zero
     闇の中にいると、光がどれほど遠いものなのかを知ることができる。
誰もいない静かな夜。
聞こえるのは、自分の足音と心臓の音だけ。
過去に失ったものも、戻らない時間も、
もう振り返るつもりはない。

人はいつか忘れられる。
名前も、声も、存在さえも。
だからこそ、誰かの記憶に残るためではなく、
自分自身のために生きる。

笑顔の裏には、誰にも見せない傷がある。
言葉の裏には、言えなかった想いがある。
そして、静かな人ほど、
心の中に深い闇を抱えている。

もしこの世界が夢なら、
目覚める必要なんてない。
もし現実なら、
最後までこの物語を見届けるだけだ。

光を求めることはもうやめた。
闇に慣れてしまえば、
暗闇さえも居場所になる。


そしていつか、すべてが終わるその瞬間まで
この世界の片隅で、ひっそりと生き続ける。