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Posted: Mar 22, 2015 @ 11:31am

Early Access Review
終末医療、死に向き合い生きるを知る

総評
物語を通して自分の「これから」を考える、これぞノベルゲーム
  • 無料でプレイ可能、完全日本語対応
  • ドラマチックで劇的な展開はなく、ただ淡々と死へと向き合う物語
  • 淡泊なビジュアルにむしろ雰囲気を添えるゲーム内音楽

終末医療、ただ生命の尽きる場所――ホスピス。
ゲームを終えた時、自らのこれからの生き方を考えざるを得ない物語。


目的も未来さえも持たない彼らはただ病院を逃げ出す

知ることは死ぬこと、とはよく言ったものでありまさにこの作品でそれを感じる。

病院で死ぬのかそれとも自宅で死ぬのか、そのどちらも拒み逃げ出した主人公とヒロイン。
未来のない二人が「死」というものに向き合い、プレイヤーにすら向き合わせる。

人間とはこう生きるものだ、などといったメッセージの押しつけではない。
ただ彼らの選択を見届け自身であればどのような選択をするだろうかと問いかける。

無意識に考えることを避けてきた「いつかは死ぬ」ということに対して、
彼らの選択を見たことで無関心ではいられない。答えはない。

感動という感動を呼ぶ作品ではないが、ノベルゲームの一つの到達点だろう。


ビジュアルとサウンド、操作性

ビジュアルに関して、ほぼ全編を通して淡泊な背景と文字が描かれるだけで
「ビジュアルノベル」としての作品を求めているのならば注意したい。

サウンドは素晴しく、BGMは物語に寄り添う良き見届け人となっている。
ぜひサウンドトラックで静かで優しさのある曲を聴いてみて欲しい。

古臭く荒削りなユーザーインターフェースは確かに現在では不親切だ。
最近のヴィジュアルノベル作品であればついているだろう機能はほとんどない。
UIの古臭さがむしろ淡泊さの演出に一役買っていると言えなくないが、
最低限の機能がついているのみで、操作性は悪い。


プレイするべきか否か

物語を見届けた際の読後感、虚脱感。
胸の奥深くに確かに刻まれるような感慨をぜひ感じて欲しい。

俗に言う「萌えイラスト」を苦手に感じる人もいるだろうが
それらが登場する機会はゲーム中ほとんどなく、
純粋にこの作品のテーマが気になった人には是非ともお勧めしたい。

本作はノベルゲームが到達する一つのゴールを示した作品だ。
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2 Comments
TEX Mar 23, 2015 @ 4:38am 
これはいいレビューですね。リストに載ってたままだったんで、これを期に崩してみたいと思いました。次回のレビューも楽しみにしています。
Helmi Mar 22, 2015 @ 5:40pm 
ちょっと読んでみます。