Doki Doki Literature Club

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takashi Feb 5, 2018 @ 11:28am
ナツキについての考察
ナツキについて深夜テンションで考察したので、steamに投稿。
シナリオについて重大なネタバレを含みます。
考察、というよりは考えたことを書き連ねただけなので、鵜呑みにはしないでください。
非公式日本語MODでプレイ。

サヨリやユリは彼女たちの抱える問題がシナリオに大きく絡んでくるが、ナツキだけ、彼女の抱える問題が良く分からない。
シナリオから「ナツキの父親は彼女を虐待している」事は分かる。
これは「栄養失調で動けなくなる事がある」「文芸部以外に落ち着く場所がない」「主人公と仲良く漫画を読んでいる姿を父親に見られたらボコボコにされる、という彼女の発言」等のシナリオが示している。
しかし、ナツキの父親が具体的にどんな虐待をしているのかについて、シナリオ上で語られる事はない。
また、「昼ごはんを買う小遣いすらくれない」のに「パパの作ったご飯はなるべくたくさん食べないといけない」上、「文芸部に手作り菓子を振る舞う」だけの金銭がある事も矛盾を抱えている。
娘を放置しているのに、過干渉な面がある。このことから、父親の行動に一貫性はない事が分かる。
この点について、redditのとあるユーザーは「父親はアルコール中毒なのではないか」という説を唱えていた。
確かに、アルコール中毒だと仮定すれば、父親の行動の矛盾も酒乱のせいだと考えられる。
また、ナツキのスペシャルポエム「パパの好きな所」でも「早く帰ってくるパパが好き」「私を起こさないで帰ってくるパパが好き」という文があることから、ナツキの父親は酔うと帰宅が遅く、騒ぎ立てて帰ってくるであろう事は容易に想像できる。
しかし、ACT3のモニカとの対話の中に、「ユリが文芸部にワインを持ってきてふざけた時、ナツキが爆笑し、サヨリが(未成年飲酒について)怒った」という話がある。
もし、ナツキの父が酒乱であるなら、ナツキはアルコールに対して良いイメージを抱いているはずがなく、爆笑するはずがない。
この事から、ナツキの父はアルコール中毒ではなく、何かしらの精神疾患で行動の一貫性を欠いているのだと考えられる。

のだが。
アルコール中毒説を否定する根拠は先程の一文のみであり、むしろ、アルコール中毒である方が納得がいく点が多い。
そこで、もう一度「パパの好きな所」について考えてみる。
このポエムを読むと、ナツキが酒気帯びの父親を嫌っている事は確かである。
しかし、父親の全てを嫌いだったとしたら「パパの好きな所」などという詩を書くだろうか。
この詩はスペシャルポエムであり、”普通”なら誰も見ない詩=自分の為に執筆した詩である点もポイントである。
現に、ユリは自傷癖について、サヨリは鬱についてスペシャルポエムを書いている。どちらも人に知られる訳にはいかない自分だけの秘密だ。
この事から、ナツキは父親の全てを嫌いな訳ではない、むしろ「父親が好きだった」のではないだろうか。
他者からすればどんなに酷い親でも、子供は親を肯定せずにはいられない。親の否定は自らの否定にも繋がるから。
ナツキのスペシャルポエムはその事を表していると考えられる。
それならば。
ナツキは、ユリがワインを持ってきた時、どんな気持ちだったのか。
先の対話で、モニカは「ナツキは本当は(ワインを)試したかった」と言う。
アルコールを飲めば、アルコール中毒の父親の気持ちが分かると思ったのだろうか。
あまりにも残酷すぎて、この考えに至るまで時間を要した。

また、スペシャルポエムでは「お小遣いをくれるパパが好き」「ソファにコインをうっかり落としちゃうパパが好き」という文もある。
酔って気分が良い父親が気まぐれで渡した小遣いを、部員のお菓子作りのために使っているとしたら。
”ツンデレ”な彼女が心の底では人との交流を、文字通り「自分の身を削ってまで」望んでいた事が分かるのではないか。


もちろん、これらの真相は不明である。
しかし、自身に問題を抱え、ある意味で自分の意思を貫いたとも言えるサヨリやユリと違い、父親に問題を抱え、自分ではどうすることも出来ず、気丈に振る舞うしかなかったナツキの事を考えると、心が苦しくなる。
Date Posted: Feb 5, 2018 @ 11:28am
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