加のの影響を持ちますー以下のそれらのセクションを参照してください。

以下のユニットはZOCを持ちません:

  • 白兵戦中のユニット
  • 方陣の中のユニット
  • 敗走しているユニット
  • アーチェリー
  • 輜重兵

非-軽量ユニットは、軽量ユニットのZOCを無視します。回避、敗走、追撃しているユニットはZOCを完全に無視します。

ZOCによる制限はプレイヤーとAIのユニットに等しく適用されます。

12.2. 全体移動コマンド

このオーダーは、コマンド内のどのユニットも敵の5スクエア以内にない場合にのみ可能です。

コマンド内のすべてのユニットは、選択したユニットと並行に移動しようと試みます。

このターンに既に単独で移動したユニットは除外されます。オーダーに参加するユニットは、三つの矢印アイコンでマークされます。



12.3. 通り抜け

軽歩兵は自軍のユニットを通り抜けられますが、直接正面から背後へあるいは背後から正面へのみが可能です。白兵戦中の自軍を通り抜けることはできません。



12.4. 方向転換

ユニットは自身のスクエアに隣接する8スクエアのいずれにも面することができます。射界が制限されることと、背後や側面からの攻撃が致命的となる為に、方向は非常に重要です(下記参照)。



12.4.1. フリー方向転換

各ゲームターンに、指揮範囲内にある非-軽量ユニットは45°までのフリーな方向転換を一回許されます。その将軍の指揮範囲外のユニットはこれを失います。軽量ユニット(軽歩兵と軽騎兵)はいずれの方向にも1回のフリー方向転換を許されます。

12.4.2. 低機動性ユニット

いくつかのユニットは低機動性で、45°のフリー方向転換を得ることはありません。
これらに含まれるのは:
  • 訓練されていない重歩兵
  • 戦士 [Warriors]
  • カタフラクト
  • 重チャリオット
  • サイズチャリオット

  • アーチェリー
  • 通常のパイクファランクスを含む大規模ユニット(元の戦力が10モデル以上のもの)
  • 新兵または訓練されていないユニット。いくつかのユニット(ポエニ歩兵のような)は高い士気を持ちながらも訓練不足なので、それらの全体的なクオリティが標準的であったとしてもなお低機動性のままです。

12.4.3. 方向転換コスト

上記のフリー方向転換とは別に、方向転換には以下のようなコストが掛かります:
  • 90°までの方向転換のコストは8AP
  • より大きな方向転換のコストはユニットの最初の全AP
  • 低機動性または指揮範囲外のユニットの45°方向転換のコストは4AP

選択したスクエアに、移動オーダーで到達するのに必要な方向転換にも、同様にコストが掛かります。元の方向と、最初のタイルと最後のタイルの間の線との間の角度だけが考慮されるので、時にはユニットはコストが掛けずに、経路に沿って複数の方向転換やねじれを行なうことがあります。これはAIのユニットに顕著で、地形の優位を考慮しながら異なるルートを見つけるアルゴリズムを使用します。彼らが取るルートは時には何回も方向を変更しますが、常に元の方向と、最初のタイルと最後のタイルの間の線との間の角度だけが考慮されています。これはAIに有利なように見えますが、実際にはそれがプレイヤーのユニットであっても、直接ルートを使って到達できるのと同じ最終位置で移動を終了しています。

このことは、ほとんどの非-軽量歩兵ユニットが同じターンに、45°より多く方向転換して移動することが出来ないことを意味します。ほとんどの非-軽量騎馬ユニットは同じターンに、90°方向転換してなお1スクエアか2スクエア移動できますが、135°または180°方向転換するには全移動力を使います。


12.4.4. 他の制限

方向転換は、敵の接近によっても制限されます。敵ユニットの一次ZOC内のユニット(赤くマークされている)は、側面チャージの脅威を減らすためか、自身の一次ZOC内にある別の敵ユニットの方へ向く以外には、方向転換することができません。しかし非-軽量ユニットは敵の軽量ユニットのZOCを無視することに注意してください。

ZOCの制限はプレイヤーにもAIにも等しく適用されます。

12.5. 全体方向転換コマンド



これにより、コマンドに属するすべてのユニットが、選択したユニットと同じ方向に方向転換します。

このターンに単独ユニットの移動を行なったユニットは除外します。オーダーに参加するユニットには、そのタイルに三つの矢印がマークされます。

12.6. 後退

ユニットは元の向きを維持しながら、1又は2スクエア真っ直ぐ後ろに後退することができます。このような移動を敵のすぐ近くで行なった場合、ユニットにパニックを引き起こす可能性があります。その結果、敗走していない非-軽量敵ユニットのチャージが届く範囲内で(敵が実際にチャージする位置にあるかどうかに関わらず)、後退移動を行なった時には、後退移動したユニットは結束力テストを行ないます(以下のモラルを参照)。



12.7. 方陣の形成と方陣の解体

パイクユニットは方陣を形成できます。これにはユニットのそのターン内の全移動力を使います。方陣内のユニットは:

  • 側面または背面チャージがありません
  • ZOCを及ぼしません
  • チャージできません
  • 新兵であっても追撃しません
  • 1スクエア移動するか、方向転換するか、方陣を解体するのに全移動力を使います



ユニットは白兵戦闘中には方陣を形成することも解体することもできません。ユニットが敗走すると自動的に方陣は解体します。

方陣の解体にもユニットのそのターンの全移動力を使います。

12.8. アンドゥ

アンドゥオーダーは、単独またはグループの最後の移動または方向転換を、キャンセルする為に使います。最後に移動したユニットまたはグループだけが、その最後の移動のアンドゥを行なえます。

以下の状況ではアンドゥを行なうことはできません:



  • ユニットがチャージまたは射撃を行なった
  • ユニット(またはグループ内のいずれかのユニット)が移動した結果、以前には見えていなかった敵ユニットを発見した場合。これはアンドゥを偵察に使わせないためです。
  • 後退移動の結果、結束力テストを行なった場合(パスしたか失敗したかに関わらず)



12.9. 将軍の移動

副将軍と同盟軍の将軍は、ターン中に一度、4スクエア以内の自分のコマンドの別のユニットに移動することができます(例え将軍のユニットがこのターンに既に移動していても)。C-in-C (最高指揮官)は、彼の副将軍のコマンドのユニットにも移動することができます。

将軍は白兵戦闘中または追撃中のユニットから移動することはできません。そしてアーチェリー、輜重兵、サイズチャリオットのユニットと一緒に移動することはできません。

12.10. 射撃

射撃武器を持ったユニットは、自分のターンにのみ射撃することができます。

すべての射撃はオーダーしなければなりません。もしあなたがユニットに射撃のオーダーを忘れたならば、自動的に射撃することはありません。これは矢玉に限りがあるので(下記参照)、射撃を控えているのは意図的なものかも知れないからです。



12.10.1. 射撃ツールチップ

"Simple Tooltips"オプションがオンになっている場合(設定を参照)、ツールチップには括弧つきのレンジ(遠距離の場合)、射界、カバーの修正値(もしあれば)と射撃の与える死傷者の範囲が表示されます。"Detailed Tooltips"オプションがオンになっている場合、ツールチップには追加情報が表示されます。

12.10.2. レンジ

射撃武器はレンジ内にあれば射撃できます。いくつかの武器には遠距離と短距離がありー遠距離では半分の効力を発揮します。

12.10.3. 射界

すべてのユニットは射界を持ちます。もし目標ユニットが直進45°の外側にある場合には、それに射撃することはできません。もし目標ユニットが直進22.5°から45°の間にある場合には、半分の兵士だけが射撃することができます(彼らが別の目標に対して残りの半分を使うことはできません)。

潜在的な目標ユニットはユニットのタイルに、完全な射界または半分の射界のアイコンによって示されます。完全な射界は目標タイル上で、三本の矢と濃い茶色のハイライトで示されます。半分の射界は目標タイル上で、一本の矢と薄い茶色のハイライトで示されます。

射線は右側のツールメニューから"Toggle Line of Fire"を選択するか、"1"のホットキーを使ってマップ上に表示できます。これは途中のユニットの障害物としての影響を、考慮していないことに注意してください。

12.10.4. 視線

視線は、より高い地面、森林、建築物ースクエア全体を通してLOSをブロックするほど十分な大きさがない単独の建築物ではなくーが密集する場所、によってブロックされます。

射撃の目的においては、視線はユニットによってもブロックされます。ユニットを越えて射撃するための視線のアルゴリズムは、かなり寛大ですがーそれはチェッカーボードフォーメーション内のユニットの間を縫って、射撃するのに十分な大きさの間隙があるものと仮定します。

アーチェリーは他のユニットを越えて射撃できます。

視線は右側のツールメニューから"Toggle Line of Sight"を選択するか"2"のホットキーを押して、マップ上に表示できます。これは途中のユニットの障害物としての影響を、考慮していないことに注意してください。

12.10.5. 矢玉

ユニットは、完全な効力を持つ射撃を5ターン行なうのに十分な矢玉を持っているものと見なします。

彼らが5回射撃した後は、矢玉不足になったものと見なされ、まだ残している兵士から予備の矢玉を貰ったり、使用済みの矢玉を戦場から拾い集めたり、限られた再補給に頼ることになります。矢玉不足に陥ったユニットは半分の効力で射撃します。

パルティアの指揮官が、予備の矢を運ぶ大規模なラクダ荷隊が到着するように、あらかじめ対策を講じていたカルラエの戦いのような場合のようなーいくつかの史実上シナリオでは、矢玉のルールは停止されます。

12.10.6. 特別なケース

後期のローマ軍ユニットは20%しか弓を持っておらず、離れて射撃することができません。その代わりに、弓はダーツと同じように見なして、そのユニットへの敵のチャージに対してインパクトPOAを提供します。
12. バトルフィールド・オーダー 2 (方向転換と射撃〜コマンドの変更)
12.11. 方向転換と射撃

目標の方向に直接向いていないユニットには、必要なAPを持っていれば、一回のオーダーで方向転換して射撃するよう命令することができます。そのユニットはターゲットに向かって方向転換して射撃を実行し、そのままターゲットに向かったままでいます。



12.12. チャージ

隣接するスクエアにいるユニットが自動的に白兵戦闘に入ることはありません。白兵戦闘中のユニットは、ユニット間の白兵戦闘インジケータと、白兵戦のアニメーションによって示されます。

あなたが ユニットを選択した時には、現在チャージ可能な敵ユニットは、敵ユニットのタイル上に交差した剣のチャージ可能アイコンが示されます。







チャージは、チャージアクションによって実行されます。ユニットはーたとえ実際にはスクエアに入らなくともー敵がいるスクエアに入るのに、それらのユニットがそのスクエアから物理的に動いていないとしても、十分なAPを持っていなければなりません。チャージを始めたユニットに特別なボーナスはありませんー戦闘の要素には適切な敵の反応ーカウンターチャージか受けて立つかが既に考慮されています。

