2D見下ろし視点のホラーゲーム、シリーズ2作目です。
前作の「夜廻」から、要素がいくつか追加されています。
ストーリークリアまでのボリュームは10時間前後でしょうか。
コレクションアイテムをコンプリートするなら、攻略サイトなどの情報なしだと15時間以上かかると思います。

できるだけ、ストーリーのネタバレは控えて書きますね。

懐中電灯を頼りに、お化けだらけの夜の街を彷徨い歩くゲームです。
石や塩と言った消耗アイテムを投げて、お化けの気をひいて、難を逃れましょう。
銃や刃物のような武器は存在せず、お化けと戦って倒していくゲームではありません。

ここまでは前作と同じ、以下は前作との違いを。

今作の主人公は2人居て、シーンによって主人公が入れ替わって進みます。
前作は居なくなった愛犬を探しに、今作でははぐれた親友を探しに、夜の街を彷徨います。
前作ではどの建物にも入る事が出来ず、夜の町中を彷徨い歩くだけで、屋内があるのは自宅だけでした。
ここが個人的に前作での不満だったのですが、今作ではいくつかの建物に、屋内パートがあります。
今作では手に入れたお守り系アイテムを装備でき、それによって少々ですが、恩恵を受けられます。
マップも前作より広くなっています。

ストーリーも前作より深くなっており、あなたは衝撃の展開と終末を目にする事でしょう。

そして、前作をプレイしてなくても楽しめますが、プレイしているとちょっと嬉しい要素もあります。
できればプレイしておくことをオススメします。

総評としては「おすすめ」ですが、唯一のネックは値段かなー・・・。
コンシューマ版も同額（Vita版は5980円、PS4版は6980円）なので、Steam版が高いわけではないのですが・・・。
今の時代、ドット絵のゲームを作るのは大変なので、労力（作成期間、人件費等など）に見合った金額なのでしょうが、Steamには似たようなレベルのグラフィックで、もっと安くてボリュームのあるゲームもあるので、ちょっと躊躇してしまいますね。
ただ、夜の日本の町を彷徨う2Dタイプのホラーゲーム、というコンセプトのゲームは非常に珍しく、この雰囲気と恐怖は、他のゲームには無いと思うので、その魅力を推したい所です。

前作『夜廻』はホラーアドベンチャーは銘打っているものの、その魅力の本質は『夜版ぼくのなつやすみ』とも例えられるようなノスタルジィだった。そのノスタルジィとは、もはや大人になり、煌々とする街頭に埋め尽くされた東京で暮らすようになってから久しく忘れていた「子供の頃に感じた夜道を歩くことへの恐怖」への追憶である。おぞましい化け物やビックリ系の仕掛けもほどこされていたものの、プレイして感じる感情は怖さよりも寧ろ暖かなな懐かしさのほうが強かった。そうした点で前作はほかにない無二の個性を確かに持っていて、自分にとってはお気に入りの作品だったのだ。

しかし『深夜廻』は前述のようなノスタルジックな個性はだいぶ低減されてしまっていた。
街のマップの作りも前作で感じ取れた「地方の住宅地」をリアルに想起させるような自然な仕上がりになってはおらず、よくある「ゲームをさせるための街マップ」といった印象を受ける。それぞれの家の立ち並び方や道の軌道や、公園や空き地や橋や施設の位置関係など街の作り自体が自然ではないのだと感じるのだろう。都合のいい林のゴミ捨て場の裏にある忘れ去れたプラットフォームの廃電車やら、ちょっとした指定文化財風の洋館にチェーンカッターで侵入して無数のトラップを避けるとか、巨大な地下水路を化け物ネズミから逃げ回るとか、バイオハザードじみた探索先が増えており、そこにノスタルジーやリアリティを求めるのは至難である。
シナリオ的にも『夜の街を徘徊する、彷徨い歩く』のとはちょっと違っていて、明確なミッションや目的のもとでアンロックされたマップを攻略するような性格が強くなっている。

しかしながら、ホラーアドベンチャーゲームとしては大幅に進化している。
前作ではほぼ存在しなかった（逆にそこが良かった／裏設定とかマジ蛇足だった）シナリオもゲームプレイにしっかり組み込まれており、マップのミクロな謎解きだけではなく、不可解な物語の展開をあれこれ考察しながらプレイできた。
マップの探索についても前作のようなリアリティがなくなった代わりに、ゲームらしい探索＆攻略に適合したつくりになっているので“アドベンチャーやってる手ごたえ”が良い意味でも感じられる。

