Mount & Blade II: Bannerlord

Mount & Blade II: Bannerlord

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Callum Nov 14, 2018 @ 8:52am
Dev Blog 08/11/18 [JA]
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カルラディア戦士の諸君、ごきげんよう!

中世において城や要塞は居住施設としてだけでなく、強力で防衛のしやすい軍事行動の道具としても使われ、そのため重要な地域や交易路を守る要衝に配置されました。 一方、村とは人口密集地です。人々が暮らし、一日中畑で働いたり、家畜の面倒を見たりした後に寝る場所でした。町は以上 2 つの場所の一種の中間点であると同時に、それらとは全く異なる、複合的な場所でもありました。防衛のための防壁と多くの人口を擁していると同時に、単なる居住と防衛のための施設ではありませんでした。むしろ王国がその力を築くのは町であるといっても過言ではないほど、非常に重要な存在でした。職人たちが原材料から高品質な物品を造り、商人たちがそれらを財力へと変えました。町には法廷が置かれ、政治、謀略、そして企みが行われるあらゆる世界の中枢と頭脳として機能していました。

Mount & Blade II: Bannerlord における町は、現実世界のものと非常によく似ている存在として描かれます。ここでは産業品が生産され、より良質な兵士を訓練する事ができ、商業を盛り上げ、有力な NPC が取引をおこない、さらに犯罪も横行します。町のシーンを作り上げるにあたり、この在り方をレベルデザイナーは反映しようとします。

以前のブログでも、町とある程度の共通点(防壁の強化、包囲戦の可能性など)を持つ城のマップデザインへのアプローチについてお話ししました。しかし町のデザインはやり方が大きく異なります。

町のレイアウトをデザインしていく時、プレイヤーが探しているものを感覚的に見つけられるように、見て認識しやすい区画に分けます。尚、レベルデザインに関しては柔軟性を維持したいので、これも暗黙の了解というほど厳格なものではありませんが、どのシーンにも似たようなデザインの原則が見て取れます。
  • 市場 - 多くの品物がここで交易されます。光り輝く新品の兜、戦場へ向かうための物資、あるいは自馬の馬鎧を探しているなら、まず当たるのが市場になります。市場には地元の鍛冶屋もおり、独自の近接武器の設計・作成をおこなうことが可能です。
  • 貧民街と裏路地 - 密輸屋やならず者が違法な手段で金を稼ぐ危険な場所であり、街の資源や税収を低下させます。
  • - 町の貴族や指導者(および囚人)が居る場所です。プレイヤーもいつか、こういった場所を我が家と呼べる日が来るかもしれません。
  • 軍用区 - ここには町の衛兵および防衛隊が集結しており、兵士らが訓練を受けることができます。またここには町の物資の貯蔵場所でもあり、不測の事態(防衛戦の最中など)に使われます。
  • 酒場 - ここでは冒険者や酔っ払いがミードを呑みながらお互いに話を交わします。中にはただの厄介者や、適切な金額で戦ってくれる傭兵もおり、稀にあなたの野望に付き従って目標達成に力を貸してくれる仲間を見つけることもできます。

ゲームプレイ
しかし町の見た目や本物らしさをどれだけ作り上げても、これがプレイヤーの皆様にとっては征服と破壊の旅から一歩離れてしまう要素であることは私達の方でも理解しています。さまざまな冒険の合間の休息を求める方々のために、探索することで発見できる様々なディテールを町中に加えました。しかしお急ぎの方のためには、プレイヤーが楽できるように役割に合わせた NPC をまとめ、彼らとやり取りできるようにしてあります。また町に足を踏み入れるなんて事はイヤだ、という方には町の全機能にキャンペーンマップ上からアクセスできる集落メニューが用意されています(ただし没入感に関係する機能は除く)。

また町シーンのデザインに関して大きな役割を担っているのが、包囲戦です。これには技術的・ゲームプレイ上の制限を生み出すと同時に、一種のチャンスも生み出します。町の門周辺の小道や建物は、包囲戦時のゲームプレイに多様性を与えてくれますが、複雑な紋様を備えた無数の陶器の置かれた店舗がある場合、パフォーマンス的な問題が発生してしまいます。その解決策として用いたのが、シーンに「包囲戦状態」を用意しておくことでした。尚、これはシーンエディタで簡単に設定可能になっています。プレイヤーが包囲を受けている町に展開すると、町中の通りはほぼ無人です。市場は閉鎖され、彩り溢れる良質な品々も無くなり、、店の戸はいずれもしっかりと閉ざされ、通りには防衛を助けるためのバリケードが築かれます。

この手法を取ることで没入感を生み出し、戦闘シーンから不要な要素を取り除くことでパフォーマンスへの負荷を軽減するだけでなく、デザインに柔軟性を与えてくれたりもします。包囲戦のゲームプレイに関係しない道をバリケードで閉ざすことで、不要な複雑さを取り除き、また攻防側の一方にあまりに有利に働いてしまう近道なども排除し、有事以外であればどこか変に思えてしまうボトルネックの発生を防ぎます。

町シーン全般の原則として、本物らしさと臨場感を与えつつ、ゲームプレイにも役立つようなデザインを意識して作っています。プレイヤーの皆さんには、プレイヤーキャラもしくはメニューなどの UI 要素を使ってこの世界を楽に移動し、そのサンドボックスをプレイヤー自身の楽しみ方で体験していただきたいと私達は考えています。


来週はアニメーター兼モーションキャプチャー担当アーティストの Abdullah Nakipoğlu にお話を聞きます。訊きたい質問がありましたらコメント欄までメッセージをお寄せください。いただいたコメントの中から、ブログで答えてもらう質問を一つ選ばせていただきます!


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