チャージは移動の開始時に直進方向の45°以内にいるユニットに対してのみ、仕掛けることができます。

あるユニットにチャージを行なうためには、チャージアイコンを2回クリックしなければなりません。

12.12.1. チャージツールチップ

チャージアイコンを一回クリックすると、チャージツールチップが表示されます。シンプルツールチップオプションを選択している時(設定を参照)には、ツールチップはおおよその勝利:引分:敗北の確率をインパクト戦闘と最初の白兵戦戦闘ラウンドとについて表示します。詳細なツールチップオプションを選択している場合には、ツールチップは戦闘に影響する要素の完全な内訳を表示します。詳細なツールチップモードは、CTRLキーを押下する事によって一時的にオンにすることもできます。

勝利:引分:敗北の確率は、問題の戦闘結果を1000回シミュレートしてみた結果から計算された見積りであることに注意してください。それらは毎回結果を再計算するので、少しずつ結果が異なる可能性があります。これはまた、同じような戦闘の勝利:敗北の確率が正確に等しく表示されないのかの理由です。

12.12.2. チャージ可能な敵ZOCの影響

敵ユニットはスクエアに直面して相対している場合には、そのスクエアに一次ZOC(支配地域)を持ちます。

敵ユニットの一次ZOC内のユニット(赤くマークされている)は、それもまた自身の一次ZOC内にある敵ユニットに対してで無い限り、違うユニットに対してチャージを行なえません。

スクリーンショットでは、騎兵は他のコホルトの一次ZOC内にあるので、騎兵はその正面のコホルトに対してチャージすることができません。

この制限はチャージの経路が(一次)ZOCのスクエアを通り抜ける時にも適用されます。



非-軽量ユニットは、敵軽量ユニットのZOCを無視します。

場合によっては、プログラムによって選択されたデフォルトのチャージ経路がZOCスクエアを通過する時に、途中の別のスクエアへ最初に移動することによってチャージ‘が可能になる場合があります。

ZOCの制限はプレイヤーとAIとに等しく適用されます。

12.12.3. 不可能なチャージ

軽派兵は開豁地形においては、側面または背面であっても、士気崩壊していない [Unbroken] 非-軽量ユニットに対してチャージを行なえません。

アーチェリー、輜重兵、方陣の中のユニットはチャージを行なえません。

分断された [Fragmjnted] ユニットは(下の結束力/モラルのセクションを参照)チャージを行えません。

12.12.4. 回避

軽量ユニット(軽歩兵と軽騎兵)、非-槍騎兵/ラクダ騎兵、そして軽チャリオットはチャージを回避する試みを行なえます。AIは、戦闘に勝利する確率と、逃走に成功する確率とに基づいて、(プレイヤーまたはAIの)ユニットが回避したかどうかを決定します。チャージしているユニットは残りのAPで追撃しますので、チャージを隣接するスクエアから開始した場合には、回避側を捉える可能性が高くなります。回避側とチャージ側は、その現在のAPに/から4APを、無作為に足すか引くかします。捉えられた回避側は背面からチャージされたものとして扱われます。

彼らが脱出すると、回避側がバトルフィールドの外に出ることがあります。その場合、彼らは失なわれたものとはカウントされず、後でバトルフィールドに戻ってくる可能性があります。チャージ側は決してバトルフィールドの外へと回避側を追っては行きません。

チャージ側の追撃経路が他の敵ユニット(チャージ側の正面直進方向の45°以内)に隣接した場合、彼ら(彼らの代わりにAI)が成功すると判断し、チャージするだけのAPが残っていれば、チャージを試みます。

12.12.5. 側面/背面 攻撃

ユニットの側面より後ろで(全体の)移動を始めたユニットによるチャージは、側面/背面攻撃としてカウントします。



側面より後ろであるとカウントするには、図に示されているように、ユニットは目標ユニットの側面を延長したラインかそれよりも後ろになければなりません。左側の騎兵ユニットは、その移動をレギオンユニットの側面より後ろで始めているので、そのチャージは側面攻撃であるとされます。右側の騎兵は側面より後ろにいないので、そのチャージがユニットの側面で接触したとしても、それは側面攻撃であるとはされません。右側のユニットがライン上に移動してからチャージしたとしても、そのチャージはなお側面攻撃とは見なされません。なぜならそうなる為には、その全体の移動が側面より後ろで開始されねばならないからです。

側面からチャージされたユニットが既に他のユニットと白兵戦闘中であるか、このターンに回避した場合には、自動的に結束力レベルが1下がり(下の結束力/モラルを参照)、インパクト戦闘は以下のいずれかの状況が適用されない限り、側面攻撃を行なった側に+200のPOA(下の白兵戦闘におけるPoints of Advantageを参照)が保証されます。

  • 非-軽量ユニットが軽量ユニットにチャージされた
  • 騎兵ユニット(象ではなく)が歩兵ユニットにチャージされた
  • 象ユニットが騎兵ユニット(象でなく)にチャージされた
  • 歩兵が障害物(灌漑溝、城塞など)を越えてか、建築物エリア内でチャージされた
  • 側面チャージされたユニットが、既に白兵戦闘中ではないか、このターンに 回避を行なっていないか、上記の例外の一つが適用されない場合には、ユニットの結束力レベルは下がりません。側面チャージをしている ユニットはその代わりに、側面攻撃以外のPOAの合計が+50以下ならば、少なくとも+50のPOA合計が保証されます。
  • 方陣内のユニットは側面/背面からの攻撃の影響を受けません

これらの例外を除いて、側面からのチャージを受ける事は非常に悪いことです。AIはそれを避けるためにベストを尽くしますし、プレイヤーもそうすべきです。AIはチャンスがあれば見逃しません。

ユニットは、例え複数のユニットからチャージを受けたとしても、側面/背面攻撃を受けたあるターン内には、1回の自動的結束力低下を受けるだけです。

側面または背面から歩兵によってチャージされた交戦していない騎兵ユニットは、ただちに方向転換して、インパクト戦闘の後に離脱することができます。

12.13. 近接戦闘





各ユニットのタイル上の4対の交差した剣は、このターンに近接戦闘が行なわれることを示しています。あなたはターン中のどの時点においても、いかなる順番でも、近接戦闘オーダー [Fight Melee Order] を使って、これらの近接戦闘をアクティベートすることができます。

ターン終了ボタンが押された時に、まだ解決されていない近接戦闘は自動的に解決されます。

12.14. コマンドの変更

このオーダーは配置フェーズ中にのみ使用でき、ユニットをあるコマンドから別のコマンドへと変更します。将軍と共にあるユニットは、最初の元のコマンドの別のユニットへと将軍を移動してからでないと、コマンドを変更することはできません。

13. 射撃
射撃の影響は、様々な要素に、少なからず射撃する兵士の数によって、修正されます。

13.1. レンジ
いくつかの武器には、遠距離と短距離のレンジがありー遠距離では半分の効力で射撃します。

射撃レンジ
短距離
遠距離
徒歩弓兵
2
4
騎馬弓兵、スリング
2
-
ジャベリン
1
-
重アーチェリー
6
9
軽アーチェリー
6
-

13.2. 射界

すべてのユニットは射界を持ちます。もし目標ユニットが直進方向に向かって、45°よりも外側にあるならば、射撃することはできません。もし目標ユニットが直進方向に向かって22.5°から45°の間(概算)にあるならば、半分の兵士だけが射撃をできます。

13.3. ポイントオブアドバンテージ [Points of Advantage]

射撃による死傷者の数は、射手の数、レンジ、射界、ユニットの結束力と移動に依存します。さらに射撃する武器と目標によって射撃の効果を変更する他の多くの要因があります。アドバンテージのポイント(短くPOA)は、これらの要因を定義するために使用されます。100POAは、死傷者数に33%の修正を与えることと、ほぼ等価です。

以下のPOAテーブルは、射撃の有効性に影響を与えうる様々な要因のガイドとしてのみ提供されています。修正のいくつかは、射撃の計算の異なる段階で適用されるので、単純にPOAを合計して全体の修正とすることはできません。詳細な射撃ツールチップには適用される修正が表示されます。



vs 歩兵
vs 騎兵
vs アーチェリー
vs 象
弓/スリング
-50
0
-50
-50
ジャベリン
-50
0
-50
+50
防御または装甲された目標に対する弓、ジャベリン、スリングの追加修正
装甲の完全性によって-50から-200
装甲の完全性によって-50から-200
アーチェリー
-100
0
-200
+100
カバーされている目標への追加修正
-225まで
-225まで
-225まで
-225まで
アーチェリーの為の大きな又は縦射目標への追加修正
+100
+100
+100
+100
散兵(軽歩兵、軽騎兵)への射撃の為の追加修正
-100
-100
追撃者に射撃の為の追加修正
-150
-150
-150
雨または雪が降っている時のジャベリンを除く全てへの追加修正
-50
-50
-50
-50
射撃ユニットのクオリティによる追加修正
-50から+100
-50から+100
-50から+100
-50から+100

13.4. 頭越しの射撃

アーチェリーだけが他のユニットの頭越しに射撃できます。

13.5. 射撃と移動

静止しているユニットは、移動したり方向転換しているユニットよりも効果的に射撃します。アーチェリーは移動や方向転換の後に射撃することはできません。

13.6. カバー

地形と障害物は、様々な状況で様々な程度のカバーを提供します(地形セクションを参照)。

13.7. アーマー

アーマーの効果は、目標ユニットが着用しているアーマーの量に応じて変わります。

13.8. 散兵の目標

散兵(軽歩兵や軽騎兵)へ射撃した時に与える死傷者数は、その散らばったフォーメーションによって減少します。

13.9. 大きな目標と縦射

ウォーバンドやパイクファランクスのような大きなユニットと背後から射撃されたユニットは、アーチェリーの射撃による損害が増加します。

13.10. モラル/混乱 [Disorder]

射撃力は混乱と低モラル/結束力によって減少します。
14. 白兵戦 1 (戦闘力〜インパクトPOAテーブル)
14.1. 戦闘力

射撃と白兵戦闘において、標準コホルトサイズの定員480人のユニットは480人だけが戦い、240人より大きい騎兵ユニットは240人だけが戦い、残りの兵士は主として余分な後列にあります。しかし余分な後列は耐久力を提供します。注意:これらの数字は標準再現スケール(1歩兵または騎兵モデル=60人)が使用されているこを前提としています。他の再現スケールを用いている時は、それに応じて全てのスケールが変化します。

インパクト戦闘では実際に接敵している兵士だけが戦いますので、小さなユニットが大きなユニットにチャージした時、あるいはその逆の場合には、最初は両方とも小さい方のユニットの戦力で戦いを開始します。

"戦力 [Strength]"とは実際の兵士の強さではなく、ユニットの相対的な戦闘力です。騎兵ユニットは歩兵ユニットよりも一人あたり33%多い戦闘力を一般に持ちます。それにもかかわらず、標準のコホルトサイズのおよそ480人のユニットは、標準の240人の騎兵ユニットよりも全体の戦闘力が50%高いくらいの十分な大きさです。

継続している戦闘(近接戦闘)では、低い戦闘力のユニットの上に覆い掛かるので、高い戦闘力のユニットは、ユニットの実際の戦闘力の間の差の半分に等しい余分な戦力を持って戦います。

しかし戦うことのできる最大人数には制限があるので、完全戦力960人のパイクユニットは、この計算においては、完全戦力480人のコホルトよりも高い戦闘力を持つとは見なしません。実際には、両方のユニットが損害を被った後でも、パイクファランクスは480人が戦闘可能なので戦闘力のボーナスを得ますが、コホルトはそうはなりません。