とはいえシナリオは教化されたものの説明不足感は否めなく、ゲーム性が増したものの微妙な操作性でアクションゲームじみたことを「死にゲー」バランスで何度もトライ＆エラーを強いられることにはストレスを感じる。
演出面でも、本編ゲームで語られることが「一晩のこと」のはずなのだが、ユイとハルの視点が入れ替わる度にスタート地点がリセットする（死んでるユイは仕方ないとしても、ハルがイチイチ自宅の部屋に戻っているのは違和感しか感じない）ので、時系列が直感的に混乱する。ユイが行方不明になったのは結局いつだったのだろうか…？

クリア後のおまけ要素の充実しており、前作の舞台の大半を探索できて成長した主人公との会話イベントも豊富に準備されているのはファンにとって嬉しいことこの上ない。さびれた商店街も神社も取り壊されつつある地方都市の儚さよ。

前作のような唯一無二の個性を求めることこそできなかったが、ちょっとかわいいデザインのホラーアドベンチャーとしては普通に楽しむことができた。楽しいシリーズ作品だったが、無理に続編を望もうとは思わないのは、この2作で十二分な満足感を得られたからだろう。
日本一には、日本のインディーっぽいゲームの牽引に頑張ってもらいたい。


その他細かい感想
・町の中のちょっとした仕掛け（謎のサラリーマンとか死体とか）も減ってて、ただブラつく要素が減ってる点は残念
・リアルな世界がウリだったのに妙な髪色のいかにもなキャラクターであるハルの登場のせいで、長らくこのゲームを食わず嫌いしていた（だから実は存在しないのはずっとハルだと思ってた）
・クリア後のエピローグとしての自由探索パートで主人公の片腕が欠損するというゲームが、かつて他に存在しただろうか！？　懐中電灯も首掛けになる細かさ
・ダムのボスくっそダセェ
・超絶有能な犬は絶対なんか設定があると思ってたら、ただ単に超絶有能な犬ってだけだった

前作から数年後の隣町が舞台
今回はプレイキャラが二人だったので使用キャラを切り替えつつパズル的な要素もあるのかと思いきや別段そういう事もなく
ストーリー上視点が切り替わるだけだったので前とプレイ感覚は変わらずウザい敵も減っててサクサク進める事が出来てストレスは少なくなってます

ストーリーや演出は前作よりパワーアップしているのでネタバレせずにプレイする事をお勧めします


唯一の不満点は今回の元凶をミンチに出来ない事です
糞っ！なんでこの町にはAKもグレネードも落ちてねえんだ！

『深夜廻』
日本一ソフトウェア製作の探索型ホラーゲーム『夜廻』の続編に当たる作品。
完全日本語モードあり。
基本システムは前作とほぼ同様なので、前作のレビューも参照のこと。

前作同様、怪異が蠢く夜の街を幼女が探索するゲーム。
ゲーム内容もほぼ一緒だが、前作で非常に多かった初見殺しはだいぶ減ったように感じる。
ただボス戦は相変わらず理不尽。
攻略法のヒントが少ないため死にながら模索していくしかない上、
やり直す度にイベントが入るため正直ストレス。

マップは前作よりもかなり広くなり、屋内マップも新たに登場。
廃屋、図書館、地下水路等のホラゲ定番スポットも探索出来るようになった。

ストーリーは色々説明不足だった前作に比べると非常に良い。
冒頭ではぐれてしまう2人の主人公「ハル」と「ユイ」が互いを強く想いながらもすれ違い、
さらには悲しい現実を突きつけられ、そして最後は…
もう中盤以降は涙腺緩みっぱなしでした。切ない。

やはり今作も前作同様、雰囲気を楽しむゲーム。
前作が好きだった人にはオススメですが、それ程ボリュームがあるわけでもないので、かなり割高感あるかも…
セールを狙うかバンドルで買うのが良いかもしれません。

リトライ前提の探索型ホラーゲーム

前作である「夜廻」同様プレイヤーが操作する少女達はお化けを倒す力をもってはいないので、逃げる・隠れるなどしてやり過ごすのが基本になります。(ずっとは走れず一定期間走ると自動的に歩きになる)
なので何度も死にます。死ぬ回数の実績がありますが、わざと死ななくてもゲーム本編&やり込み要素でほぼ達成出来るくらい簡単に死にます。
「どう、お化けや理不尽な初見殺しギミックを攻略するか？」が焦点であり爽快感を求める方は合わないかもしれませんが、ストーリーイベントの場合を除いて死んだ場所からやり直せるのでストレスはさほど感じませんでした。

やり込み要素はすぐ達成出来る簡単な物から難しい物まで種類があり本編が終わった後もまた夜の町を巡って楽しむことが出来ました。(因みに一部除いて収集物はお地蔵さんの所で10円セーブしなくても確か記録されるので死ぬ前提で拾いに行くのもありです。)

お化けも、ナタ持った近付くと走って殺しにくるヤベー奴(1番凶悪なお化け)、コダマをでっかくした奴、子供がクレヨンで書いた絵みたいな奴などなどバリエーション豊富で飽きがきませんでした。

ストーリーはとても切なく、メインテーマもそれを表現する様な素晴らしい音楽です。
少女達の絆、辛い現実、そして降りかかった理不尽な悪意。
他の方も言っていますが元凶を殴れないのが唯一の心残りです。




そしてこのゲームにはある”仕掛け”があります。
それは見過ごしてしまう様なある意味些細な事ですが、最後に衝撃となって貴方を襲うでしょう。

夜廻り作品の中で最高傑作。すごい感動するし、メインストーリー終了後のやりこみ要素もしかりしてて本当に終始楽しかった。

Unlike many other reviewers on Steam say, Yomawari 2 doesn't fix all the problems introduced in the predecessor. The game still has enough cheap deaths (middle finger to the Manor chapter), and you still barely use its mechanics like an ability to bait enemies, preferring to run away from them in 99.9% of the times. Yet again the developers focus way too much on a chase aspect of the game, instead of coming up with clever puzzles. But even then... the game is definitely a major improvement over the first one. In the first Yomawari its story was nothing but a garnish for the exploration. In the sequel I found myself way more invested in the story events, even if they are laconic and basic as ever. The town is filled to the brim with urban legends and collectibles waiting to be uncovered, some of which are basically full-fledged side-quests. If Yomawari becomes a series it has a bright future ahead of it for sure.

夜道探索ホラー夜廻の待望の続編、深夜廻です。PS4本体と公式プレミアム限定版を予約するほど待ってました。
ゲーム内容自体は前作夜廻に比べて大幅にボリュームアップ、前作で慣れたヨマワラーの方にも存分に楽しめる内容となっています。
個人的には前作の夜廻からプレイすることをお勧め（クラッシュ報告が非常に多いですが、ユーザーレビュー等によるクラッシュ回避方法解説アリ）
元々がコンシューマ版より大幅に安い上にセール時は1000円以下で購入できます。

良い：
広くなった街に新しいお化け、探索心をくすぐるコレクションも前作よりパワーアップ。
見覚えのあるお化けなんかも居て懐かしい気持ちになるような旧知の友達に出会えたような・・・。
PS4版でのプレイデータでしたが、初見でのクリアまでの時間は大体8時間ほどだったと思います。
前作で散々慣れてからのプレイでこの程度なので単純にボリューム自体増えてますし、本筋のストーリーも
負けず劣らずビックリさせてくれますし、涙腺を刺激してくれます。

またPS4版との相違点ですが、言語選択で英語が選べる、解像度が640*480～1920*1080（当方の環境で）まで選べる、
キーボードやコントローラの細かいバインド設定の変更などにも対応しています。

前作は元がPSVitaからの移植なので、今作はビジュアル面においても非常に楽しめます。

可愛らしい主人公キャラに、薄暗くてお化けの蔓延る田舎の街、どこかノスタルジーさを感じる世界観で胸が締め付けられる感情を抱きたい方に是非。
100円で買えるサウンドトラック（1曲のみ、PVで聴けるメインテーマ）も他では公式プレミアム限定版（現時点では在庫無し）のみでしか手に入りません。

悪い：
ゲームの性質上、やはりある程度は死にゲー覚悟が必要です。
これが苦手で苦になる方にはあまりお勧めはできません。
また中継地点的な場所でいろんな場所にワープして移動できるのですが、これが前作と同様で若干かゆい所に手が届かないような・・・。
スタミナ要素とランダムで配置されるお化けの要素が相まってきて、周回プレイだと移動が若干面倒に感じることがあります。

また、配信当日現時点では前作のようなデジタルアートブックは配信されておらず、PS4版プレミアム限定版付属の前日譚の小説などが無いので、
どうしても手に入れたい場合はオークション等で探す必要があります、PS4版を持ってない場合は後日対応してくれるのを祈るしかないですね。

夜廻の世界感を体験したことのない兄貴達は、バンドルでのセットがお得なので買って堪能しようね。
セールを待つのもいいと思います。

２Dの探索ホラゲーって感じで面白かったです。前作よりホラー要素が進化してて最高でした。あと最後の方の地下水路でクソ沼りました（ねずみについていくといいよ）

一作目からボリュームもストーリーも進化しています。
前作とのつながりもあるため、夜廻を一度プレイしてから本作に手をつけることを推奨します。

悲しくも強い少女たちの物語は、1クール分ぐらいのアニメを見ているようでとても引き込まれます。
仕草やアイテムの説明文・MAPのイラストなどがまたかわいらしく、世界観との温度差から胸にぐっとくるものがあります。
強くおすすめ。