標準的な騎兵ユニットは標準的な歩兵ユニットよりも全体的な戦闘力で低いので、コホルトやパイクファランクスのような標準的な歩兵ユニットは、標準的な騎兵ユニットよりも50%以上多い戦闘力を持ち、近接戦闘で+25%の戦闘力ボーナスを得ます。

近接戦闘では、複数のユニットと戦闘しているユニットは、ターン内にその各々と戦いますが、余分な敵ユニットごとに戦闘力が20%減少し、最大で50%の減少を被ります。

14.2. ポイントオブアドバンテージ [Points of Advantage]

相対的な戦闘力に加えて、戦闘の結果に影響を与える他の多くの要因があります。ユニットのタイプ、アーマー、戦闘能力、状況の要因などすべてによって違いが生まれます。アドバンテージのポイント(短くPOA)は、より優位を持つ方を決定するために使用します。

戦闘効率は、敵対するユニットに適用されるPOAとの正味の差に依存します。100POAの差は33%の戦闘修正とほぼ等価です。

POAの差は決して200を越えませんー超過分は無視します。

POAテーブルは以下の通りです。

14.2.1. インパクト POA テーブル

インパクト POA
インパクト歩兵
+200
vs いずれかの歩兵
+10
3列以上の縦深のモデル vs いずれかの歩兵
+100
歩兵が騎兵ショックユニットにチャージしていない限り、vs 象またはいずれかの騎兵
分断、重大な混乱のないパイク
+100
3列以上の縦深のモデル vs いずれかのユニット(パイクがチャージされているショック騎兵ユニットを除く
分裂、混乱のないパイク
+100
開豁地形での4列以上の縦深のモデル vs いずれかのユニット         
分断、重大な混乱のない、攻撃的槍兵
+100
槍兵が騎馬ショックユニットにチャージしていない限り、vs いずれかのユニット
分断、重大な混乱のない、防御的槍兵
+100
チャージしていないいずれかのユニット、または vs 防御的槍兵       
軽槍騎兵
+50
vs いずれかのユニット                         
軽槍歩兵
+100
歩兵が騎兵ショックユニットにチャージしていない限り、vs いずれかのユニット
ダーツ(軽スピア所持)
+100
歩兵が重装甲騎兵ユニットにチャージしていない限り           
+100
他のユニットからチャージされている場合
重火器
+100
vs いずれかの歩兵                           
アーチェリー
+100
分断しておらず重大な混乱に陥らずに障害物を守ってる限り、vs いずれかのユニット
+200
障害物を守っていない、vs いずれかのユニット
+250
vs いずれにも                           
槍騎兵 【開豁地形のみ】
+100
重槍騎兵を除く、vs いずれかの騎兵
+100
安定している、チャージしていないパイク、攻撃的または防御的槍兵を除く、vs いずれかのユニット
重チャリオット           【開豁地形のみ】
+100
槍騎兵、象、軽歩兵、軽騎兵、安定しているチャージしていないパイク・攻撃的または防御的槍兵を除く、vs いずれかのユニット
サイズチャリオット         【開豁地形のみ】
+250
槍騎兵、象、軽歩兵、軽騎兵、安定しているチャージしていないパイク・攻撃的または防御的槍兵を除く、vs いずれかのユニット
サイズチャリオットを除く騎兵    【開豁地形のみ】
+100
vs 軽歩兵、弓兵、群集                            
高い地形にいる(高低差<=75)
+25
vs いずれかのユニット                       
高い地形にいる(高低差>=100)
+100
vs いずれかのユニット                       
軽または中城塞を守る歩兵
+100
vs いずれかのユニット                       
重城塞を守る歩兵
+200
vs いずれかのユニット                       
分断、または重い混乱でなく、他の障害物を守る射撃ユニット(ダーツ以外)
+100
vs いずれかの騎兵                                                                    
上記が適用されない他の障害物を守るいずれかの歩兵
+25
vs いずれかのユニット                       
ユニットと共にいる将軍
+50
vs いずれかのユニット                       
側面または背面からのチャージ
+50
チャージが非-接敵ユニットに対するものか、騎兵に対する歩兵か、象に対する騎兵か、非-軽量ユニットに対する軽量ユニットの場合の、最終的な最低限保証されるPOA合計
+200
他のすべての要因に関わらず、接敵または回避したユニットに対するもので、上記の例外が適用されない場合の、最終的な最低限保証されるPOA合計
14. 白兵戦 2 (近接戦闘POAテーブル〜白兵戦闘の終了)
14.2.2. 近接戦闘POAテーブル

近接戦闘POA
剣騎兵
+100
vs いずれかの騎兵
+100
安定しているパイクか、攻撃的槍兵か、防御的槍兵か、障害物を防御している場合を除く、vs 歩兵
剣歩兵
+100
vs いずれかの騎兵
+100
安定していて攻撃的槍兵か、防御的槍兵か、障害物を防御している場合を除く、vs 歩兵
+50
安定していて攻撃的槍兵か、防御的槍兵か、障害物を防御している場合、vs 歩兵
分断または重い混乱になっていないパイク
+100
3列以上の縦深を持つモデルの場合、vs いずれかのユニット        
分裂または混乱になっていないパイク
+100
4列以上の縦深を持つモデルの場合、vs いずれかのユニット        
分断または重い混乱になっていない攻撃的または防御的槍兵
+100
vs いずれかのユニット                         
重い武器
+100
vs いずれかのユニット                         
アーチェリー
+100
障害物を守っており分断も重い混乱もしていない場合、vs いずれかのユニット
-200
障害物を守っていない場合、vs いずれかのユニット
+100
vs いずれかのユニット                         
優れたアーマー
+50まで
重い武器、アーチェリー、チャリオット、象の除く、vs いずれかのユニット
高い地形にいる(高度差<=75)
+25
vs いずれかのユニット                   
高い地形にいる(高度差>=100)
+100
vs いずれかのユニット                   
軽または中城塞を守る歩兵
+100
vs いずれかのユニット                   
重城塞を守る歩兵
+200
vs いずれかのユニット                   
分断、または重い混乱でなく、他の障害物を守る射撃ユニット(ダーツ以外)
+100
vs いずれかの騎兵                        
上記が適用されない他の障害物を守るいずれかの歩兵
+25
vs いずれかのユニット                      
ユニットと共にいる将軍
+50
vs いずれかのユニット                      

14.2.3. ユニットのクオリティ

上記のテーブルに示されるPOAに加えて、ユニットが平均的なクオリティよりも上か下かによって、-50から+100の間で最終的なPOAが調整されます。

14.2.4. 騎兵

これらには騎兵、軽騎兵、 カタフラクト、ラクダ騎兵、軽チャリオット、重チャリオット、サイズチャリオットが含まれます。象は"騎兵"にも"歩兵"にも含まれません。

14.2.5. 安定

ユニットは、分裂 [Disrupted]でも、分断 [Fragmented]でも、士気崩壊 [Broken]でも、中程度の混乱 [Moderately Disorderd]でも重大な混乱 [Severely Disordered]でもない場合にのみ、戦闘に関しては安定 [STEADY]であるとします。

14.2.6. 縦深

ユニットの縦深に依存するPOAは、ユニットが損害を被るのに比例して減少します。したがってモデルの不完全な第三列や第四列は、縦深の効果の一部を得ます。

14.2.7. 開豁地形

戦闘は、どちらかのユニットが非-開豁地形にあるか、障害物越えの戦闘であるかのどちらかであば、"開豁地形内"とは見なしません。

14.3. 戦闘結果

戦闘の計算の終わりに、戦闘ラウンドは引分けになるか、どちらかの側の勝利になります。敗北したユニットは結束力テストを行ない(下の結束力を参照)、モラルが低下する可能性があります。戦闘の詳細なレポートは戦闘ログに出力されます。これは左側のツールパネルか、"C"ホットキーか、設定メニューを使ってオン/オフを切り替えられます。

14.3.1. サイズチャリオット

サイズチャリオットは、パニックを引き起す為に敵へ突っ込まされました。もし敵が怯まなければ、通常は最後の瞬間に騎手が飛び降り、サイズチャリオットは敵戦列に激突します。その結果サイズチャリオットが最初の近接戦闘フェーズの終了時までに敵を敗走させられなければ、彼らは破壊されたものと見なしてマップから取り除きます。サイズチャリオットの通常の敗走とは異なり、これは近くの友軍に結束力テストを引き起こしません。

サイズチャリオットは消耗品と見なされます。戦闘で破壊されたか敗走したかに関わらず、サイズチャリオットは軍の%敗走には数えられません。

14.4. 後退 [Push Backs] と 追走[Follow Ups]

歩兵ショックユニット( 用語集参照)に最初に白兵戦闘を仕掛け、白兵戦闘中に手酷い敗北を喫した歩兵は後退し、敵が追走します。

14.5. 離脱

ユニットの一部は離脱できますーこれはAIによって決定されます。

騎兵ユニットは、戦闘の継続が気に入らない場合には、敵歩兵ユニットから離脱します。彼らは敵の騎兵からは、白兵戦闘で手酷い敗北を喫すれば離脱します。彼らは敵騎兵ショックユニット(用語集参照)からは、彼ら自身が白兵戦闘を仕掛けた場合にのみ離脱します。


歩兵は、白兵戦闘中に手酷い敗北を喫した場合に、敵歩兵から離脱し、追走されません。

14.6. 戦闘の継続(近接戦闘 [Melee])

インパクト戦闘の後で、どちらの側も士気崩壊もせず離脱もしなかった場合には、決着が着くまで以降の各ターンに白兵戦闘が継続します。

白兵戦闘に参加しているユニットの一つにマウスオーバーした場合、別のユニットが選択されていない限り、そのユニットの次の近接戦闘ラウンドでの勝利:引分:敗北の確率が表示されます。詳細なツールチップオプションがオンになっていれば、ツールチップには戦闘に影響する要因の完全な内訳が表示されます。詳細なツールチップモードはCTRLキーを押すことによって一時的にオンにすることもできます。

勝利:引分:敗北の確率は、問題の戦闘の結果を1000回シミュレートしたサンプルから計算された期待値でありー毎回再計算されるので結果が微妙に異なってくることに注意してください。これは同じ戦闘の勝利:引分:敗北がなぜ正確に等しく表示されないことがあるのかの理由です。白兵戦闘中のあなたのユニット(現在どのユニットも選択されていない)間でマウスを行き来させると、期待値が毎回再計算されて僅かに異なるのを見ることができます。

14.7. 白兵戦闘の終了

白兵戦闘が一方の側が士気崩壊したか近接戦闘から離脱した結果として終了した時に、勝利側と離脱した側は同じターンにもう一度射撃したり移動することはできません。彼らは士気範囲内にあって低機動性でなければ、45°方向転換することはできます。

敵のターンに終了した白兵戦闘は、引き続くターンの移動には影響しません。
15. 結束力(モラル)
15.1. 結束力の状態

結束力には4つの状態があります。

安定 [STEADY]
分裂 [DISRUPTED]
分断 [FRAGMENTED]
士気崩壊 [BROKEN] (敗走)

分裂と分断はユニットの戦闘能力を減少させます。分断はまた、ユニットのAPも減少させます。分断したユニットはチャージすることができません。

士気崩壊したユニットは敵から逃走します。彼らがバトルフィールドから出たり、何ターンも敗走を続けると、回復不能なまでに散らばったものと見なします。

結束力の状態と損害はユニットの上のバナーによって視覚的に示されますー 下記を参照してください。死傷者はまた"死んだ"モデルによっても示されます。

15.2. 結束力テスト

ユニットはあるターン内に相当数の射撃による死傷者(> 10%)を被るか、白兵戦闘のラウンドに敗北(そのターンに彼らが被ったよりも、かなり少ない白兵戦闘ダメージした与えられなかった)したか、近くで友軍ユニットが士気崩壊したかコマンドライン中の将軍が無能力化されたか、敵の非-軽量ユニットのチャージレンジ内で後退を試みた時に、結束力テストを行ないます。

結束力テストは2個の6面ダイスを振ってその目を合計するのと同じで、ユニットのクオリティによっては何回かの"振り直し"があります。クオリティの違いとその変化の影響は、ゲームエンジンによって完全に数学的に説明可能です。しかしながら一般的なガイドとして、訓練していないユニットは6を振り直し、熟練したユニットは1を振り直し、エリートユニットは1と2を振り直します。テストにパスするには(修正を適用した後で)6以上が必要です。失敗したユニットの結束力レベルは一つ落ち、スコアが十分悪ければ2レベル落ちることも時にあります(射撃によって2倍低下することはなく、白兵戦闘でも 手酷い敗北でない限り2倍低下することはありません)。

ユニットは、同じターン内に同じ理由から複数の結束力テストを行わねばならないであろうため、射撃と白兵戦闘の各々のランダムな結束力テストのスコアは、ターン全体にわたって保持されます(しかし、敵のターンには置き換えられます)。これは(例えば)、アーチェリーの射撃による-1や、このターンのユニットへの射撃損害の合計が16%を越えたことによる-1のような追加の修正がない限りー射撃の為の最初の結束力テスト以降の結束テストでも、同じ結果が得られ続けることを意味します。プログラムは、このターンにユニットがアーチェリーによって既に射撃されたかどうかを覚えているので、どういう順番で射撃が行なわれたかは重要ではありません。例えば、ユニットが最初にアーチェリーに射撃され、それではこのターンに結束力テストを引き起こすのに必要な10%の射撃損害合計の閾値に届きませんでした。続いて弓兵によって射撃され、このターンの射撃損害合計が10%を越えると、アーチェリーに射撃されたことによる-1の修正を入れて、結束力テストが行なわれます。

さらにユニットは同じターン中に、射撃からも、インパクト白兵戦闘からも、継続白兵戦闘からも結束力が落ちることは、一回しかありません(しかしその各々については1回落ち、状況によっては 二倍落ちることもあります)。また分断 [Fragmented] されたユニットは、このターンの先のインパクト白兵戦闘の結果として分断化されたとしても、別のユニットにチャージされて、(接触することなく)士気崩壊することがあります。

死傷者%の計算では、12列までの兵士しか考慮していないーモデルでは3列に相当ーことに注意してください。したがってパイクファランクスのように非常に縦深のあるユニットが、10%または16%の損害を被っている時に全体の損害%は幾分低くなりますー一定の縦深を越えるというロジックは、前面の列での死傷者のモラルへの影響を後列で相殺するわけではありません。

15.3. 回復

各陣営のターンの開始時に、分裂 [Disrupted] または、分断 [Fragmented] または、敗走 [Routed] しているユニットは、結束力の状態を改善するために結束力テストを行なうチャンスがあります。テストを受けられるチャンスは、敗走している時にはずっと低くなります。しかし将軍を伴うユニットは常にテストを行なえます。

テストを行なって6以上のスコアを出せば、結束力レベルが1上がります。

ユニットは、直前の自分のまたは敵のターンに結束力が落ちた場合には、回復のテストを行なうことはできません。敗走中のユニットは、追撃されているとき、または直前の敵ターンに射撃によって10%以上の損害を被っていた場合には、回復のテストを行なうことはできません。

[15.4. 自動士気崩壊 [Autobreak][/b]

さらにユニットの損害が非常に高ければ、自動士気崩壊 [Autobreak] します。例えば、平均的なクオリティのユニットは、元の戦力の約50%以下に落ちると自動士気崩壊します。クオリティの高いユニットは長く持ち堪え、新兵のユニットは長く持ちません。

15.5. 側面/背面 攻撃

ユニットは、側面または背面からチャージされると、自動的に結束力レベルが1落ちます(バトルフィールドオーダー > チャージの側面/背面 攻撃のセクションを参照)。


15.6. 敗走と追撃

ユニットが士気崩壊すると、士気崩壊したユニットがアーチェリーや輜重兵の場合、または士気崩壊したのが軽量ユニットで近くのユニットがそうでない場合、を除いて近くの友軍ユニットは結束力テストを受けます。

通常はユニットは士気崩壊した時に、崩壊したユニットが隣接するスクエアにあった場合にのみ、テストを行なわねばなりません、しかし崩壊したユニットが象かサイズチャリオットであった場合にはこの距離は2スクエアに伸びます。

士気崩壊したユニットは敗走します。その白兵戦闘での相手は時に追撃します:

  • 騎兵と象は通常は、少なくとも1回は追撃します。
  • 歩兵ウォーバンドは通常は、彼らが白兵戦闘を開始していれば少なくとも1回追撃し、そうでない場合には25%の確率でそうします。彼らは騎兵や軽量ユニットを10%の確率で追撃します。
  • 新兵または未訓練の歩兵もまた追撃のチャンスを持ちますが、これは25%以上の確率にはなりません。彼らは騎兵や軽量ユニットを10%の確率で追撃します。
  • 他の歩兵は白兵戦闘の後で決して追撃を行ないません。しかし歩兵ユニットが、分断された敵ユニットににチャージした時に、接敵する前に敵が士気崩壊してしまった時には、そのターンだけ敗走する敵ユニットを追撃します。

追撃者が敗走者の2スクエア以内で追撃を終えると、追撃し続けているものと見なし、敗走者に追加の損害を与えます。

各ターンの最後に、敗走者は再び敗走します。追撃側のユニットは追撃を続けるかどうかを確認する為にテストを行ない、そのチャンスはそのユニットのタイプに依存します。

敗走者を追撃しているユニットは、ユニットが追撃を停止するまで、他の何のアクションを行なうこともできません。しかし追撃者がその直進方向45°以内の隣接するスクエアで新たな敵と出会った場合には、十分な移動が残っており彼ら(AIが代わりに)がそのチャンスを気に入れば、それにチャージします。そのようなチャージが側面/背面攻撃であるかを決定する目的の為には、ターン全体の始めの開始位置ではなく、追撃者が追撃を始めた位置を考慮します。もしチャージされたユニットが士気崩壊し、追跡者が再び追撃を始めれば、その開始位置は再びリセットされます。

もし敗走者がバトルフィールドから去った場合、彼らは回復不能なほどに分散してしまったものと見なします。追撃者は彼らを追ってマップ外に追撃するかテストします。もしそうなれば、彼らが去った場所の近くから、バトルフィールドに戻ってくるチャンスが毎ターンあります。

脱出する経路のない敗走者は分散 [Dispersed] します。敗走者は、回復せずに連続した5ターンの間、敗走移動を続けても分散してしまいます。
16. ユニットの状態ーバナー
各ユニットの上のバナーは、ユニットが損害を被るにつれてボロボロになります。またユニットが分裂 [Disrupted]した場合は上部が黄色に、分断 [Fragmjted]した場合には上部が赤色になります。もしユニットが士気崩壊すれば、バナーは 白色に変わります。

17. 地形
17.1. 難易度

地形は4つの難易度レベル:困難 [Difficult]、荒地 [Rough]、非-開豁地 [Non-Open]、そして開豁地 [Open] に分かれています。これらは移動とオーダーに様々な角度で影響を及ぼします(重城塞と中城塞は攻撃する歩兵にとっては困難な地形ですが、防御するユニットへの悪い影響はありません)。

困難地形には、森林、沼地、困難な斜面が含まれます。それは軽歩兵を混乱させません。それは中歩兵、戦士、弓兵、群集を混乱させます。それは他のタイプに重大な混乱を引き起こします。

荒地は軽歩兵、中歩兵、戦士、弓兵、または群集を混乱させません。それは カタフラクト、重チャリオット、サイズチャリオットに重大な混乱を引き起こします。それは他のタイプに混乱を引き起こします。

非-開豁地形(例:囲い、いくつかの小川)は混乱を引き起こしませんが、戦闘では"開豁地形にいる"と見なすことを止め、いくつかのユニットのインパクトPOAが減少します。

開豁地形は何も影響がありません。

小川は、小川のサイズに応じて難易度が変化します。

建築物エリアはそこを占める歩兵を、側面/背面チャージの悪い影響から守ります。

通行不可地形、水スクエア(橋や浅瀬以外の大河川を含む)は、陸上ユニットにとっては通行不可能です。

山岳と崖はすべてのユニットに対して通行不可能です。

困難地形はチャリオットにとって通行不可能です。

17.2. 高地

高い地形にいるユニットは白兵戦闘でアドバンテージを得ます。これは高度の差が75以下ならば少なく(+25 POA)、差が100以上ならば大きく(+100 POA)なります。ツールチップに高度が表示されないスクエアの高度は0です。

17.3. 視程

樹木、建築物、沼地は、その中の静止している歩兵ユニットを隠蔽することができます。

樹木、建築物エリア、より高い地形は視線を遮ります(個々の建築物は、それがスクエア全体を覆うほど大きくなければ、そうではありません)。

17.4. 地形の端での白兵戦闘

地形内のユニットがその外のユニットと白兵戦闘を行なっている時、外側のユニットは地形の中に攻撃しているならば、地形の中にいるかのように混乱のペナルティを被りますが、敵がその外へと攻撃してきているならばそうではありません。どちらにしても、その戦闘は"開豁地形内にある"かのようには扱われません。

17.5. 障害物と城塞

17.5.1. 障害物の位置

線状の障害物はタイルのエッジ上またはその近くにあります。エッジに沿った障害物のあるタイルにいる歩兵ユニットは、そのエッジを仮想的に延長した線を越えてくるユニットに対して防御している時には、利益を得ます。城塞は、城塞が描かれているタイルエッジだけを防御します。

17.5.2. 障害物の影響

障害物を防御する歩兵は、騎兵ユニット(コンバットチャートを参照)と障害物を越えての側面/背面チャージによる悪影響に対して"守られて"います。障害物の性質にもよりますが、それらはカバーとしても機能しー射撃による死傷者の数を減らすことができます(下記参照)。

灌漑用の溝、低い壁、そして生け垣は、それらがあるどちら側にいても、静止した歩兵を防御することができます。ユニットが移動した場合には、それが方向転換であってもカバーを失います。城塞は城塞の内部にいる歩兵のみを防御しますが、ユニットが方向転換したり移動してもカバーは失われません(下記 参照)。

障害物を越えて敵にチャージするユニットは、敵が彼らにチャージしてくれば得られるすべての優位を失います。

17.5.3. 障害物のタイプ

灌漑用の溝ーこれらは"プロテクション"を与えますが、カバーは与えません。

生け垣/低い壁ーこれらは"プロテクション"と33%のカバーを与えます。

野戦陣地(軽城塞)ーこれらは"プロテクション"と33%のカバーを与え、それを守っているユニットに白兵戦闘での+100POAボーナスを与えます。

強化野戦陣地(中城塞)ーこれらは"プロテクション"と66%のカバーを与え、それを守っているユニットに白兵戦闘での+100POAボーナスを与え、城塞を越えて突撃してくるユニットに対して困難地形であると見なします。

重城塞ーこれらは"プロテクション"と75%のカバーを与え、それを守っているユニットに白兵戦闘での+200ボーナスを与え、城塞を越えて突撃してくるユニットに対して困難地形であると見なします。
18. 混乱する他の原因
方陣の中の騎兵(すべてのタイプ)かラクダ騎兵が、敵の象に隣接していると混乱に陥ります。もし象が味方ならば、騎兵は少し混乱します。方陣の中の騎兵(すべてのタイプ)が、敵のラクダ騎兵に隣接していると混乱に陥ります。もしラクダ騎兵が味方ならば、騎兵は少し混乱します。
19. 勝利条件
これらは個々のシナリオによって異なります。しかし損失に応じた勝利条件は、 死傷者数や破壊されたユニットではなく、敗走または分散したユニットに基づいています。ユニットのサイズは考慮されています。

デフォルトの勝利条件では、その陣営の元のユニットの60%が敗走または分散してしまったか、その40-59%が敗走または分散した時に敵の損害が少なくとも25%より少なかった場合に、軍は士気崩壊します。したがってより長く戦えば、戦いはより厳しくなり、より破局的になるでしょう。

タイムリミットまでにゲームの決着が着か無い場合には、デフォルトの勝利条件はゲームのタイプに応じて変わります。プレイヤー増援バトルでは、プレイヤーがより多くの%敗走があっても勝利します。敵増援バトルと、輜重兵防衛シナリオでは、タイムリミットまでに決着が着かない場合は敵の方が多くの%敗走があっても、敵が勝利します。オープンバトルでは、シングルカスタムバトルだとより多くの敗走%があってもAIがタイムアウトゲームに勝利します。一方MPゲームとキャンペーンゲームではタイムリミット時により少ない%敗走の方が勝利します。

SPゲームでは、敵が敗北した後で、プレイヤーはプレイを続けて敵の殲滅掃討作戦を行なうオプションを与えられます。
20. バトルレポート
シナリオに勝利した(または敗北した!)時に、戦闘の結果の両陣営の損害が表示されます。これには追撃によって被った追加の損害と、幾許かの歩ける負傷者の復帰とを考慮に入れています。

21. ロード/セーブ
ロード/セーブメニューで、あなたはゲームのロードやセーブができます。

バトルやキャンペーンで戦闘している時に、敵のターン以外のいつでも 進行状況をセーブすることができます。センーブしたゲームは、"Documents\My Games\FIELDOFGLORY2\SAVES”に保存されます。

22. 設定


設定メニューでは、難易度を設定したり、さまざまなUI表示、オーディオ、および画面オプションを設定できます。

22.1. 難易度

百人隊長[Centurion]、護民官[Tribune]、総督代理[Legate]、総督[Governor]、皇帝[Emperor]、神[Deity] の6つの難易度があります。百人隊長が最も簡単で、神が最も困難です。

ほとんどのバトルでは、これら難易度の設定の影響は、プレイヤーが利用可能なフォースのサイズを調整することだけです。史実シナリオの幾つかでは、その代わりに難易度設定によって調整される特別な歴史上のファクターがあるかも知れません。最低と最高の難易度設定では、ユニットのクオリティをわずかに調整します。

両軍の戦力が最もバランスが取れているのは、デフォルトの護民官設定です(Pot Luckアーミーあるいは自動フォース選択を使っても、プレイヤーは実際には僅かな利点しか持ちません)。

フォースの"サイズ"は、ポイントシステムで決定され、より良いユニットはより高価です。従って軍の編成によっては、等しくバランスの取れたバトルにおいて、一方が他方よりも数で優ることが起こりえます。もしそうなれば、それはその兵士らが余りよい装備でないか、クオリティが低いか、さもなければ非-効率的だからです。

すべての戦闘、結束力テスト、そして他のユニットの相互作用は、すべての難易度レベルにおいて全く同じであり、いかなる方法でもAIに有利にはなっていません。乱数ジェネレータは、どちらの側にも偏りません(運があなたを見放している時に、それを想像するのは簡単ですが)。

マルチプレイヤーゲームは難易度設定を完全に無視します。

22.2. マウスボタンモード

デフォルトのUIモードは左/右UIモードと呼ばれます。このモードでは、マウスの左ボタンを使ってユニットを選択し、右ボタンでオーダーを発行します。他のユニットか空のスクエアをクリック(あるいはスペースバーを使って)して、ユニットの選択を解除します。

代替UIモードは左のみUIモードと呼ばれます。このモードでは、マウスの左ボタンを使ってユニットを選択しオーダーを発行します。右クリックかスペースバーを使って、ユニットの選択を 解除します(別のユニットを左クリックしても選択解除することができますが、二番目にクリックしたユニットが隣接するスクエアにある時には、その代わりに最初のユニットが方向転換を実行するので、これはお勧めできません)。



22.3. ツールチップ: シンプル/詳細

詳細なツールチップには、射撃または白兵戦闘に影響を及ぼす要因が非常に詳細に表示されます。しかし詳細なツールチップは、目標ユニットをマウスオーバーしている間にCTRLキーを押していると、一時的にオンにすることができます。

22.4. 白兵戦闘ログ: オン/オフ

詳細な戦闘ログは、設定メニュー 内か、バトル中に左側のツールメニューか、"C"ホットキーを使って切り替えることができます。白兵戦闘ログがオフになっている場合、もっとも重要な白兵戦闘の情報は、ユニットの上のフローティングテキストとして見ることができます。

また白兵戦闘はそれが見えるかどうかに関わらずログに記録されるので、なにか予期せぬことが起きた場合にトグルして問題の戦闘のレポートを見ることができます。

22.5. 白兵戦闘レポート: オフ/シンプル/詳細

デフォルトの設定では、白兵戦闘レポートはオフです。しかし各々の白兵戦闘が解決された後で、シンプルまたは詳細な白兵戦闘レポートを表示するように設定することができます。これは各戦闘後に効果的にアクションを一時停止させます。

22.6. クエスチョンマーク オン/オフ

このオプションがオンの時、敵ユニットを隠蔽している可能性のある地形を警告するために、クエスチョンマークが表示されます。

22.7. ホットシートモード

これがオンになっていると、いずれかのシングルプレイヤーのシングルバトルをホットシートモードでプレイできます。したがってMPサーバーを使ったりリプレイを見ることなく、一人で両軍をプレイしたり、同じコンピュータ上で友人と片方ずつプレイすることができます。

22.8. アンチエイリアス

ゲームはデフォルトではアンチエイリアスしないようになっており、可能な限り多くのシステムでスムーズに動作するようになっています。しかしアンチエイリアスをオンにすることによってグラフィック要素の見た目を改善することができます。一部のシステムではゲームのパフォーマンスに影響を与えずに、最大レベルのアンチエイリアスを処理できます。古いマシンでは難しいでしょう。



22.9. ゲーム解像度

これによりゲームの解像度を選択することができます。変更はゲームを再起動するまでは有効になりません。

23. マルチプレイヤー
24. ヒントとTips
24.9.1. 将軍

あなたのユニットを、ライン・オブ・コマンド内の将軍の指揮範囲内に保ってください。彼らが指揮範囲外に出てしまうと、彼らの機動性が低下します。

将軍は白兵戦闘では一緒にいるユニットに大きなブーストを与えますが、白兵戦闘中にオーダーを出すことができませんので、そのコマンドのユニットは白兵戦闘が終わるか、ライン・オブ・コマンド中の別の将軍の指揮範囲内に入らない限り、指揮範囲外にあるものとして扱われます。

また白兵戦闘中の将軍には、死亡したり無能力化されるリスクがあり、それは近くのユニットのモラルに悲惨な影響及ぼします。

将軍を不安定なユニットに移動させると、ユニットが回復するチャンスが増加します。彼を敗走するユニットに移動させると、回復のチャンスが増加しますが、ユニットが敗走を止めるまでは再び離れることができず、それが回復しなければ一緒にマップから去ってしまう リスクがあります。

24.9.2. 結束力

敵を打ち倒すための鍵は、敵のユニットが士気崩壊して敗走し始めるまで、敵の結束力(モラル)を下げることです。これは死傷者数を増やすよりも重要なことであり、ユニットは重大な損害を被る遥かに前に、しばしば士気崩壊し、そうなれば近くの敵ユニットもまた無傷であったとしても結束力が下がる可能性があります。

分裂したか分断したユニットは良く戦うことができません。分断されたユニットは他の何かがうまく行かなかった場合、あるいはチャージされると、敗走しやすくなります。分断されたユニットはチャージを行なえず、遠くに移動することもできません。もし敵のチャージ可能な範囲で後退アクションを試みれば、彼らは恐らく士気崩壊するでしょう。しかし他のユニットで敵を食い止めておけば、彼らにも回復のチャンスがあります。

ユニットが敗走すると、その相手は追撃するでしょう。あなたは回復するまで敗走するユニットにオーダーを発することはできず、停止するまで追撃するユニットにオーダーを発することはできません。見えているマップの外へ追撃していったユニットは、後で帰ってきます。敗走側は帰ってきません。

24.9.3. 射撃

敵ユニットは最終的には死傷者によって疲弊することもありますが、その結束力を減らすことが射撃の本当の目的です。

あるターンにユニットが被る射撃の損害が多いほど、結束力が低下する可能性が高くなります。従って個々の敵ユニットに可能な限りあなたの射撃を集中すべきです。

ユニットは短距離で完全な射界で静止している時に、より効果的に射撃します。ユニットは移動したり方向転換すると効果が減少します。もし前進しないのであれば、敵の移動を予測して、敵がレンジ内に入る前にあなたのユニットを位置につけましょう。アーチェリーは移動したり方向転換したターンには全く射撃することはできません。

弾薬には限りがありー弾薬低下になると射撃の効果は非常に減少します。したがって目標が遠距離にいたり完全射界から外れている場合、または目標を複数のユニットで射撃できない場合には射撃を控えた方がいい場合もあります。

24.9.4. 白兵戦闘

白兵戦闘におけるポイントオブアドバンテージは勝利の鍵です(上の白兵戦闘のセクションを参照)。あなたのユニットが最適なマッチアップを行なうよう徹底し、白兵戦闘で優位を持つような敵に対して正面からのチャージを避けてください。

悪い状況では、強力なユニットがずっと弱いユニットに負けることもあります。火力の最適な使用に従って、有利なマッチアップを行なうことは勝利の鍵です。

幾つかのユニットには、一部のユニットに対して最初のインパクトで優位を与える機能があります。これらの幾つかではユニットが静止しているーつまり、チャージしていない必要があります。他のものについては、チャージを受けているユニットが状況に応じて短距離のカウンターチャージを行なうと想定するため、ユニットがチャージしているかチャージを受けているかは関係ありません。

複数の敵ユニットと近接戦闘を行なっているユニットは、それぞれのユニットに対して効果が減少します。したがって白兵戦闘で一つの敵ユニットに対して複数のユニットで襲い掛かることは、それを倒すチャンスを増加させます。

白兵戦闘に入ると、ユニットは一方が敗走するか離脱するまで毎ターン戦い続けます。よりクオリティの高いユニットは、よりよく戦い、より耐久力があります。ユニットが敗走すると、その相手は追撃するかも知れません。あなたは敗走するユニットが回復するまでオーダーを発することはできず、追撃するユニットが停止するまでオーダーを発することができません。見えているマップの外へ追撃していったユニットは、後で帰ってきます。敗走側は帰ってきません。

24.9.5. 側面または背面攻撃

側面または背面攻撃は非常に危険です。壊滅的な効果を得るためには、最初に敵ユニットを 別のユニットで白兵戦闘に拘束する必要があります。

あなたのユニットを側面チャージに晒すようなことは避けてください。敵ユニットに対して側面チャージを行なえるように算段してください。

側面チャージを満足するチャージの為には、チャージ側はその全体の移動を目標ユニットの側面より後ろで開始しなければならないことを忘れないでください。

疑わしい場合には、チャージツールチップに側面チャージかどうか、そして完全な影響があるかどうか表示されていることを思い出してください。

24.9.6. 地形

一部の地形はユニット、特に騎兵と重装歩兵を混乱させます。混乱が悪化すると、ユニットの戦闘能力が影響を受けます。混乱させる地形にいる敵にチャージするユニットは、あたかも自身がその地形にいるかのように混乱します。しかし開豁地形にいるユニットが、混乱させる地形にいるユニットから攻撃を受けても、その地形によって混乱することはありません。

白兵戦闘にいるユニットは、敵よりも高い地形にいると有利ですー勾配が急な場合は更に大きな優位があります(高度差100以上の場合)。

カバーされているユニットは、特に静止している場合、射撃による損害が軽減されます。歩兵は建築物や、森や、他の一部の地形の中に隠れられます。彼らは射撃した時か、近くの敵によって発見されます。一部のバトルが始まる前に、あなたのユニットを再配置できるかも知れません。地形をうまく活用してユニットを配置してください。

障害物や城塞の背後のユニットは、攻撃してくる敵に対して様々な優位を得ます。彼らは自身がチャージする時にはこれらの優位を失ないます。障害物の背後のユニット(城塞ではなく)は、移動したり方向転換した時に、障害物によって得られていたカバーを失います。

24.9.7. あなたのユニットのタイプを知る

重装歩兵は、中歩兵/戦士よりも耐久力がありますが、地形の影響を受けます。

歩兵ショックユニット(インパクト歩兵、攻撃側槍兵とパイク兵)は、戦闘ラウンドで決定的に勝利すれば敵歩兵をプッシュバックしてフォローアップするでしょう。彼らは自らが白兵戦闘を開始していた場合にのみそうしますーもし彼らがチャージを始めたのでなければフォローアップしません。

フォローアップは他の敵ユニットによって側面チャージできるような位置への前進につながる可能性があります。チャージするか敵を攻撃するのを待つのかを決定する判断が必要です。あなたは敵が側面を曝らすような位置に、敵が押してくるような状況をこしらえることができますーもしあなたのユニットが前面で十分長く持ち堪えられるならば!これはローマのレギオンが、BC197年にキュノスケファライの戦いでマケドニアのパイクファランクスを破った戦法です。

軽歩兵、弓兵、そして群集は開豁地形では騎兵に対して脆弱です。騎兵がいる時には、彼らを障害物の中や後ろに置くようにしてください。重装歩兵、中装歩兵、そして戦士は安定していれば開豁地形で騎兵のチャージを撃退することができますが、混乱していると危険に晒されます。

軽歩兵は、ほとんどの開豁地形の非-軽量ユニットにチャージできません。

軽量ユニット(軽歩兵と軽騎兵)と、非-槍騎兵/ラクダ騎兵は敵のチャージを回避できますが、特にチャージ側がその移動全体を彼らの近くで開始していた場合には、捉えられる可能性があります。バトルフィールドから回避して去ったユニットは、後で帰ってくる可能性があります。
25. マップエディタでマップを作る
25.1. タイル
25.2. 丘
25.3. 水
25.4. オブジェクト
25.5. ユニット
25.6. コピー&ペースト
25.7. エッジングとスタイル
25.8. コンディション
25.9. 増援モード
25.10. 配置モード
25.11. カスタムAIダイアログとチーム
25.12. プラグインツール
25.13. シナリオ説明
25.14. テキストマーカー
25.15. 将軍
25.16. カスタムユニットの名前
25.17. サイド0/サイド1
25.18. ポイント割り当て
25.19. シナリオスクリプト
26. Mod作成
Fields of Glory II は、非常に多くのmod作成の機会を提供しています。あなたは新しいシナリオを作成したり、ユニットテーブルを変更したり、キャンペーンの構造を修正したり、またゲームルールやユーザーインターフェイスを調整することができます。
mod作成やシナリオスクリプト作成の為には、ARCHON wiki[archonwiki.slitherine.com]のmod作成のセクションを参照してください。
またField of Glory IIのmoddingフォーラム[www.slitherine.com]も、どうぞ訪れてみてください。
27. テクニカルサポートとゲームフォーラム
メインメニューには、テクニカルサポートのサブセクションがある、ゲームフォーラムへのリンクのボタンがあります。そこへ行って質問や問題について投稿することができます。あなたの問題について可能な限り多くの情報を伝えるように、そしてあなたのマシンのスペックとOSを含めることを忘れないでください。
28. 便利なホットキー
1 – Toggle LOF display.
2 – Toggle LOS display.
3 – Toggle command range display.
A – scroll map to the left.
C – toggles combat log.
CTRL and left click on unit - detailed information on the unit.
CTRL when moused over target – showed detailed tooltips.
B – next unshot unit.
D – scroll map to the right.
E – rotate map to the left.
ESC – opens load, save, settings and exit options.
F – zoom out on map.
F1 – list of hot keys.
F2 – Takes a screenshot and dumps it to "Documents\My Games\FIELDOFGLORY2\SCREENS".
J – moves and hides the mini map.
K – toggles casualty screen
L – toggles unit list. (In the main menu, L loads the last saved game).
M – toggles the overhead map view.
N – next unit.
Q – rotate map to the right.
R – zoom in on map.
S – scroll map down.
SPACE – deselect unit. Also closes non-critical popup windows.
TAB – next unmoved unit.
W – scroll map up.

設定メニューで、メインキーボードコントロールに使われているキーを再割り当てすることができます。
29. 付録
29.1. 再現スケール

Field of Glory II の再現スケールは柔軟であり、バトルフィールド上で管理不可能な数のユニットを使わずに、非常に大きな戦いを再現することができます。

しかし数値調整が行なわれていない場合、バトルフィールド上の一つの歩兵または騎兵モデルは4列の60人の兵士を表しているので、2列の8モデルのコホルトサイズのユニットは8列の480人の兵士を表しています。

他の再現スケールを使っている時には、それに応じてすべての人数と死傷者数が変更されます。

バトルフィールドのスケールは、標準的再現スケールを使っているときには、弓の最大有効射撃距離に基づいて変更されます。そこで4スクエアはおおよそ240歩を表し、密集したフォーメーションの各々の兵士は凡そ一歩の正面を占めます。

29.2. ユニットのタイプ

ユニットのタイプ
説明
重装歩兵
ギリシャのホプリタス、マケドニアのパイク兵、ローマのレギオン、そして多くのガリアまたはゲルマンのウォーバンドのような、密集したフォーメーションで戦う歩兵ユニット
中装歩兵
ヘレニズムのトゥレオフォロイや、ローマのアウクシリアパラティーナのような、密集したフォーメーションで戦うがもっと軽装備の歩兵ユニットです。彼らはなお主戦列で戦う能力を持っていましたが、重装歩兵ほどの耐久力はありませんでした。しかしながら彼らのより軽い装備は、地形の影響を受けにくい利点がありました。
戦士
古代のブリテン人、ダキア人、いくつかの ガリア人のような、あまり密集しないフォーメーションで戦う部族の戦士です。
弓兵
弓兵の集団です。彼らは開豁地で騎兵のチャージに捉えられると非常に脆いです。
軽歩兵
射撃武器を持って散らばったフォメーションで戦う歩兵ユニットです。彼らは離れたところから敵に嫌がらせをするにはベストであり、チャージされれば回避し、 困難な地形でも活動します。
群集
通常は士気も低く、訓練もされていない集団で、統制のとれていない集団として戦います。彼らは通常は農民の武器だけを装備しているか、急いで適切な武器を装備したかも知れませんが、効果的に使う訓練はされていません。
軽騎兵
散兵戦に特化した軽装備の騎兵で、通常は射撃武器を装備しています。
騎兵
他の非-軽量騎兵ユニットのほとんどは、このカテゴリーになります。
カタフラクト
装甲した馬に騎乗した完全に装甲された槍兵です。その重装備が意味するところは、彼らが他の騎兵ほどの機動性を備えていないということです。
戦象の力は敵兵士の堅い戦列を踏み砕き、敵の馬を怯えさせます。
ラクダ騎兵
ラクダに騎乗した騎兵です。象のように、ラクダは馬を怯えさせます。
重チャリオット
重いショックチャリオットは、通常2人以上の乗員と/あるいは馬匹を持っていました。
軽チャリオット
より軽い散兵チャリオットですが、それにもかかわらず、弱体化した又は敵の背後から効果的なチャージを行ないました。
サイズチャリオット
恐怖の武器として考えられたサイズチャリオットは敵戦列に突入してパニックを引き起こすことを意図していました。それらは歴史上成功したのは稀でしたが、効果がないと言うよりむしろ、敵よりも味方へより多くのトラブルを引き起こしました。
軽アーチェリー
軽いボルトを射ます。これらはバトルフィールド上で若干の機動性を持ちます。
重アーチェリー
重い石を放ちます。これらはバトルフィールド上に設置されると、わずかな機動性しか持ちません。
輜重兵
軍用物資を運ぶ車の列です。その機能は防衛を要することです。

29.3. 戦闘能力

戦闘システムは機能ベースです。単に武器を所持しているだけでは、戦闘能力があると認めるのに十分ではありません。例えば、多くの射撃武器を装備した兵士は安価なサイドアームを所持していましたが、その使用をちゃんと訓練されておらず、剣士としての能力を持っていませんでした。同様に主に騎馬弓兵として活動していた騎兵も槍を持っていましたが、彼らの主要な戦術は騎馬弓兵としてのものであり、槍による恐るべき突撃ではなかった為、槍騎兵の能力は与えられませんでした。

能力の割り当てには、必然的に主観的要素があります。

能力は状況に応じたものであり、すべての戦闘において優位にはなりえません。

ユニットには異なる能力の兵士を抱えているかも知れませんーもしそうなら、それはパーセント値で説明されます。例えば、ロクソラニ騎兵は、軽騎兵(100%)、剣士(100%)、弓(50%)の能力を持ち増す。

戦闘能力
能力
フェーズ
説明
射撃
徒歩弓兵または騎馬弓兵のスペシャリスト
ジャベリン
射撃
ジャベリンを持った軽歩兵または軽騎兵
スリング
射撃
スリングを持った軽歩兵
重アーチェリー
射撃
重い石を放つ機械
軽アーチェリー
射撃
軽いボルトを射る機械
インパクト歩兵
インパクト
インパクトにおいて、重い投擲武器の一斉射撃、または敵を分裂させる獰猛なチャージを武器にする歩兵です。例えば、ローマのレギオン、ガリアのウォーバンドです。
軽スピア
インパクト
刺したり投げたりする軽スピアを装備した徒歩または騎馬の戦闘ユニットです。
ダーツ
インパクト
投げダーツを装備した兵士で、敵のチャージに反応する助けとして軽スピアと共同して使用されます。例えば、後期のローマレギオンや、アウクシリアです。
パイク
インパクト、近接戦闘
長い両手持ちのパイクを持って、深いフォーメーションで戦う歩兵です。例えば、 マケドニアのパイク兵です。
攻撃的槍兵
インパクト、近接戦闘
突き刺す槍を持ってフォーメーションで戦う歩兵で、防御の時にも攻撃的に戦います。例えば、ギリシャのホプリタスです。
防御的槍兵
インパクト、近接戦闘
突き刺す槍を持ってフォーメーションで戦う歩兵で、より防御的な戦術を持ちます。例えば、サーサーン朝のレヴィー槍兵です。
剣士
近接戦闘
剣を自らの主武器として使う歩兵です。例えば、ローマのレギオン、ガリアのウォーバンドです。剣やメイスや騎兵斧を装備して、白兵戦の意思があり準備の整った騎兵。例えば、ほとんどの古代の騎兵です。
重い武器
インパクト、近接戦闘
偃月刀や大鎌のような重い切る武器を装備したユニットです。例えばトラキアの歩兵です。
槍騎兵
インパクト
ランスを持ってチャージするのに特化した騎兵ユニットです。例えば、マケドニアのイクシストフォロイやパルティアのカタフラクトです。

29.4. 用語集

29.4.1. 軽ユニット [Light troops]

これらには軽歩兵と軽 騎兵が含まれます。軽チャリオットは軽ユニットの範疇に入りません。

29.4.2. 戦闘ユニット [Battle Troops]

軽ユニット以外のすべてのユニットです。

29.4.3. ショックユニット [Shock Troops]

これに含まれるのは:
  • インパクト歩兵
  • 攻撃する槍兵
  • 3モデル以上の縦深を持つパイク兵
  • 槍兵(軽騎兵を除く)
  • 重チャリオット
  • サイズチャリオット
30. バトルの例 ー AAR
31. 戦術 1 (初心者への戦術的アドバイス)
31.1. 初心者への戦術的アドバイス

初心者が学ばねばならない最も重要な教訓は、計画を持たねばならないと言うことです。ほとんどどんな計画でもノープランよりは、よっぽどましです。しかし良い計画は、勝利への最初のステップです。それにはバトルフィールドのレイアウト、敵対する軍勢の相対的な強さと弱さ、敵の取りうる可能性のある行動を考慮する必要があります。判断を誤った場合には、計画を変更したり再配置するのは困難でしょうから、可能な限り最初にきちんとやるのが肝心です。

あなたの軍が敵の軍とどのように違うのか、自身に確認してください。どれが最強の白兵戦闘歩兵ですか?それがあなたのならば、その周りで攻撃を計画してください。しかしそれが敵のならば、あなたはそれとの接触を避けるか遅らせる必要があります。どれが最高の荒地/困難地形の歩兵ですか?それがあなたのならば、あなたは地形を使って側面を守り、敵の側面を衝くことができます。しかしそれが敵のならば、そのような地形を避けるように計画を練らねばなりません。どれが最良の騎兵ですか?それがあなたのならば、あなたは敵の側面を一掃する機動を行なうことができますが、それが敵のであれば、あるいは敵の軍勢が数であなたを圧倒しているのであれば、あなた自身が包囲されることを避ける必要があります。

敵はあなたに問題をもたらすような特定のユニットを持っていますか?あなたは地形を使って、それらを妨害したり、その影響を減らすことができますか?あなたは接敵する前に敵の結束力を損なうのに十分な散兵を持っていますか?

敵は象を持っていますか?あなたは象と接敵する前に射撃でそれらを分裂させたり逃走させたりできますか?

すぐに攻撃する必要は必ずしもありませんが、守備的な配置をとった時に、敵を攻撃したい場所で敵が攻撃してくるのを当てにしないでください。堅固な場所に自殺的な攻撃を仕掛けるのに、強力してくれるような敵はほとんどいません。あなたが堅い防御を採用した場合、賢い対戦相手はあなたの最も弱いポイントに主攻撃を集中させ、あなたの戦列の残りに対してその占める場所を保持するように示威するでしょう。彼はあなたの戦列の一部に対して、士気阻喪したユニットにチャージする前に、その結束力を分断化するまで、射撃を集中することでしょう。防御的な態勢と、それに続く事前の反撃計画は、より効果的になる可能性があります。





散兵戦術で一方の翼を攻撃したり、もう一方を守ったりするのは、しばしば効果的です。明らかに攻撃側の翼には重装ユニットが含まれ、そうではない翼には散兵戦や拠点防衛する能力持つユニットが含まれます。もしあなたの攻撃しない方の翼が危機に陥っているように見えても、それを補強するために攻撃側の翼からユニットを引き上げないでください。こういったことは全て、あなたの主攻撃がポシャることを確実にするだけでしょう。

あなたの計画と配置は、可能な限りシンプルに保つようにするべきで、戦列に展開したあなたのユニットのほとんどが指揮官の指揮下にあるようにしてください。これは、あなたのユニットの大半が重なりあったり側面から攻撃を受けることを防ぐことでしょう。あなたの正面の戦列ユニットの側面を守るために、支援するユニットを持っていない限り、戦列に間隙を残さないようにするべきです。

もしあなたがマップ上で広範囲な側面迂回移動を計画しているのならば、それは指揮官によって率いられているべきです。あるいは、オフマップ側面行軍を試してみてください。それらは非常に効果的です。ただ彼らは到着するのが遅過ぎることがあったり、まったく到着しないかも知れないというリスクがあります。

伏兵はまた敵からあなたの意図を隠蔽することによって効果的になりますが、だからと言って、あなたがそう出来る地形全部で待ち伏せしたりしないでください。そういった策略はあなたの全体計画の一部であるべきです。歩兵は森や建築物エリアで待ち伏せを行なうことができ、すべてのユニットが高地、樹木、建築物エリアの背後の視界の外で待ち伏せすることができます。

正面の戦列の背後に保持されたユニットは、穴を塞ぎチャンスを利用する為の予備として機能します。ビザンチンは正面の戦列に兵士の2/3を配置し、第二列に1/3を配置していたものと考えられています。適切な場所に適切なタイミングで使われれば、良質な機動力のある兵士の中央予備は決定的なポイントで決定的な優位を得ることができるでしょう。

予備として第二列を持つ軍は、明らかにより縦深が浅く配置された軍よりも狭い正面を占めているので、側面包囲される危険にさらされています。しかし地形を利用して安全な側面にすることができますし、それに失敗しても、あなたの側面予備を側面包囲しようとする敵に反撃できる位置に配置できます。この柔軟性とすべての偶発的な事態に対処する能力は、敵の突破に反撃できない広すぎる正面に展開する軍の硬直性とは対照的なものですが、元の計画の欠陥を償うのは困難です。

上記の一般的なルールにおける、ありうる一つの例外は、ほとんどが騎馬弓兵で構成された軍隊であり、正面から戦って勝つことは期待できませんので、従って一方の翼または両翼から敵を包囲することを試みなければなりません。彼らは依然として強力な予備を持つことによる利益を得ており、これによってその戦列にギャップを残したままにするとしても、敵はそのフォーメーションを崩さずにこれを利用するのは困難だと知るでしょう。そして騎馬弓兵が射撃に集中したり側面を攻撃する機械を与えます。

もしあなたが軽騎兵と軽歩兵で優位に立っているならば、良い戦術はこれらのユニットで片翼または両翼で正面にラッシュを掛けて敵の散兵を打ち負かし、敵の翼のより重いユニットの結束力を削るために射撃を集中することです。散兵はチャージされれば敵の前をゆっくり後退することができます。しかしながら忘れてはならないのは、軽歩兵は開豁地では騎兵に対して脆弱であり、逃げ切れるほど十分に遠くまで回避することができないということです。彼らは適切な瞬間に飛び出せるよう準備を整えた地形で伏兵として配置されれば、敵の前進を遅延させるのに優れています。

側面攻撃、特に非-散兵による側面攻撃は破壊的になる可能性があるので、あなたはユニットの背後に敵を残して置くことは避けねばなりません。その逆に戦いで敵を包囲することができれば、その戦いはほとんど勝利も同然でしょうーしかし、側面攻撃が致命的である為には、正面でも敵と交戦していなければなりません。



ユニットと 共に戦っている指揮官は、白兵戦闘のオッズを大幅に改善しますが、その代わりに、指揮官を失うリスクがあります。バランスを考えると、戦闘が少なくとも 対等であるか、戦闘結果が重要である場合には、通常は利益がリスクを上回ります。しかし一度コミットしてしまえば、その白兵戦闘が終わるまで、その指揮官を他のユニットの指揮や回復に用いることはできなくなります。
31. 戦術 2 (ウェゲティウス〜戦いの様々なフォーメーション)
31.2. ウェゲティウス

ローマの軍事学者フラウィウス・ウェゲティウス・レナトゥスはAD4世紀の後半に『軍事論』を あらわしました。この作品の中世の写本は、中世とルネッサンス期の兵士によってハンドブックとして携帯され使われてきました。そこにある処世訓は古代と中世のウォーゲーマーにとっては今なお非常に有用です。以下は、1767年に出版されたジョン・クラーク中尉の翻訳の抜粋です。

31.2.1. 戦場を選択せよ

良い将軍というものは、勝利が戦場の性質に大きく左右されるという事実を痛切に感じています。それゆえにあなたが交戦しようとする時には、あなたの状況から最高の優位を引き出すように努めねばなりません。最も高い場所が最良と考えられます。高い場所から投げられた武器は、大きな衝撃をともなって命中します; そして敵対者の頭上にいる者たちは、途轍もない激烈さで敵を撃退し圧倒することができ、苦心して登ってくる者たちは地面と敵の両方と戦っていることになります。しかしこの違いは場所を選ぶ必要があります: もしあなたが敵の騎兵に対して歩兵をぶつけようとしているのならば、あなたは不平等な山間部の荒地を選ばなければなりません。しかしその逆に、あなたが敵の歩兵に対して騎兵で優位を得ようとするのであれば、あなたの選ぶ地形は確かに高くあるべきですが、樹木や湿地の障害物がない平らな開豁地形でなければなりません。

31.2.2. 戦闘における様々なフォーメーション

軍隊とは通常の会戦において、七つの異なるフォーメーションを作ることができます。最初のフォーメーションは古代でも現代でも一般的に使用されている、大きな正面の大まかに長方形のものですが、その正面を収容するのに十分な広さの平坦で水平な土地は常に見つかるわけではなく、その戦列に不揃いな部分や間隙があればしばしばその部分から突破されやすいので、その用途の様々な審査に対して最良であるとは考えられません。一方で、数に優る敵はあなたの右翼または左翼のいずれかを包囲してしまう可能性があり、その結果として、前進して敵の攻撃を食い止める予備をあなたが持っていない限り、危険に晒される可能性があります。将軍はその軍隊が敵よりも優れていて数も多い場合にのみこのやり方を使うべきであり、それによって敵の両翼を攻撃し包囲する力となるでしょう。

二番目であり最良のやり方は斜行陣です。例えあなたの軍の方が少数であり、優秀でもなく、優位な場所も得ていなかったとしても、敵の数や勇気にかかわらず、勝利の獲得に大きく貢献することでしょう。それは以下の通りです: 軍勢が攻撃に向かって行軍するにつれ、あなたの左翼は、敵の右翼から離れた敵のダーツや矢の届かないところに、保持しておかなければなりません。あなたの右翼は斜めになって敵の左翼へ向けて前進し、交戦を始めなければなりません。そして、騎兵と歩兵であなたが交戦している翼を包囲するように最善を尽くさねばなりません。それを打ち破って後方の敵へ襲いかかってください。もし敵が土地を明け渡し、攻撃が適切に続くならば、あなたは疑いなく勝利を得ることができ、離しておいたあなたの左翼は無傷のまま残っています。このように描かれる軍隊は、"A"の文字の形や石工用水準器に少し似ています。もし敵がこの進化の中であなたに前もって備えておく為には、余分な騎兵と歩兵を後方に予備として配置しておかねばなりません。それらはあなたの左翼を支援するように命じられねばなりません。これにより、敵の策略に対して激しい抵抗をすることができます。

三番目のフォーメーションは二番目と似ていますが、敵の右翼に対してあなたの左翼で攻撃を開始することを余儀なくさせるので、それほど良くありません。左翼の兵士の努力は、その戦列が晒されており不完全である状況から、弱く不十分になります。このフォーメーションをより明確に説明しましょう。あなたの左翼はあなたの右翼よりも優れているべきですが、最良の騎兵と歩兵の幾らかで補強されなければならず、可能な限り迅速にそれを混乱させ包囲する為に、敵の右翼に対して行動を開始するように命じられています。そしてあなたの軍の他の部分は劣った兵士で構成されているので、敵のダーツにいらいらさせられたり、剣で攻撃される危険に晒されないように、敵の左翼から遠去けておくべきです。この斜めフォーメーションでは、戦列が敵の楔によって突破されるのを防ぐために注意を払わなければならず、敵の右翼が弱く、そしてあなたの左翼が最強である時にのみ採用されます。

四番目のフォーメーションはこれです: あなたの軍が戦いで攻撃する為に行軍して敵まで400歩から500歩に近づいたら、あなたの両翼は突然歩調を早め、敵を上回る機敏さで前進するよう命じられなければなりません。同時に両翼で攻撃された時に、彼らが突然の驚きによって動揺し容易な勝利をあなたにもたらすかも知れません。しかしこの方法は、あなたの軍が非常に断固として熟練しているならば、ただちに敵を破滅をもたらすかも知れませんが、なかなか冒険的です。それを試みようとする将軍は、その正面を放棄して晒さざるを得ず、その軍を三つに分割せざるを得ません。もし敵が最初のチャージで敗走しなけば、彼らには互いに隔てられている両翼と支援が不足している中央とを攻撃す機会が平等に与えられます。

五番目のフォーメーションは、第四と似ていますが、それに加えて軽歩兵と弓兵が中央の前方に置かれて敵の試みをカバーします。この予防措置によって将軍は安全に上記の方法に従い、その右翼で敵の左翼を、その左翼で敵の右翼を攻撃することができます。それを追い払えれば、彼はただちに勝利することができますし、成功しなくとも中央は軽歩兵と弓兵によって守られており危険ではありません。

六番目のフォーメーションは非常に良くできていて、ほとんど第二と同じようです。それは将軍がその軍の数にも勇気にも期待できない時に使用されます。彼の方が劣っているにも関わらず、判断を下した場合、彼はしばしば勝利する良いチャンスを得ます。あなたの戦列が敵に近付いた時、あなたの最良の騎兵と歩兵によってあなたの右翼で敵の左翼に対して攻撃を開始させます。同時に軍の残りの部分を敵の右翼から大きく遠去けて、ジャベリンのような直線状にします。そして敵の左翼を包囲できれば、その側面と背後から攻撃をかけ、必然的に敵を打ち倒すことでしょう。あなたの軍の残りの部分が文字の"L"の形になって敵から大きく離れて伸びているので、この緊急事態に敵が左翼を維持するために、その中央または右翼から援軍を引き抜くことは不可能です。これはしばしば行軍する際に使われるフォーメーションです。

七番目のフォーメーションは、地形の性質に利点を負っており、あなたの側面の一つを、隆起、海、河川、湖、町、沼地、または荒れ果てた土地のような、敵が通行できない場所でカバーして数でも質でも劣っている軍で、敵と戦わせることを可能にします。軍の残りの部分はいつものように一直線に形成し、無防備な側面はあなたの軽量ユニットとあなたのすべての騎兵で守られていなければなりません。土地の性質に従ってその片側を十分に防御し、もう一方を騎兵の二重の支援を行なうことで、安全に行動することができます。

一つの優れたかつ普遍的なルールに従わねばなりません。あなたが右翼でのみ交戦するつもりであれば、それはあなたの最高の兵士で構成されなければなりません。そして左翼についても同じ方法を取らなければなりません。あるいは敵の戦列を突破しようとするならば、その目的の為にあなたの中央部の前方に設置する楔は、最高に訓練された兵士で構成されていなければなりません。一般的に言って勝利は僅かな男たちによってもたらされます。それゆえに将軍の知恵とは、意味と行動が最も一致する時に、その兵士たちの使い道を選ぶことに他なりません。
31. 戦術 3 (予備〜一般的な格言)
31.2.3. 予備

軍の後方に、臨時の将軍や領主、護民官によって率いられた、歩兵と騎兵を選択して構成した軍予備を持つやり方は、戦いに勝利するのに非常に有益であり大きな結果をもたらします。幾らかは両翼の背後に配置し、幾らかは中央に近く配置して、強く圧迫されている戦列があればただちに助けに飛んでいけるよう備え、突破されないように防ぎ、行動中にそこに空いた間隙を埋めて、それによって仲間の兵士らの勇気を維持し、敵の行動を牽制します。これはスパルタの発明でありカルタゴによって模倣されました。ローマはそれをずっと観察してきましたが、実際それ以上良い方法は見つけられませんでした。

戦列は、それ単独で敵を撃退し、可能ならば打ち砕くようにデザインされています。もし楔や挟撃を形成する必要があれば、その用途の為に後方に配置した余分な軍によって、行なわなければなりません。もし鋸を形成するのならば、それもまた予備から行なわなければならず、もしあなたが戦列から兵士を引き抜こうとし始めれば、すべてが混乱に陥ってしまうでしょう。もし敵の突出した部隊があなたの翼や、軍の他の部分にぶつかった時に、それに対抗する余分な兵士がいなかったり、その為に戦列から歩兵や騎兵を引き抜こうと(試みることを)して、ある部分を守ろうと努力すれば、その為に他の部分を大いなる危険に晒すことになります。余程数が多いのでも無い限り、軍隊は正面を狭くして、強力な予備を持った方がはるかに良いです。要するにあなたは良質な予備を持つべきであり、中央の武装の整った歩兵で楔を形成し、それによって敵の戦列を突破するべきです。そして槍と胸甲を装備した騎兵の一団と軽装歩兵を翼に配置し、敵を側面から包囲します。

31.2.4. 一般的な格言

あなたに取って有益なことは、敵に取って有害であり、敵を利することは、常にあなたを害すると言うのが戦争の性質です。それゆえにあなた自身の興味のみを考慮すること以外、敵の行動の結果に対しては何もしない、あるいは行なわずに済ますようにしてください。そしてあなたが、敵がその利益を追求しているような手法を模倣する時はいつでも、この興味から始めてください。同じ理由から、あなたが優位を得ようとするそのような段階に敵が追従することは、敵にとって良くないことでしょう。

あなたの正面をあまり拡げ過ぎないで、予備を幾つか持っておく方が良いでしょう。

彼を知り己れを知れば百戦危うからず。

勇気は数に優ります。

地形の性質は、しばしば勇気よりも重要です。

逃走する敵を無秩序な軍で無分別に追撃する者は、せっかく得た勝利を取り零します。

数と勇猛さに優る軍は、最初のフォーメーションの長方形のまま接敵すべきです。

自軍が劣っていると判断するならば、敵の左翼に対して右翼を進めて斜めになるべきです。これは第二のフォーメーションです。

あなたの左翼が一番強力なのであれば、第三のフォーメーションに従って、敵の右翼を攻撃しなければなりません。

自身の兵士の規律を信ずるならば、敵の両翼を同時に攻撃することで接敵を始めるべきです。これは第四のフォーメーションです。

軽歩兵が優秀ならば、その正面にそれらを集めて、敵の両翼を一度にチャージすべきです。これが第五のフォーメーションです。

その軍の数や勇気に期待できない時には、接敵を余儀なくされるならば右翼から行動を開始し、敵の左翼を破るように努力すべきです。その軍の残りは正面に対して鉛直な戦列を形成して残り、後方へジャベリンのように伸ばします。これは第六のフォーメションです。

あなたの軍が敵と比較して少なく弱い時には、第七のフォーメーションを使用し、高地、市街、海、河川や何らかのそのような防護を使って、その側面の一つをカバーするようにします。

その騎兵を信頼できるなら、彼らの為に適切な地形を選び、主として彼らを使っていくべきです。

その歩兵に期待できるなら、彼らに最も有利な状況を選択し、彼らを積極的に使っていきます。

(どこかで可能なら)彼らが対抗して適切な手段であなたの計画を打ち破ることのないよう、行動の配置は敵から慎重に隠されておかれるべきです。
32. デザインノート
4 Comments
Takeshi, made in Mom Jun 16, 2023 @ 9:02am 
誤字というほどではないかもしれませんが、
アーチェリー、ではなく、弩砲(もしくはAoEのバリスタ)の方が分かりやすいかと思います。

原文ではArtilleryで砲兵のことです。
Takeshi, made in Mom Jun 7, 2023 @ 5:56am 
むむむ、凄まじい情報量でさっぱり呑み込めないんですが、
ともあれ凄まじい量の翻訳をしてくださってありがとうございます。
Ger4og Dec 7, 2022 @ 2:23am 
I didn't get a thing but kudos for writing such a detailed guide
Femto Jan 2, 2019 @ 12:18am 
あの分厚いマニュアルをよくぞ翻訳下さいました。ありがとうございます。
日本のプレイ人口は少なそうですが、流行って欲しいですよね。